No.630271

魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 本幕【終わり、そして始まりの日】 第百十八話

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2013-10-21 22:46:01 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1426   閲覧ユーザー数:1393

とくに話すことがないので報告だけを。

 

小説用のツイッター垢を作成し、小説関連については主にそこで呟くことにしました。

 

一応プロフィールにもありますが、リンクをここでも載せておきますので。

 

 

http://twitter.com/tikuma_psi

 

 

それではどうぞ!!

「ようこそ、八神はやて。私の部屋に」

「…………」

 

 八神はやてはミルティオル・ベスカがいる部屋へと入ると、ミルティオルが何時もいる椅子は反転していた。

 すると突然椅子が回転してそこに座っていたのはミルティオルだった。しかしこんな事態だというのにとくに動じておらず、はやてが来ることすら予想通りだったような顔をしていた。

 

「それで、一体どんな話なんだい」

 

 話の要件なんて分かっていながらも、そのようなことを聞くミルティオルにはやては気味が悪く思ってしまうが、とにかくここに来た本来の事について話し出す。

 

「夜天の書……闇の書の事です」

「それがどうした? とっくに終わった事件だろ?」

「いえ、私が聞きたいのは夜天の書を闇の書にした原因についてです。代々続くベスカの一族ならば何か知っているのではないかと思いまして」

「……すでに、知っているのではないか?」

「え、どういうことでしょうか?」

 

 全く理解ができなかった。確かになのはの言葉を聞いてミルティオルのところで向かったが、はやてが推測したのはミルティオルならば誰が人体実験をしていたのかという事を知っているのではないかと思ったからだ。だからこそ、ミルティオルの言葉の意味が理解できていなかった。

 そんなはやてを見ていたミルティオルは本当に知っているような感じではないと気付く。しかし、どのみち逃げ場がないことはすでに分かっているため、ミルティオルはそのまま話を続けることにした。

 

「本当に知らないのだな。なのはが伝えていると思っていたのにな」

「別に、なのはちゃんは何も言っておらへんで。私が個人的にミルティオルに会いに来たという事や」

「口調が戻っている……まぁ、それは別にいっか。とりあえずここまでたどり着いたことは逆に褒めるべきなのかもしれないな」

「一体、誰が人体実験を密かで行わせていたのですか」

 

 口調が一度元に戻ったはやてだったが、すぐに口調を戻し、本当に聞きたかったことをミルティオルに聞き出す。

 そして、次にミルティオルが口に出した言葉は、はやてが思っていたこととは遥に違い、驚かされることとなる――

 

「私だよ。すべて私が行ったことだ」

「ぇ――」

「闇の書にプログラムを書き換えたのも、現在の人体実験を行ったこともすべて私がやった事だ」

「……どういう、ことや」

 

 意味が解らなかった。人体実験の事については理解できたが、闇の書のプログラムを書き換えたのもミルティオルだという言葉があまりにも理解できなかった。

 夜天の書は大規模次元震が起こる以前にプログラムを書き換えられたはずだ。それなのにもかかわらず、ミルティオルが闇の書にプログラムを書き換えたという言葉はあまりにも理解できない言葉だった。

 そんなはやての様子をみて、ミルティオルは今まで誰にも話していなかったことをはやてに話し出すのだった――

 

「ベスカ家はベスカ・アンデュリッヘの歴代からずっと記憶を受け継いでいるのだよ。すべての記憶をな」

「それがどういう……まさか、あんたらの一族はっ!!」

「そう、大規模次元震を起こさせる発端となった一族で、管理局が設立した時からずっと人体実験に加担しているんだよ!! 闇の書の一件についてはすべてベスカ・アンデュリッヘ様が行ったことだ!!」

「っ!!」

 

 ようやくなのはがずっともったいぶらせるような言い方をしていたのかという理由が、ようやく理解できた。この一族は今も昔もずっと非道な人体実験を何度も繰り返し、その実験を行うたびに何百人――いや何千人かもしれないほどの人間を実験で殺しているようなものだった。こんな一族――いや人間が今までずっと管理局に所属していて、生かしていれば何かをたくらんでいてもおかしくないような人物だった。

 闇の書の一件だけならば、まだミルティオルを生かそうとも思っただろう。しかし、何千人の命を殺したと等しいこんな人間を、はやては生かしているわけにはいかないと思い、ミルティオルに対して殺意が湧いていた。

 そんなミルティオルははやての怒りがわき出ていることに気づき、それをみて嘲笑った。

 

「ははは、怒るか。闇の書にプログラムを書き換えたからか? それとも、何千というものの人間を殺したことについてか!!」

「どっちもやぁ!! 人間を、あんたらはなんだと思っておるんや!!」

「おー怖い怖い。人間をどう思っているかって? そんなのとっくに実験材料にしか思ってないわ」

「アンタだけはこの場で殺す。生かしておくつもりなんてさらさらないっ!!!!」

 

 はやてはシュベルトクロイツ前に動かし、そしてすぐに唱え始めた。

 

「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれっ!!」

 

 はやての前にミッドチルダ式魔法陣が幾つか発生しそこから輝きだした。

 

「死ねっ、この外道野郎!! フレースヴェルグ――っ!!!!!!」

 

 魔法陣から放たれた魔法はすべてミルティオルに放たれた――

 ミルティオルはその攻撃を――何もせずそのまま受けていた――

 

「……ぇ」

 

 防御魔法すら何も使わず、はやてのフレースヴェルグをまともに受けていた。しかも、はやてはミルティオルに向けて殺傷設定に変えて攻撃を仕掛けため、あの攻撃をもろに受けたら殺されてしまうことは目に見えていた。

 ようやくはやての方からミルティオルがどうなったかというのを見えた時、ミルティオルの体からは大量の血が溢れていた。何もしてこなかった――そのことにはやては驚いた。

 

「……どうして、防がなかったんや?」

「……どのみち……私の……一族が……非道なことを……していたのは……ばれる」

「だからって……」

「それに……すでに……私の……役目は……終わ……って……る……のでな……」

「どういう――」

「こういうことだよ。はやてちゃん」

 

 はやてがミルティオルに聞こうとした直後、突然なのはの声が聞こえてきた。

 はやてはすぐに後ろに振り返ると、返り血を浴びていたなのはが立っており、その手には――殺された子供の姿があった。

 ミルティオルは意識が失う前になのはが持っている者を確認し、それが何かと分かったとき驚いた顔をしていた。

 

「ま……まさか……お前……は」

「そう、最初からあなたの子供を殺すことが目的だった。同じように人体実験を行う主導者を作らせないためにもね」

 

 そう――今回ナノハが一番の目的としていたのはミルティオル・ベスカではなく、その子供だった。

 子供に罪はないかもしれないが、子供が生きている限りベスカの記憶が受け継がれていく。それだけは阻止すべきとナノハはミルティオルが隠した子供をティルヴィング・フルアクセスブレイカーで探しだし、そのまま殺したのだ。

 これによってミルティオルの目的は完全に潰え、ベスカの一族の終わりを迎えることとなった――

 

「高……町……なのはぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「さようなら、ミルティオル・ベスカ。ベスカの罪を負いながら永遠に眠れ」

 

 その叫びを最後に、ミルティオル・ベスカは椅子から倒れ、そのまま動かなくなった――


 
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