No.631632

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 61

前回、イエティンモスに窮地に追い込まれた凪達救ったのは結城丈二が変身したライダーマンであった。ライダーマンは戦闘員を蹴散らすも不完全な改造人間であるが故にイエティンモスに苦戦することになる。そこに一号ライダーが現れ、彼は一号と協力してイエティンモスを撃退。凪達の救出に成功するのであった。

2013-10-27 00:10:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1556   閲覧ユーザー数:1536

イエティンモス 死の吹雪作戦 Dパート

 

 

その頃、ゲルショッカー曹魏支部では

 

地獄大使

「馬鹿モノッ!♯」

 

(ビシッ!)

 

地獄大使

「馬鹿モノッ!♯」

 

(ビシッ!)

 

地獄大使によってイエティンモスは折檻を受けていた。

 

地獄大使

「悪魔の装置を破壊してしまうとは何事だっ!♯ 予備の装置が

なかったら貴様はとっくに死刑になっていたぞっ!」

 

イエティンモス

「申し訳ございません地獄大使・・・あの正体不明の仮面ライダー

さえ現れなければこんな事には・・・・」

 

地獄大使

「正体不明の仮面ライダーだと?」

 

イエティンモス

「そうです・・・おいっ!」

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギイッ!」

 

戦闘員はイエティンモスの合図を受け、あの時の戦闘時の映像を

 

スクリーンに映した。

 

地獄大使

「何だこいつは? ワシも知らぬライダーだ・・・」

 

イエティンモス

「地獄大使もご存じではないのですか?」

 

地獄大使

「ああ知らん・・・三国時代支部本部にこの映像を送れ 暗黒魔術師と

左慈なら何か知っておるやもしれん・・・」

 

イエティンモス

「はっ!」

 

イエティンモスは地獄大使の命令を受け、本部にこの映像を送信した。

 

数分後

 

ゲルショッカー戦闘員

「本部の暗黒魔術師様より通信が入りました」

 

地獄大使

「繋げ・・・・」

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギイッ!」

 

戦闘員はすぐに通信を繋ぎはじめるとスクリーンに暗黒魔術師と左慈

 

が映った。

 

暗黒魔術師

「お待たせしました地獄大使殿」

 

地獄大使

「ずいぶん早い返事だな すると貴様は奴が何者なのか

知っておるのだな?」

 

暗黒魔術師

「お察し早くて助かります しかし貴方からあんな映像が送られてきて

我々も驚いていますよ」

 

左慈

「ああっ・・・・・なんであいつがあそこにいるんだ?」

 

地獄大使

「奴は何者なんだ?」

 

暗黒魔術師

「彼の名はライダーマン 変身しているのは結城丈二という

優秀な科学者です」

 

地獄大使

「優秀な科学者だと?」

 

左慈

「ああっ・・・・奴は以前あんた等大幹部を復活させたデストロンに

所属していた科学者だ それが裏切ってライダーになったのさ V3とも

共闘した事があるらしいぜ」

 

暗黒魔術師達は、ゲルショッカーに所属する以前、「正義の系譜」事件で

 

邪眼が倒された後、それぞれの時代の仮面ライダーの事を独自に調査しており

 

偶然ライダーマンの事を知っていたのである。

 

大幹部たちは邪眼により復活する前、デストロンの手により復活し、仮面ライダー

 

V3とも戦った事もあるのである。

 

地獄大使

「何っ!? 未来でワシ等を復活させたデストロンに与していた元科学者だと!?

しかもあのV3とも共闘した!? そんな奴が何故こんな世界におるのだ!?」

 

左慈

「俺達も知らねえよ だが戦闘力に関してはダブルライダー以上に警戒する必要はねえぜ」

 

地獄大使

「どういう意味だ!?」

 

左慈

「イエティンモス てめえはその理由をよく理解しているだろ?」

 

イエティンモス

「はいっ左慈様・・・・地獄大使・・・・奴はそれほど警戒する必要は

ないかと」

 

地獄大使

「何故だ?」

 

イエティンモス

「奴は完全な改造人間ではありません 奴は恐らく強化服を身にまとっているもの

だと思います」

 

地獄大使

「そうか・・・・」

 

暗黒魔術師

「しかし、彼は科学者としてはデストロンでも高く評価されているので

侮ってはいけませんよ」

 

地獄大使

「分かっておる」

 

左慈

「じゃあ後は任せたぜ・・・・あんた等の役目はダブルライダーと他の連中の

気をそらす事だからな」

 

左慈がそういった後そこで通信が切れる。

 

地獄大使

「とにかく現段階ではライダーマンをそれほど危険視する必要はない事が

分かった イエティンモス 敗北の件はワシの権限で不問に処す

今度こそ『死の吹雪作戦』を成功させるのだ!」

 

イエティンモス

「はっ!」

 

地獄大使

「待てよ・・・・もっといい事を思いついたぞ ワハハハハハハッ!」

 

イエティンモス

「?」

 

その頃、曹魏では凪達を救出した本郷猛は一文字隼人と共に結城丈二

 

と話す為、酒屋で食事をしていた。

 

そうしたのは結城丈二が華琳には自分がライダーマンである事をまだ秘密に

 

してほしいと二人に頼んだからだ。

 

凪達も現段階では華琳に報告はするべきではないと判断し今は医者の治療を

 

受けていた。

 

そして食事をしている時一文字がこう聞く。

 

一文字隼人

「改めて聞くが君が結城丈二君だね?」

 

結城丈二

「はい、そうです。 貴方が風見が言っていた一文字隼人さんですね?

なるほど・・・・優しそうな眼をしておりますね」

 

一文字隼人

「んっ? 風見? 誰だそれは?」

 

本郷猛

「一文字・・・・風見とは城南大学での俺の後輩で俺並に成績優秀、スポーツが得意で、器械体操では「マットの白い豹」という異名で呼ばれていたんだ」

 

一文字隼人

「そんな凄い奴がお前の後輩なのか?」

 

本郷猛

「ああっそうだ・・・ところで結城君 単刀直入に聞くが君はこの世界の

人間ではないな?」

 

結城丈二

「そうです・・・・俺はこの世界の人間ではありません 貴方達と同じ世界

正確には貴方達がゲルショッカーと戦っている時代から二年先の未来からきました」

 

一文字隼人

「俺達より二年先の未来っ!? そんな世界から来たのか」

 

本郷猛

「そんな君が何故こんな世界にいるんだ」

 

結城丈二

「はい・・・あれは一年前の事でした」

 

結城丈二は二人にこう説明する。

 

自分はゲルショッカーが壊滅した後に出現した悪の秘密結社デストロン

 

の元科学者であった事。

 

デストロンでは将来の大幹部といわれるほど期待されていたが

 

自身の地位が揺らぐ事を恐れた卑劣な大幹部ヨロイ元帥に裏切りの

 

濡れ衣を着せられ、処刑されかけたこと。

 

その際に右腕を失い、部下と共に脱出し開発していたカセットアーム

 

を移植し、何とか一命を取り留めた事。

 

その後、部下達がヨロイ元帥の差し金の怪人に殺された事。

 

その後は、ライダーマンに変身できるようになりヨロイ元帥に復讐する為

 

の復讐鬼と化した事。

 

しかし、仮面ライダーV3こと風見志郎と何度も激突していくうちに

 

自身の心に変化が現れた事。

 

そして、自分がデストロンに騙されていた事を知った事。

 

その事実が信じられず最後の最後まで恩人でもあるデストロン首領の事を

 

信じようとしたが、裏切られた事。

 

その事で、目が覚め『仮面ライダー』としてデストロンと戦う事を誓った事。

 

デストロンの最大の作戦でもある東京を壊滅させるプルトンロケットの発射を

 

阻止するため、ロケットの操縦席に乗り込み、手榴弾を投げ込んだ事を説明する。

 

プルトンロケット操縦席

 

ライダーマンはプルトンロケットを破壊する為手榴弾を投げる体制になる。

 

ライダーマン

「ライダーマン、結城丈二の最後を見よ!」

 

ライダーマンはそういうと手榴弾を投げ込んだ。

 

(ドガアアアアアアアアアアアアアンッ!!)

 

ロケットは、爆発し東京への発射は阻止された。

 

ライダーマン

「やったぞ・・・・・V3 後は任せたぞ」

 

それと同時にライダーマンは自分も死ぬ。

 

そう思い、瞳を閉じようとしたその瞬間

 

(グオオオオオオオオオオオッ!)

 

ライダーマン

「何っ!? うわああああああああああああああっ!!」

 

突如背後に、ブラックホールの様な黒い穴が現れ、もの凄い力で

 

引っ張られ穴に吸い込まれた事。

 

その時に彼はV3から「仮面ライダー四号」の名を与えられたのであった。

 

数分後

 

結城丈二

「うっううううう・・・・・」

 

意識を取り戻した彼は目を覚ます。

 

気がつくとそこは何もない荒野であった。

 

結城丈二

「こ、ここはどこだ? 俺は生きているのか? はっ!? ない」

 

結城丈二はいつの間にか変身が解けている事に気づき、慌ててライダーマンの

 

マスクを探すも

 

結城丈二

「っ!! な、なんて事だ!」

 

無残にもマスクは壊れており、とてもライダーマンに変身できる状態ではなかった。

 

マスクは壊れているのに自分は無事であるのが不思議なくらいであった。

 

結城丈二

「とにかく、ここはどこなのかを調べなくては・・・」

 

結城はそういうと壊れたマスクを持って、荒野を歩き始める。

 

そして、しばらく歩いていると遠方に人影が見えたので

 

結城丈二

「人がいる・・・・・ここがどこなのかを聞いてみないと

お~いっ! すみませ~んっ!」

 

するとその人影は結城の声に反応するかのごとく、いきなり

 

こっちに向かってきた。

 

結城丈二

「な、何だっ!? デストロン並みの物凄い殺気を感じる」

 

結城はただならぬ気配を感じ取り身構えた。

 

そうした行動をしたのは戦士の勘からであった。

 

そして、いきなり1人の男が斬りつけようとしたため

 

結城はそれをかわす。

 

結城丈二

「はっ!」

 

山賊C

「ちっ! 避けられた!」

 

結城丈二

「お前らっ! いきなり何のつもりだ!」

 

山賊A

「へへへっ・・・・・飛んで火にいる夏の虫だな 俺達が山賊とも知らずに

呼びかけるなんてよ」

 

結城丈二

「はっ? 山賊? 貴様らはデストロンの一味なのか?」

 

山賊D

「で・す・と・ろ・ん? そんな山賊聞いた事ねえぞ まあ、いいや

命が惜しかったら金目の物を出しなっ!」

 

結城丈二はある男の言葉で理解した。

 

こいつらはデストロンではない。

 

何故ならデストロンが命と引き換えに金を要求するわけがないのだ。

 

結城丈二

「金か・・・どうやらデストロンとは関係ないようだな・・・だが、

あいにくだが俺は金はもっていない」

 

山賊A

「何っ!? 金がねえだとっ!? ならしょうがねえっ! てめえの命を

もらうぜ!」

 

1人の山賊がそう言って結城に剣を振り下ろそうとしたが

 

結城丈二

「はあっ!」

 

(ドガッ!)

 

山賊A

「ぐえっ!?」

 

攻撃をかわされ、結城に蹴りを入れられた。

 

結城丈二

「デストロンの戦闘員に比べたらたいしたことない」

 

山賊C

「やろうっ! なめやがって!」

 

仲間を牽制された山賊はキレて、結城に斬りかかるが

 

戦う事に関しては素人同然の山賊では科学者であり戦士でもある結城の相手に

 

なるわけがなかった。

 

結城丈二

「はっ!」

 

(バキッ!)

 

山賊C

「えっ? ぎゃあっ!?」

 

右手で殴られたのだからかなりのダメージになった。

 

しかし、山賊はそれ以上にある事に驚いていた。

 

それは・・・・

 

山賊B

「う、嘘だろ? 剣を素手で殴り折った!?」

 

そう、山賊のもっていた剣は結城によって殴り折られたのである。

 

普通ならありえないことなのだ。

 

山賊A

「て、てめえっ! 一体何者だ!」

 

結城丈二

「何者か・・・・・俺は何者でもない 

ただの一人の人間だ ・・・・ウッ!?」

 

結城はそういうと突然膝まづいてしまう。

 

どうやらプルトンロケットを破壊した時に怪我をしたようである。

 

その傷が今頃痛み出したのだ。

 

結城丈二

「(し、しまった! 今頃傷の痛みが・・・・)」

 

山賊D

「どうやらこいつ怪我してるみてえだぜっ!」

 

山賊A

「ようし・・・・やろうどもっ! やっちまえ!」

 

山賊

「オオっ!」

 

山賊Aの合図で山賊達は一斉に結城に向かっていった。

 

結城丈二

「くっ!? ここまでかっ!?」

 

結城は思わず目をつぶる。

 

怪我を負っていて、しかもライダーマンに変身できないのでは

 

まず助からないだろう。

 

しかし、これは自分に与えられた罰なのかもしれない。

 

デストロンに与し、間接的に人々の命を奪うような研究に積極的に

 

協力していたのだから・・・・・

 

そう思い、抵抗を諦めてたその時

 

??

「待て待て~~~~いっ!」

 

突然山賊達の後ろから少女の声がしたと思ったらその後方から、

 

物凄い勢いでこっちに向かってきていた少女達がいた。

 

しかも、その後方には彼女達の兵士と思われる者が数千はいたのだ。

 

春蘭

「貴様らああああああっ!♯ よってたかって1人の人間に

集団で攻めるとは何事かっ! 曹操様の右腕、この夏候惇が

成敗してくれる!」

 

山賊A

「げえっ!? 曹操の軍勢だ!」

 

結城丈二

「曹・・・・・操・・・?」

 

山賊B

「最近、あちらこちらで山賊狩りをして人々の人望を集めているって聞いたが

とうとうここまで来たのか!」

 

山賊C

「と、とにかく逃げるぜ! あの数じゃ勝ち目がねえっ! しかも先頭にいるのは

猪武者の馬鹿夏候惇だっ!」

 

(ブチッ!)

 

しかし、その山賊の余計なひと言は地獄耳でもある春蘭の耳に入ってしまい

 

(シュッ!)

 

何と春蘭はいきなり姿を消してしまう。

 

山賊C

「き、消えたっ!?」

 

そしていきなり賊達の目の前に現れた。

 

山賊A

「はっ!? 早い!?」

 

春蘭

「誰が・・・・・」

 

山賊B

「んっ?」

 

春蘭

「だ~れが超大馬鹿ハゲ夏候惇だあああああああああああっ!?♯」

 

(ドゴオオオオオオオンッ!)

 

猪武者ならまだしも、馬鹿やハゲと呼ばれる事だけは我慢できない春蘭の

 

七星餓狼の強力な一振りで賊達は遥か彼方へと吹っ飛ばされてしまう

 

山賊C

「ぎゃあああああああああっ!? 

そこまで言ってねえええええっ!?」

 

山賊B

「てめえが余計な事言うからだろおおおっ!?」

 

賊たちは吹っ飛ばされながら、言い争いやがてその姿は

 

見えなくなってしまう。

 

秋蘭

「やれやれ・・・愚かな賊達だ・・・姉者に禁句をいうなんて」

 

華琳

「フフフ・・・・これなら春蘭1人でも良かったのかしら」

 

春蘭の様子を後ろで見ていた華琳たちは唖然としていた。

 

華琳

「とにかく今はあの男を救出するわよ。見たところ怪我してるみたいだし・・・」

 

秋蘭

「御意」

 

こうして結城丈二は危ういところを華琳達(正確には春蘭)に救出され、九死に一生

 

を得たのである。

 

本郷猛

「・・・・・・・・そういうわけだったのか」

 

一文字隼人

「君も随分大変だったんだな」

 

 

結城丈二

「はいっ・・・華琳様達に救出された後、俺は治療を受け、見慣れない格好を

していたという事で華琳様達に事情聴取をされることになりました。俺はライダ

ーマンである事とデストロンの事以外を華琳様達に話し、その後でこの世界が別

の世界の三国時代であることと、真名という概念がある事を知ったのです」

 

本郷猛

「・・・それは良かったな もし華琳達の真名を知らずに呼んだら、恐らく

処刑されていただろう」

 

結城丈二

「ええっ・・・危うく真名を呼びかけましたが、秋蘭様が先に真名についてを

説明してくれたので・・・」

 

一文字隼人

「君が彼女達から真名を預けられたきっかけは?

やはり未来について話した事か」

 

結城丈二

「そうです。その話をしたら華琳様は大変興味を持たれ、行くあてのなかった

俺を引き取ってくれたのです。真名を預けられた俺は華琳様に恩を返す為、警羅隊隊長兼技術者として魏に貢献する事になりました。そして俺の技術は曹魏の発展に大きく貢献することとなり、最初は俺に厳しかった春蘭様も桂花さんも少しずつ、俺を受け入れるようになりました」

 

一文字隼人

「そうか・・・」

 

結城丈二

「技術者として曹魏に貢献していた時、俺の世界では壊滅したはずのゲルショッカー

がこの大陸を征服しようとしている事と、本郷猛さんが『天の御遣い』として戦っている事を聞いた俺はゲルショッカーの脅威に対抗するため、ライダーマンのマスクの修理を極秘で行っていました。しかし、技術が不足していた為修理はかなりの時間を費やす事となったのです」

 

 

本郷猛

「なるほど・・・・ライダーとしての力を取り戻すのに時間がかかったのか

ところで結城君 聞きたい事がある」

 

結城丈二

「何ですか本郷さん?」

 

本郷猛

「風見についてだ あいつは何故仮面ライダーになったんだ?」

 

結城丈二

「・・・・・・・」

 

結城は黙ってしまう。

 

結城は風見から彼がライダーになった経緯を聞いていたので

 

ここでダブルライダーにその事を言えば、もしかしたら風見の

 

家族は死なずにすむかもしれない。

 

しかし、それでは仮面ライダーV3はいなかった事になる恐れも

 

あったのだ。

 

結城丈二

「・・・・申し訳ありませんが、俺からはそれだけは言うことはできません

過去の貴方達に未来で起こった事を話せば、事実が変わる恐れがあります

デストロンから世界を守る為にも、あいつは仮面ライダーでなければなら

ないのです」

 

本郷猛

「そうか なら聞くのは止めておく」

 

結城丈二

「理解していただきありがとうございます」

 

一文字隼人

「それより問題は本郷がいっていたイエティンモスだ 悪魔の装置は

破壊したそうだが、奴らはまだ何か仕掛けてくるかも知れねえぞ」

 

本郷猛

「それは俺も考えていた イエティンモスはダブルライダーでなければ

倒せない 奴はタルボナイト並に強い」

 

結城丈二

「今回は俺も協力しますよ先輩達 ライダーマンとしての力が戻った以上

もう黙ってみている事はできません」

 

一文字隼人

「それは心強い なら今度はダブルライダーではなくトリプルライダー

だな」

 

本郷猛

「ああっ・・・三人で力を合わせて、ゲルショッカーの作戦を潰そう!」

 

結城丈二

「はいっ!」

 

一文字隼人

「おおっ!」

 

三人はそういうとテーブルに手を合わせ、ゲルショッカーと戦う決意を固めるのであった。

 

一方、華琳達のいる城では

 

華琳

「死の吹雪作戦? それが今回のゲルショッカーがやろうと

していたことなの?」

 

華琳からそう尋ねられ、治療を追え、体に包帯を巻いた凪達は

 

こう答える。

 

「はいっ・・・・奴らは『悪魔の装置』という未知の兵器を使用し

この曹魏に意図的に北方からの寒波を流しこもうとしたんです」

 

真桜

「事前に発見できひんかったら大変なことになってましたでえ」

 

沙和

「でも、沙和達だけじゃ戦闘員を半分にするだけで精一杯だったの~」

 

「本郷殿と隊長が救援に来て下さらなかったら、我らはもう死んでい

たでしょう」

 

秋蘭

「なんてことだ 奴らは自然の力すら操る事ができるのか?」

 

春蘭

「華琳様・・・・今回奴らの恐るべき作戦が分かった以上、

曹魏誕生祭を中止し、民達を安全な場所に避難させるべきでは?」

 

華琳

「曹魏誕生祭を中止? その理由を春蘭、貴方は民達にどう説明するきなの?」

 

春蘭

「それはもちろん、ゲルショッカーという悪がこの国を滅ぼそうと

していると・・・・」

 

桂花

「アンタ馬鹿?」

 

春蘭

「なっ!? どういう意味だ?」

 

桂花

「ここでゲルショッカーの事を民達に話してもあんな訳の分からない奴らの

存在なんか誰も信じないわよ」

 

春蘭

「うぐっ・・・そ、それはそうだが・・・・」

 

春蘭は桂花の言う事には一理あると思った。

 

世界征服だの、改造人間だの その様な事は実際に被害にあった

 

者でなければ信じる事はできないだろう。

 

秋蘭

「仮にだ姉者・・・・我らがゲルショッカーの事を話して、民達が

信じたらどうなると思う?」

 

春蘭

「えっ? どうなるって?」

 

「分からないんですか~? 春蘭様~ 民達がゲルショッカーの恐ろしさを

信じたら、常に不安な日常を与える事になるんですよ~」

 

春蘭

「ええっ!?」

 

「そうです・・・常に影から狙われていると思ったら、安心して働く事も

日常の生活を送ることもできなくなります。そして民達の間に疑心暗鬼が

生じ、一瞬でも怪しいと思った者をゲルショッカーと思いこみ恐怖のあまり

何をするか分かりません そうなれば、国を出ていく者も現れるでしょう

それにこの大陸全土が奴らに狙われているのにどこに安全な場所があるんですか?」

 

春蘭

「うぐっ・・・・・どこにもないな」

 

「トンちゃん・・・・・民思いなのはええ事やけど・・・・

奴らから民全てを守るなんて簡単な事やないんやで

ウチかて、ゴキブリカビから月と詠を救う事はできひん

かったし・・・・まあ、二人が無事やと聞いてるからええけどな」

 

華琳

「とにかく春蘭、理解した? その存在を知っただけでも

ゲルショッカーは民達には脅威になるのよ 民達の平穏を守る為にも

奴らの存在は知られてはならないのよ」

 

華琳がそう言ったその時

 

????

「ワハハハハハハハハハッ!」

 

突如華琳達のいる部屋内で笑い声が響きわたる。

 

「っ!? 誰や?」

 

秋蘭

「侵入者か!?」

 

桂花

「馬鹿言いなさい ここは警備が厳重な魏の城よ

間諜でも簡単に侵入できる訳ないでしょう!」

 

華琳

「何者っ!? 姿を隠していないで出てきなさい!」

 

華琳がそういうと、柱の後ろから突如、フナムシの様な恰好を

 

した男が姿を見せる。

 

地獄大使

「ハッハッハッハッハ・・・・・さすが曹孟徳殿

ワシ等の存在を民に隠すとは賢明な判断ですな・・・・」

 

春蘭

「何者だ貴様っ!?」

 

地獄大使

「おっと・・・これは失礼しました。ハッハッハッ・・・

諸君とは一部を除いて初対面ですから知らなくて当然ですな。私の名前は地獄大使

ゲルショッカー三国時代支部大幹部の一人です。以後お見知りおきを」

 

華琳

「地獄大使っ!?」

 

華琳は聞き覚えのあるその名前に反応した。

 

華琳

「あなたがショッカーの大幹部の一人地獄大使?」

 

地獄大使

「いかにも・・・・儂が地獄大使ですぞ その様子だと我が名を知っておられたようですな 覇王であらせられる貴方が我が名を知っているとは光栄ですぞ」

 

華琳

「本郷猛から話は聞いているわ アンタがとんでもない極悪人の一人だってね」

 

地獄大使

「それはこの地獄大使には褒め言葉と同じですぞ」

 

華琳

「それに堂々と私の城に侵入して姿を見せるなんて随分と

余裕があるのね?」

 

地獄大使

「おやっ?・・・・覇王であらせられる曹操殿に対して、この地獄

それなりの礼儀を払っているつもりですがな ハッハッハッ・・・」

 

地獄大使は軽く紳士的に笑いかける。

 

秋蘭

「とにかく貴様が敵の幹部ならここで捕獲させてもらうぞ

誰があるっ!」

 

秋蘭は兵士を呼びかける。しかし・・・・

 

(シ~ン・・・・・)

 

春蘭

「へっ?」

 

季衣

「だ、誰もこない?」

 

通常ならすぐに兵士が飛んでくるのだが、なぜか来ないのだ。

 

流琉

「どうなってるの?」

 

地獄大使

「ハハハハ・・・ワシが何も考えないで城に侵入したと思ったのですかな?」

 

華琳

「どういう意味なの地獄大使?」

 

地獄大使

「曹操殿・・・・ワシは貴公らと対等に話をする為にまずは貴方の兵士達には

ちょっと眠って貰う事にしました」

 

「話やてっ!? 兵士達になにしたんや?」

 

地獄大使

「薬を嗅がせただけだ 殺しはしておらん」

 

華琳

「そこまでして地獄大使、貴方は何がしたいの?」

 

地獄大使

「実はこの地獄大使・・・・貴方にお願いがあってはるばる

やってきました。 願いが叶えば『死の吹雪作戦』を中止しても

よいのですぞ」

 

春蘭

「何っ!?」

 

桂花

「死の吹雪作戦を中止してでも聞いてほしいお願いですって?」

 

華琳

「お願い? 何よ?」

 

地獄大使

「ワシの目的はにっくき仮面ライダーを血祭りに上げる事。

その為に曹操殿。貴方には人質になってもらいたいのです」

 

春蘭

「何っ!? 貴様、華琳様を人質にしに来たのか?」

 

秋蘭

「そんな事 我らが許すと思うのか!?」

 

地獄大使

「夏候惇、夏候淵殿は黙っていただきたい! ワシは曹操殿に

聞いておるのですぞ」

 

春蘭

「ぐっ!?」

 

秋蘭

「な、何だっ!? こいつの迫力は!?」

 

春蘭、秋蘭は地獄大使から感じる覇気により体が動かなくなってしまう。

 

地獄大使

「どうですかな曹操殿?」

 

華琳

「断るわ そんな事をすればあの二人が手出しできないのは

分かりきってるわよ」

 

地獄大使

「これを見てもまだ『断る』といいきれますかな?」

 

華琳

「えっ?」

 

地獄大使はそういうと暗黒魔術師から渡された映写機を

 

壁に映して別の場所を見せた。

 

そこに映っていたのは・・・

 

「ここは張三姉妹のコンサート会場? なぜあの場所が」

 

地獄大使

「ワシ等の技術をもってすればこれくらい朝飯前ですぞ

それよりも、このコンサート会場を良く見た方がよろしいのでは

ないですかな?」

 

「何やて? それどういう・・・」

 

 

すると凪達はある事に気づく。

 

「ああっ!」

 

沙和

「あ、あれって・・・・」

 

真桜

「なんであないなところに・・・?」

 

華琳

「どうしたのよ三人とも」

 

「華琳様・・・・天井の部分をご覧になって下さい」

 

華琳

「えっ?・・・・・・っ!! な、何よあれ?」

 

華琳はコンサート会場の天井の部分にいつの間にか見た事もないしかも巨大な

 

装置がつけられていたのだ。それは・・・・

 

「悪魔の装置・・・」

 

一同

「ええっ!?」

 

地獄大使

「ハハハッ・・・・楽進殿 中々すぐれた洞察力をお持ちだ」

 

「馬鹿なっ! あれは破壊された筈・・・・」

 

地獄大使

「ゲルショッカーの技術を舐めてもらっては困る こういう時に備えて

予備を用意しておくものなのだ しかも、この装置は既にイエティンモスの

ガスを充填済みだ いつでも吹雪を起こす事ができる」

 

春蘭

「ならその会場に民を入れなければ済む・・・・」

 

地獄大使

「それ以上は言わない方が民の為ですぞ? その時はすぐに外に設置した

『悪魔の装置』を作動させ、吹雪を発生させるだけです」

 

春蘭

「くっ!」

 

春蘭はこれ以上の発言は民の命に関わると思い発言を中断した。

 

華琳

「つまり、貴方の要求を断ればそれは即時『死の吹雪作戦』の

決行を意味するのね?」

 

地獄大使

「その通りっ! つまり曹操殿 貴方には初めから断るという

選択肢はないのです 貴方が民を見捨てるわけがないと分かって

おりますからな! ワハハハハハハッ!」

 

華琳

「卑怯者・・・・本郷の言うとおり、あんた達は悪魔よ!」

 

地獄大使

「曹操殿。貴方は何か思い違いをなされておる。私が貴方のいう『とんでもない極悪人』なら卑怯卑劣な手を使うことも貴方ほどの人間なら充分想定できたはずですぞ」

 

華琳

「くっ!」

 

地獄大使

「さあ早くうんというのだっ! ワシの気はこれ以上は長くない!

それとも王の意地とやらで民の命を犠牲にするつもりか!?」

 

華琳

「うっ・・・・・」

 

華琳にとんでもない要求をしてきた地獄大使。

 

そしてその要求は断る余地はなかった。

 

助けを呼ぶこともできない状況で華琳の決断は一体っ!?

 

つづく

 

次回予告

我らの仮面ライダーを狙うゲルショッカー三国時代支部が送った次なる使者は

前回と同じくイエティンモス、そしてガラガランダが遂にダブルライダーに牙を

向く。魏の民達を守るためダブルライダー、そして仲間になったライダーマンは

協力し、ゲルショッカーに挑む。果たして我らの仮面ライダーは華琳を、そして

民を救う事ができるのか?次回『トリプルライダー対二大怪人』にご期待ください。


 
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