No.604082

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 627

soranoさん

第627話

2013-08-02 11:55:24 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1174   閲覧ユーザー数:1075

~夜・IBC~

 

「……完全に気絶しているな。」

地面に倒れている警備隊員の状態を確かめたセリカは呟き

「今のは一体……」

「どうやら全く別の場所から操っていたみたいですね………しかも………かなり離れた場所かもしれません。」

倒れた警備隊員を見て呟いたロイドの疑問にティオは推測して答えた。

「もしかして……そこから警備隊員や悪魔達全員を操って!?」

「チッ………ヨアヒム本人を叩かない限り、どうしようもねぇってことかよ!?」

ティオの話を聞いたエリィの推測を聞いたランディは舌打ちをした。

「―――居場所は判明している。」

「え………」

その時静かな口調で呟いたアリオスの言葉を聞いたロイドは仲間達と共に驚いた。

「エステルとヨシュア、ミントとフェミリンスが”教団”の拠点(ロッジ)を発見した。場所はクロスベル北東にある”アルモリカ古戦場”―――そこに行方不明者達が入った痕跡を発見したそうだ。ちょうど今、潜入経路を調べてもらっている。」

「古戦場………あんな場所に!」

「確かに何かありそうな遺跡でしたけど………」

「だったらそっちを叩けば……!」

アリオスの説明を聞いたロイドとエリィは驚き、ランディは口元に笑みを浮かべ呟いた。その時アリオス達がロイド達に近づいた。

「……そう簡単な話じゃない。どうやら東クロスベル街道にも相当な戦力が展開しているようだ。主にマフィアどもらしいがな。」

「いずれにしても……俺達が自由にできる戦力は限られている。せめて車(アシ)さえあればな。生憎、警察の車両はあらかた警備隊に奪われてしまったようだ。」

ロイド達に近づいたダドリーは苦々しい表情で説明し、セルゲイは背後にいるメンフィル兵達に視線を一瞬向けた後、真剣な表情でロイド達に言った。

「くっ………」

「………徹底していますね。」

2人の話を聞いたロイドは唇を噛み、ティオは静かに呟いた。

「……お前達が望むのなら、ここにいるメンフィル兵達をマフィア共にぶつけてやってもいいぞ。―――その代わり、マフィア共の命は保障できん上、クロスベル市の守りが低下する事を覚悟しておけ。」

「それは………」

「あの悪魔共に警備隊や警官隊の装備じゃ心許ねぇな………」

「ええ………やはり魔族との戦いに慣れ、対悪魔用の装備も持つメンフィル兵達の力はクロスベル市の守りに必要ですね……」

そしてリウイの話と忠告を聞いたエリィは複雑そうな表情をし、ランディは考え込みながら呟き、エリナはランディの言葉に頷いた。

「だったら、車ではないけど、車よりも早く、襲撃を受けにくい存在を俺が用意するよ。」

するとウィルがロイド達に提案し

「へ………」

提案を聞いたロイドが呆けてウィルを見つめたその時

「―――ガプタール!!」

ウィルは召喚石を掲げて叫んだ!すると召喚石は光を放った後、ロイド達の目の前に信じられない存在が現れた!

「な、な、な………!?」

「り、”竜”………!?」

「おいおいおいおい………!一体、どうなってんだ!?」

「まさか”竜”とも知り合いだなんて……さすがとしか言いようがないですね………」

信じられない存在―――巨大な竜を見たロイドは口をパクパクし、エリィとランディは驚き、ティオは驚いた後苦笑した。

「何用だ、ウィルフレドよ。」

その時竜は声を出し

「!!」

「しゃ、しゃべった……!?」

「馬鹿な………!竜が声を出すだと!?まさか、リベールに存在していたという古代竜と同じ種族なのか……!?」

竜の声を聞いたロイドは目を見開き、エリィとダドリーは驚いた。

 

「ガプタール。セティ達を今回の事件を起こした首謀者がいる所まで乗せていってくれないかな?」

「…………よかろう。」

「ええっ!?」

「……よろしいのでしょうか?誇り高き竜が私達をその背に乗せてくれるなんて………」

ウィルの答えに答えた竜―――雷竜ガプタールの言葉を聞いたエリィは驚き、エリナは真剣な表情で尋ねた。

「問題ない。我とウィルフレドは竜族としてではなく、我自身としての”友”の間柄だ。友の娘やその仲間達ならば、特別に乗せてやろう。」

「ありがとうございます、ガプタール。」

ガプタールの答えを聞いたセラウィは微笑み

「ハハ、ヨアヒムの野郎もまさか空を飛んで来るなんて予想していなかっただろうな。」

「ああ……!空なら少なくともマフィアや警備隊の妨害を受けなくて済むしな……!」

ランディは口元に笑みを浮かべて呟き、ロイドは明るい表情で頷いた。

「ならば、乗り込むメンバーを選ぶ必要があるようだな。ここの守りも必要だろうし、私の他には……」

その時アリオスがある事を提案しかけたが

「……いえ。どうかここは俺達に行かせてもらえませんか?」

エリィ達と共に考え込んだロイドが提案した。

「なに……?」

「い、いきなり何を!?」

「ふむ……」

提案を聞いたアリオスとダドリーは驚き、セルゲイは考え込みながらロイド達を見つめた。

「……ヨアヒムの狙いは恐らくキーアただ一人です。キーアを奪われたらその時点で俺達の負けですが……逆に言えば、キーアを守り抜いて彼を逮捕できれば俺達の勝ちです。」

「その意味じゃ、このビルは絶対に守りきる必要がある……確実な戦力を残すべきだぜ。」

「恐らくアリオスさんやリウイお義兄様達が残れば、ここは鉄壁の守りになるはずですし、悪魔達の襲撃にも備えられるはずですし……」

「課長達と応援の警官隊の避難誘導、メンフィル兵達の守りもあれば完全に死角もなくなるかと。」

「………なるほどな。」

「り、理屈はわかるが……」

ロイド、ランディ、エリィ、ティオの説明を聞いたアリオスは頷き、ダドリーが渋い表情をしたその時

「―――駄目だな。」

セルゲイが溜息を吐いた後意外な事を言った。

「え…………」

セルゲイの言葉を聞いたロイドは驚いた後セルゲイを見つめ

「クロスベル市内でこれほどの襲撃があったんだ。―――当然、ヨアヒムが拠点としている場所でも多くの悪魔やマフィアが待ち構えている可能性が高い。その為、遺跡内に入るには何人かが囮になってマフィア共を引きつけ、その間に突入させる班を決めなければならない。特に囮班はかなりの激戦を強いられるだろう。よって、囮班はかなりの精鋭が必要だ。その為お前達が契約している異種族―――ルファディエル達は必然的に囮班になるだろう。主力はルファディエル達だとしてもサポートは数人必要になって来る上、さらにサポートする方も指揮能力を持つ者が必要となって来る。お前達の中で戦闘指揮経験がある奴は何人いる?」

「あ………」

「戦闘の指揮はロイドに頼りっきりでしたもんね………」

セルゲイの説明を聞いたロイドは声を上げ、エリィは疲れた表情で溜息を吐いた。

「課長。だったら俺が――――」

その時、ランディは申し出たが

「お前は駄目だ。支援課にとって主力のお前がぬければ、ロイド達は厳しい戦いを強いられるだろうが。それに普段いる奴がチームにいないと連携が崩れる恐れがある。」

「………………確かにそうッスね………」

セルゲイの話を聞いて納得した。

「ならば、私が―――」

それを見たダドリーは申し出たが

「いや、お前には警官隊の指揮とアリオスのサポートを頼む。ここは俺が行かせてもらおう。」

セルゲイは首を横に振って答えた後口元に笑みを浮かべて言った。

「ええっ!?」

「課長が戦闘の指揮をとるのですか………!?」

セルゲイの言葉を聞いたエリィは驚き、ティオは尋ねた。

 

「クク、忘れたか?こう見えても俺は最強の部署と言われたアリオスとガイの班を指揮した立場だぜ。まあ、任せておけ。」

尋ねられたセルゲイは口元に笑みを浮かべて答えた。

「ティオ。俺とハイシェラ、レシェンテ、リタはお前達に同行して、囮班の戦闘の手伝いをしよう。」

「え…………いいんですか………!?」

その時セリカが申し出、申し出を聞いたティオは驚きの表情で尋ね

「元々わらわ達はエステル達の手伝いに来たようなものじゃしな。話を聞く限りエステル達も敵の拠点にいるようじゃし、エステルやお前達を手伝う為にわらわ達も力を貸してやろう!」

ティオの疑問にレシェンテが答えた。

「………狐伯蓮。」

「わかっておる。セティ達の守りはわらわに任せておけい。」

そして真剣な表情のウィルに名前を呼ばれた狐伯蓮は頷き

「お願いしますね、狐伯蓮。」

セラウィは狐伯蓮に微笑んだ。

「…………エクリア姉様。エリィ達に同行してもらっても構いませんか?姉様の力があれば、どんな強敵が現れようと大丈夫だと思いますし……」

ウィル達が会話を終えるとイリーナが静かな表情でエクリアを見つめて尋ね

「……………貴女の頼みなら聞いてあげたい所だけど………構いませんか、リウイ様?」

尋ねられたエクリアは考え込んだ後、リウイに尋ね

「構わん。……それより2人とも。エリィの前で”姉妹”としての態度を見せてもよかったのか?」

尋ねられたリウイは頷いた後エリィに視線を向けた後、2人に言った。

「あ…………」

リウイの言葉を聞いたイリーナはエリィに視線を向け

「…………もう、お姉様が初代”イリーナ”皇妃の生まれ変わり――――カルッシャ王国第三王女にして、エクリアさんの妹である事はお姉様が私に隠していた事情を全て知っているティオちゃんから聞いて知っています。」

視線を向けられたエリィは複雑そうな表情で答えた。

「そう…………」

「お姉様。一つだけ尋ねてもよろしいでしょうか?」

「………何かしら?」

「………今のお姉様は私の姉なのでしょうか?それとも初代”イリーナ”皇妃なのでしょうか………?」

「………両方とも”私”よ。だから私は貴女の姉でもあり、初代イリーナ皇妃でもある………それが答えよ。」

「………そうですか………」

イリーナの答えを聞いたエリィは安堵の溜息を吐き

「あの、エクリアさん。」

エクリアに視線を向けた。

「?何でしょうか。」

「その………これからはエクリアさんの事、”エクリアお姉様”と呼んでも構わないでしょうか………?」

「え………」

エリィの言葉を聞いたエクリアは意外そうな表情をした。

 

「メンフィルに留学していた時からさまざまな事でエクリアさんにお世話になり………その時からまるで姉がもう一人増えたみたいに思っていたのです………イリーナお姉様がエクリアさんの妹なら、私も妹……という事になりますし………どうでしょうか………?」

「まあ………!私は賛成よ、エリィ。姉様もよろしいでしょう?」

エリィの話を聞いたイリーナは嬉しそうな表情をした後、エクリアを見つめ

「ええ………こんな私でよかったらよろしくね………―――エリィ。」

見つめられたエクリアはエリィに微笑み

「………はい!」

微笑まれたエリィは笑顔で答えた。

「フッ………―――さてと。こちらはこちらで少々問題があるな………」

その様子を見ていたリウイは静かな笑みを浮かべた後真剣な表情で考え込み

「何が問題なのでしょうか?」

リウイの言葉を聞いたロイドは尋ねた………

 

 

 

という事で予告通りエクリアが零篇のラストメンバーになりました♪そして原作と違うのは移動が車ではなく、なんと竜であるガプタールに乗って飛行しながら向かいます♪なので見せ場あるノエルの出番が(汗)……感想お待ちしております


 
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