~ 第102話 †暫しの平和† ~
【1年】という短いながら、とても重要な時間を各諸侯達はもらった
領地内を安定させ、次の為の準備期間としては短い
しかし、それでも来たるべく戦いの為に・・・群雄割拠という時代が来るのを
時代を担う者達はすでにその匂いを嗅ぎとっていた
そんな中、一つの噂が各諸侯達に驚きと戸惑いをもたらした
涼州の雄、馬騰(ばとう)が病気で倒れたという
何でも流行り病にかかったとか、西の蛮族達の毒矢を受けてなど色々な噂が飛び交った
そんな話を一人の人物は特に胸を痛めていた
「桂花(けいふぁ:荀彧真名)
この内容に間違いはないのね?」
「はっ・・・華琳(かりん:曹操真名)様
何度も精査した結果、間違いは無いかと」
「そう・・・天はどこまでも私を満足させてもらえないのね」
「華琳様・・・」
「こちらで薬を作りなさい、もしくは街で噂の名医華陀(かだ)を見つけなさい」
「それが・・・治療を拒んでるようで
『俺は好き勝手に生きた、ならばこれが天命ってやつだ
それに、時代はもう俺を必要としていねぇ、若いモンに託すわ』
と言ってるようです」
「どこまでも英傑は英傑なのね、面白いじゃない
桂花!麗羽(れいは:袁紹真名)がこの先どう動くか分かるはずよ
私達はまだ力が足りない、その為にこの一年無駄にできないわよ!」
「御意!」
乱世の奸雄(かんゆう)曹操(そうそう)の覇道はまだ始まったばかりである
初めて領地を運営する劉備(りゅうび)一行には苦難の連続であった
彼女達の名声を聞き集まるもの、彼女の理想に夢を見る者達が集まり
やがて、肥大していく
特に近くの大きな都市でもある南陽(なんよう)の酷い税などもあり難民が次々に彼女達の元へ集まる
民が増える事で出来る事も増えるが、資金繰りが大変で軍師達の頭は痛くなりばかりであった
「ふぅ・・・町の区画整理はどうなってるんだ朱里(しゅり:諸葛亮真名)」
「え~っとですねー・・・商品を扱う場所が足りなかったりしてますね
かといって、無理やり広げる為には一度更地にしないと難しいです」
「それじゃ早めに専用の場所を作る必要があるか・・・資金の方は足りそうか賈ク?」
「もうっ!そっちにも費用回したら、今度は治水に・・・でも、そうなると人手が」
「それなら、手の空いてる女性や子供にも一緒に参加してもらったらどうだ?
何人かで一緒に組ませて、給金もお金じゃなくて食料とか任意制にしてさ」
「う~ん・・・悔しいけどそういう手で行く方がいいわね、天の知識が本当に恨めしいわ」
「知識位しか俺にはないからね、開拓については兵士の人達の鍛錬ついでにしてもらおうか
ついでに、農民の中から一緒に兵として訓練させてね
普段は農民でいいけど、いざっていう時は兵として頑張ってもらう為に
まぁ自衛もできるから治安にもいいかなと思うけど・・・
あ、治安といえば警邏隊はどうなってるの雛里(ひなり:龐統真名)」
「は、はい!そちらの方は一般から募集しているのですが中々・・・」
「なるほど・・・ある程度年配の経験者か、怪我をして第一線で活躍できない兵の人達とかいない?」
「そうですね、そういった方達でしたら職につけずにあぶれてます」
「最初の方は新米の兵達と一緒にそういう人たちを組ませていこうか
新兵達が慣れたら任意で警邏隊のままか兵としてやるか任せよう」
「はいです!」
「ほえ~・・・ご主人様すごいね~」
「桃香(とうか:劉備真名)・・・なんだよ一体」
「ううん、やっぱりご主人様はすごいな~って惚れ直してた所!」
「はいはい、分かったから俺達のハンコ押しさっさと終わらせて一緒に飯行くんだろ?」
「あっ!そうだった!!早く終わらせない・・・あわわわわわ」
「落ち着けって桃香・・・ったく」
劉備が居る所には花が咲いたように皆笑顔になる、小さいながらもここには彼女の理想があった
未だに袁術(えんじゅつ)の客将を務める孫策(そんさく)達
しかし、彼女達の元にとある人物がやってきてからそれは少しずつ変わっていく
「それで袁術ちゃん、私達に用ってなにかしら?」
「ひ、ひぅ!?そそそそそ、それはじゃな」
「まぁまぁ孫策さん、ウチのお嬢様をそんなに睨まないでくださいね
お~よしよし、お嬢様・・・鬼さんは怒ってないですから落ち着いてくださいね~」
「ほ、ほんとかや?」
「はぁ~・・・怒ってないからさっさと呼び出した用事を言って頂戴」
「う、うむ、お主達にも妾の新しい将を紹介するぞよ!
紀霊入ってたもれ!!」
その男の容姿はどこにでもいそうな平凡な男
服にはシワがいたるところにあり、どこかくたびれた感じ
髪の毛も無造作に伸ばしてるせいか前髪で顔は隠れてるし寝癖だらけ
身長はスラっとしているのだが全体的に覇気が無く頼りない、これが孫策の第一印象だった
「あ~今度からえん「美羽(みう:袁術真名)じゃ!」美羽様の警護係兼軍部を預かる紀霊です
適当によろしくお願いしますね」
この男がきてから、彼女たちは劇的に変わっていった
特に周瑜(しゅうゆ)の負担が大きく減り、ご機嫌になるほどだった
ただ気になる事が一つ・・・紀霊の周囲を探っても何故か邪魔が入りよく分からないのである
周泰(しゅうたい)が彼の周りを探ると必ず猫が邪魔しにきて彼女の仕事にならない
甘寧(かんねい)が彼の周りを探ろうとしても必ず主君である孫権(そんけん)護衛などの
賊退治が入り、思うように動けないのであった
それなのに何故か周瑜の機嫌はすこぶるいいのだ・・・孫策が聞いても
「冥琳(めいりん:周瑜真名)何かあった?」
「いいや?特に普段と変わらんぞ」
「機嫌すごくよさそうね?」
「そうか?仕事が捗っているからだろうな」
「あの鈍臭い男がきてから、特に機嫌いいような気がするけど?」
「あんな大量に仕事を押し付ける、仕事のできない無能男がか?馬鹿をいうな気味が悪い」
「なら・・・いいんだけど・・・」
こんな感じでのらりくらりとしていて、よく分からない
孫策が一度、手合わせをした時も一合打ち合っただけで勝負があったりする
其の辺の男達よりかは強い・・・が私達ほど強くはない
それに、彼女が最も得意としている勘も彼には何故か上手く作動しない
今日も彼女は首をかしげながら仕事をサボる、それでも孫家の夢は一歩ずつ前進している
今はまだ平穏な日々を・・・
~あとがきっぽいもの~
遅くなりすいません!
身体の疲れが取れにくい歳になったせいか、一度寝ると中々起きれないorz
今回の話はどっちかというと雪蓮(しぇれん:孫策真名)サイドがメインに近いです
各陣営の様子をちょこっとだけ書かせてもらってます
あと少しだけ閑話を挟んで、群雄割拠編に移りたいと思います
炭酸水を飲み始めて、ゲップがよく出る駄文ですが次回も宜しくお願いしますm(_ _)m
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この物語はオリ主メインの外史です
視点は基本オリ主となっています
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