「朱里。ここはどうしたらいいかな?意見を聞きたいんだけど」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・おーい。朱里?」
「・・・は!?はわわ!!申し訳ございません。ご主人様!」
「いや。謝るほどの事じゃないから気にしないでくれ。それでこの
予算編成についてなんだけど―――――――」
あの後、起きてからが大変だった。
桃香を筆頭にしたグループが好奇な眼差しで、こちらを見つめ一斉に俺を抱き締めようとしてきた。
もみくちゃにされてしまった俺はなんとか愛紗に救出されたが、辺りを見回すと、
朱里、雛里、月、詠が顔を赤らめチラチラと俺の方を見つめていた。俺の視線に気がつくと、
四人はお決まりのフレーズを洩らし、更に顔を赤らめてた。
その直ぐ隣にいた焔耶はというと、顔を青ざめてこちらの様子を伺っていた。
そういえば犬が苦手なんだっけ。けど、俺は犬じゃないし怖がらなくてもいいのに
まぁ。犬耳が生えている時点で、半分犬みたいな物だけどね。
そして、窓際の方を目を向けると星、紫苑、桔梗の三人が何やら良からぬ事を
考えていそうな笑みを浮かべて話し合っていた。
気になったが近づくと何をされるかわからないと思い、混乱が収まるまで、
この場で待機する事にした。
しばらく経つと愛紗が場を仕切り、与えられた仕事をするようにと、
強い口調で命令し、皆、散り散りに持ち場へと赴いていった。
そして現在、俺は桃香、愛紗、朱里と政務に勤しんでる。
しかし、星達が気になる。何を話していたんだろう。あの顔の時は、
よくない事がおきるからなぁ。…まぁ。考えても仕方ないか。
それと……今思い出すと、もみくちゃにされた時は良かったなぁ。
……桃香達のあの柔らかな感触が……
おっと、いけない。臨戦態勢になってしまう。
政務に集中、集中っと。
「―――――と、した方が私は良いと思います」
「なるほど。助かったよ。ありがとう。朱里」
俺は席を立ち、朱里に近づき感謝の念をこめて頭を撫でる。さすが臥竜頼りになるな。
「は!はわわ~」
朱里は嬉々とした表情を浮かべ頬を赤く染めていた。撫で終わりその様子を見ると、
相変わらず可愛いなと思ってしまう。…ヤバイ。すごく癒される。
フリ……フリフリフリ。(一刀が無意識に尻尾を振っています)
その瞬間、部屋に音が響いた。俺は音が聴こえた方を見てみると、桃香は竹簡を机から落とし、
愛紗は力強く椅子から立ち上がっていた。二人は朱里同様、なぜか頬赤らめ俺に目を向けていた。
何かしたかなと考え自分自身、粗相がないかチェックする。
頬を赤らめているという事は……まさか、社会の窓がオープンしている!?
これは、恥ずかしい。急いで確かめてみたが開店しておらず閉店。
まぁ、ここのチャックは気持ち的には閉店どころか、いつも24時間営業なんだけど。
「…あの!ご主人様!一つお願いしたい事があるのですが、よろしいでしょうか!?」
朱里が少し興奮気味に話しかけてきた。
「え?…うん。別に構わないけど」
「ありがとうございます。その……」
一転して朱里は言いづらそうに、モジモジとしていたが、服の裾をキュッと握り締め、
覚悟を決めたような顔つきで俺に言葉を言い放ってきた。
「わ……私にもご主人様の頭を撫でさせてくだひゃい!!」
「…………へ?」
「で…ですから……頭を撫でさせてくだひゃい!!!」
「あ、うん。………いいけど…」
「ありがとうございます!!」
「あーー!朱里ちゃんばっかりズルイー。ご主人様。私も…撫でていいよね?」
「…あの、ご主人様。失礼なのは承知の上で仰いますが、
僭越ながら私も撫でさせてもらってもよろしいでしょうか」
朱里が向日葵が咲いたような笑顔を浮かべた後、瞬時に桃香と愛者も撫でたいと懇願してきた。
当然、俺は二人のお願いを断ることなく了承する。あんな可愛い上目遣いをされたら、
断る事はできない。というか、断る男はいないだろ。
「えへへ♪ありがとう。ご主人様♪」
「ありがとうございます。ご主人様」
そうして、朱里、桃香、愛紗の順番で俺の頭を撫でる事になった。
…これ、結構、恥ずかしいな。けど何故だろう……何だか安心するな。
フリフリフリフリフリ(一刀が尻尾を無意識に振っています)
「…あ~ん!ご主人様か~わ~い~い~!」
俺の頭を撫でていた桃香が急に抱き締めてきた。俺は桃香の豊満な胸に顔を埋める形になってしまい、
声をあげられない。まずい。まずいですよ。このままでは政務から性務へと意向してしまう。
今日はしっかりと仕事を行うと約束したし、愛紗!助けてくれーー!!
「と…桃香様!!」
そうだ。愛紗。誘惑に負けてしまう前にどうにかしてくれ。この状態が続いたら、
俺は間違いなく欲望に白旗を振ってしまう。
「次は私の番です!!お代わりください!!」
愛紗まで抱きついてきたーー!ヤバイ。愛紗の柔らかな感触までもが………
落ち着いてくれ二人とも!煩悩退散!!煩悩退散!!
そうだ!朱里!こういう時の孔明先生だ。先生、今です!俺を助けてください!!
そう思うと何とか目線を朱里が居る方向へと向け、俺は助けを求めるような、
眼差しで見つめたが、そこには朱里が居なかった。その瞬間、心地よい重みと、
控えめながら柔らかな感触が、背中に伝わってくる。
………まさか……
「桃香様も愛紗さんもズルイです!私も抱きつきまひゅ!!」
なん……だと……朱里までもがこうなってしまうとは…
っていうか、このままだと本当にまずい!離れてくれー!
「か~わ~い~い~♪」
「桃香様!!」
「はわわ~~♪」
どうなんの!?どうなっちゃうの俺!!?
続く
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こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
【お詫び】
前回コメントにて前、中、後編を予定していると書き込みましたが
予想以上にgdg……長引きそうなので○話形式に致します。
ご了承の程よろしくお願い致します。
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