「失礼致します。…ご主人様」
窓から差し込む日の光が部屋を優しく包み込む。
寝床で眠っている彼の名は、北郷一刀。
私の主であり、そして、寵愛を頂いたもっとも大切な人。
何故、私がご主人様のお部屋に居るかと言うと
日頃からたまりに、ためている政務を片付けてもらおうと思ったのだ。
………決して、ご主人様のお顔を拝見したかったという訳ではないぞ。
……………まぁ。その様な気持ちがないといえば、嘘になるが―――――
……うん。…ゴホン。
と に か く!
「起きてください。御主人様!今日こそは、
たまりにたまった政務を片付けてもらいます…か…ら……ね」
そう言って勢いよく布団を取ると私の目の前にいたのは―――――
「えっ?エエエエエエエエエェェェエエエエエエ!?」
…気持ち良く睡眠の海に浸っていた俺は
愛紗の素っ頓狂な声ですっかりと目が覚めてしまった。
まさに、驚天動地とはこの事かと考えていたら
………愛紗が目を丸くし、口を大きく開けて、こちらを見ていた。
「……どうしたんだ愛紗。綺麗な顔が台無しだぞ」
いつも通り、軽口を開いていたら。
…体に違和感を感じていた。……こう、なんて言うのかな?
………頭と尻に妙な感覚があるんだけど。
サワ…………サワサワサワ―――――――――
「なっ!?なんじゃこりゃあああああああああぁぁぁぁぁぁ!?」
「ご主人様!愛紗ちゃん!いったいどうしたの!?」
「……お兄ちゃんも、愛紗もうるさいのだぁ。」
「一体如何なされた。主。そして愛紗よ」
「は…はわわ!どうなされたのですか!ご主人様!?愛紗さん!?」
「あ……あわわ~。如何なさいましゅたか。ご主人様。愛紗さん」
「…どうしたんだよ、ご主人様ぁ。愛紗。また変なことでもしてたんじゃないだろうな」
「どうしたの~。ご主人様~♪そ・れ・とお姉さま~♪。変なことっていったいナニを想像したのかな~♪」
「★■※@▼●∀」
「ふふ。あまり翠ちゃんをいじめちゃダメよ。蒲公英ちゃん♪
それはそうと如何致しましたか。ご主人様」
「紫苑様。お館がよからぬ事をしたのでしょう。そうに決まってます!!」
「焔耶よ。物事を見ずに決め付けるなと、いつも言うておろう。第一お館様がその様な事を
………まぁ。するであろうな」
「朝っぱらからうるさいのよこの馬鹿!!また何かやらかしたの!!」
「詠ちゃん。ご主人様にそんな口の利き方じゃダメだよぅ」
「……ご主人さま。…愛紗。……うるさい。………恋まだ眠い」
「コラーーーなのです!恋殿の睡眠を妨げるななのです!!このヘボ君主!!」
私達の大音声を聞きつけ、皆、一様にご主人様のお部屋に集まってきた。
「と、桃香様・・・」
「どうしたの!?愛紗ちゃん!!」
私の顔は紅潮しているだろう。……うう。ご主人様のお顔をまともに拝見することが出来ない。
だって、急にあんなに可愛い事になっているだなんて反則です。
「ご…ご主人様に犬の様な耳と…尻尾が生えております―――――」
「……えっ?…エエエエエエエエエェェェ!!」
蜀にとって長い一日が始まりを告げたのであった。
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こちらは真・恋姫†無双の二次創作になります。
前回、拝読、コメント、支援、お気に入り
してくださった皆様。誠にありがとうございます。
今回は愛紗、一刀視点のお話になります。
稚拙な文章、おかしな所があると思います。
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