No.556833

ジョジョの奇妙なスクールランブル 二話、入学早々波乱!そして、億泰まさかの春!

S市杜王町に住む東方仗助、虹村億泰はある日を境に空条承太郎からある高校に転入し、スタンド使いの捜査を頼まれることになる、杜王町から離れての高校生活に不安を抱える仗助はそこで一つの出会いを果たしてしまった、そうそれはスタンド使い同士が引き合うような運命のように…


ラブコメにジョジョという無茶な設定ではありますが楽しんでいただけたらなとおもいます

2013-03-19 14:00:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4032   閲覧ユーザー数:3957

 

さて実質三話目になりました。今更ながら説明させてもらいますと時系列は仗助達が吉良吉影に杜王町では会わず、一年経過したぐらいという設定です

 

 

岸部露伴等の人物などとは勿論、面識はあります

 

 

 

…さて、長くなりました本編をどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとまず騒ぎがひと段落収まり、仗助は自分が暴れたせいでいろいろと巻沿いになった者たち、もしくは後始末をしていた

 

 

とりあえず手始めに自分が吹っ飛ばした吉田山をクレイジー・Dで治し(もちろん、周りに気付かれないように)、そのあと辺りを見渡し、自分のプッツンのせいで被害にあった生徒を探してこれもまた次々とスタンドで治してゆく

 

 

なぜか幾らか器物があり得ない形に変形しているものもみうけられるがきっとそれは気のせいなのだろう、クラスの何人かは疑問を口に出しながらそんな机、椅子をせっせと何事もなかったように片づけている

 

 

仗助はそんな彼らを横目に自分もできるだけ率先して後片付けを手伝っていた、何故か隣のクラスであった億泰も一緒である

 

 

 

「このドアホッ!スタンドはァ学校で出すなってぇ承太郎さんに言われてただろうがッ!てゆーかッなんで、テメーの後始末を俺が手伝わなきゃいけねーんだよォ!納得いかねぇぞーッ!」

 

 

 

「…悪りィッつってんだろォ~~? 天満ちゃんからはドン引きされてたし散々だぜぇ初日から…」

 

 

そんな他愛のない愚痴を溢して、せっせと箒を動かし飛び散ったガラス片を塵取りに集めてゆく億泰と仗助、なんとも滑稽な姿である。

 

 

 

しかし、そんな掃除を淡々としていた仗助と億泰の前に学級委員長である花井春樹が仁王立ちをして立ちふさがる

 

 

 

「待ちたまえ!東方仗助君!」

 

 

「いや、そこ目の前に立たれたら掃除出来ないんッスけど…」

 

 

 

すかさず、いきなり現れた花井に突っ込みを入れる仗助

 

 

まあ、転入早々あれだけ暴れていろいろと器物を破壊されたりされれば学級委員長の彼からしてみれば黙っているわけにもいかないのだろう。仗助はそんな花井の気持ちを悟ってか彼の視線から目を逸らし、自身の頭部を軽く擦る、

 

 

そうして、自分の目の前に仁王立ちで立ちふさがる花井に仗助は落ち込んだ面持で話をし始める。とりあえず謝っておこうと

 

 

 

「さっきはホント申し訳ねぇッス…俺、髪の事を貶されるとブちぎれて自制が効かなくなっちまうもんで、本能って…言うんですかねこういうの、アンタこのクラス学級委員長ッスよね?」

 

 

 

「ああ、花井春樹という、君これはやりすぎだ!負傷者がいないのが本当に奇跡と言っていいだろう、全く転入初日から一体何をしてるんだ君は!?」

 

 

 

もっともな花井の言葉に仗助は反論せずに静かに耳を傾けて頷く、

 

 

申し訳ねェともう一言、学級委員長である花井に深く頭を下げて謝る仗助、転入して1日目にしてクラスの器物をいろいろと破損してしまった事はやはりこちらが悪い、謝るしかないのだ、

 

 

「まぁ、過ぎたことはいい、とりあえず片づけも率先してやっているみたいだしこれ以上は何も言わないよ、頑張ってくれたまえ」

 

 

 

だが、彼の真摯な気持ちが伝わったのか花井は仕方ないなとふと笑みを溢し仗助の肩を軽くたたく、何か奇妙な友情みたいなのをこちらに向けられてきているがきっとそれは気のせいなのだろう

 

 

そしてバカゆえか、簡単に彼を許してしまう学級委員長、花井は相当懐が大きいといえる

 

 

「いや、よくねぇよ、何、持ち場ほっぽりだしてんだテメェ」

 

 

「痛ッ!いや待て!周防!これはッ!」

 

 

しかし、すかさず仗助たちの前に現れた周防美琴はそんな花井の後頭部をひっぱたいた、当たり前だ、学級委員長である彼はなんと自身の持ち場である片づけをほっぽりだしてそれらしい説教みたいな事を仗助に述べに来ただけなのである。サボりはいけない

 

 

とりあえず後片づけがあるだろうと周防は彼の制服の襟に手を引っぱっていった

 

 

そんなかっこいい説教じみた事をしてきた彼の無残な姿を億泰と仗助は不思議そうに引きずられる様を見送った後に互いに見合い、

 

 

 

「…片づけ…続けるか…」

 

 

「…そうだな」

 

 

 

とお互いの中で決着をつけ、再び自身の片づけの続きに取り掛かることにした、どうやら学級委員長の花井という男はそういう扱いを受けるマヌケだと二人ともこの時悟ったようだ。アホらしい

 

 

黙々と箒を掃く作業を繰り返し続ける億泰と仗助、しかししばらく時間が経ったところでふとそこで億泰は相棒である仗助の異変に気付く

 

 

疑問を抱いた彼はさっそく仗助にそれを訪ねる事にした

 

 

 

「そういやオメーあの上着どうしたんだよ」

 

 

 

そう、仗助が着ている筈の学ランが無いのだ、彼の格好は今、学ランの中に着ていたシャツだけどうみても不自然と言わざる得ない、億泰のその質問に対して仗助は何事もないように箒を動かしながら数分前の出来事を億泰に話始めた

 

 

 

「あれか?あれなら――――――――――」

 

 

 

 

 

それは、数分前に遡る

 

 

 

億泰のスタンド、ザ・ハンドのガオン(笑)の誤射のせいで制服の前だけを削り取られた沢近愛理は下着を露出させられクラスに赤っ恥をかかされて、削り取られた制服によって露出する下着を隠すためにその場に屈みこんでいた。

 

 

 

(もう!最悪よ~!なんなのよぉ急に制服がやぶれるなんて意味わかんない!)

 

 

 

自分に降りかかる不幸に思わずやり場のない怒りを堪え、内心で悪態をついて涙目になる沢近、まぁ彼女はスタンド使いではないのでスタンドが見えるわけでもなく事の発端が億泰だという事は当然わかるはずもない、ある意味、億泰にとってはこの時、火の粉が飛び火せずに幸運だと言ってよいだろう。

 

 

 

ありえない、本当に今すぐ家に帰ってしばらく布団に潜っていたい!!

 

 

そんな現実逃避をずっと頭の中で考える彼女、まぁそんな事をしても所詮は一時の逃げでしかなく次の日からは当然、学校に行かなくてはならないのであるが

 

 

まぁ、そんな訳で下手に動くことのできなくなってしまった沢近顔を真っ赤にして屈むしかできずに居たわけだ、助け舟が来ない限りは当然彼女は一歩たりともその場所から動くことはできない

 

 

 

しかし、そんな時だった、ふと両肩に何かふっさりとした衣服を被せられた違和感を沢近は感じた

 

 

 

「え…?これ…?」

 

 

 

「…俺がプッツンしたせいでドタバタに巻き込んじまって申し訳ないッス…服破れたんッスよね? これ俺の学ランッスけど、ちと丈ぇ長いんでちゃんと全身隠れると思います、よかったら使ってください」

 

 

 

ふと、彼女が振り返るとそこには先ほど髪の毛の事でブちぎれて男子生徒を吹っ飛ばした張本人であり事の発端である転入生の東方仗助の姿があった、彼は自分に学ランを優しく被せ、申し訳ないように頭を下げてきている

 

 

沢近はさっそく肩に掛けてもらったこの仗助の学ランの前ボタンを急いで閉めて前を隠す

 

 

正直、助かった、あのままだったら友人に体操服か何か借りて着替える羽目になったり男子の目を妨げるのにいろいろと面倒になっていただろう

 

 

 

「…あ、ありがとう…とりあえず助かったわ…」

 

 

 

素直に感謝の言葉を口にする沢近愛理、仗助は安心したように微笑む

 

 

 

「…別にいいッスよォォ~~、大体、俺が原因だったんッスから! とりあえずこれから同じクラスとしてよろしくしてもらえればうれしいッス!」

 

 

 

そうして、そう一言だけ言い残すと学ランを沢近に貸した仗助はその場から立ち上がり、先ほど吹き飛ばした吉田山という男子生徒の元へ歩いて行ってしまった。去り際、あ、学ランは明日返してくださいよ~とか最後の最後にとりあえず沢近に念を押すことも勿論忘れずに…

 

 

沢近はそんな自分から立ち去る仗助の背中をジッと見つめ見送る

 

 

まぁ、学ランを貸してもらったのはありがたかったがなんだか納得がいかない、そもそも制服が破れたのもあいつのせいのような気がする、勝手な直感だが…

 

 

 

(…東方仗助…ね、なんてゆうか色々と破天荒な奴…)

 

 

 

これが沢近愛理、高校2年生、実は仗助から貸してもらった学ランは満更、嬉しくないこともなかったというのは本人だけの秘密である

 

 

 

これが、東方仗助と金髪お嬢様、沢近愛理との奇妙な邂逅であった

 

 

 

そして時間は再び、転入早々、仗助がドタバタと色々やらかした後片付けに忙しい現在へと戻る

 

 

 

 

「――――――ッてな訳でぇ今、あのお嬢に俺の学ラン貸してんの…」

 

 

 

「オメーなんやかんや言ってあの塚本って女の他にもう手出してんのかよーッ!」

 

 

 

仗助の説明に驚いたように声を上げる億泰、だが、大きい声を上げる億泰に対して仗助は慌てたように思いっきり彼の首根っこに手を回し顔を近寄せ辺りに漏れないように耳元で小さな声で話をし始めた

 

 

てゆーかもう何人か声を聴かれているため手遅れかもしれないがこれ以上、余計な話が広がるのは防げると踏んでの行動だ

 

 

その時の仗助の顔は柄にもなく照れ臭そうに顔を赤くしていた

 

 

 

「ば、バカヤローッ!俺は天満ちゃん一筋だッ!聞かれてたらどうすんだよッ!」

 

 

 

「ウッセーこのダボッ! どう考えてもあの金髪ツインテールのお嬢の方が可愛いだろうがッ!」

 

 

 

「オメーの眼は腐ってんのかッ億泰、ありゃ完全に女王様気質ってェ感じの奴じゃねぇか!付き合ってみろッ3秒程で『ちょっと喉乾いたからお茶買ってこいッ!』みたいな扱いをされる気がするぜッ間違いなくッ!!」

 

 

 

塚本天満と沢近愛理を比べる億泰の言葉に対して、とりあえず自分の感じた彼女の性格を大体想像して言い返す仗助、まぁ、彼の予想した沢近愛理の性格の返答も当たらずも遠からずなのでなんとも言えないのであるが

 

 

 

ともかく、自分は今のところ塚本天満一択なのである、ジョースター家の家訓にあるように生涯、一人の女性しか愛さないのだッ!(※尚、この家訓はジョセフ・ジョースターの代で滅びました(笑))

 

 

とりあえずそんな自分が勝手に作った決まりの様なものを億泰に仗助は伝える

 

 

 

「まぁ、億泰そんな訳だからよォー、俺は天満ちゃんしか見えてないぜッ!」

 

 

 

「…ほんとかよォ、なんか嘘くせェー…」

 

 

 

仗助の言葉に顔を引きつらせる億泰、なんやかんやでこいつと別のクラスになるのが不安でしかたないとつい内心で声を漏らす、明日には多分、億泰は今回の件が承太郎の耳に入って仗助と同じクラスにむりやりねじ込まれるだろうが…

 

 

 

「まぁ、なんか転校初日からお疲れ様ね、あなた達」

 

 

 

ふと、不意打ちの様に二人の後ろから女生徒の声が聞こえた

 

 

 

「…ウワァ!!」

 

 

 

「……ゲェ!!」

 

 

 

マヌケの様な声を互いに上げて慌てて声のした方へ振り返る仗助と億泰の二人、そこには凛とした風貌のどんな状況でもポーカーフェイスでいられそうなそんなミステリアスな独特の雰囲気を醸し出す女生徒が立っていた

 

 

それにしても、いつの間に自分たちに気が付かれずに背後にいたのだろうか…新手のスタンド使いか?冗談だが…

 

 

 

「おっと、自己紹介がまだだったわね、私は高野晶、貴方と同じクラスで茶道部よ、よろしく」

 

 

 

「…ども…よろしくッス…」

 

 

 

「おい仗助、コイツ今どこから現れやがったんだァ~!!」

 

 

 

流石に高野のいきなりの出現に驚きが隠せずに声を上げる億泰、彼女はそんな億泰に視線を向けジッと顔を見つめる。そうして、ふと小さく笑みを溢すと彼女は淡々と話し始める

 

 

 

「あなた、なかなか面白い事を言うのね、気付かなかったの最初からよ」

 

 

 

「なにィ!!そんじぁさっきの会話は…もしかしてッ!」

 

 

 

「聞いてたわ、しかも録音済み」

 

 

 

高野はそういって、声を上げる仗助に対してカセットテープの様なものをわざと彼らに見せびらかすように見せる。その一連の行動はまさに抜け目のないの一言に尽きるものであった

 

 

そんな、彼女は次に仗助に手を伸ばし握手を求めるようなアクションを示してきた。そしてついでにこう言葉を紡ぎ始める

 

 

 

「冗談よ、聞き逃してくれて構わないわこれレプリカだから、今日から同じクラスね、よろしく」

 

 

 

(この女ァ…侮れねェぜ、このクラスにもとんでもねぇ奴が居たもんだァ~~ッ)

 

 

 

仗助はそう内心苦笑いを浮かべつつも差し出された高野の手を握り返す、その差し出された彼女の手を仗助が握る動作はどこかぎこちなかったが、まぁ出会い頭にあんな物を見せられたんじゃ仕方がないだろう

 

 

気付かない内に背中に冷や汗まで掻いていた

 

 

そして、高野はふと隣にいた億泰にも視線をやり、ふと何を思ったのか唐突に彼に向ってこんなことを言い放った

 

 

 

「意外と私好みかも、あなた」

 

 

 

「……へ…?」

 

 

 

瞬間、片づけ作業をしていたクラスメイト達の動きがピタリと止まる

 

 

 

ザ・ワールドッ!!時よ止まれッ!!

 

 

 

唐突な彼女からの一言でつい間の抜けたような声を溢す億泰、それを隣で聞いていた仗助はハトが豆鉄砲を食らったような顔で眼をまん丸くし、杜王町にいるはずの康一のスタンド、エコーズのFreezeをリアルタイムで受けたようなそんな錯覚に見舞われた

 

 

 

え、今なんって言いました?タカノサン? 

 

 

 

クラス中の空気はそれからどれぐらい静止していたかというと体感で十秒ほど、某吸血鬼のスタンドもびっくりの静止時間である

 

 

それから間もなくしてクラス中から一斉に『えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッ!!!』というような長い驚愕の声が上がったまさかあのクールで知的そうな高野が男性にそういった言葉を溢したのはこれが初めてなのだ

 

 

だが、そんな事の重大さを知った時には既に彼女の姿は仗助と億泰の目の前から消えていた

 

 

 

「おい仗助ぇこれってよォ…」

 

 

 

「……グレート……」

 

 

 

そういって、困ったようにクラスから変な注目を浴びている億泰からの問いかけにとりあえずなんとも言えない言葉を送る仗助、

 

 

 

矢神高校への彼らの転入初日は予想打にしない、完全に波乱に満ちたスタートになってしまうのだった

 

 

 

………TO BE CONTINUED

 

 

 


 
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