受験生は、夏に差がつくそうなので差をつけられる方になろうと思って、勉強をしないでいたら、父と母が激おこファイナリアリティなんとかしたので、仕方なく勉強をすることにした。
部屋に入ると、机の上が妙にすっきりしている。
そうだった。
勉強をしない俺に、ファイナリアリティした両親がパソコンを奪い取って、妹に与えてしまったのだった。ちなみに、三分前に居間でダブル説教をくらったときに携帯電話も没収された。
携帯電話なし、パソコンなし、ゲーム機なしだ。
パソコンの乗っていない机って、広いな。
昭和の高校生の机って、こんなだったんだろうか。
ちがうな。
たぶん、昭和の高校生だったら「ダブルラジカセ」が置いてあるんだ。俺の部屋にダブルラジカセはない。つまり、今の俺の部屋は昭和以前の状態かもしれない。大正?いや、一応蛍光灯とエアコンがついているから、それはないか…。
というか、昭和の人たちって一家に一台しかエアコンがなくて、どうやって夏を乗り切っていたんだ?熱中症とかなかったのか?
勉強したくなくて、よけいなことを考えてしまう。
どうせ、脳みそを使うなら勉強しよう。
覚悟を決めて、教科書とノートを開く。
……。
……。
……。
集中できない。
たしかに、部屋の中から集中力を乱すようなモノは一掃されているのだけど、それでも集中できない。
集中しよう。
ベッドの棚に置いてあった目覚まし時計を机の上に持ってくる。アラームを五十五分後にセットする。
よーい。どん。
試験のつもりで、過去問を試験時間と同じ時間で解いてみるのだ。まだ、そんなに勉強をしていないので、分かるわけがないのだけど、こうすれば少なくとも試験時間と同じ時間くらいは集中できそうだ。
むぅ…。ぜんぜん分からん。
化学とか、問題文がなにを言っているのかわからないレベルだ。
なるほど、これは両親も怒るわけだ。なにせ、息子がバカなんだから。そりゃーだめだよねー。
分からないままに、目覚まし時計が電子音を鳴らす。
うん。これが本番だったら、受験料払うだけ無駄だな。
とはいえ、合計三時間くらい勉強した。というか、机に向かった。
少し休憩を入れよう。
部屋を出て、ダイニングキッチンに向かう。コーラ飲みたい。
居間から、きゃぴきゃぴとした声が聞こえる。この声は…。
おお。やはり。
美沙ちゃんが、妹とゲームをしていた。
「あ。お兄さん。おつかれさまですー」
ゲームをポーズして、美沙ちゃんが立ち上がる。今日の美沙ちゃんは、ガーリーなTシャツにミニスカート、小さな花の刺繍があしらわれた白のソックス。今日も美沙ちゃんが可愛くて、生きているのが辛い。
美沙ちゃんは、背筋をすっと伸ばした相変わらずのいい姿勢で台所に歩いていくと、こっちを振り向いて
「お兄さん。コーラ飲みますよね」
と言いながら、シュワシュワとグラスにコーラを注いで氷まで入れてくれる。
可愛くて、しかも気が利いて、所作の一つ一つが上品。
美沙にゃんはパーフェクトにきゃわいいにゃあぁん。
夏の暑さと美沙ちゃんの天井知らずの可愛さに、溶けてしまう。
美沙ちゃんから、コーラの入ったコップを受けとって、ソファに座る。テレビに映る画面を見ると、どうやら刀を使って戦う格闘ゲームをやっていたみたいだ。うちの妹は、女子高生のくせにレースゲームとか格闘ゲームとかが好きだからな。
「真菜が、むりやり格ゲーにつき合わせてた?」
「いいえ。私も、こういうの好きですよ」
そう言って、隣のソファに座った美沙ちゃんがコントローラーを手に取る。ゲーム機のコントローラーが無線になったのは、実にすばらしい発明だと思う。
「じゃあ、再開するっすよー」
「いーよー」
画面の中で戦闘が再開される。妹は、大きな斧を振り回すアメコミの怪物みたいなキャラクター。美沙ちゃんは、金髪で小柄などちらかというとかわいらしいキャラを使っている。
うむ。内面がキャラ選択に現れているな。
「おりゃー。ふんぐぅらーっ!ばるばっ!」
妹がうるせぇ。ゲームのキャラクターよりも、妹がうるさい。入り込みすぎだ。こいつ。
一方、横に座る美沙ちゃんは無言だ。真剣な横顔が凛々しくて、胸キュンする。
美沙ちゃん。かわいいなぁ。
「…死んで」
美沙ちゃんがつぶやいて、画面の中で小柄な美少女が怪物を串刺しにした。足をかけて、剣を引き抜き、派手な光のエフェクトと共に袈裟懸けに切り伏せ、返す刀で上空に打ち上げる。地面に落下して、ダウンした頭に剣を数回突き立てる。
「ふぎゃぁあっ。やられたっすー」
妹の負けだ。
「きゃーっ。初めて真菜に勝ったー!やっぱり、お兄さんが近くにいてくれれば無敵です!」
美沙ちゃんが、コントローラーをDカップの胸に押し当てて、長い脚をパタパタと振りながら、上半身をこっちへと傾けてくる。可愛すぎて死にそうだが、まぶたの裏に画面の中で刺殺された怪物の姿がフラッシュバックして、素直に可愛さを堪能できない。
その後も数回、美沙ちゃんVS妹で対戦していたが、美沙ちゃんの動きのキレがニュータイプすぎて、妹はハムほどの抵抗もできていない。
それにしても、キメ技を出す前に「死んで」とか「殺します」とか「なかみ」とかつぶやく美沙ちゃんがちょっと怖い。そして百パーセント、キマる。
美沙ちゃん。ニュータイプならいいけど、強化人間じゃないだろうな?
「そういえば、お兄さん」
「ん?」
「去年、せっかくお兄さんに水着を選んでもらったのに、一度も見てもらえませんでした」
そうだった。去年は、せっかく美沙ちゃんとプールなどというギャルゲーなら、確実にCG回収なイベントを逃してしまったのだった。一生の不覚。美沙ちゃんの高校一年生の夏を網膜と脳内HDDに記録し損ねるとか、死ぬ間際にも後悔するレベルの不覚。
「今年は、行けます?」
美沙ちゃんが、少し首を傾げて聞いてくる。行けるに決まっている。百パーセント大丈夫だ。
「むりっすよー。にーくん、遊びに行ったりしたら、パパとママに殺されるっすよー」
そうだった。
ぐあああ。ふざけんなー。美沙ちゃんの水着姿だぞぉおおお。み、さ、ちゃ、ん、だぞぉ。
あれ、おかしいな。目から血が…。
「んー。そうなんですか…?」
美沙ちゃんが、垂れ目気味の眉をさらに垂れさせて、残念そうに言う。俺は、その十四万八千万倍残念だ。
「残念だ…」
そう言った俺の声は、少し涙声だったかもしれない。
美沙ちゃんの水着姿。
見たい。
水着姿の美沙ちゃんに、『ちゃんと押さえててくださいね』とか言われて、一緒にウォータースライダーに乗りたい。
「…じゃあ、こうしましょう。私、出張しますよ!」
「出張?」
「はい。お兄さん、部屋で勉強しててください。私、水着、家から持ってきて後ろで応援してあげます」
いいね!ボタンはどこだ。
「じゃあ、ちょっと水着取ってきます」
そう言って、美沙ちゃんは小走りに出て行ってしまった。即決、即断、即行動。美沙ちゃん、行動力あるな。後には、やや興奮した俺と呆然とした妹が残される。
「最近、美沙っちに置いてけぼりにされることが多いっす」
この妹を置いてけぼりにするとは、美沙ちゃん、やるな。
まぁいい。
とにかく、うん。受験生だし、部屋で勉強していよう。
もんのすごい、やる気が出た。
やる気に満ち溢れて、勉強部屋に戻った。集中はできていない。できるわけがない。
早く美沙ちゃん来ないかなー。そわそわ。
そわそわ。
そわそわ。
そわそわ。
ぴんぽーん。きたぁ!
呼び鈴が鳴って、妹と美沙ちゃんの声が二階に近づいて、隣の部屋のドアの音が聞こえる。薄い壁を通して、美沙ちゃんと妹の楽しそうな声が聞こえてくる。
そわそわ。
そわそわ。
こんこん。きたぁ!
「ど、どーぞー」
一オクターブ高くなった声が出た。そりゃそうだ。
「おじゃましまーす」
「あれ?」
可愛さ力五十三万の美沙ちゃんが、ドアを開けて入ってくる。半そでのフリルシャツに、チェックのプリーツスカート。かわいい。間違いなくかわいい。
でも、水着姿じゃないぞ。
あれ?
Dカップの丸みとか谷間とか、ぺたっとしたおなかのおへそとか、ほっそりした脚の間の隙間とかは?
「ふふ…水着姿じゃなくて、がっかりでした?」
「うん。がっかり」
俺は素直なんだ。
「にーくんの受験に、強力に協力するっすよ」
美沙ちゃんの横で、五分丈デニムにドクロプリントのTシャツを着たどうでもいい妹が肩幅に脚を開いて右手で天を指差し、左手の親指を立てる。
どうでもいい。
「ふーん」
どうでもよさを最大限に表現した。
「まだわかってないっすね」
「ふーん」
「脱衣勉強っす!」
「は?お前、頭大丈夫か?」
「わかんないっすか?アタマ悪いっすね。せめて、頭の回転くらい速くするっす」
なぐりたい。失意は人に暴力衝動を与える。
「志望校の過去問の問題集、合格ラインまで正解できたら一教科につき一枚ずつ脱がせていいですよ。中は水着だから大丈夫です」
「マジでっ!」
もう、大学合格とかどうでもいいから合格ラインまで正解したい!
「じゃあ、いいですかー。時間計りますから。よーい。スタート」
ピッ。
美沙ちゃんが、手に持ったキッチンタイマーをスタートさせる。
第一教科、物理。
俺は鬼神のイキオイで加速度を積分して到達速度を求め、弾性係数をかけ、猛烈に熱力学第一法則して、ΔU+W=Qして外から与えられた仕事量をPSdxを積分した!
「すごいです!合格ライン超えてますよ!お兄さん!」
「どういうことっすか?にーくん、今までの倍とかどうやったら正解するんすか?」
美沙ちゃんは、目をキラキラさせて、妹はあきれた目で俺をにらんだ。
「しかたないっすね。脱ぐっすよ」
妹が、Tシャツに手をかける。
「まてこら」
「なんすか?」
「お前じゃない」
俺は大きく腕をクロスさせて、誤りを指摘する。
「だめっす。その過去問は、にーくんの第二志望の私立じゃないっすか。第一志望の方でクリアしないと美沙っちはだめっす」
ひどい。そんなの聞いてない。たとえるなら、携帯ゲーム機プレゼント!ってプレイステーションヴィータの写真が印刷されてる懸賞に当選したら、中国製の白黒液晶ゲームが届いたみたいながっかり感だ。
「…詐欺だ」
「もう少し、嬉しそうな顔するっすー。いくら私でも傷つくっす」
「実妹の水着姿を見て、喜んじゃったらマズいだろう」
「つるぺた実妹の脱衣っすよ!最強のはずっす!」
それは、リアル実妹じゃないはずだ。リアル実妹はちっとも嬉しくない。
「わかった。わかった。わーい。真菜の脱衣だー。うれしいなぁ。これでいいか?」
とにかく、このどうでもいいイベントをクリアしないと、次のステージに進めないらしい。心の中のスキップモードをオンにする。
「……」
妹が、なにか言いたそうな顔でドクロTシャツを脱ぐ。下から妹が小学生のときに来ていたスクール水着が現れる。今でもサイズぴったりだ。六年二組二宮の文字も平面で読みやすい。
「じゃあ、次は詐欺られないようにこっちをやる」
広げていた赤本をしまい。もう一冊のほうを取り出す。難易度の高い公立校の過去問だ。
「ちょっと待つっす」
「なんだ?」
「スク水っすよ!」
「うん。よく似合ってるぞ」
「ぴくりともしないっすか?」
なにが、ぴくりとするんだ。このバカたれめ。
「始めていい?」
「ほら、真菜。お兄さんの邪魔したら本末転倒じゃない」
美沙ちゃんにたしなめられて、妹が引っ込む。
ピッ。スタート。
数学。
気を取り直した俺は、目標に向かってしゃにむに微分し積分し、極大値を求め、定理を証明する。公式を思い出せなくて、一瞬あせるが、脳神経にスパークが走って記憶の奥底から公式が浮かび上がる。図形を分解する箇所がひらめき、数列の法則に天恵が降りる。
「どうだ?」
「なんで、数学までイケちゃうっすか?」
愛の力としか言いようがない。こっちで合格ラインを超えれば、美沙ちゃんだ。美沙ちゃんの水着姿だ。ご褒美CG…CGじゃない、これはリアルだ。ご褒美リアルのためなら、俺はできる。
「やればできる子なんだ。俺は」
「お兄さん。そんなに、私のこと脱がしたかったんですね。知りませんでした」
美沙ちゃんが、くすくす笑いながらベッドの上で身体を傾ける。フリルシャツのしわがゆっくりと変形する。胸の辺りが少しキツそうに張っている。
いかん。
今、自分の目がケダモノしている自覚がある。美沙ちゃんにキモいと思われないようにしないと。
「にーくん、今、すげぇキモいっすよ」
「うるさい。知ってる」
でも、どうしようもない。美沙ちゃん、可愛すぎるんだもん。
「美沙っち。靴下とか脱ぐといいっすよ」
「真菜。お前、出番ないから自分の部屋に戻ってていいぞ」
「お兄さん、自分でいいですよ」
美沙ちゃんが立ち上がって、後ろで両手を組んでしなをつくる。
「じ、自分で?」
「自分で一枚脱がしてくれていいですよ」
がつんっ!
めまいがした。たぶん今、脳内の毛細血管のどこかが切れたと思う。これ、ヤバいんじゃないの?
「ど、どれでもいいの?」
「はい。いいですよ」
どどどどどどど。はぁはぁはぁはぁ。
やっべぇ。今の俺のキモさが天元突破している。知ってる。妹にこれ以上はないほどの侮蔑の視線を向けられていなかったとしても、それは分かる。
それより、どれにする。やはりスタンダードにシャツか?美沙ちゃんのDカップを水着だけの状態で堪能するか。くっ。めまいがする。いやまて、スカートにするってのもいいかもしれない。シャツだけ着ていて、スカートをはいていない状態の美沙ちゃんができあがるぞ。いやいや。まてまて、自分で脱がせていいんだぞ。自分で脱がせるなら、靴下とかもありじゃないか?美沙ちゃんにベッドに座ってもらって、靴下を脱がすのだ。それはそれでご褒美!
やべぇ!選べない!決断できない男子!
つい、失礼と分かっていても、美沙ちゃんを上から下まで見てしまう。俺がもう一人いたら、たぶん俺を殺していると思う。
「あっ。お兄さん!」
びくぅ!
「な、なに?」
「あ…あの。も、もし中の水着を脱がそうって思っているんだったら、そ、それはさすがに自分で脱ぎますからね…」
その発想はなかった。
「ちょ、ちょっと待って美沙ちゃん」
「はい」
「それってアリだったの?」
「…お、お兄さんだし…」
まて。この後、まだ四教科残っているんだぞ。
「美沙ちゃん、もし、水着パンツ→スカートって順で二連勝しちゃったらどうするつもりだったの?」
もしくは水着のパンツ→靴下でもいいんだが、それを言ったらさすがに引かれると思って踏みとどまった。
「え?」
美沙ちゃんがフリーズする。さては、そこまで考えていなかったな。うかつだよ。美沙ちゃん。
「そのときは、私がにーくんを駆除するっす」
妹が適切な言葉を選択した。ゴキブリを駆除するのに殺害という言葉は使わない。駆除が正しい。
美沙ちゃんと妹の四つの瞳が俺を見ている。
妹の目は、俺が不埒な真似に及ぶ前に適切に眉間を打ち据える鷹の目だ。
美沙ちゃんの目は、俺のキモクズレベルの数値を計ろうとおびえている。
この空気では王道くらいしか許されない。というか王道も許されないと思うのだけど、どういう流れなのか、許される状態になってしまっている。
「じゃ、じゃあ…シャツで…」
「はい。ど、どうぞ」
美沙ちゃんが、一歩こっちに歩み寄って目を閉じる。両手を身体の横にぴったりつけて、袖口を軽く握っている。よく見ると、小刻みに肩が震えている。
ごくり…。
こ、この美沙ちゃんのシャツのボタンを外していいの?
脱がせていいの?
どきどきどきどきどき。
俺は手を持ち上げて、美沙ちゃんのシャツの襟元で逡巡する。五センチ先のボタンにどうしても指を近づけられない。美沙ちゃんの胸元は動きを止めている。息を止めている。
分かってる。
中に水着を着ている。
ほら、よく見ると去年買った水着のストライプがうっすらと白いシャツに透けている。中は水着だ。見ていいはずだ。
それでも、指が動かない。
だ、だめだー。
「や、やっぱりいいよ。つーか、無理!」
ヘタれた。高校生にはレベルが高すぎだった。
「お兄さん?」
俺が手を下ろすのと同時に、美沙ちゃんもぷはっと止めていた息を吐き出す。
「いや、なんか。中身が水着って分かっていても、ちょっと…その」
「…そ、そうですか?」
緊張感を漂わせていた美沙ちゃんの顔にも、安堵の色が広がる。あ、やらなくてよかった。
「う、うん」
目を合わせられなくて、そらす。
「じゃあ、やっぱ私が一肌脱ぐっすよーっ」
妹が、元気な小学生みたいに手を広げて挙手している。上半身がスク水だから、もう完全に小学生だ。こいつ、中学生みたいな未発達っぷりだなと思っていたけど、ひょっとして小学生レベルなのか?
がっかりと安堵の入り混じった感情で妹を見ていると、妹はひょいとデニムを脱ぎ捨てた。
ちっとも嬉しくない。
そのくせ、スク水+靴下の実妹というヤバい物体が俺の部屋の中に出来上がっている。
これ、どうしたものだろうか…。
「お兄さん」
俺の微妙な表情を察してか、美沙ちゃんがおずおずと声をかける。
「な、なに?」
「ち、チケット発行しておきますよ」
「チケット?」
「ほら、前にお兄さんが『なんでも言うことを聞く券』を出してたじゃないですか」
たしかにそんなものもあったっけ。妹と美沙ちゃんに一枚ずつ渡して、美沙ちゃんはそれをつかって、俺が部屋にいるときはいつでも電話して来ていい権利をゲットしていたんだった。
「ああ。うん」
「だから、今は…その、やっぱり私も恥ずかしくなっちゃったからだめですけど…。あとで使えるように『一枚ぬがしていい券』を発行しておきます」
ドリームチケットを手に入れた。
その日、その後の問題集でも俺は脳の潜在能力をブーストさせて次々と合格ラインをクリアした。結果、美沙ちゃんの服を一枚脱がす能力を持ったスーパーアイテムを五枚手に入れた。
「五枚、ですね」
「うん」
「夏に使われちゃったら、右靴下、左靴下、シャツ、スカートで四枚ですね」
「うん?おお…」
「五枚目使うときは、私ごと全部もらってくれないと困っちゃいますね」
五枚目のカードは、悪魔のチケットだった。
あと、どうでもいいおまけだが、実妹が俺の部屋でスク水姿になっている。
本当に本当にどうでもいい。
(つづく)
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妄想劇場69話目。一つも脱いでいないのに、かなりケシカラン感じに仕上がりました。エロカワ美沙ちゃん。女子力53万。
最初から読まれる場合は、こちらから↓
(第一話) http://www.tinami.com/view/402411
メインは、創作漫画を描いています。コミティアで頒布してます。大体、毎回50ページ前後。コミティアにも遊びに来て、漫画のほうも読んでいただけると嬉しいです。(ステマ)