「リインフォース!?」
「え?・・・だって」
「リインさんはあの時、私達が」
ある意味予想通りな反応に伸はニヤニヤしていた。同時に殺気と魔力を抑えた。
「驚いてくれてなによりだ。」
「リインフォース!なんでそっちに・・・あ、いや・・・・うちが知らんだけやからそこは仕方ないとして・・・こっちに・・・」
「断るわ」
「え?」
リインフォースの即答に呆気を取られた
「私はリインフォースであってリインフォースではない存在。アイツは死んだわ。
「・・・・それってどういう意味?」
ユーノが聞き返した。それではまるであの時以降に一度出会っていると言っているようなものだったからだ。
「私はリインオースのイド・・・・エゴであった・・・貴方達の知っているリインフォースの無意識が形となった存在。そして、エゴであったリインフォースはイドの一つになった・・・・最も、私は守護騎士以外の貴方達のことはよく知らないけどね。」
「?」
「分からないって顔しているわね・・・いいわ、教えてあげる。私は私だった彼女が貴方と出会い覚醒し外へ出て彼女の意思で消えたらしいけど、私はその記憶を持ち合わせていないの・・・・彼女が全部持って行ったから。」
「全部・・・・・持って行った?」
「ええ、貴方と出会い一番幸福で幸せな時間を奪って彼女は引きこもったわ。まあ、一種の現実逃避・・・・夢の中なら何もかも思い通りだからね・・・」
「そんな・・・なんでリインがそんな・・・・」
「分からないの?主だった人・・・あなたに裏切られたからよ。」
「え?」
八神は訳が分からないという顔をしていた。無理もない。あの事件以降八神はリインフォースには一度足りとてあったことが無い。というより彼女の決意をくみ取り消えたはずなのだから
「・・・まだわかっていないのかしら・・・・あの姿は醜悪極まるからなりたくなかったのだけど・・・まあいいわ。ここまで鈍感だなんて。」
そう言ってリインフォースが溶け、その姿を変えた。そこに居たのは、以前管理外世界で捕まえた研究者が開発し野放しにされたアザトホースの姿があった。その姿に全員が呆気にとられていた。目の前の現実が認識できないのである。
「フフフ、目の前の現実が認識できないかしら?まあ、いいわ」
そう言ってリインは元に戻った
「これで解ったでしょう?私はあの時、貴方達に殺されかけた。」
「なんで・・・」
「・・・そうね、そこに至るまでは貴方達は知る由もないと信じておきたいから教えておいた方がいいかしら?私は・・・私達はあの日に消えるはずだった。でも、実際私達は消えなかった。闇の書の闇であるナハトヴァールの一部が私達の一部分を取り込み、その状態で次元空間をさまよっていた。そこで名前は忘れたけど科学者に会ったわ。言うまでもないわよね?」
恐らく逮捕したあの科学者なのだろうと皆は思った。
「そこからは地獄の日々だったわ。起動させられたことで駆動中枢をアイツに乗っ取られそうになるしその上、どこの馬の骨が身体いじくるし、しかも他生物を取り込めば取り込むほど支配権をアイツに奪われるし・・・強化された再生機能の実験とか言って内臓と目を抉られて巨大ジュースミキサーやミンチ製造機に放り込まれた時は死ぬかと思ったわ。最も、再生に特化していたから死ぬことはなかったけど・・・痛覚神経は元の時の三倍だったからね。」
リインフォースはクスクスと笑っていっていたが笑える話ではない。自分たちが普通に暮らしていた裏でそんなことがあったなんて思いもしない。
「それでも彼女はあなたに会うことを諦めなかった。無理もないわ。今までの主のことを考えれば、貴方は唯一私たちに向き合った人だもの。でも、彼女自身はあくまで一部分・・・リインフォースとしての大本は消えてしまっているから・・・・誤解して欲しくないから言うけど別にそれに関しては恨んでいないわよ?そう頼んだのは彼女自身なんだし・・・まあ消えていたから彼女自身、記憶障害があったし事実覚えていたのはあなたに名前を与えてくれたことくらい・・・あー、いやあの子が持って行ったから私がおぼえていないだけかもしれないからこの辺は曖昧ね。私も彼に教えてもらったからだしそれ以前にAIにも重大な欠落があったし・・・・そんな彼女がある日、貴方に会った。あの日にね。・・・・・・・その時あなたは彼女に何をした?」
「あ、あ・・・」
八神の顔が青く染まっていった
「そうそう、それ!その顔が見たかったの!!あなたは有無言わさずに外見だけで敵と認識して躊躇なく私達を攻撃した!!名前をくれたあなたに会って受け入れてもらうためだけに、頑張って耐えて、姿形、醜悪さもナハトヴァール寄りだった私たちを見て彼女の悲鳴を無視して攻撃した。笑えたわ!あれだけ必死に叫んでいるのに全部スルー結局のところ異物・・・この世に存在してはならないと見捨てられ見放されたのだから。心閉ざして楽しい思い出の中で引きこもっていたいと願うのは当然だわ。」
「ち、ちが・・・」
「でも、捨てる主あれば拾う主もありってね。この私を拾って・・・・というより助けてくれた人がいたのよ。もう言わなくてもわかるわよね?この人は、今まで、どんな人間でも分離不能だった闇との分離を簡単に行ってくれたしあんな奴なんか眼にならないほどの力もくれた。まさに救世主!・・・・まあ、あの子はもう完璧に外界との接続はカットしちゃったからもう二度と出てくることはないわ。」
「で、でもあの時は知らなくて・・・リイン今からでも遅くない!だから・・・」
「貴方一体何様のつもりなの?」
「え?」
「いまだに主ぶる気?私たちにあんなことしておいて『知らなかったから許して』で済むと本気で思っているの?」
「それは・・・」
「フフ、というのは建前だけど」
「・・・え?」
「本当はただ単に今の主が気に入っているだけ」
『前から思っていたのだがマスター・・・お前やけに人外に惚れられていないか?』
「・・・・実は俺も前から薄々そう思っていた」
そんなのんきなことを話していた。そしてその間も話は続いていく
「だって私、あなたの知っているリインフォースじゃないし。私の意思、思想は私だけの物、彼女の物じゃない!私は私の意思でここに入る!それは元主のあなたでも否定させない。」
『こっちのリインはアレだな・・・ずいぶんと自己主張が激しいというのか・・・』
「背徳的感情に対するうしろめたさが無いんだな。まあ、アイツはずっと潜在意識の無意識のカオスの中にいたからな。もしかしたら今まで主のせいとはいえ自分がやったことについての罪悪感が無ければリインはこういう性格だったのかもな。」
「まあ、私個人としては貴方達が私にしたことなんてアレを除けばどうでもいいのよね。見てただけだし肉体的に傷ついたのは私もだけど精神的には全然傷ついていないし」
「ならどうして・・・」
「さっきも言ったけど・・・私個人としては伸が気に入っているの。もうすべてをささげたくてたまらないのよ」
ある意味強烈なラブコールだった
(ちょっと!お待ちください!そこの新参魔導書!!ご主人様の良妻の座(確定予定)はこの私のものです!!何どさくさに紛れて公言してやがりますか!)
「煩いわね・・・今は私のターンなんだから。だまらっしゃい!!それにそんな座はアンタにやるわよ。私基本そっち系苦手だし」
(あ、そうなのですか?ならオッケーです。でも、ラブコールはほどほどにしてくださいませ)
タマモは上機嫌に下がって行った。因みにこれは念話での二人の会話である。
「さて、話し戻すわね。さっきも言ったけど私はあの子とは違うし、あの子はあなたのことを大切に思っていたみたいだけど私はあなたのことなんて基本どうだっていいのよ。当然でしょう?私からしたらあなたは私たちを殺そうとした殺戮者なんだから。」
(時にマスター)
(なんだセイバー?)
(さっきのラブコールはどう思いで?)
(それは私も気になりますね主)
(プリーズ!答えプリーズご主人様ぁ~)
(そうだな・・・・ラブコールしてもらってもなぁ~基本どうでもいいし)
『(普通の人間なら最低でも赤面、舞い上がってもおかしくないのに相変わらずブレないなぁ~うちのマスター)』
(ハハハ、恋愛系は見ている方が愉しいからな。自分でやる方がつまらん。ドロドロの三角関係で最後は船に乗って愛しい人の首を持って流れていく最後なんて愉悦過ぎて涙が出るな!)
(やっぱり外道だよ・・・このマスター・・・・まあ実際はアニメの話だからいいですけど)
「だからそんな私に対してさ「私にやったことなかったことにしろ」なんて虫が良すぎると思わない?第一、内面や本質を見切れないはおろか考えもしない主なんて5流以下ね。」
「!?」
その言葉は八神の心を深く抉った。
「彼は違った。彼は私の正体を初見で看破していたもの。貴方なんかとは格が違うわ」
(まあ、スカさんが依頼しなきゃそもそも行くこともなかったんだがな・・・そもそも・・・・まあソレ差し引いても一目見ればわかるようなものなんだけどなぁ~あの禍々しさは間違いなく闇の書の闇のソレだったし)
「さて・・・」
その瞬間、リインフォースが八神に向かっていつの間に装備したのか・・・槍のような鎧の足で八神を突き刺した。
「!?」
(やっぱりアイツ・・・・リインフォースの皮被ったメルトリリスだよあの足の装備絶対そうだって!!)
刃はリインフォースを見てそんなことを思っていた。
「コフッ・・・」
「はやてちゃん!」
「・・・・馬鹿ね。知っている顔と話しているとはいえ敵同士よ?何警戒心解いているのよ・・・本当、呆れるくらい脳味噌緩いわね・・・貴方」
「あ、あ・・・」
『はやてちゃん(主)!』
「そして・・・・頂いたわ。」
それと同時に八神のバリアジャケットが溶けてあまりの激痛に八神も気絶した。
「はやてちゃん!」
「相変わらずエグイな・・・」
「そうしたのはあなたでしょ?」
「俺はお前の基本能力の性能を極限まで上げただけだが?」
「それがおかしいのよ。」
「一体何をしたんだお前!」
ヴィータが食って掛かるように言った。
「何って、攻撃しただけよ。ヴィータ」
「オメェ・・・アタシたちを助けてくれた・・・・守りたいとお前も誓ったはやてに・・・」
「だから言っているでしょ。私には関係ないって」
「オメェ・・・本気でソレ言ってんのか?」
「当たり前よ、それに感情や自我を持つ者にとってこれは当たり前よ。ほら、貴方達だってそうでしょ?主であるはやてにはまあ・・・優しいと言っておきましょうか・・・のに、敵対者には遠慮なく牙をむけるでしょ?それと同じよ。人によって態度を変えるのは自我を持つ者として当然の事だし、むしろコレがない者は人格持つ存在じゃないわね。だって態度を変えることそのものが人格を持っている何よりの証拠なんだし。」
「まあそこの餓鬼共はこんな話したところで理解でき・・・あ、いや、外で働いているからオツムが足りない大人だな。そんなんだからコイツ等は否定しかしないぞ。」
「・・・それもそうね。それにしても・・・・なんか嬉しいな。あの守護騎士が此処まで感情をあらわにしてくれるなんて・・・・まあ、今までの主とはベクトルが全く違うからあの子が肩入れしたのもわからなくないけど・・・」
「?・・・それはどういう意味?」
「あら?シャマルわからないのかしら?・・・ってそう言えば主変わるたびに貴方達の記憶を洗浄しなくちゃいけなかったから覚えていないのも当然か(まあ私も星天の書の管制人格になって初めて知った・・・というより思い出したんだけど。) ・・・・貴方達・・・というよりその当時の主ね。ソイツが命じたのよ『コイツ等に感情は邪魔だ。コイツ等の感情を消せ』ってね。」
「そんな・・・ひどい」
「まあ、そんな命令があってソイツも消えた後にあの子はこう思ったのよ『心ない主に守護騎士が苦しめられるくらいならいっそのことこのままにしておけば楽になれる』ってね。それ以降現在の主に至るまで貴方達の自意識プログラム及び感情プログラムはロックされていたのよ。いくら記憶は消えても身体が経験したモノや弄られたデータはそのままだからね。そしてあなたの代で、守護騎士は自らの意思でそのロックを解いた。それほどにまで強い意思があったことにあの子は喜んだわ。まあその後のことは知っているでしょうけど。」
「そこまで知っていて何故自ら敵対する?・・・・いや、この際それはいい・・・お前は一体何がしたいんだ?」
「・・・・それをあなたが聞くの?ザフィーラ?私は彼の魔導書。ならその主の共をするのは当然でしょ?地獄の底の底・・・それ以上のところにだって共をするわ。あ、それから重要なこと言い忘れたわ。貴方達、別に彼女を二度も殺したことについては別に私に罪悪感を覚える必要はないわ。」
確かにそうだ。だってここにいるのは、姿形は同じなれど人格は全く違う存在だからだ。だが理屈ではそうでもそう割り切ることができないのが普通の人間だ。
「さっきも言ったけど二度目に殺したあの子はAIとして重大な欠陥があったのよ。まあ簡単に言うと他人のことを考えられず自分のことしか考えられない。故に自分の理想像と違ったあなたと相対して絶望し、引きこもった・・・・ほら、一体貴方達に何の非があるの?その人の理想像を勝手に妄想するのはあの子の勝手だけど違うからって絶望するのはお門違いよ。だから私はあの子にしたことについてはそこまで怒っていないの。まあ、私も彼に出会ってから感情、常識の理解力と自意識の抑制・・・まあヒトとして必要なものを組み込んでもらっているけどね。」
「さて、長話はここまででいいだろう。」
「そうね。」
(まあ今のウイルス注入で八神はどんな治癒してもしばらくは動けない。なんせリンカーコアの魔力とその中の稀少技能含めすべての情報を奪うからな。まあ、奪ったところでなくなるわけじゃないから、時間経てば使えるんだけど。)
伸はリインフォースの能力と夜天の書の蒐集機能が同じという点に気付いたため。蒐集の速攻性だけを極限に高める研究を行ったのだ。その結果、一度でも彼女の武器(イメージとしてはメルトリリス足のアレ)に刺さると一瞬にしてその時の魔力と稀少技能、変換資質まで何もかも奪い取ることに成功した。欠点としては至近距離でなければならないこととリンカーコアを抜き取るということができなくなってしまったため即死性(それでも死なないことあるけど)がなくなってしまったことくらいだ。
「それより、貴方のほうこそ準備できたの?」
「それはもう」
それじゃあ・・・と言ってリインは足を上げて―――
「氷嵐脚!」
そのまま振り上げて衝撃波を繰り出した。そしてそれをそのまま避けるが、通った後が分厚い氷の壁となり、高町達を分断した。
『!!?』
「う~ん・・・良好ね!」
「何処が良好ね!だ!!俺の方がすくねぇじゃん!!まあいいけど・・・・さてそれじゃあ」
「「本番と行こうか(きましょう)」」
あとがき
と言っても新生リイン以外書くことあまりありませんけど。
新生リインフォースアインス:アザトホースの中にあったほとんど死にかけのリインフォースを聖天の書の管制人格として組み込むことによって復活することに成功した。ただし、元々リインフォースが形成していたモノ自体が『一番幸福だった記憶』しかなく、『そこに至るまでの記憶』等は一切持ち合わせていない。人格としての部分は1%しかなかったため重大な欠陥があり八神達に攻撃された際に『裏切られた』と思い込んでしまい『一番幸福だった記憶』をすべて奪い引きこもってしまい、今表に出ている人格はリインフォースが消える前からあった無意識の人格のため、人格としての精度はこちらの方が勝る(それでも、不足部分は補ってはいるが)。星天の書の管制人格として組み込まれた際に自信に纏わる全てのことを思い出す形で記憶を取り戻した。そのため、『あの子』にやったこと自体については許容している。ただし、アザトホースの時に全てわかっていて上で心を鬼にして殺しに来たのならともかく、そもそも外見及び、雰囲気はナハトヴァールのソレそのものだったにもかかわらずそれに気付かずなおかつ躊躇いもなく殺しにかかってきたこと自体は怒っている。そして、偶然とはいえ、自分を救ってくれ力を与えてくれた伸に対して恩を感じており以後、彼を主として認識している。なお当然のごとく、八神はアザトホースがリインであったことに気づきもしなかった。
管制人格として組み込まれた際にこれでもかというほど魔改造を行い。遠~近接戦闘すべてに対応しており、六式も使用可能にしている。さらに、夜天の書の蒐集機能の即効性を極限まで上げリンカーコア内にある魔力全てとその中にある魔法、変換資質、レアスキルなどを一瞬にして奪い取る(と言っても後者の二つに関しては消えることはない)。これでとられた者は激痛と共にしばらくは魔法が使用できず治癒を施さない限りは戦えない。ただし、その代償としてリンカーコアを抜き取る必要がなくなったため即死性やそれによる後遺症(原作のようにリンカーコアが縮んでしばらく戦闘不能になる等)が消えている。
氷嵐脚、八神はやてのリンカーコアから情報を奪った際にあった
とまあ、こんなものです。なのでここにいるアインスはもはや別物と考えておいた方が無難です。人格が思いっきり変わっているのもそれが理由です。
まあ、強さは・・・要約すると『接近戦挑んでも挑まなくても死ねる』です。
因みにここだけの話、最大出力で瞬間蒐集の出力を上げると特殊なウイルスに似たものをを体内に入れ対象者の身体を自身と同じものにして吸収・同化するというどこぞの邪神を掴まされた人形愛好家のようなことができます。それをしないのは単にそれをすると、対象者自身はずっとリインフォースの中で生き続けることになってしまいますので厳密にはまだ死んでいない扱いになり、甦らないのが理由です。流石に原作見たいな『当たり判定喪失』チートは無理ですけどね。処理落ちしますので(笑)なにより現実ですしね。最後の方の欠点も戦闘できないという一点で見れば何の変りもないですけどね。
そして今までの守護騎士が冷酷だったことについては結構前の主とリインの配慮によるものという設定にしました。まあ、前の主の所属先がアレなのでそうしたい理由はわからなくもないんですけどね。
次回!「※彼女はユニゾンする前のユニゾンデバイスです。」
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第七十六話:治療(魔改造)するのに苦労したよ。