姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第五話
「曹操、魏の基盤を作る」
冀州を手にした曹操軍が次に目指したのは青州だった。
此方も一方的な戦いで勝利する。
(此処にも人は無し……か……)
だがその分、どうしても優秀な人材とめぐり合うことが出来ない。そのため曹操は青州を手にしても喜んでもいられないでいた。
複雑な心境のまま、彼女は兗州を攻める準備を始める。
しかし、兗州を攻める算段は延期しなければならない事態が起こる。
「春蘭が賊に苦戦している!?」
賈詡の報告に驚きを隠せない。
「ええ、援軍の要請が来てるけど、どうする?」
曹操は思考を始める。
――その結果。
「行きましょう」
曹操は夏候惇の要請に応えることにする。
「華琳様……大変申し訳ございません……」
「あなたが苦戦する賊について説明なさい」
夏候惇に聞くと何と賊軍の兵の錬度が此方の兵を上回るということらしい。
賊と侮って兵を少なくして出兵させたことが仇になったようだ。
(どういうことかしら?)
彼女を疑う訳では無い。故にどういうことか分からない。さらに追求してみると気になることが出てきた。
「黄色い布を巻いていた?」
「はい、恐らく黄巾党の残党かと思われます」
まだ彼等が存在していることに驚く曹操。
(なるほど……あの時から生き残ってきた奴等という訳か……当然、修羅場を潜り抜けた数も相当と見るべきね)
兵の錬度が此方を上回っている理由について納得することが出来た。
「理由は分かった。すぐに私も討伐参加する」
「……はっ」
「詠も早速準備をはじめて頂戴!」
「ええ!」
夏候惇と賈詡は軍の再編のため走り出す。
(さて、奴等がどのような目的で動いているのか確かめるとしましょうか)
結果だけ行ってしまうと曹操軍は時間を掛けてしまったが、賊軍を追い詰めることに成功した。
何故時間が掛かってしまったのか、それは彼等をできるだけ殺さずに追い詰めようとしたからだ。
「お前達に聞く! 我等の存在がどのような物か分かって戦を仕掛けたのか!? 分かっていたのならば何故戦を仕掛けた!?」
まず曹操はそれを彼等に聞きたかった。
自分達の武勇は司馬家ほどではないだろうがそれでも畏れられるほどにはなっているはず。にも関わらず彼等は自分達に挑んできた。
ただ生き残りたいだけ、欲望を満たしたいだけならばむしろ自分達から遠ざけるはずなのだから。
「生き残るためだ!」
彼等のまとめ役の男が言った。
「生き残るため?」
「そうだ! お前達曹操軍は我等の存在を知れば絶対俺達を殺しに来るんだろう? ならお前達が大きくなりすぎる前に叩いておこう
と思ったんだ!」
「……我等を攻めた理由は分かった。だがそもそも何故賊に成り下がったのか!」
「それも生きるためだ!」
「なんですって!?」
これには曹操も首を傾げる。
「俺達は漢の重税のせいで餓えに苦しむことになった! あのままじゃ確実に餓死しちまうくらいに! だから家族ごと賊になって奪
うしか生きる道が無かった! 一回でもそれをしちまえば一生お尋ね者になると分かっていてもだ! それでもそれ以外に自分や家族
を守る方法が無かったからだ!」
曹操は黙ってそれを聞き入れた。
(なるほど……どうりで他の賊とは何かが違っていた訳だわ)
彼等は本当に守る者のため、覚悟の上での行動だったのだろう。錬度の高さも守るために強くなろうとし、鍛錬を欠かさなかったた
めだろう。今までの賊とは明らかに違う。彼等は楽をすることや、欲を満たすためだけに動くため、鍛錬と言った己を磨くことは絶対
にしない。
彼等にはまだ行動を改心させる余地があるだろう。
そこまで想像できた曹操は彼等に提案する。
「ならば、衣食住を此方が提供すればお前達は抵抗をやめるか?」
「……え?」
「な?」
「何だって?」
彼等は動揺する。当然の反応だ。ここまで追い詰めた賊を許すなど前代未聞だ。
(やはり他の賊とは違うわね……奴等だったらこの時点で疑問ではなく真っ先に安堵するはず)
続いて彼女は条件を突きつける。
「ただし、そのためには、我が覇道のため、この曹操に命を預けること。そして絶対の忠誠を誓うことだ」
これが、曹操が殺さずに彼等を生かした狙いだった。
彼等の在り方を確認して、それが自分の許容範囲ならば彼等を引き入れようとしているのだ。
彼女は並外れた錬度の彼等のを欲したのだった。
曹操の言葉に彼等は黙り、場は静かになる。
「お前達の行いが許せるものではないが、あの時の漢の統治の酷さは知っている故、一方的に責めることはできない。なぜならば、お
前達もまた被害者だからだ」
――しばらくして彼等は曹操に平伏する。
「俺達は貴方様のような寛大な御方、初めてです!」
「是非とも我等を兵の端に加えてくだされ」
こうして曹操は彼等を青州兵と名づけ、さらなる軍の強化に成功する。
後世の人々は言う。
魏武の強、これより始まると。
その後、彼女は次々と領地を手に入れる。
これらの地こそ、後の魏の国となるのである。
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曹操軍編はひとまず終わり。この話、賛否両論するかも。