突然だけど、僕とアリスは小学校に転入という形で入学する事になった。
きっかけはアリスの『学校に行ってみたい!』と言う一言から始まった。
なんでも、なのはちゃんから学校の話を聞いて興味が湧いたからだそうだ。
でも僕は、一度経験した事があるからアリス1人で行くように勧めたのだけど、涙目で一緒に行くようにお願いされて、あえなく了承した。
そんな訳で、僕とアリスは現在教室の教壇の前に立っている。
「それでは、自己紹介をお願いします。」
担任の先生に促されて、僕とアリスは挨拶をする。
「エミル・マクガーデンと言います。これからよろしくお願いします。」
僕の至って普通の挨拶が終わり、アリスが挨拶をし始める。
「妹のアリス・マクガーデンといいます!好きなものはお兄ちゃんです♪みんなよろしくね~!」
アリスの発言を聞いてクラスの皆がざわめいたり、女の子たちが騒いだりしている。・・・それに一部の人たちから殺気を感じる気がする・・・
「はいはい、みんな静かに!」
先生が手をパンパンと叩き、皆を沈める。
「じゃあ、エミルくんは月村さんの隣の席に座ってね。アリスちゃんは高町さんの隣ね。」
「はい、わかりました。」
先生に促され、僕は笑顔で手を振っている月村さんの隣に座る。
「よろしくね、エミルくん。」
月村さんと呼ばれるおっとりした感じの子が挨拶をしてくれる。
「うん、こっちこそよろしくね。」
エミルも微笑みながら挨拶を返すと
「う、うん///」
何故か顔を赤くして俯く。・・・あれ、どうしたんだろう?
僕は?マークを浮かべながら席に着く。すると、後ろから強烈な殺気が後頭部に突き刺さる。
恐る恐る後ろを向いて見ると、こっちを睨んでいるアリスとなのはちゃんが居た。
なんでこっちを睨んでいるのさ・・・
「では皆さん、1限目は転入生二人の質問タイムとします。」
先生の提案により、クラスがわーっとなり、みんなが僕とアリスの周りに集まってくる。
そして、しばらく質問攻めを受けた。・・・主に女の子たちから・・・なんで?
エミル side end
なのは side
今日の学校は、いつもより楽しみだった。その訳は、私のお友達のアリスちゃんとエミルくんが、ここ私立聖祥大付属小学校に転入してくるからなの!
「どうしたの、なのは?」
「何か良い事でもあったの?」
そんな私に、金色の髪の女の子アリサちゃんと紫色の髪の女の子すずかちゃんが不思議そうに話しかけてくる。
「あ、アリサちゃんにすずかちゃん!実はね・・・」
私は二人に友達が2人転入してくる事を話した。
「ふ~ん、そうなんだ。まぁ、"あいつ"と同類じゃない事を願うわね。」
「私もそれは嫌だな・・・」
「にゃはは・・・それは絶対ないよ。」
うん、エミルくんが絶対"あれ"と同類な訳ないの!
「あ、先生が来たわ。じゃあ、席に戻りましょ。」
「うん。」
アリサちゃんに先生が来たと言われて、私もすずかちゃんも自分の席に着いた。
「みなさん、おはようございます!」
先生が挨拶をすると、クラスのみんなも、おはようございますと挨拶をする。
「今日は、これからみんなのお友達になる転入生が来ています。二人とも入ってきて。」
先生がそう言うと、ガラガラとドアが開いて白髪の髪の男の子エミルくんとブロンド色の髪の女の子のアリスちゃんがクラスに入ってきた。
ふぇ~、アリスちゃんとエミルくんの制服姿すごく似合っているの・・・それに、エミルくんの制服姿すごくカッコいいの///
「それでは、自己紹介をお願いします。」
先生に促されてエミルくんが挨拶をする。
「エミル・マクガーデンと言います。これからよろしくお願いします。」
エミルくんが挨拶を終え、周りから拍手が起きる。そして次はアリスちゃんの番なの。
「アリス・マクガーデンと言います!好きなものはお兄ちゃんです♪みんなよろしくね~!」
アリスちゃんが挨拶を終えると、さっきのアリスちゃんの発言によりクラス中がざわめきだす。
むぅ・・・アリスちゃん抜け駆けはズルイの!あとでO☆HA☆NA☆SI☆なの!
「はいはい、みんな静かに!」
先生が手をパンパンと叩くとみんなが静かになる。
「じゃあ、エミルくんは月村さんの隣の席に座ってね。アリスちゃんは高町さんの隣ね。」
「わかりました。」
エミルくんは先生に返事を返した後、手を振っているすずかちゃんの元に行って軽い挨拶をしている。
アリスちゃんも、こっちに気づいて手を振って近づいてくる。
「にゃはは、隣の席になったね♪」
「うん!よろしくね、なのはちゃん♪」
アリスちゃんは私に挨拶をしたあと、隣の席に座った。
そして視線をエミルくん達に戻すと、エミルくんがすずかちゃんに微笑んで、それを見たすずかちゃんが顔を赤くしていたの。・・・むぅ、エミルくん後でO☆SE☆KYO☆なの!
なのは side end
エミル side
「ふぇ~、ようやく解放されたぁ・・・」
僕は1時間近く質問攻めに会い、休み時間にアリスとなのはちゃんに連行されてO☆SE☆KYO☆と言う名の尋問を受けたあと、ようやく解放された。
「大丈夫だった、エミルくん?」
「アンタも大変ね。」
僕が机に突っ伏していると、二人の女の子が話しかけてきた。
「ん?」
顔をあげて見ると、隣の席の月村さんと金色の髪の女の子が居た。
「えっと、月村さんと、僕が質問攻めに会ってる時に助けてくれた子だよね?」
「そうよ。別に、気にしなくていいわよ。それと私はアリサ・バニングスよ、アリサで良いわ、よろしくねエミル。」
「私もすずかって呼んでね。」
「アリサちゃんにすずかちゃんか・・・うん。よろしくね二人とも。」
エミルは優しく微笑みながら、二人に挨拶を返す。
「ふ、ふん///(な、なによ!少しカッコいいじゃない・・・)」
「よろしくね///(やっぱりステキな笑顔だなぁ・・・)」
アリサちゃんはプイッと顔を赤くしながらそっぽを向く。すずかちゃんも同じ様に顔を赤くしている。・・・二人ともどうしたんだろう?
『出ましたね、マスターの無自覚スキルの1つ『微笑み』が。』
『僕はそんなスキル持ってないんだけど・・・』
念話でイースが、よく分からない事を話してくる。
『いいえ、マスターには無自覚スキルと言う物があります。今の所は『微笑み』しか有りませんが、この先もっと増える事でしょう♪』
イースは楽しそうに無自覚スキル?について語りだす。
『はぁ・・・もういいよ。それで、何の用?』
『はい、実は微かに魔力反応を感じました。』
『っ!?場所は?』
『現在、こちらに向かって来ています。ついでに、なのは様とアリス様は魔力反応を感じる人物に追いかけられています。』
ふんふん・・・暴走プログラムは無いとして、元々魔力がある人か僕と同じ転生者の二通りか。・・・ん?ちょっと待って!
『追いかけられているって何!?』
『私にもわかりません。それよりも、来ましたよ。』
「え?」
イースに言われてクラスの扉を見ると、ガラガラッ!と大きな音をたてて教室に金髪オッドアイの男子生徒が入ってきて
「どこだぁ~、俺様の姫達は!」
と、叫びだす。
『イース・・・あれが?』
『そ、そのようです・・・』
流石のイースも引いているようだ。
「ねぇ、あれって・・・って、あれ?」
アリサちゃんとすずかちゃんに、あの金髪オッドアイの男子生徒が誰か聞こうと後ろを向いたら誰もいなかった。
『どうやら、彼が来た瞬間に逃げて行った様です。』
いつの間に・・・全然気付かなかった。
「ん?お前か!俺様の姫達を隠したのは!」
金髪オッドアイの少年がこちらに向かってくる。
『何故か向かってくるんだけど・・・』
『・・・ファイトです。』
『うん。頑張るよ・・・』
はぁ・・・面倒くさいな。
「えっと、誰?」
「あぁ?俺様は神城帝だ!お前みたいなモブ野郎に語る名はねぇよ!」
いやいやいや!思いっきり名乗ってるし!はぁ・・・彼はアホなのか?
「え~っと、それで何の用だっけ?」
「そうだった!お前、俺様の姫達を隠しただろ!!」
決めつけてるし・・・。それに、姫達って言うのは多分なのはちゃん達だろう。よし!
「その姫さん達?なら、屋上に行きましたよ。」
「ちっ、屋上かよ!じゃあなモブ野郎!」
金髪オッドアイもとい神城帝はすごい勢いで教室を出ていった。
ふぅ、やっと、行ったか。さてと・・・
「もう出てきて良いよ。」
僕は掃除ロッカーに向けて話すと、ロッカーがガタガタと揺れてなのはちゃん・すずかちゃん・アリサちゃん・アリスの四人が出てきた。
「ふにゃ~、助かったの~」
「もうっ!ホントに、なんなのよあいつは!」
「うわ~ん、怖かったよ~お兄ちゃん!」
なのはちゃんは、神城が行った事に安心し、アリサちゃんは怒っているようだ。
そして、アリスは相当怖かったのか、泣きながら抱きついてきた。
「おっと。大丈夫だった?」
「ううん!鼻息荒くして追いかけて来てすんごく怖かったよ~」
あ~、それは相当怖いな・・・
「よしよし。それにしても、みんな大丈夫だった?」
僕はアリスの頭を撫でながら、大丈夫だったかどうかを皆に聞く。
「うん、エミルくんが助けてくれたお陰でなんとか・・・」
優しそうなすずかちゃんも、相当いやだったようだ。
「そっか、みんな平気でよかったよ。」
「うん、ありがとうなのエミルくん!」
「ええ、ありがとうね、エミル。」
「ありがとうエミルくん。」
みんなが次々に感謝を述べてくる。・・・なんだか照れるな//
「それで、エミルくんは何時までアリスちゃんの頭を撫でてるの?」
「えっ?あぁ!」
「ふにゃあ~///」
なんの事かと思ってアリスを見てみると、頭をずっと撫でられ、幸せそうに顔を赤くしてトリップしていた。
「あ、あの!これは・・・うっ!?」
なのはちゃんの方を見てみると、黒い笑顔を浮かべながら近づいて来ていた。
「O☆SI☆O☆KI☆なの」
「ひぃゃぁぁぁぁぁぁ!!」
この日、エミルの断末魔が学校に響いたのだった。
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学校での出会い