No.607827

一刀の晋王転生録 第五章十一話

k3さん

馬騰、悲しき決断。

2013-08-11 22:38:57 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2336   閲覧ユーザー数:2049

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十一話

   「曹操の乱、馬騰の選択」

 

 

「何!? それは本当か、翠!」

 

「あ、ああ」

 

 馬騰が聞いているのはもちろん噂の事だ。

 

(く……この戦が終わり、ちゃんとした形式の恩賞が曹操に与えられた時に沈静化すると思って放置したのが拙かったか)

 

 実はこの噂、曹操が宣戦布告を行い、馬騰軍が曹操軍にいる事が世間に知られると、出るようになっていた。

 

 何故、曹操に洛陽を取らせると言った内容だったのか、それは密談の内容を知らない人々の中で様々な憶測が飛び交ったからだ。

 

 まずこの戦の疑問点が出てくる。何故、曹操は今になって乱を起こしたのか? 何故、馬騰軍が曹操軍に長い間、匿われていたの

 

か? 何故、劉備や孫権と組む事を嫌い、ほぼ単独で乱を起こしたのか等々。

 

 そこから人々は様々な答えを導き出す。曹操と馬騰の間に何らかの取引が成されていた。そしてその内容は一度手を組んだ司馬家と

 

敵対するほどの物だった。それを馬騰の方から話を持ちかけたから曹操に匿ってもらえたのではないか? さらにほぼ単独で乱を起こ

 

したのはその取引に影響を出さないためではないだろうか、となどなど。

 

 それらが纏まっていき、ついにこのような内容になった。馬騰は漢にとうとう忠義心が無くなり、司馬家以外の誰かに仕えるために

 

動いていたのでは、と。劉備と孫権と組んだ時もその一環であった。その二人は敗北したため、今度は曹操なのでは、と。

 

 その噂の最初の範囲は狭かった事、それよりも司馬家を先に対処する事に専念していたため、馬騰はあまり問題にしては居らず、ほ

 

おっておいたのだ。

 

 その事を曹操は知っていた。そのため策として噂を広める際、怪しまれないだろうと思ったのだ。噂の沈静化を怠ったのは紛れも無

 

く馬騰自身なのだ。まず、自分の失敗だと思うはずと勘ぐっていた。

 

(拙い、今の漢ならこの噂の内容を真に受けてしまうかもしれない。そうなったら俺達はただでは済まないかもしれない)

 

 この馬騰の懸念こそが曹操の尤も狙っていた事である。何の非もない馬騰がただの噂で処罰を言い渡されたとなれば流石の馬

 

騰も忠義心を削ぐ事が出来るだろうと思ったのだ。

 

 そしてついにその時は訪れた。

 

「漢からの使者?」

 

「ああ、ひょっとしてあの噂の事かも」

 

 馬騰は早速、馬超に連れて来るように言い渡す。その使者の言う内容はやはり馬騰の嫌な予感どうりだった。

 

「違う! 俺達はそんな事は断じて思っていない!」

 

「しかし、陛下は疑っておられる。もし疑いを晴らしたいのならば自分の首を差し出せとも言っている。さすれば誤解だったと信じ、

 

娘達への疑いも消えるであろうと」

 

「な!?」

 

 馬騰はあんまりな内容に絶句してしまう。

 

「では私はこれで」

 

 使者が去っていった後、馬騰は目を瞑りながら考える。自分の選択を。

 

「母様! 一体どうするんだ!」

 

 馬超の言葉を機に、馬騰は重い口を開く。

 

「首を斬る。翠達は俺の首を持って洛陽に何としても持ち出し、馬家の疑いを晴らしてくれ」

 

「な!? 嘘だろ?」

 

「冗談に聞こえるか? 俺は本気だ!」

 

「待ってくれよ!」

 

 馬超は説得を続けるが一向に馬騰は意思を変える事は無かった。結局、馬騰は自ら己の首を斬った。


 
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