第5話~『覇王』
「華琳様。」
「何かしら?秋蘭。」
「前方に数人の人影が。」
「賊かしら?」
「解りません。」
報告を受けて、華琳と呼ばれた少女はほんの少し思案する。賊の討伐に出向いた道中での不確定要素。それに何か意味があるのか?
「接触してみましょうか。」
「っ、訳もわからぬ輩に危険です。華琳様!」
傍にいた黒髪の女性が声をあげる。
「もし何かあったら「その時は…」
華琳が言葉を遮る。
「その時は貴女が守ってくれるのでしょう?春蘭。」
「それは、まぁそうですけど。」
「なら問題無いわね。秋蘭、貴女は矢の届く範囲で兵を待機。春蘭、貴女は私と一緒に付いて来なさい。」
「「御意。」」
指示を出し人影を見据える。
(さて、一体何者なのか、この“曹孟徳”が確めてあげるわ)
「二人、こっちに来るよ。どうする?」
「どうもしねぇよ。一刀は?」
「俺に振られても。とりあえずは何もしなくていいんじゃないか?兵隊を連れて来ないって事は話し合いの余地があると思うし。」
「今度は誰だろうねぇ?」
学生三人の会話に郭嘉が加わる。
「陳留の太守曹操殿ですね。元々私と風はあの方に仕官するために来たのです。」
「ふむ、となると、私の護衛の役目もここまでですかな?」
「そうですね~。一応私達の仕官先までたどり着いた事になりますし、星さん、今までご苦労様でした。」
「さて、あなた達は一体何者かしら?」
程昱が趙雲を労っているとき、凛とした声が響く。決して大きな声ではなかったがその一言で場の空気が塗り替えられたのを全員が感じとった。
「私は郭嘉と申します。こちらの程昱と共に曹操様に仕官するために参りました。」
「趙雲、子龍。真に仕える主を探す途中で、二人の護衛をしておりました。」
「そう。それはご苦労だったわね。それで、あなた達四人は?」
曹操と隣の黒髪の女性が一刀達に向き直る。
「えっと、俺は北郷一刀。で、こっちが…」
「竜胆聖愛です。」
「御鏡暦…です。」
「神野亜久斗。」
「・・・偽名?」
「いや、本名なんだけど。」
「ふぅん、だとしても、亜久斗だったかしら?神を名乗るなんて恐れ多いと思わないの?」
「名前だけでそこまで言われたのは初めてだわ。」
「…まぁいいわ。あなた達四人は城に戻ってからじっくり問い詰めましょう。それまでは、趙雲、貴女に監視をお願いできるかしら?」
「まぁ、引き受けましょう。」
「よし。では我々はこのまま賊の討伐に向かう。春蘭、秋蘭に兵を前進させるように伝えて。あなた達の身柄は暫くの間この曹孟徳が預かるわ。」
(さて、あの時の流星が何を示唆していたのか、楽しみね。)
七人の拾い物をして行軍を続けるなか、曹操だけがこれから起こる“何か”への確信を胸に一人笑みを浮かべていた。
あとがき
ども、GWも過ぎてしまいましたが皆さんどうだったでしょうか?
ツナまんはGW →仕事、翌週連休→風邪、・・・全然休めた気がしませんでした。(-_-;)
皆さんも風邪には気をつけて下さい。
ではまた次回(^o^)/
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久し振りの投稿です。(^o^)/後、少し書き方変えてみました。何か意見等ありましたら遠慮なくお願いします。
注意:この作品は真・恋姫無双ほかTRPG DX3rdの内容を含みます。