部屋は特に荷物が置いてあるわけではなく、普通の客間のようでした。
「自己紹介は、省かせてもらう。早速だが私の身体は後どれくらいもつ?」
やはり、本人は気付いていたみたいですね。
服を脱いで、そこの寝台に寝てくれ。
「分かった」
周瑜の病魔は、予定よりもかなり広がっていました。
「かなりまずいな。このままでは他の病魔にかからなかったとしても、持って数年と言ったところだろう」
「そうか」
そう言って服を着だす周瑜を止めました。
「まてまて。誰も治せないとはいっていない。俺にやらせてくれないか?」
折角修行してきたんですよ!このために!
「前に一度失敗していると思ったが?」
「前と一緒にしてもらっては困る。あれから色々と学んだ。やれないことはない!現にあのときでも周瑜の身体を動かせる程度には治療したはずだ」
「・・・いいだろう」
よし、お許しが出たと言うことで、お邪魔が入る前にやってしまう!
その前に・・・。
「せめて、手をほどいてくれないか?」
さて、手もほどいてもらったし、念願の治療ですよ!
今までが長かった・・・。
「何故泣く?」
「ここまでのことを、走馬灯のように思い出していた・・・」
「お前も死ぬのだな・・・」
「いや・・・あくまで『ように!』だから」
「冗談だ。早くしてくれ」
はいはい。やっちゃいますよ!
鍼、準備よし!気力、問題なし!周瑜、怪しからん胸よし!
見た目はいいけど、鍼通すのには邪魔だなあ・・・。
「痛みの遮断は行うが、完全にはいかないかもしれない」
「それくらい構わない。やってくれ」
では、痛み止のツボを押しますよっと。
では、鍼で範囲を抑えて・・・逃げられないようにして・・・。
全身の気力を・・・込める!
「はああーーー!!!」
・・・・・・・・・。
「(ぜぇぜぇ)これで(ぜぇぜぇ)なんとか(ぜぇぜぇ)終わりだ(ぜぇぜぇ)」
気力をほとんど一気に使ったから、倒れそうだが、なんとか治療には成功したようだ。
「ふむ。ところでいつまで胸を触るつもりだ?」
これは、身体がもう動かないんだよ!察してくれよ!・・・もう駄目だ・・・。
せめて、鍼を抜かなければ・・・。
取れた・・・もう無理・・・。
俺は、そのまま周瑜の胸へと倒れてしまった。
誰かがすごい勢いで来てるな・・・嫌な予感がするけど、治ったんだから後はお任せでいいよね?
「冥琳!大丈夫!?」
・・・何故ここにきた・・・。
「それで、あの場から逃げたと?」
「自分の未熟を痛感したよ・・・」
絶賛文武官に囲まれて、尋問・・・もとい、質問コーナーの時間です。
「それで、五斗米道で修行してきたと言うわけね」
「ああ、これがその証である腕輪だ」
そう言って腕輪を見せるも、みんなの反応は薄かった。
「五斗米道の者で、黒なんぞみたことないぞ?」
「これは高徒の修行を修めた者だけだ。普通は白や茶色が一般的もしれん」
「取り敢えず、医療の腕はあると言うことよね」
俺の苦労を簡潔に纏めてくれてありがとうよ・・・。
「貴方ここに、雇われない?」
よし!これで当初の予定通りのフラグ回収イベント発生だ!
「もちろ・・・」
(百先生捨てないでたも~)
(ここまできて見捨てるんですね・・・過去の女はポイ捨てなんですね・・・)
(帰るのをお待ちしてます!)
脳内に、誰かさんたちの声ガガガガガ・・・。
Tweet |
|
|
11
|
1
|
追加するフォルダを選択
本作品は華陀への転生ものです。
【注意事項】
素人の書きなぐりです。
はっきり言って自己満足なだけのものです。
一応昔に恋姫はしたことありますが、うろ覚えですので、改変が多々あると思います。
続きを表示