No.581485

真・恋姫†無双~赤龍伝~第118話「辻斬り」

さん

主人公も含めてオリジナルキャラクターが多数出てきます。
未熟なため文章や設定などにおかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2013-05-30 02:00:59 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2164   閲覧ユーザー数:2009

真・恋姫†無双~赤龍伝~第118話「辻斬り」

 

 

桃香「愛紗ちゃんっ!!」

 

医務室に桃香が駆け込む。

 

関羽が辻斬りに斬られたと報せを聞いたのは、赤斗たちとの食事をしている最中。

 

報せを聞くや否や桃香は広間を飛び出したのだった。

 

 

愛紗「うぅ……桃香…様!」

 

桃香「あ、起きちゃダメだよ。そのまま寝てなくちゃ!」

 

寝台に横になっていた関羽は身体を起こそうとするのを桃香は止めた。

 

愛紗「申し訳ありま――うっ」

 

関羽は痛みで左肩を抑えた。

 

桃香「愛紗ちゃん、大丈夫っ!!」

 

愛紗「はい……これぐらい大丈夫です」

 

桃香「……本当に?」

 

愛紗「ええ。ですので、桃香様も今日はお休み下さい。私も少し休みたいので……」

 

関羽は笑顔で桃香に答えるが、その笑顔は反論を許していなかった。

 

桃香「……うん。愛紗ちゃんがそう言うなら……」

 

関羽の言葉を信じて、桃香は退室していった。

 

 

鈴々「お姉ちゃんっ! 愛紗は平気なのか!?」

 

広間に戻ってきた桃香を鈴々や他の武将たちが出迎えた。

 

桃香「……うん。愛紗ちゃん、元気だったよ」

 

鈴々「なら、今度は鈴々が愛紗に会いに行くのだ!」

 

桃香「ああっ、鈴々ちゃんダメだよ! 愛紗ちゃん、もう休んでるの。だから、今日はそっとして置いてあげよ」

 

鈴々「ぅぅ……わかったのだ……」

 

星「それにしても、愛紗を倒すとは、ただの辻斬りではないな。蒲公英に焔耶よ。お主たちは辻斬りの姿を見なかったのか?」

 

焔耶「……いいや」

 

蒲公英「蒲公英たちがきた時には、愛紗以外に誰も居なかったよ」

 

星「そうか……ん? 翠よ、何処に行く気だ?」

 

翠「決まっているじゃないか。愛紗の仇打ちだっ!」

 

鈴々「鈴々も行くのだっ!」

 

朱里「待って下さい!相手は愛紗さんを倒すほどの実力者です。無策でかかれば、愛紗さんの二の舞を踏みかねません。ここはしっかりと策を考えてから行動を起こさないと」

 

鈴々「そんな事してたら逃げられてしまうのだ!」

 

翠「そうだ。今すぐ行くべきだ!」

 

張飛と馬超は今にも街へと飛び出しかねない。

 

それを諸葛亮たちが必死に止めていた。

 

 

藍里「赤斗様、如何いたしますか?」

 

赤斗「うーーーん」

 

赤斗たちは少し離れた場所で桃香たちの様子を見ていた。

 

亞莎「赤斗様?」

 

赤斗「………辻斬り退治に協力するのって、内政干渉とか、そういうのになるのかな?」

 

亞莎「えっと、それは……」

 

藍里「同盟国として犯人捕縛の協力を申し込めば、あの桃香様ならきっと承諾して下さると思いますよ」

 

赤斗「うん。ならば……僕は辻斬りを捕まえてから呉に帰るよ」

 

藍里「やっぱり、そうなりますか」

 

 

鈴々「とにかく鈴々は行くのだ!」

 

雛里「あ、鈴々ちゃん待って」

 

制止を振り切って街に行こうとする張飛の前に、赤斗が立ちふさがった。

 

赤斗「まったく、猪武者だな張飛ちゃんは」

 

鈴々「赤いお兄ちゃん! そこどくのだーーっ!」

 

そう言いながら張飛は、赤斗に向かって突っ込んでくる。

 

赤斗「……よっ」

 

鈴々「はにゃ? ……にゃにーーー、何なのだーーっ!?」

 

気がつくと張飛は宙を舞っていた。

 

赤斗「よっと」

 

そして、落ちてきた張飛の身体を赤斗は受け止めた。

 

鈴々「……あーー、ビックリしたのだ。今の赤いお兄ちゃんの仕業か?」

 

赤斗「まあね。……それよりも少しは落ち着いたかな?」

 

鈴々「にゃ?」

 

赤斗「今の張飛ちゃんは、冷静さを欠いて動きが単調になってるよ」

 

鈴々「そんなことないのだ! 鈴々なら大丈夫なのだっ!」

 

赤斗「そうかな? 兎に角落ち着こう。……そんな事じゃ関羽さんの仇打ちなんてできないと思うよ」

 

鈴々「にゃにおーーっ!? そこまで言うなら鈴々と勝負なのだーーーっ!!」

 

そう言うと張飛は赤斗から離れた。

 

赤斗「え……何で?」

 

鈴々「鈴々が大丈夫だってこと、戦って証明してやるのだ!」

 

星「鈴々よ。勝負も良いが、今宵はもう夜遅い。勝負は明日にしたほうが良いのではないか」

 

鈴々「わかったのだ! 明日、絶対に勝負なのだーー!!」

 

そう叫びながら、勢いよく張飛は部屋へと戻っていった。

 

赤斗「……一応、張飛ちゃんを止める事ができましたね。少し納得がいかないけど…」

 

朱里「ありがとうございます。助かりました」

 

桃香「翠ちゃんもいいよね」

 

翠「でもさあ、こんな事してたら、本当に辻斬りの奴に逃げられちゃうじゃないか」

 

朱里「どのみち、今から街に行っても辻斬りさんを捕まえる事はできないと思います」

 

翠「何でだよ朱里?」

 

朱里「今夜は愛紗さんほどの武将を斬ったんです。今夜はもう現れないでしょう」

 

翠「そんなの分からないじゃないか! もしかすると今日は、まだ人を斬るかもしれないだろ!」

 

朱里「辻斬りさんは今まで一晩に一人と、決まった数の人しか斬っていませんから……辻斬りさんを捕まえるのは明晩の方がいいでしょう。それまでには策を考えておきますので」

 

翠「……わかったよ」

 

しぶしぶ馬超も引きさがった。

 

赤斗「桃香さん」

 

桃香「はい。何ですか?」

 

赤斗「僕たちも辻斬り退治に協力させて下さい」

 

桃香「え、でも赤斗さんたちを危険な目に遭わせるには……」

 

赤斗「何を今更。僕たちが加わった方が孔明ちゃんの策の幅が広がると思いますよ」

 

桃香「……良いんですか?」

 

赤斗「はい♪」

 

桃香「じゃあ、お願いしま――」

 

焔耶「お待ち下さい桃香様っ!」

 

桃香「焔耶ちゃん?」

 

焔耶「今回の件に、他国の人間の力を借りるのはどうかお待ちください!」

 

桃香「どうして?」

 

焔耶「……愛紗ほどの実力者が倒されているんです。それなのに、このような者が居たらば、かえって邪魔です!」

 

桔梗「焔耶、口を慎まんか!」

 

焔耶「…………」

 

星「ならば焔耶よ。おぬしも明日、赤斗殿と立ち合ってみればよかろう」

 

赤斗「はい?」

 

桔梗「それは良い。おぬしもそれで良いな焔耶」

 

焔耶「…………………………はい」

 

暫く無言ののち、小さく返事をした。

 

赤斗(あのぉ……僕の意見は?)

 

 

亞莎「何だか大変な事になってしまいましたね」

 

用意された部屋で赤斗たちは、明日の事について話をしていた。

 

赤斗「そうだね。張飛ちゃんや魏延さんと戦う事になるとは……。辻斬り退治に参加する為の通過イベントがスゴイ事スゴイ事」

 

亞莎「いべんと?」

 

赤斗「催し物とか、出来事とか、そういう意味かな」

 

藍里「それで如何するおつもりなんですか?」

 

赤斗「まあ、頑張って張飛ちゃんや魏延さんに勝って、辻斬りを捕まえて関羽さんの仇打ちだね」

 

藍里「では、私と亞莎ちゃんは朱里とともに策を練るとしましょう。ですが、くれぐれも怪我をしないようにお気をつけ下さいね」

 

赤斗「心配してくれて、ありがとう藍里♪」

 

赤斗(それに燕人張飛を相手に龍の眼を封じられた僕がどこまで戦えるか、ちょっと楽しみなんだよね)

 

 

つづく


 
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