No.580641

真・恋姫無双-道

ツナまんさん

久々の更新です。f(^_^)

注意:オリキャラ出ます、

2013-05-27 06:55:26 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1460   閲覧ユーザー数:1356

 

第1章-漆話『飄々』

 

太陽が真上を過ぎた頃、和輝達は件の賊達と戦闘を繰り広げていた。が…

 

「…暇だなぁ。」

 

そう、和輝は秋蘭の副官という扱いになっているため弓兵部隊にいるが、和輝の得物は居合刀、兵の指揮も秋蘭が行っているため完全に手持ちぶさたになっていた。

 

「確かに歩兵のお前が弓兵の中に居ては出来る事は無いかもしれんが、そういうのは思っても口に出さん方がいい。皆、必死に戦っているのだぞ。」

「なあ、俺って此処にいなくても変わらなくないか?」

「まぁ、変わらんだろうが…って、おい和輝どこに行く!?」

 

突然持ち場を離れ始める和輝に秋蘭が叫ぶ。

 

「ちょっと散歩してくる。」

 

そのまま、後ろ手に手を振りながら行ってしまう和輝に溜め息をつく。

 

「散歩ならもう少し静かな場所を選ぶものだがな。どちらにしろ華琳様に報告だな。」

 

そんな事を言いながら、前線へ進む和輝の背中を見送った。

 

「さてと、数はそこそこってとこか。」

 

正面よりややはずれた場所で和輝は呟く。賊の殆どは夏候惇の部隊に集中しているようで側面が甘くなっていたのは後ろで観ていたので既に解っていた事だった。

 

「まっ、チンピラ相手に銃(ハジキ)も無ぇなら問題無いか。しかし、俺が鉄砲玉するなんて、世の中わかんねぇなぁ。」

 

自らの得物を握り、敵に向かい歩みを進めた。

「…む?」

 

前線で指揮を取っていた夏候惇は僅かな違和感を感じ取っていた。唯でさえ動きの悪い賊は此処にきて更に動きが悪くなっている。そしてそれは、紛れもない好機であると。

 

「皆の者、このまま一気に殲滅するぞ!私に続け!」

 

夏候惇は声を張り上げ、突っ込んで行った。

夏候惇が突撃を仕掛けた頃、和輝は指揮官まであと僅かの所まで進んでいた。その後ろには頭を無くした屍が無数に横たわっている。

 

「やれやれ、チンピラ相手じゃやっぱこんなもんか。」

 

…チン。

そう言いながら目の前の賊の頸を跳ねる。その躯は紅い液体を降らせて倒れこみ、その場を紅く染める。

 

「てめえがこのチンピラ共の指揮官か?」

 

賊の中心部、一人だけ周りと違う雰囲気の男に叫ぶ。

 

「…ええ。一応そうなりますね。」

「えらく落ち着いてるなぁ。…あんた名前は?」

「裴元昭ですが、何故そんな事を?」

「別に、単なる気まぐれだよ。」

 

そのまま、二人は無言で対峙する。

 

「…頼みがあるのですが。」

 

剣を構えながら裴元昭が口を開く。

 

「私の頸で、この者達を見逃す事はできませんか?」

「…そいつぁ、俺の勝手じゃ難しいなぁ。一応理由を聞こうか?」

「此処にいる者達は元々生活に苦しむ民の集まりだからです。」

 

再びの無言。その中で周りを見渡した後和輝が構えをとり応える。

 

「そいつぁ、ちと都合が良すぎるってもんだな。もし、全部を助けてぇなら、俺に勝ってみろ。」

「…そうですか。」

 

裴元昭はそれだけ言うと剣を握り直して深く息を吸い込む。

 

「はああっ!」

 

そして、和輝に斬りかかる。

 

「疾ッ…。」

 

キィン。

 

刃がぶつかり短い金属音を発する。和輝には傷一つ無く、裴元昭は刀身の無い剣を握り締めて膝をつく。

 

「さて、てめぇらの大将は俺が負かした!殺る気の無ぇ奴はとっとと武器捨てるか逃げるかしやがれ!」

「なっ!」

 

裴元昭は思わず和輝を見上げた。一瞬今の言葉の意味が分からなかった。

 

「全部は無理だが、おめぇの心意気は買ったよ。」

「…ありがとう…ございます。」

「橘!」

「夏候惇か?遅かったなぁ。」

 

声のする方へ振り向きながら和輝が応える。

 

「何で貴様が此処にいる!?秋蘭の所じゃなかったのか?」

「ああ~、ちょっと散歩だ。それより、此処は終わったから、後追撃は任せたぞ。」

「何を勝手なっ!?」

 

そう言いながら逃げる賊と和輝を交互に見る。

 

「えぇい、戻ったら覚悟しておけ!」

 

それだけ言って夏候惇は追撃を始めた。それを見送りながら和輝はその場に残った者達を見渡す。

 

「20人くらいか。おめぇ案外人徳無んだな。」

「あはは…まぁ烏合の集まりならこんなものでしょう。」

 

少し悲しげに、それでも満足そうな顔で裴元昭は笑う。

 

「ところで、あなたのお名前を聞いていませんでした。」

「ん?ああ、俺は橘和輝だ。わりぃが字と真名は無ぇよ。」

「そうですか。私も真名など持ちませんので、お好きに呼んでください。」

 

一瞬、驚きながら裴元昭が言う。

 

「そっか、なら『元』って呼ばせてもらおうかな。」

「『元』ですか。…なら今後は『元昭』とでも名乗りましょうかね。」

 

そんな話をしながら投降した賊を引き連れ一刀と秋蘭の所へ引き揚げる。

まぁ、勝手をしたせいで散々秋蘭に小言を言われ、更に追撃から戻った夏候惇に怒鳴られながら陳留まで戻る羽目になったのは別の話である。

 

あとがき、

 

いやぁ久々の更新です。殆どDX外史録に付きっきりでしたから。さて今回は新しいオリキャラで『裴元昭』(今後は『元昭』)を登場させてみました。ややインテリっぽくなってます( ̄▽ ̄;)

何で出したかというと「ゲンさん」って何かぽいよね、みたいな感じです。

 

では次回もよろしくお願いします。(^o^)/


 
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