「ということで、アンタを私達の陣営に加えるわ」
賈駆ちゃんが言う。
「おめでとうございます」
董卓がにこやかに言う。
「はぁ、どうも」
僕は答える。
「え、それだけ?」
一刀君も言う。
「淡々としとるなぁ」
張遼さんも合わせてくる。
そんなこと言われても、ねぇ。
他にどう反応したらよいのでしょうか?
「コホン。まぁいいわ。
アンタがいないと、どうもあの的盧が暴れだしそうで怖いから、後でしっかり、
もう一度顔を合わせておくように。いいわね?」
「了解しました」
僕は答える。
「なんか、ちょっと不貞腐れてないか、高順?
恋もだけどさ」
一刀君が言う。
「……別に」
恋ちゃんが、ちょっと拗ねた感じで否定する。
うん、可愛い。
別に恋ちゃんとのあの美しくも儚く、愛らしく切なく、素晴らしい時間を邪魔されたからといって、
怒ってはいないよ、うん。
「うん、まぁその、高順と恋の悲しみと憤りはなんか伝わってくるからさ。
高順の歓迎会では、俺が負担するよ。
だから、機嫌を直してくれよ」
貴方様はなんて素敵な殿方なのでしょう。わたくし感激ですわ。
「お前が全て金を負担するだと!?
そうか、では思いっきり酒を飲んで美味なるものを食べるとするか!!!」
華雄さんが滅茶苦茶喜んでる。
「そうやな!
一刀の貯金を全て使い尽くすで!!!」
張遼さんもである。
恐らくだが、この二人は相当飲み食いしそうだ。
「頼むから節度を保てよ、二人共?」
一刀君が、失言だった、というふうにゲッソリしている。
「ふふ、今日は宴会ですね」
董卓ちゃんがとても嬉しそうに言う。
多分だけど、この娘は本当に、皆のことが好きなんだな、と思う。
僕の事も、好きになってくれるだろうか。
いや、よそう。
こんなことを考えるのは。
折角、いい気分なのだから。
今は、それに浸っていたい。
董卓陣営いきつけのお店で、僕の歓迎会が行われた。
その時の様子である。
「しゃあ!!!
ウチの勝ちやな、華雄?」
「な、なに!?
これで五連敗だと!?
貴様イカサマでもしているのではないだろうな!?」
「んなわけないやろ、実力や実力」
「くそ、もう一度だ!!!」
「ええで、何度でも受けたるわ」
華雄さんと、霞さんが、サイコロのようなものを使って勝負をしている。
ていうか、サイコロあるんだ……。
「二人共、店と周りの人達の迷惑を考えてくれ、頼むから!!!」
一刀君が絶叫している。
ほとんど涙目涙声である。
「楽しいね、詠ちゃん」
「そうだね。いつもどおりの騒がしさよね」
月ちゃんと詠ちゃんは、安全地帯でゆったりしている。
ちなみに、真名は一刀君の提案で全員から預かった。
僕はいいって言ったんだけど、なぜだか預かった。
詠ちゃんまで預けてくれたのは、正直驚いたが。
ちなみに僕は、お酒があまり好きではないので果実水を飲んでいる。
いや、飲めないわけじゃないのだが、一回恐ろしい経験をしているから、極力控えたいと思っている。
明日から、僕の新しい日常が始まるなぁ、なんて考えていると。
「……ねぇ、高順……?」
隣にちょこんと座っていた恋ちゃんが、僕の服の裾をクイクイっと引っ張ってきた。
ちなみに、恋ちゃんもお酒じゃなくて果実水である。
「何?恋ちゃん」
僕は恋ちゃんに聞く。
「……あの、あのね……?
約束、ちゃんと守ってくれてありがとう」
恋ちゃんがはにかみながら言う。
「うん。まぁ、約束したからね。努力はしてみるって」
僕はそう答える。
「……そうだね。でも、高順が生きていてくれて、本当に、良かった……」
「……」
その純粋さに、嘘偽り無く僕を信じてくれる姿に、僕はあるかないかもわからない心が、動くのを感じる。
揺さぶられて、かき混ぜられて、グシャグシャになる。
ああ、これが嬉しいってことなんだな、と思う。
きっと、そうなんだ。
「そう思ってくれると、僕も努力した甲斐があるよ。
改めて、明日からよろしくね。恋ちゃん」
思わず、笑いそうになってしまった自分を自制し、僕は言う。
「……うん……」
恋ちゃんも、言う。
霞さんと華雄さんが騒ぎ、一刀君がそれを突っ込み、月ちゃんと詠ちゃんが見守り、そして恋ちゃんがいる。
ああ、これがこの人達の形なんだな、とボンヤリ思った僕である。
読者の皆さん、お久しぶりです。
BLADEです。
投稿遅れてすみません。
夏休みの殆どを受験の補修に当てていたので、書く時間がありませんでした。
「はいはい、言い訳おつ」と思った方々、その通りです。
本当にすみません。
皆さん、この夏はいかがお過ごしでしたでしょうか?
海行きましたか?
花火か何か行きましたか?
楽しい夏でしたか?
自分ですか?
勉強漬けの、灰色の夏休みでしたとも!!!
笑ってくれ、笑うがいいさ!!!
宮崎駿さんの、「風立ちぬ」も見れなかったさ!!!
もういっそ、死にたい……。
おのれーーーーーー!!!!!!
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第三十四話です。