No.582222

現代に生きる恋姫達 目指すは恋姫同窓会 元カノの前編

MiTiさん

5月中にと言っておきながら結局月を跨いでしまった…OTZ

申し訳ありません。

とにかく、オリキャラである元カノの話です。

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2013-06-01 07:11:27 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:2692   閲覧ユーザー数:2354

私の名前は朝霧舞、芸術系大学の二回生。

私は今、あることを後悔してるのかもしれない。それは、付き合ってた彼を、カズトを振ってしまったこと…

 

彼との出会いは大学のゼミ教室。

自己紹介の後、同じ教室に昔一緒にバイトをしていた友人がいて、

彼とその友人がさらに友好の輪を広げようと考えたらしく、話しかけられた。

 

私だけじゃなくてゼミのみんなに話しかけて、それから私のゼミの教室は皆仲良くなれた。

一緒に課題をしたり遊びに行ったり。そうしていく内に、明るく朗らかなカズトに私は惹かれていった。

どこかに行くとき何かをするときは大体が誘いをかけてきて、私はその全部を受けていた。

逆に私からカズトだけを誘ったこともある。

 

気づかない間にゼミ中では元バイト仲間の友人をも越して、私とカズトが一緒にいる時間が多くなっていた。

そのことを指摘されるのと同時に、私達はつき合っているのかと聞かれた。

それに対して、私は返せなかった。否定の意味じゃなくて、そうだとうれしいと思ってる自分に気づいて恥ずかしくなったから。

カズトの方はというと、少し考えてから、

 

「なら、俺達付き合うか。もしいやじゃなかったら俺もうれしいんだが」

 

 

そう私に笑顔を見せながら聞いてきた。それに対して私は顔がさらに赤くなるのを感じつつ、

 

「…こ、これからもよろしく」

 

と返して私たちはつきあい始めた。

つき合ってから変わったことと言えば、私がカズトの家に度々行くようになったくらいだけで、

他は特になくゼミの皆とは相変わらず仲の良さで一緒に過ごした。

そんな感じだけど、カズトとつき合っていると言うことが私を充実させた。

 

でも、そんな日々はすぐに終ってしまった。正確には、私が終わらせてしまった…

 

 

ある日カズトの家に行った日のこと。

インターフォンをならしたけど返事が無く、ノックしても反応無し。

外出かと思いきびすを返そうとすると、振り向きざま扉がわずかに開いているのに気づいた。

中に入り誰かいるのか問うたところカズトの部屋の方から声が聞こえてきた。カズトのではなくて、カズトの友人の声だったけど。

恐らく、友人が遊びに来たけど、何か用が出来てカズトだけ外出して、

それほど時間がかからないから友人は残って待ってるんだと思った。

それなら私待たせてもらおうと、ついでにカズトはどこに何しに行ったのか聞こうと声がする方、カズトの部屋に向かった。

部屋に着き、扉の前に着いたところで中から声が聞こえた。

その内容は、私にとって信じられない物だった…

 

「ったく、こんの一刀のリア充め。なんでこんな奴がこんなにもてるんだか…」

 

リア充…私達が付き合っていることを指しているのかとも思ったけど、

聞こえてきた声からは苛立ちや怒り、嫌悪感を感じた。

 

あんなに仲が良さげだったのに実はそんなことを思っていたのかと思ったけど、

続いて聞こえてきた言葉に私の方がその感情を抱くことになった。

 

「惚れた方の負けとは言ってもな、よくこんだけの女とやれるよなぁ…下は明らか幼稚なロリに、上は熟女しかも子持ちにまで。

 別のところじゃ全員と子供まで出来るまでやってるもんな~」

 

カズトに限ってそんなことはないと言う否定と一緒に、可能性がないわけじゃないって考えも浮かんでしまった。

自他共に認めるなんちゃって大学生のカズトは資格を穫るためやバイトを数多くやっていて、

そのおかげでかなり顔が広いことを私は知ってる。同時に、性格や人柄から老若男女問わず人気があることも。

 

疑いたくはないけど、疑念を払うことが出来ないでいた。まずは問いただそうと、私は扉を開け放った。

 

「いまのってどう言うこと?」

 

「ん?うお!舞ちゃん、来てたの!?」

 

中に入ると、カズトの友人はデスクの前に座っていて、振り向き私がいることに驚いた。

 

「私のことはいいの。それよりも、カズトが見境無く女に手を出してるって、どういうことなの」

 

「いや、俺が言ってたのはこの家のカズトの事じゃないから!こっちのこっちの!」

 

慌てながら、彼はデスクの片隅に置かれてた箱を掲げて見せた。

そこには何十人という美人といえる女の娘達が描かれ、箱の下部には真・恋姫†夢想と大きくかかれてた。

 

 

「…何これ?」

 

「いや、今度あるコスプレイベントでこのゲームのやつやろうとしててな。格好とか設定とか確認してるところ」

 

「女とやってる云々は?」

 

「あ~これって所謂エロゲーでよ。主人公とヒロインがナニする場面があるわけだ」

 

「なんでカズト名前が出てくるの?」

 

「その主人公の名前が北郷一刀なんだ。勿論舞の彼氏のカズトじゃないからな?読み方は一緒だけど」

 

「どんな男なの?」

 

「あ~…ちょっと待てよ。確か顔とか全部写ってるのは…」

 

メニューから画像集を出し、あれでもないこれでもないと操作してる。

その過程で見えた画像には微笑ましいものや熱いもの、そして性行為もあった…

 

「お、あった。ほれ、こいつだよ」

 

そこには左右の髪を巻いた状態、所謂ツインドリルにした金髪の女の子と、白を基調とした服を着る男がいた。

その男は、カズトに見せてもらったアルバムの中で、

中学または高校の時のカズトをモデルにしたのではないかと思われるような容姿だった。

途中でみた様々な画像にこの容姿、本当にカズトとは関係ないのか、現実で私以外とこんな関係になってるのではという疑念を強めた。

 

その後は、参考資料集めの為に続けてよいかと聞かれ、私はかまわないと返し、ついでに見学もした。

今まで男性がやるエロゲーなんてやる気もわかなかったからどういうものかわからなかったけど、

見ていて感じたことは…あまりおもしろくない。

 

主人公の視点だからなのか、ほとんどが女性キャラとその台詞しかでない。

男の人はあまり出てこないし 、出てきても皆同じような書き方で顔もかかれていない。

目の前でプレイしているカズトの友人を始めとするオタクと呼ばれる人は何を楽しんでるのだろう。

 

そうして友人の後ろでエロゲーを眺め話が進むにつれて不機嫌になっていると、

 

「帰ったぞ。お、舞も来てたのか。いらっしゃい」

 

「おう、お帰りカズト」「…お邪魔してるわ」

 

「どうした?舞。なんか元気がないというか、不機嫌そうと言うか」

 

私の口調や表情からそう聞いてくれた。

気づいてくれたことはうれしいと言えば嬉しいけど、少し複雑だった。

 

 

「ところで、そっちは何してるんだ?パソコン使わせてくれって言ってたが」

 

「おう!今度のイベントの資料集めだ!結構人気作品だからかなりの売り上げが期待できるぞ」

 

「それってもしかしなくてもエロゲーだろ?普通それを舞がいる前でやるか?てか、舞が微妙な感じなのはそれでか…」

 

カズトはそう言うけど、それだと正解半分ね。

 

「で…なんのゲームやるんだ?」

 

「よくぞ聞いた!今回やるのは…Tinamiで祭が開いたほどの人気作、恋姫夢想だ!」

 

自信満々でタイトルを告げる友人、それを聞いたカズトは固まった。

 

「…ちょっと待て。確か恋姫の主人公の名前って…」

 

「ん?読み一緒の字違いでカズトと同じだな」

 

それからしばらく固まったカズトはゆっくりと、こちらを伺うように不安いっぱいの表情で私の方を向いた。

 

「…もしかしなくても、ゲームの一刀を見たり」

 

「カズトが帰ってくるまで見てた」

 

「あ~…そいつはあくまでゲームのキャラであって俺じゃないからな?」

 

「うん、わかってる」

 

「そ、そうか。…ところで、今日家に来たのは何か用があったか?」

 

「ううん、たまたま用事があって近くに来たから、せっかくだからカズトと何かしようかって思ってただけ。

でもなんだか忙しくなりそうだから、今日は帰るね」

 

「…わかった、気を付けてな。また明日ゼミで」

 

「ええ。また明日」

 

今日は日曜日。明日から平日だし、私たちのゼミの教室はゼミの時間割がある無し関わらずメンバー全員が朝市に集まるのがいつの間にか習慣になってる。

今日の内に話し合って解決した方がよかったかもしれないけど、今はとにかく一人になって自分を落ち着かせたかった。

カズトも察してくれたのか引き留めずにいてくれた。

 

そのままカズトの家を出ると、外まで聞こえるカズトの怒声と友人の絶叫が聞こえてきた。

 

 

次の日、いつも通り私がゼミの教室に行くと、そこには既にカズトと他数人がいた。

私が来た事に気づいたカズトがこっちに来て私に声をかける。

 

「…話、いいか?」

 

「うん」

 

私達は廊下に出て向かい合い、しばらく無言でうつむいてた。

やがて意を決したカズトが話しかけてきた。

 

「今舞が不機嫌?なのは多分昨日あいつがやってた恋姫の主人公の名前が一刀で、

憶測で悪いが、それと俺を重ねてるからだと思うが…あってるか?」

 

「…そう、かな」

 

「念押ししとくが、俺はゲームの一刀とは違うからな?見境無く女に手を出すなんてことしないからな。

彼氏彼女の仲で付き合ったのって舞が初めてだし」

 

「…そうなんだ」

 

その告白は素直にうれしかった。けど、それでも私の心は晴れなかった。

 

「ごめんなさいカズト…もう少し待って。

あれがカズトとは違うってわかってるはずなんだけど…完全に割り切ることが出来なくて」

 

「…わかった。ゼミが一緒な以上会わずにいるのは無理だから…

とりあえずつき合う前の俺たちに戻るって感じでいるか。落ち着いたら教えてくれ」

 

その後はいつも通り大学の授業を受けて過ごした。

だけど、付き合ってた時は休み時間には可能な限り、昼は一緒にとっていたのにこの日は別々にとった。

 

よそよそしいといった態度はとっていたつもりはないけど、同じようにカズトと別行動をとる時間が続くと皆気づく。

女子メンバーで集まって何かあったのか聞かれたけど、私は原因をはっきり告げずごまかした。

原因を告げたら皆はカズトに対してどんな思いを抱くのか。

 

それとなくカズトをはじめとする男性メンバーはどんな感じか聞いてみると、こっちは既に全て聞いてるようだった。

同時にカズトは一刀とは違うと断定してた。

 

それを聞いて、私は少しずつ割り切れるようになってきた。あの光景を見るまでは…

 

 

その光景を見たのは偶然。

 

大学を終えてから家に帰る途中、私はある店の前を通るところだった。

その店はカズトのバイト先の喫茶店兼バー。

朝から夕方までが喫茶店として、夕方以降はバーになるというおもしろい店で、

私達ゼミのメンバーは全員行ったことがある。

 

両方の時間に入れるだけの技量を持ってるカズトはかなり優遇されていて、店長からも気に入られてる。

味も良く店の雰囲気も落ち着ける感じの良さがあって、その店は私たちの行きつけの店になった。

 

カズトと付き合い始めたときに世話になってるからと私は店長に紹介された。

夫婦で経営してる店で、昼は奥さんが、夜は旦那さんが店にでていて、

どちらも優しく人生経験も豊富そうで、私たち含めて店に来る客は相談に乗って貰ったりもする。

 

私も相談に乗ってもらおうと来たんだけど、そこで私は見た。私の知らない女とカズトが密着しているのを…

 

目を凝らしてみると、カウンターにて二人は手元で何かを作っている。

時間は昼と夜の部の入れ替わり時。お揃いの服(店の制服)を着てるからたぶんあの女性は新しく入った娘で、

カズトは後輩に当たるあの娘にいろいろ教えてるところなんだと推測は出来る。

 

だけど、喜怒哀楽と百面相を浮かべるあの娘に対して常に優しげな笑顔を見せ、

時々肩をたたいたり頭をなでたり。

カズトの性格などから特に下心はないとわかっているはずなのに、

恋姫の一刀を知った後だとどこか邪推してしまう。

 

二人のシフトがどうなってるかはわからなかったけど、あの光景を見続ける気にはならなかったから、

結局店にはいることなく私は帰ることにした。

 

それからも、いろんな所でカズトが、特に知ってる知らないに関係なく女性と一緒にいる光景を見たくはないに目で追ってしまい、

そのたびにいろいろ邪推してしまう自分がいた。次第に一刀=カズトって考えが強くなっていく。

 

ただ仲の良い男友達だったらともかく、つき合ってるなら私だけを見てほしい。

でもカズトの性格からして相手が誰であろうと接し方を変えないのはわかる。

それがカズトの長所でもあり、だからこそ皆が仲良くなれた。

 

それなのに、私以外の誰か(女性)と仲が良さげに見る度に心が乱れる。

それに耐えられなくなって私はついに言ってしまった。

 

「カズト…私達、つき合う前の関係に戻りたいの」

 

付き合う前、つまりゼミのメンバーで仲良く過ごすことがあっても二人きりで過ごすことがなくなる。

 

私の言葉を聞いてカズトは悲痛な表情を浮かべた。

 

「どうしてもダメなのか?俺に出来ることなら何でも…」

 

「…ごめんなさい。正直カズトが私以外の女といるのを見るだけで私は…カズトは無理でしょう?他の女に会わずに過ごすなんて」

 

「…まぁバイトやら大学やらで女性がいないところってほとんどないし。

けど、舞くらいに親密になってる奴はいないぞ」

 

「わかってる、わかってるんだけど…ごめん」

 

「…わかりたくはないが、わかった。けどこれだけは言わせてくれ。

俺はマジで舞の事が好きになって付き合ったんだ」

 

「うん…ありがとう」

 

それで話は終わった。

 

 

それ以降、私達は宣言通り付き合う前の関係に戻った。

カズトの友人のように、彼がオタクであると知った上で交友するように、

ちょっとした癖のある人と交友していると思えば少しは楽になれた。

 

 

でも、私も本気でカズトのことが好きになって付き合ったこと、

カズト自身には何の非も無かったこと、考えれば考えるほどくだらなく思える理由に心が揺さぶられてる自分に私は落ち込んでいた。

 

ゼミの女性メンバーは私達が分かれたことに気づき、

何故分かれたのかを聞いてきたが、私は理由が言えなかった。

 

そんな私に対して、励ましなのか催促なのか、男としてカズトは優良株であるとか別れるなんてもったいないだとか言われた。

その上私が別れるなら自分がアタックしても良いかなんて事も言われてしまった。

 

改めて人として、男性としてカズトがどれだけ好かれているかを理解させられた。

また交際を再開しようと出来るほどには割り切ることが出来ず、完全に絶交したわけでもないから、

私自身が落ち着けるまで待ってくれるだろうという期待がある。

私以外の人と付き合い始めるかもしれないという不安がある。この先私は、私達はどうなるんだろう…

 

~あとがき~

 

現代に生きる恋姫達 目指すは恋姫同窓会 元カノの前編 いかがでしたでしょうか?

 

書き終わって感じたこと…なんか下らねぇ理由だなぁ~…自分で書いておきながら…

 

自分彼女いないんでカップルがどういう理由があってこじれたりするのかなんてわかんねです。

 

で、相手が華琳を始めとする恋姫陣が成長後の一刀瓜二つの容姿であるカズトであるならば、

 

不振不満などの悪感情が芽生えてしまうのではないかとこんな形になってまいました。

 

舞、君のカズトへの愛はその程度なのか!?と言いたくなる方もいるかもです。自分も思ったりしてます。

 

まぁ、そこはストーリーや設定のためだと納得しといてください。

 

それに、完全にカズトのことを嫌いになったわけでもないですし。

 

中編では迷う舞を揺さぶる展開になります。その結果どうなるかは読んでからのお楽しみ。

 

どんな揺さぶりかは…華琳と遭遇、この一言に尽きます。

 

残念ながら修羅場にはなりませんが、そこは後編とそれに続く形で出る転生した誰かの話でなります。

 

今後の展開としてはこんな感じです。

 

さて、今後の予定としては、多分一番早く出来るのは舞の中編になります。

 

他に自分のところで書いている話で霞と小蓮の話は、

 

ストーリー案までは浮かんでるんですが、文章にするのに苦労しそうって所です。

 

更に、舞編を書いている途中に一人のオリキャラの話が浮かんできまして、

 

挟乃狼さんの話に出てくるキャラの話でして、狼さんに許可を頂きました。

 

キャラ設定などは狼さんに作ってもらって自分が話を書く形になります。

 

まぁ、自分も狼さんもリアルが忙しい感じなので時間が掛かりますが。

 

予定はこんな感じです。

 

 

それではこの辺で。

 

感想・誤字報告・ストーリー案・執筆参加申請、お待ちしております。

 

 


 
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