No.599988

裏次元ゲイムネプテューヌR

ヒノさん

良ければどうぞ

2013-07-21 15:12:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:493   閲覧ユーザー数:485

2.5…史書の想い

 

?????

「そろそろ…始めましょうか……」

 

そう言うとローブの女は、ただ右手を上にあげた。その時、ひらいた右手から、丸く真っ白な光が灯った。

初めは微かだった光は、徐々に輝きを増してゆく……その輝きは、さまざまな色に変わっていく……

 

イストワール

「これは…まさか……!!」

 

史書イストワールは知っている。何故ならこれは、元々自分に備わっていた(・・・・・・・・・・・)力だったからだ。

女神が継承される時も、女神を生み出す時も、その女神に合うよう、世界を書き変える(・・・・・・・・)時も、その力は使われたからだ。

そして今、その力は、何者かも知らない女の手によって、我が物顔で使われようとしている。

そして彼女は、ローブの女が何をしようとしているのか(・・・・・・・・・・・・)を理解していた。

 

イストワール

「お止めなさい!!今の世界を書き変えるなんて事は!!」

 

イストワールは声を荒けて叫んだ。そう、目の前の女は、世界を書き変えようとしているのだ。

 

?????

「ふふ…ふふふふ…………」

 

しかし、彼女はやめようとしない、むしろこの先を楽しんでいるかのように、笑っていた。

 

イストワール

「やめなさ……っ…!!……やめてええええええええええええ!!!」

 

イストワールが叫びをあげ、女にしがみついた。

女はあきれながら……

 

?????

「…アンタらだって、散々やって来たことじゃない。今更何を言ってるんだか。」

 

イストワール

「これは……彼女たちが決めた事です!!彼女たちが決めた世界!彼女たちが決めた今!彼女たちが決めた理!人の身として、彼女たちは立派に、人間を導きました!」

 

イストワールは、しがみ付き、涙を流しながら、己が想いを懇願した。

最早これは、理性によるものではないのだと、イストワール自身も解っていた。

けれども抑えきれなかった。彼女たちの努力も、想いも、踏みにじられるような事は、何としても止めたかった。

それ故に、史書としてではなく、女神の友として、想いをぶつける事しか出来なかった。

 

イストワール

「だから…女神(カノジョ)達の世界を、想いを…壊さないで……!!!」

 

涙ながらに想いをぶつけた。情をぶつけた。自分の本音を言い切った。だが……

 

?????

「それが…なによりの間違いなのよ。」

 

女はそう言って、しがみついていたイストワールを、空いていた左手で振り払った。

…想いは届かなかったのだ……

 

イストワール

「ぐ…………っ!!」

振り払われ、床にたたきつけられた。その直後…

 

 

 

ジャララララララ………

 

 

彼女の周りには鎖らしきものが取り囲んでいた。その鎖が段々と、二重、三重に重なっていく。

 

イストワール

「…………?」

 

囲まれていた当の本人には、何が何なのか分からなかった。

そんな事も構わず、鎖の束は円を囲み……

 

 

ガギッッ!!

 

 

イストワール

「な……っ!!!!」

 

イストワールを、乗っかっている本ごと巻き付き、縛り付けた。そして……

 

 

カッ!!

 

 

巻き付いた鎖が輝き、イストワールごと形が変わっていく……

光がやんだ後…そこには、鎖に巻き付かれた一冊の本が置かれていた。

 

?????

「ふぅ…うるさいのも黙ったことだし、さっさと終わらせますかな……」

 

そう言って女は、右手に掲げた光に集中した。

………その時下界では、ある変化が起きていた…それは改変の始まり…所謂、終わりの始まり(・・・・・・・)が起きようとしていた………


 
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