第46剣 京都へ行こう!
和人Side
ALOでの
学校ではこの時期になると行われる定番の行事がある、それは…。
「……和人、やはり英語のこの問題は出ると予想するが…」
「そうだな。数学はここの公式が出るとして、歴史の範囲はおそらくここから……あとはこの辺だな」
そう、いまの会話で分かると思うが、学年末のテストが行われる。
現在、俺と景一はカフェテリアで明日奈や他のみんなが来るのを、
テストで出題されそうな範囲を予想して復習をしながら待っているわけだ。
まぁテストに関しては俺も景一も問題はないだろう。
ただ、俺の目標は前回のテスト同様で学年1位だ……ついでだから、また明日奈の学年のテストもやるか。
「物理はこの法則の問題は必須だと思うな」
「……あとは現代国語のこの問題も、例題として出る可能性が高いな」
意見を交わしながら勉強を進める俺達。時折、購入しておいた飲み物やお菓子などを口にする。
少しすると烈弥と刻、珪子の3人がやってきた。
それから黒猫団の5人、さらに少し遅れて肩に木綿季の居るプローブを乗せた明日奈、志郎と里香もやってきた。
「みんな、おまたせ」
『テストのことで少し長引いちゃってね』
明日奈と木綿季がそう言い、俺達は大丈夫だと伝える。
「さてと……全員が揃ったことだし、勉強会を始めるぞ。
テストまで1週間だから、そこそこまとめていかないといけないしな。気合いを入れろよ」
「「「「「おう(うん)(はい)!」」」」」
こうして俺達はテストに向けて、テストが行われるまでの1週間とテスト期間中の放課後に勉強会を行うこととなった…。
「烈弥くん。ここの問題はどうすれば解けるの?」
「この問題は例題の中にヒントがあるから、上手く例題を読み解けば答えがでるはずだよ」
「えっと、この英単語があるっていうことは、こっちの英単語を入れて……えっと~、志郎分かる?」
「この英文にはこっちの英単語を入れなきゃ完成しないんだ。そうすればほら、ちゃんと読めるだろ」
「景一さん。この天体の問題って、答えはこれで合ってるっすか?」
「……あぁ、合っているぞ」
「う~ん、あのさ、幸。この問題の答えの人物って、この人で良いんだっけ?」
「ちょっと待ってね……あ、うん。その人だよ」
「この漢字の読みはこれであってる……よな?」
「哲、読みはあってるけど字が違う」
「勇介の言う通りだね」
「和人くん。ここの問題にはこの公式を入れればいいんだよね?」
「だな。そうすれば答えが正しく導き出される………って、おい明日奈。学年が違う問題を俺に聞くな」
「え? でも分かるんでしょ?」
「まぁ、うん…」
「「「「「(あ、分かるんだ…)」」」」」
と、そんなやり取りがありながらも、1週間はあっという間に過ぎ、テスト期間となった。
そして2日間のテストが終わり、テスト休みが訪れた。
事前に明日奈達からある話しを聞いていた俺達は休みを彼女達と過ごせないながらも、楽しんでくるように見送った。
何を楽しみ、何故見送ったのかというと…それは明日奈、里香、珪子、直葉、詩乃、幸、
明日奈の携帯端末のユイ、プローブに居る木綿季、
そしてプローブをさらに改造して幾人のクライアントに並列して繋げられるようになり、
それを利用しているスリーピング・ナイツの面々、彼女らによる3泊4日の京都旅行、それを楽しむように見送ったのだ。
和人Side Out
明日奈Side
さぁ、やってきました京都! 今回の旅行は父さんと母さんに頼み込んで、宿泊を本家で行えるようにしてもらったんだよね~。
お盆やお正月といった用事とは違うから本家にはお祖父様とお祖母様以外には、
数人の使用人の人達しかいないので気楽なものだしね。
宿泊費はそれで浮いたから京都観光に思いきり費用を使えたりして♪
『ねぇねぇ、明日奈。何処から行くの?』
『ほらユウキ、慌てないで…』
『とかなんとか言って、一番楽しみにしてたのはシウネーじゃなかったっけ?』
少々興奮気味のユウキ、それを宥めるシウネー、けどそのシウネーに的確な言葉を掛けたノリ。
うぅっ、と呻いたシウネーの様子にみんなから笑いが溢れる。
「もうちょっと待ってね、あと2人合流するから。そろそろ来ると思うし……あ、きたきた」
わたしが見た先から歩いてくる2人の人物、それは…。
「やっほ~、みんな!」
「ども」
「リアルで会うのは久しぶりだね。九葉君、燐ちゃん」
そう、合流してきたのは時井兄妹の2人。今回の旅行の提案に乗ってくれたんだよね~。
『わぁ~、クーハだ! ということは、そっちの子はリンクだよね?』
「そうだよ、ユウキ。スリーピング・ナイツのみんなも、こっちでは初めまして♪」
「オレも、シウネー達とリアルでは初めましてだな」
凄く嬉しそうに喋るユウキに九葉君も燐ちゃんも声を掛ける。これでメンバーは集合だね。
「それでは、京都観光にしゅっぱ~つ!」
「「「「「『『『『『おぉ~!』』』』』」」」」」
わたしの掛け声にみんなが唱和してくれた。まぁ、九葉君は苦笑してたけどね。
わたし達はとにかく色々なところを周ることにした。
有名どころの金閣寺や銀閣寺、それに千本鳥居で有名な伏見稲荷大社、嵐山にある渡月橋、
他にも有名なお寺や神社、観光名所を訪れた。
その中でも一悶着というより、面白いやり取りがあったのは清水寺で…。
『これが“清水の舞台から飛び降りるつもりで…”で有名な清水寺か~』
『冬場でも良い景色』
『改めて見ると凄く高いですね…』
ジュン、テッチ、タルケンの男性3人が感動しながら言葉を漏らしてる。ちなみにプローブはいま、九葉君の肩の上だよ。
「清水寺の本堂であるこの『清水の舞台』。さっきジュンが言った言葉のように、
江戸時代には実際に250件近い飛び降り事件があったらしいぞ。ただ、生存率は85%と意外に高かったみたいだが…」
『えぇっ!? ほ、ほんとにっ!?』
「あぁ。まぁ調べたとはいえ、どれくらい信用できるかは分からないけど」
いやいやいや、普通は知らないから。というか、実際の飛び降りはまだしも、生存率が高いほうに驚いたよ…。
「…あのさ、アンタや志郎達が飛び降りてもピンピンしてそうな気がするのはあたしだけかしら?」
「奇遇ね、私もそう思うわ…」
「里香さんと詩乃さんだけじゃないですよ、あたしもですから…」
「というより、想像し難いよね…」
『パパ達ですからね~…』
「あ~、否定できないや…」
里香の疑問にシノのんと珪子ちゃんが同意して、直葉ちゃんはみんなの大怪我の様子を想像できないみたいだし、
ユイちゃんとわたしもそれに頷いてしまう。ごめんね、和人くん。わたしも同意見なの…。
「京太郎は普通だから、良かったかも…」
「あははは~、和人兄達ならそう思うのは無理もないね」
幸ちゃんは苦笑しながら言って、燐ちゃんは笑いながら言ってる。
『い、いくらクーハやキリト達がリアルで凄いって言っても、さすがにそれはないよ…』
ユウキが少し言い難そうに言って、彼女達には笑えない冗談だったかなと思った……けど。
「そうだぞ。確かに死にはしないけど、骨折はするっての」
『ごめん、前言撤回するよ…』
ハッキリと死なないと言い、自信満々に骨折で済むと九葉君が言ったので、
ユウキは心配しながら言った先程の言葉を撤回した。これには一同、失笑…。
「そういえば、この先の石段の下にあの『音羽の滝』があるんだよな。3つの水があって、
健康・学業・縁結びが成就するらし「「「「「早速行こう!」」」」」………」
後ろで九葉君を促すユウキ達の声が聞こえたけど、取り敢えず先に行く。
健康、勿論重要! 和人くんとの可愛い子供を産むには健康でなくちゃね!
学業も重要! 和人くんを支える為にも、頑張らないといけないからね!
縁結びが一番重要! 和人くんと絶対に結ばれるんだから!
(作者:「欲望が駄々漏れですねwどうせ他の面々も似たようなものでしょうけどw」)
冬場でも列を成す音羽の滝。順番を待ってから、健康・学業・縁結びの全ての水を飲みました。
ふふふ、これで和人くんとの将来は安泰だね…。
『アスナ達だけズルいよ~!』
そういえば、ユウキ達は飲めないんだった……彼女を宥めるのに九葉君に頑張ってもらいました…。
観光の合間のご飯では見目麗しい京料理を食べることになったんだけど、
これまた食べられないユウキ達からずるいと連発されて、帰ってからVR世界で料理を再現することを約束し、
苦労することになるのは後々の話し…。
3日目では奈良に訪れて、こちらも京都に並ぶ観光名所がある。
法隆寺や興福寺、東大寺を周って、鹿がたくさんいる奈良公園では鹿達に鹿センベイを上げたりして楽しかった。
特に珪子ちゃんは動物に好かれるのか、周りにたくさん集まっていて、あわあわしてたね。
まぁでも、驚いたことが1つあった、それはなんと…。
「八雲さ~ん。九君と燐ちゃん、見つけましたよ~」
「ありがとうございます、葵さん。ここにいましたか、みなさん」
「八雲さんと葵さん!?」
九葉君と燐ちゃんのご両親で、和人くん達『神霆流』のお師匠様である時井八雲さんと奥さんの葵さんがきたこと。
まさかの登場に面識のあるわたし達は呆けてしまった。その中でも九葉君は平然としたまま、八雲さんの傍に移動した。
「ユウキ、それにシウネー、ジュン、テッチ、タルケン、ノリ。オレと燐の父さんと母さんだよ」
『え……えぇっ!? お、おとうさんと、おかあさん!? は、はは、はじめまして!
ボク…いえ、わたし、紺野木綿季って言います!』
『『『『『は、はじめまして』』』』』
彼の紹介に驚いたユウキは大慌てになりながらも、自己紹介をした。
スリーピング・ナイツのみんなもそれに倣って挨拶をする。
うわぁ~、ユウキがわたしって言ったの初めて聞いた…。
「はじめまして~、母の葵です~。九君と燐ちゃんがお世話になってます~」
「はじめまして、父の八雲といいます。みなさん、いつも通りの喋り方で構いませんよ」
こちらもプローブに向かって自己紹介をしたけど……八雲さん、
貴方を前にしていつも通りというのには無理があると思います。
だって、雰囲気が在り過ぎるんですから…。
「木綿季さん。大変かと思いますが、九葉を信じてあげてください…」
『え、あ…はい!』
「九葉。木綿季さんを大切にしなさい…」
「言われなくても、そのつもりだよ…」
八雲さんは最初にユウキに言葉を掛け、次に九葉君に話し掛けた。
その時、2人の間になんとも言えない雰囲気が漂った気がしたけど、すぐに霧散した気もした…。
「では、僭越ながら昼食を奢らせていただきますね」
「近くに有名なお店があるんですよ~」
2人がそう言ったので、わたし達はお言葉に甘えることにしました。
昼食後も奈良を巡り、夕方を過ぎる頃には再び京都の本家へと戻った。
そして4日目。今日で旅行は終了となるので、帰りを待つみんなの為に幾つかのお土産を購入し、
最後に軽く見て周ってから、新幹線に乗って東京へと戻り、各自の自宅へと帰ることになった。
こうして、短いながらも楽しい京都旅行は終わりを迎えた。
ユウキやシウネー達も凄く喜んでくれたから、旅行は大成功だね♪
明日奈Side
To be continued……
後書きです。
ふぅ、京都旅行を1話にですが纏めてみました・・・実は難産だったりします(苦笑)
えっと、次回はイチャイチャものを書こうと思っています。
キャラは勿論、キリトとアスナ、クーハとユウキの2組ですw
それではまた次回にて・・・。
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第46剣です。
原作の一文説明程度であった京都旅行を書いてみました。
どうぞ・・・。