No.581560 ~少年が望んだ世界と力~2013-05-30 13:27:55 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:4157 閲覧ユーザー数:3711 |
前書き
健悟「それはごく普通の高校生だったはずの俺、野田健悟に訪れた出来事」
アポロン「彼が望んだのは大いなる力」
フェイト「手にしたのは仮面ライダーの力」
なのは「願ったのは悲しい結末をなくすこと」
アポロン「いけないことだと分かっていても、彼は物語を変える」
フェイト「1人でも多くの人の笑顔が見たいから」
健悟「その笑顔を見るために俺は戦う。今も、そしてこれからも」
なのは「『~少年が望んだ世界と力~』、はじまります」
海鳴市 野田家
ダブルオーライザーのトランザムバーストによってプレシア・テスタロッサの病を完治させ、その娘のアリシア・テスタロッサを生き返らせることに成功してから数日後の早朝。
この家に住んでいる俺、野田健悟は気持ち良く寝ていた。
ピリリリッ、ピリリリッ、ピリリリッ
朝日が差し込んだばかりの寝室に音が鳴り響く。
「う、うーん?」
俺は若干起こされたことにイラっとしながら音が鳴っている物、フェニックスドライバーを手に取った。
「っんだよ。こんな朝っぱらから・・・通信?」
フェニックスドライバーを確認すると通信が着ていた。
このフェニックスドライバーの通信コードを知っているのは一般の人には教えていないのですぐに管理局、アースラからだと分かった。
「アースラからですね」
「わかってるよ」
そういいながら俺は通信をONにした。
「はい。野田です」
<やぁ、おはよう健ご・・・>
通信をONにしてモニターにクロノが映ったので通信を切った。
「・・・寝るか」
通信を切った俺は二度寝をすることにし横になった。。
ピリリリッ、ピリリリッ、ピリリリッ
しかし、二度寝しようとした時、またフェニックスドライバーに通信が入った。
「・・・はい」
<なんで通信を切った!>
渋々通信をONにするとクロノが最初に通信を切ったことに関して怒っていた。
朝の寝起きは脳がまだ覚醒してないから怒鳴り声は頭に響くから止めて欲しいものだ。
「あぁ、すまんな。眠いから二度寝しようとした。あとお前見てなんかイラってなったから」
<最初の理由は起こして悪かったと謝ろう。だが二つ目の理由が納得いかないぞ!>
「簡単なことだ。俺の中では貴方の評価が低いから。それで用件はなんだ?さっさと言ってくれない?」
<なんだがだんだん僕に対して敬語とかしなくなってきたな?はぁ、今回連絡したのはテスタロッサ親子についてだ>
「そういうことは早く言え。それで?」
話の内容がフェイト達に関してだったのですぐに聞く態度を変える。
<彼女達の身柄はこれから本局に移動、事情聴取と裁判が行われる。フェイトは確実に無罪になるだろうが、プレシアの方は残念だが有罪は免れない>
原作通りにフェイトは無罪に出来たが、分かってはいたがやっぱり主犯であるプレシアは無罪には出来ないか。
<だが、君との約束通り罪は軽く出来るように頑張るつもりだ>
「あぁ。信用してる。頑張ってくれ」
<わかってるよ。あぁ、それと聴取と裁判は時間がかかるから本局に行く前にテスタロッサ親子が君に会いたいらしい>
「わかった。すぐに行くから指定場所を転送してくれ」
<あぁ>
クロノが送ってきた指定場所は第一期の最終話の場所だった。
「確認した。後で会おう」
場所を確認した俺はすぐに着替えを始め、着替え終わると部屋を出てガレージに向う。
連絡を受けた俺はオールドライドで姿を変え、最近オートバジンばかり使っていたので今回は津上翔一が使っていたホンダ・VTR1000Fで指定された場所に到着した。
「オールドライド解除します」
ヘルメットを外し、バイクから下りるとアポロンがオールドライドを解除し、元に戻る。
「あ!健悟だ~!」
俺を見るとアリシアが元気よく駆け寄ってきた。
トランザムバーストの後アリシアと少しだけ話をして仲良くなり、俺が妹であるフェイトと同い年だと分かり、一応年上なので呼び捨てでいいと言ったのでアリシアは俺を呼び捨てで呼んでいる。
「ようアリシア。数日ぶりだな。元気そうでよかった」
「うん!でもね、ほとんどお部屋にいないといけないの」
「そうか」
「でもね。ママとフェイトとアルフがいるから凄く楽しいの!」
「よかったなアリシア」
「うん!」
「健悟」
アリシアと話しているとフェイト、アルフ、プレシアが俺に近づき、フェイトが声をかけた。
「よう、フェイト、アルフ。2人も元気そうだな」
「うん」
「あんたもね」
「プレシアさん。体の具合はどうですか?」
「まだ本調子ではないけど、貴方のおかげで良くなったわ」
「良かった」
「フェイトちゃーん!」
俺がフェイトとアルフに挨拶をし、プレシアの体調を訊いていると肩にフェレットモードのユーノを乗せたなのはが走ってきた。
なのはを見たフェイトは嬉しそうな表情をし、なのはがフェイトの前に止まるとユーノがなのはの肩から下り、アルフの肩に乗り移る。
「あんまり時間はないんだがしばらく話すといい。僕達は向こうにいるから」
「ありがとう」
「ありがとう」
なのはとフェイトがクロノにお礼を言うとクロノとアルフ、ユーノ、プレシア、アリシアが少し離れたベンチに向って歩き、俺もその後ろについて行く。
「あ、待って健悟!」
「ん?」
俺がクロノ達について行こうとするとフェイトに呼び止められ振り返る。
「ここに・・・いてくれないかな?」
「いいのか?」
「うん」
「私もいいよ」
なのはも了承してくれたが確かプレシアも俺に話しがあったはずなので俺はプレシアの方を向く。
「私は最後、少しだけでいいわ」
「私はもう少しお話したいけど我慢する!」
「・・・分かった」
プレシアとアリシアが了承すると俺はなのはとフェイトに近づき、クロノ達は放れて行った。
俺となのはがフェイトを挟むように立ち、3人だけになったが俺もフェイトもなのはも中々話し出そうとしない。
「なんだかいっぱい話したいことがあったのに・・・変だね、フェイトちゃんの顔を見たら忘れちゃった」
「私は・・・そうだね。私も上手く言葉に出来ない」
原作通り最初になのはが話し出し、それに続きフェイトも話し出しす。
「だけど嬉しかった」
「え?」
「真っ直ぐ向き合ってくれて」
「うん!友達になれたらいいなって思ってたの。でも今日はもうこれから出かけちゃうんだよね?」
「そうだね。少し長い旅になる・・・」
「また会えるんだよね?」
「うん。少し寂しいけどやっと本当の自分を始められるから」
なのはとフェイトの会話を俺は黙ったまま聞いていた。
理由は喋るタイミングが見つからない。
「来てもらったのは返事をするため」
「え?」
「君が言ってくれた言葉・・・友達になりたいって・・」
「あ!うん!うん!」
俺が1人喋るタイミングを計っているとフェイトの言葉になのはが嬉しそうに頷く。
「私に出来るなら、私でいいならって。・・・だけど私、どうしていいか分からない。だから2人に教えて欲しいんだ。どうしたら友達になれるのか」
ここで予想外の展開になった。
フェイトに話しを振られたがまさかあの名シーンの内容とは!
俺は多少混乱しながら先になのはが言うのを待つ。
「簡単だよ」
「え?」
「友達になるの凄く簡単」
「・・・」
なのはを見ながらフェイトは答えを待つ。
最終話のサブタイトルにも使われたあの名台詞を。
「なまえを呼んで」
フェイトを見ながらなのはがはっきり言った。
海上の時といい、今といい、こんな間近であの名シーンを見れて、俺は感動していた。
「初めはそれだけでいいの。君とか貴女とかそうゆうのじゃなくてちゃんと相手の目を見て、ハッキリ相手の名前を呼ぶの」
「俺は単純に相手が友達なりたいって思ってくれていて、自分自身も友達になりたいと思っているなら友達だって思ってるけどな。でも、それで実感みたいなのが湧かないなら、親しみを感じたいなら高町の言う通り、名前を呼ぶのがいいかもしれない」
なのはが言った後に俺なりの友達のなり方をフェイトに伝えた。
「うん!私、高町なのは。なのはだよ!」
「なの・・は?」
「うん!そう!」
フェイトが名前を呼んでくれたのでなのはが嬉しそうに頷く。
「なのは・・・」
「うん!」
「健悟・・・」
「おう」
なのはに続いて俺も呼ばれたので俺も返事を返した。
「なのは・・」
「うん!」
「健悟・・」
「おう」
なのはが両手でフェイトの左手を握ったので俺も右手でフェイトの右手を軽く握る。
「ありがとう。なのは、健悟・・・」
「うん!」
「おう」
「なのは、健悟・・・」
「・・・うん!」
「ん?」
あまりの嬉しさになのはは目尻に涙を溜めていた。
「君達の手は暖かいね。なのは、健悟」
「・・う・・グスッ・・・うう・・グスッ・・・」
限界を超えてなのはが涙を流し、それを見た俺はフェイトの手を離し、フェイトはなのはの涙を拭いた。
「少し分かったことがある。友達が泣いていると同じ様に自分も悲しいんだ・・・」
「!・・・フェイトちゃん!」
なのはがフェイトに抱きつき、フェイトはなのはを受け止めた。
「ありがとうなのは。今は離れてしまうけど、きっとまた会える。そうしたらまた君の名前を呼んでもいい?」
「うん!・・うん!・・・」
「会いたくなったらきっと名前を呼ぶ」
「・・・」
「だからなのはも私を呼んで。なのはに困ったことがあったら今度はきっと私がなのはを助けるから・・・」
「ううう・・・グスッ・・・ううう・・・」
なのははフェイトに抱きつきながら泣き、フェイトもまた涙を流す。
そして涙を流しながらフェイトは俺の方を見る。
「・・・健悟も」
「・・・グスッ、もちろん。俺もフェイトの名前を呼ぶ」
感動した俺は若干涙を浮かべながら笑顔でフェイトに答える。
最近涙もろいな俺。
「うん」
涙を流したままフェイトは俺に笑顔で返し、俺はフェイトの頭を撫でた。
「///」
俺が頭を撫でるとフェイトの顔を少し赤くなった。
「時間だ。そろそろいいか?」
俺がフェイトの頭を撫でていると時間切れになったことをクロノが伝えに来た。
それを聞いた俺はフェイトから手を離し、なのはもフェイトから離れた。
「うん」
「フェイトちゃん!」
なのはがフェイトを呼ぶとなのはは自分の髪を結んでいたリボンを解き、フェイトに差し出した。
「思い出に出来るもの・・・こんなのしかないんだけど・・」
「じゃあ私も・・・」
なのはがリボンを差し出すとフェイトも自分の髪を結んでいたリボンを解き、なのはに差し出した。
「ありがとう、なのは」
「うん、フェイトちゃん・・・」
これも名シーンの1つ、互いのリボンの交換のシーン。
これを見ていた俺も何かフェイトに思い出になるものをあげたい、もしくは貸してあげたいと思った。
「なら俺からも」
そう思った俺はカードケースからライダーカードとMSカード「仮面ライダーフェニックス」と「ダブルオーガンダム」のカードを差し出す。
「あげることは出来ないが、思い出になるもの。お守りとして貸しておく。アリシアと1枚ずつな」
「健悟・・・」
「きっとまた会えるんだろ?だったらその時に返してくれればいい」
「でも、私から何も・・・それにそれがないと困るでしょ?」
「大丈夫。まだ他にもライダーシステムはある。フェニックス以外のライダーシステムを使ういい機会だ。お返しを気にしているなら・・・そうだなぁ。じゃあ、必ず返しに、会いに来るって約束しろ。それがお返しだ」
「・・・・うん」
フェイトはフェニックスとダブルオーのカードを受け取り、フェイトとなのはは互いの手を重ねた。
「きっとまた」
「うん!きっとまた!」
「あぁ、きっとまた」
そういってなのはとフェイトは互いのリボンを交換した。
「ん」
2人がリボンを交換するとアルフがなのはの肩にユーノを乗せた。
「あ、ありがとう。アルフさんも元気でね」
「元気でなアルフ」
「あぁ、色々ありがとね。健悟、なのは、ユーノ」
「それじゃあ僕も」
「クロノ君もまたね」
「しっかりやれよ」
「あぁ」
「じゃあな、アリシア」
「うん!また会おうね健悟!」
「おう」
俺はフェイトと同じようにアリシアの頭を撫でる。
「えへへ///」
アリシアは頬を赤くし、嬉しそうな声を出した。
毎回思うが女の子は頭撫でられるのが好きなのか?
「プレシアさんもお元気で」
「えぇ。健悟のおかげで大切なものを、アリシアを生き返らすことも、フェイトを手放さないで済んだわ。本当にありがとう」
「いえ、そんな」
「別れる前にこの前の答えを聞きたいのだけど」
「この前?」
「何故私を助けたのか」
数日前、アースラの医務室でプレシアに助けた理由を訊かれ、まだ答えていなかったことを今思い出した。
「貴女を助けた理由は2つ。1つは助けた時に言った通り、貴女が死んだらフェイトが悲しむから。2つ目は貴女を助けたかったから。それだけです」
「私を・・・?」
「はい」
「・・・ありがとう」
俺は自分の素直な気持ちで答え、プレシアは優しい笑顔でお礼を言ってくれた。
「そろそろいいですか?」
「えぇ」
クロノがプレシアに了承を得ると魔方陣を展開した。
フェイトとアリシアが俺となのはに手を振り、それを見た俺となのは、ユーノも手を振り返した。
そしてフェイト達は転移されていった。
「行っちゃったね・・・」
「そうだな」
『OLD RIDE! TWENTY!』
フェイト達を見送った俺はすぐにオールドライドのカードを入れ、姿を変える。
「ま、また会える時が来るまで待っていよう」
「うん!」
そういいながら俺はヘルメットを被り、バイクに跨り、エンジンを掛けた。
「さて、俺は一旦家に帰って学校に行く仕度して来る。また後で学校で会おう、高町」
「あ、野田君!」
「ん?」
走りだそうとした時、なのはに呼び止められた。
「前々から気になってたんだけど、何で野田君はフェイトちゃんやアリサちゃんやすずかちゃんは名前で呼んでるのに、私だけ苗字なの?」
そういえばそうだな。
まぁ強いて言うなら・・・
「あー、まぁなんだ。・・・気分?」
「き、気分って・・・」
「それを言うなら高町も俺を苗字で呼んでるんだから別にいいんじゃないか?」
「あ、そういえば」
「大丈夫。例え苗字で呼んでても俺と高町は友達だ。じゃあ後でな~」
そういって俺は一旦家に帰るためにバイクを走らせた。
「あ、うん!後でね~!」
「よろしかったのですかマスター?」
帰宅途中、バイクを運転している時にアポロンが話しかけてきた。
「何がだ?」
「フェニックスのカードを貸してしまって。オールドライドは使用可能ですがフェニックスに変身しなければライダーもMSもASもスーパー戦隊も召喚できませんよ?」
どうやらアポロンはフェニックスのカードを貸したことをあまり良く思っていないようだ。
「さっきフェイトに言っただろ?他のライダーシステムを使ういい機会だって。あ、あれ(・・)って完成いつ頃?」
「後四ヶ月ぐらいですね。システム等が色々複雑なのもありますがしばらくの間私のメンテナンス等もしなければならないので」
四ヶ月・・・今が確か5月だから9月頃か。
「そうか。ま、気楽に待つか」
そういいながら俺はバイクの速度を上げる。
(これで第一期は完了。次は第二期、A`sか・・・)
バイクを運転しながら俺は次のことを考えていた。
この先、半年後に訪れる新たな事件、物語のことを・・・・
後書き
ARXー7アーバレスト「お疲れ様でーす!」
健悟「今回はやけにテンション高いな」
アポロン「そうですね」
ARXー7アーバレスト「今回は久しぶりに早く書けたからな」
健悟「言われてみれば確かに早いな」
ARXー7アーバレスト「出来ればこのペースで行きたいけど・・・難しい」
アポロン「頑張ってください」
ARXー7アーバレスト「さて、ついに今回で『魔法少女リリカルなのは』の第一期が終了しました!」
健悟「長かった。本当に長かった」
アポロン「アニメ本編は13話で終了しましたのにこの小説は32話もかかりましたね」
ARXー7アーバレスト「これだとA`sやStrikerSはどうなるんだろうね?」
健悟「お前次第だろ?」
アポロン「その通りです」
ARXー7アーバレスト「だよねぇ~。まぁ多分A`sもStrikerSもかなり長く書くだろうけど!もちろん基本戦闘メインで!」
健悟「戦うの俺達だけどな」
アポロン 「まったくです」
ARXー7アーバレスト「まぁまぁ。それではそろそろ次回予告ですがここでお知らせ。次回の28話はまだA`s編には突入せず、インターバルを入れます」
健悟「インターバル?」
ARXー7アーバレスト「そう。A`s編を楽しみにしていた方々がいたら申し訳ありません。A`s編は第35話からを予定してます!」
健悟「ちなみにどんな話なんだ?」
ARXー7アーバレスト「それは次回予告のサブタイトルで分かる。アポロン、BGM」
アポロン「ラージャ」
BGM『冒険でしょでしょ?』
健悟「今回はハルヒ風か」
ARXー7アーバレスト「そうでーす。今回はアポロンにも強力してもらう!ではよろしく!」
健悟「はいはい。おいアポロン、次の話って」
アポロン「次回。~少年が望んだ世界と力~ 『第四十話』」
健悟「違う!次回、~少年が望んだ世界と力~ 『第三十三話 SUMMER DAY'S』。お楽しみに」
ARXー7アーバレスト 「はいOK!」
健悟「相変わらず大変だな次回予告は」
ARXー7アーバレスト 「次回もお楽しみに!!」
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第三十二話 なまえをよんで