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真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 第五節:曹操軍、迫る!長坂の戦い勃発!

syukaさん

何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。

2013-03-13 03:29:33 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:6811   閲覧ユーザー数:5086

まえがき コメントありがとうございます。建業で仕事を終え平原へ戻る一刀たち。呉に大量のフラグをバラまいた一刀。嫉妬大魔神こと愛紗が暴走しなければ良いのですが・・・。これはメインヒロインの月・・・げふんげふん。間違った、桃香に頑張ってもらいましょう!それでは長坂の戦い、ごゆっくりしていってください。

 

 

俺は雛里、恋と共に平原に戻ってきた。戻ってきたんだが・・・。

 

「オーッホッホッホ!」

「麗羽様、落ち着いて!」

「斗詩~、ここで止めるなよ~。」

 

な、なんで袁紹たちが平原にいるんだ?民も特に気にしてないようだから、なにかしでかしたってことはないだろうけど・・・。

 

「白蓮、朱里、これはどういうことなんだ?」

 

ちょうど近くにいた二人に現状を聞いてみる。

 

「あっ、ご主人様!お帰りなさいませ。」

「一刀か、ちょうど良かった!麗羽を止めてくれ!」

 

状況を聞く限りではこうだ。袁紹たちは曹操軍に敗れ敗走。落ち延びてきたところを桃香たちが救出し、うちで働いてもらう・・・もとい養うこととなったらしい。

 

「経緯は分かった。それで何でこんなことに?」

「麗羽が『部屋の中だけでは面白くありませんわ!』と駄々をこね始め、市に出てあのだるま落としを見つけてな。そして今に至るという訳だ。」

「なぜだるま落とし・・・。」

「先ほど星さんがたまたま通りかかり麗羽さんをそそのかしたんです。」

「その星は?」

「メンマを買いに行くと言ったきり戻ってきません。」

「はぁ・・・。面倒だと一瞬で察し逃げたな。とりあえず止めてくるよ。」

「お願いします。」

「雛里と恋は先に城に戻ってていいよ。」

「分かりました。」

「(こくっ)」

 

まさか袁紹たちがいるなんて予想もしなかったな・・・。というか、曹操さん相手によく無傷で逃げ切れたものだと感心するくらいだ。悪運は強いのか?

 

「ほらほら、そんなところでしないで部屋でやったらどうだ?」

「あ、北郷さん。すみません、うちの麗羽様がご迷惑を。」

「いや、顔良さんのせいじゃないって。ほらそこの二人、俺を無視して遊びを続けない。」

「今良いとこなのですわ!」

「そうだぜ。あと一つ上手く飛ばせばようやく成功なんだ!邪魔するなよなー。」

 

なんだこの二人は・・・。子供と同じだ。

 

「・・・顔良さんも大変だね。」

「私のことは斗詩と呼んでください、ご主人様。これから私たちもお世話になるわけですし。他の方たちには既に真名を預けていますので。」

「分かった。これからよろしくな、斗詩。」

「やりましたわ!」

「流石麗羽様!」

「・・・。」

「すみません!ほんっとうにすみません!」

 

あ~、これからもうちは騒動が絶えなさそうでなにより。とりあえず、袁紹さんから麗羽、文醜さんから猪々子の真名を預かり俺は朱里と共に城に戻った。麗羽たちは白蓮に預けて。

 

「結局こんな役回りかよーーー!!」

 

白蓮、強く生きろよ・・・(合掌)。

 

・・・

 

「ただいまー。」

 

俺は荷物を自室に置いたあと謁見の間に向かった。

 

 

「あ、ご主人様。お帰りなさい。」

「お帰り。今帰ってきたの?」

 

お出迎えは月と詠だった。ただ今絶賛掃除中のようだ。

 

「うん。雛里と恋は先に部屋に戻らせたよ。華佗と卑弥呼は建業にいる途中でほかの仕事が入ったって行ってどこかに行っちゃったけど。近いうちには戻ってくるって言ってた。」

「そうですか。華佗さんもお忙しいんですね。」

「そういう月も忙しいんじゃないの?」

「確かに忙しいですけど、私はお掃除大好きですので。皆さんや・・・ご主人様が快適に過ごして欲しいですから。」

「月・・・。」

「ご主人様・・・。」

 

見つめ合う俺と月。甘い空気が漂う中に取り残された詠は我慢できず一刀の頭を叩いた。どこからか取り出したハリセンで。

 

「こら!勝手にいい雰囲気になるな!」

「詠ちゃん・・・怒っちゃめっ!だよ。」

「う~、分かったわよ~。」

 

可愛く怒る月に渋々納得する詠。うーん、ほのぼのするなぁ。

 

「何一人で和んでるのよ?」

「月と詠の夫婦漫才が面白かったからつい♪」

「つい♪じゃない!」

「いやー、ツッコミ役がいるっていいね。」

「そうですね。詠ちゃんはそういうのに敏感ですから。」

「霞に恋がいたらこんなにもなるわよ・・・。」

 

霞がいたら俺もツッコミに回りそうな気がする・・・。あの大阪弁には何かあると俺は踏んでいるんだ。

 

「それは置いといて、あんた。桃香たちにはもう会ってきたの?」

「まだだよ。麗羽たちには会ってきたけど。」

「あいつらはどうでもいいのよ。桃香と愛紗は桃香の部屋にいるから顔を見せに行きなさい。あの二人はご主人様が、ご主人様がって毎日五月蝿かったんだから。」

「分かった。じゃあ二人とも、掃除頑張ってね。」

「はい♪」

「はいはい。」

 

俺は謁見の間を後にして桃香の部屋へと向かった。

 

「詠ちゃん、ご主人様が帰ってきて嬉しそうだね。」

「べ、別にそんなんじゃないわ!ただ・・・その・・・。」

「ん?」

「う~、皆まで言うなー!!//」

「ふふっ♪」

 

ご主人様、今日の詠ちゃんもご覧の通り可愛いです。

 

・・・

 

俺は桃香の部屋の前まで辿りついた。とりあえずノックする。

 

「俺だけど、いるー?」

「ご主人様!!」

 

部屋の向こうから聞こえてきたのは愛紗の声だった。そして扉が開かれるとその声の主が現れた。

 

「ご主人様・・・お帰りなさいませ。」

「うん、ただいま。愛紗。・・・?桃香は?」

「あちらです。」

 

指差された方に視線を向けると・・・真っ白に燃え尽きた桃香が椅子に座っていた。

 

「ほへー。」

「と、桃香。ただいま。」

「あ、ご主人様の幻覚が見えるよー。」

 

 

これは重症だぞ。何が起きたんだ?

 

「いや、俺だから。本人だぞ。」

 

俺が桃香の頭をポンポンと叩くと、はっ!と今起きました。みたいなリアクションをして部屋のあたりをキョロキョロと見渡した。机の上に筆と何かの資料があるのを見るあたり勉強をしてたんだな。

 

「あれ?私、今お花畑の真っ只中にいたような・・・。」

「おいおい・・・。」

「桃香様、しっかりしてください。今の需要と供給の要点は分かりました。」

「分かった・・・よ?」

「目が泳ぎましたね。」

「う~。だって難しいんだも~ん!!」

 

需要と供給か。学園にいた時に学んだとこだな。懐かしい・・・。

 

「愛紗、ちょっと俺に変わってくれないかな?」

「はい。しかし、桃香様は一筋縄ではいきませんよ。」

「それは分かってるから大丈夫だよ。」

「二人ともちゃっかり失礼なこと言ってる~。」

「それ言われたくないのでしたらもう少し集中力をつけてください。」

「うっ・・・。」

 

義妹にしっかりしろと言われる義姉。俺もこの二人は義妹だからな、可愛い義妹だ。

 

「桃香、筆と紙を貸してくれる?」

「はい。」

 

俺は紙に農家とラーメン屋の絵を描いていく。

 

「ご主人様の絵、可愛いね♪」

「ちょっと黙ってなさい//。」

 

こればっかりはどうしても治らないんだから!

 

「可愛い//」

「・・・。」

 

愛紗、俺の絵を見て頬を染めないでくれ。なんか凹む・・・。

 

「はい!俺の絵のことは忘れる!とりあえず、ここに農家とラーメン屋さんがいます。ラーメン屋さんは農家の人からラーメンや餃子に作る材料を買うでしょ?」

「うん。ネギとか小麦粉とかお肉だよね。」

「そう。そして農家の人はラーメン屋さんでラーメンを食べるよね。」

「うん。」

「これが需要と供給だよ。ラーメン屋さんも農家の人も材料や品物を売ることでお金を手に入れます。そして、そのお金で自分の生活資金にしたりお野菜を作ったりラーメンを作ったりしてそれをまた売る。それに加えて農家の人やラーメン屋の人も一人じゃないからね。それでどうすれば自分の品物を買ってくれるか相場を見たりしながら工夫していくの。そしたら皆が頑張って自分のを売ろう!って良い雰囲気が生まれる。以上、俺の需要と供給でした。」

「凄く分かりやすかった!ご主人様、ありがと~。」

「どういたしまして。」

「私もご主人様を見習わなければなりませんね。」

「愛紗はもう少し柔軟な考えで相手に教えられるといいかもね。」

「む~、私は堅いところがありますから。」

 

とりあえずは俺の個人授業終わり。

 

「ご主人様、その首から下げてるのは何?」

「ん?勾玉だよ。」

「彫られているのは竜ですか。」

「うん。竜に貰ったんだ。」

「またまたご冗談を。」

「本当だよ。これに念じれば来てくれるらしいから、呼んでみる?」

「うん!」

「いけません!」

 

 

期待に目を輝かせる桃香と顔を真っ青にしている愛紗。俺はどうすればいいんだ?

 

「愛紗ちゃん、お願い!私、一回見てみたいの!」

「民が何が起きたのかと混乱します!」

 

『私は行っても良いぞ。』

 

・・・人の姿で出てきてね。

 

『承知した。』

 

「今出てくるって。」

「わーい♪」

「なんてことを・・・。」

 

そんな話をしていたら空が急に暗闇に包まれ雷まで鳴り出した。・・・外から騒ぎ声が聞こえてくる。俺、判断を間違えたかな?

 

「どきどき♪」

「はらはら・・・。」

「主!」

「お兄ちゃん!」

「ご主人様!」

 

皆が桃香の部屋に押し寄せてきた。皆困惑した表情を浮かべている。

 

「と、とにかく全部話すから謁見の間でね。」

 

ひとまず皆を落ち着かせると謁見の間で事と次第を話した。ちなみに、うちの将全員集合。

 

「主がその勾玉で竜を呼び寄せた、と。」

「うん。」

「ふぅ、出てきてやったぞ。」

 

俺の隣にいつの間にか現れていた鈴。皆はそれぞれ驚き戦闘態勢に入った。警戒心丸出しだな。

 

「皆、落ち着いて。この人が黄竜こと鈴だよ。」

「え?竜なの?人だよね。」

「失礼なやつだ。私はれっきとした竜だ。お主らの何百倍も生きておる。」

「しかし、証拠がなくては納得がいきませぬぞ。」

「手合わせでもしてみるか?私の相手になれば・・・だがな。」

 

鈴が星に視線を向ける。それと同時に一瞬だけ殺気を放った。殺気を向けられていない星じゃなくても身が竦んだ。武官以外は立っていられなかったようで尻餅をついてしまった。俺や愛紗でも立っているのが精一杯だったんだ。殺気を直に受けた星は体から冷や汗が溢れ体がガクガクと震えていた。

 

「星、大丈夫・・・じゃあないようだな。」

「あ、主。とんでもない者を呼び寄せましたな。私はこの一瞬で身の危険を悟りましたぞ。恋と対峙した時の比ではありませぬ。」

「勿論だ。私は五竜の長を務めているのだからな。そこいらの人間に負けるとは思えぬ。億に一もないだろう。まぁ心配するな。私は一刀に惚れ込んでおるからな。それに、私と同等の力を持ち、誰にでも平等な性格、複雑な境遇にいながらも己を忘れぬその精神、その全てが私の力を授けても良いと確信した。一刀が信頼する者に危害を加えることはない。」

 

とりあえず桃香たちを立たせると俺は鈴の方を振り向いた。

 

「まぁ今日は皆に会わせたいから呼んだんだ。一応こうしておいたほうがこの先良いかなって思ってさ。」

「そうか。まぁ私はいつもその勾玉から一刀を見ておるからな。」

「うん。」

 

鈴は俺に軽くキスするとふっと姿を消した。・・・また大きな爆弾を残しって行ったよ。

 

「ご主人様・・・。」

 

うちの子たちが俺にじりじりとにじり寄ってきた。・・・。

 

「あ、あはは。ここは・・・逃げるが勝ちーーー!!」

 

 

俺は身を翻し謁見の間を飛び出した。

 

「逃げたぞ!追えーーーーー!!」

 

やっぱり追ってきたね。とりあえず市には出たけど、さて・・・どこに逃げようか。

 

「ん?あれは隊長じゃない?」

「隊長~、どこに行くんですか~?」

「ん?」

 

なんかどこかから聞いた声のある声が・・・。カフェのテラスでお茶してるうちの兵だ。

 

「お、恵に美香と瑠偉か。ちょっと匿って。」

 

店員さんに俺も追加ということを伝えて四人席の空きに座った。外から見たら俺が背に見えるように。

 

「ちょっとごめんね、愛紗たちが俺を追ってるんだよ。」

「? 隊長、なにかしたのですか?」

「俺はしてない。」

「?」

「じゃあ何が原因で?」

「隊長のことだから女の人絡みだよ~。」

「そんなことあるわけ・・・。」

「ありますよね。」

「・・・。」

「図星だね~。」

 

うちは将だけじゃなく兵も鋭いみたい。俺が分かりやすいのかな?

 

「それで、誰なのですか?」

「何が?」

「何かされたのですよね?」

 

それから俺が当事者を出そうと鈴を出そうと思ったら竜の姿で出てきてしまい市だけでなく将、兵たちは大混乱。後に愛紗の大説教を二刻ほど聞いたことはもう思い出したくない。

 

「今帰ったぞ。」

「華佗か、おかえり。」

「関羽よ、何か機嫌が良くないようじゃが、どうしたのじゃ?」

「・・・気にするな。」

「?」

「・・・なるほど、ご主人様が燃え尽きているあたり何かしでかしたのじゃな。」

 

誰か帰ってきたんだな。今の俺にはもう思考回路を働かせるのも不可能だった。

 

・・・

 

それから一週間後。俺たちにとって大衝撃が飛び込んできた。曹魏軍が平原に近づいていることが判明した。謁見の間にて将全員で作戦会議が執り行われている。

 

「朱里、うちの兵はどのくらいいるんだ?」

「全てで三万です。それに比べ曹魏軍は報告によれば十五万は固いかと。」

「なんや、あの覇王はんはそないに兵を集めとったんか。」

 

兵数差は五倍。その圧倒的な数字は俺たちの戦意をどん底に叩きつけるには十分すぎるものだった。

 

「どうします?篭城戦を敢行するのもひとつの手だと思います。敵兵の五分の一の数というのは大きな賭けとなってしまいますが。」

「しかし、ここでは民にも被害が出てしまいます。」

「ではどうするというのだ!敵はすぐ近くまで迫っているのだぞ!?」

「愛紗ちゃん、落ち着いて。」

「桃香様!それに皆も何故そのように落ち着いていられるのですか!?ここは私が身を挺してでも一撃食らわせねば・・・。」

「あい・・・。」

「愛紗!落ち着け!!!」

 

俺は声を張り上げてでも愛紗を止めた。こんな相手を驚かせるようなことはしたくないんだけど。

 

 

「ご主人様・・・。すいません、少し焦りすぎていたようです。皆もすまない。」

「俺も大きな声を出しちゃってゴメンな。」

 

しかし、これは本当に急を要することだ。愛紗が焦る気持ちも分からないでもないからな。

 

「だが、前線に出て戦をするのも一矢を報いるのと変わらぬ。」

「ご主人様、どうするんですか?」

 

胡花が俺の袖を掴んでくる。そっか、胡花にとっては初めての戦になるかもしれないからな。やっぱり怖いのか。

 

「そうだな・・・月たちみたいが俺たちのところに来たときみたいにはいかないからな。」

「ですが、それでは逃げるだけになるのでは・・・。」

「じゃあ逃げちゃおう。」

「と、桃香様・・・逃げちゃおうと言われましても。」

 

愛紗が困惑した表情になる。愛紗だけでなく星や清羅も頭上に?マークを浮かべたまま思案顔を浮かべていた。

 

「桃香様の逃げる案ですが、これは良い案かもしれません。」

 

朱里の一言に皆が彼女の方に顔を向けた。

 

「現在、益州では劉璋という方が政治と執り行っているのですが、悪政を強いています。益州の民からも不満が出ており餓死者も出ていると酷い状況となっているようです。」

「つまり、乗っ取っちゃおうっていうこと?」

「簡単に言うとそうです。政治の改善を民に提示すれば益州の都、成都に入るのも困難ではないと思われます。」

「けど、益州に入る前に一つ問題があります。」

 

朱里の言葉に乗っかる形で明里が口を開いた。

 

「益州へ向かう途中で長坂にある大きな橋を渡らなければなりません。そこを狙われる可能性は非常に高いかと。」

「それは鈴々に任せるのだ!」

「鈴々!?では私も・・・。」

「愛紗は桃香お姉ちゃんたちについてて欲しいのだ!鈴々だって雑兵の千や二千はちょちょいのぷーなのだ!」

 

鈴々の瞳は皆を守ると熱く燃えていた。なるほど、長坂の戦いでの張益徳の武。一人で曹魏軍と対峙し、劉備の逃亡を成功させた武勇伝は有名な話だ。

 

「分かった。これは鈴々に任せよう。」

「ご主人様!?正気ですか!これではまるで鈴々を見捨てるようなものではないですか!!私は反対です!」

「大丈夫だよ。なぁ鈴々、俺も鈴々と一緒に戦ってもいいか?」

「お兄ちゃん?」

「俺も鈴々のことは信頼しているし大丈夫だと思ってる。けどやっぱり兄貴分としては心配なんだよ。だからさ、鈴々の隣で戦わせてくれないか?」

「分かったのだ!けど、お兄ちゃんの出る幕はないのだ!鈴々がみーんなぶっ飛ばしてやるのだ!」

「あはは。それは心強いな。じゃあ鈴々、一緒に益州入りを成功させよう。」

「がってん承知なのだ!」

「鈴々、絶対、絶対にだぞ。絶対に死ぬなよ。」

「鈴々ちゃん、絶対生きて戻ってきてね!」

 

愛紗と桃香が辛そうな表情で鈴々に語りかける。そりゃあ心配になるのも当然だ。相手は十五万の兵に加え将だって追ってくるだろう。そんなところに妹分を置いてくるなど生きる心地はしない。

 

「にゃはは、愛紗も桃香お姉ちゃんも心配性なのだ。鈴々だけでも大丈夫なのにお兄ちゃんもいれば負けるなんてことは万が一もないのだ。」

「そうだな。それに、本当に危なくなったら俺が身を挺してでも鈴々を逃がすから。」

「ご主人様もです!」

「そうだよ!私、二人とも帰ってこないと嫌なんだからね!」

「分かったよ。それなら俺も鈴々に任せてられないな。じゃあ朱里、清羅、蒼は兵に益州行きを伝えて出発準備させて。星と流琉は市に行って人たちに平原を離れること、曹操さんたちがここに来ても悪いようにはしないから安心してって伝えてきて。」

「御意!」

 

 

さて、これからが本番だ。とにかく、あの曹操さんが簡単に見逃してくれるとは考え難い。戦闘はまず免れないと考えておいたほうがいいな。

 

「皆、全員で益州入りしよう!武運を!」

「武運を!」

 

・・・

 

「華琳様、斥候から報告が届きました。」

「聞きましょう。」

「民たちに特に変わったところは見受けられなかったようです。ですが、何故か兵を一人も見かけなかったとのことです。」

「兵を見かけなかった?」

 

ここまで近づいていて気づかないとは考えにくい。向こうには伏竜鳳雛がいる。それに、あの天の御使い。籠城を決め込んだ?いえ、それもないわね。この兵数で籠城を決め込めば余計な被害を受けるのは目に見えている。ではなぜ?

 

「尻尾を巻いて逃げたのかもしれないぞ!」

「そんな馬鹿な。」

「いえ~、それも考えられますよ~。」

「その考えを言いなさい。」

「最初から勝てぬと分かっている戦なら仕掛けず逃げてどこかでやり直すというのも考えられるのですよ~。そして、孫呉、西涼、そして我が曹魏には近づけぬところを考えると残るは益州しかないのですね~。」

「益州は劉璋が治めているわね。すんなり納得するとは思えないわ。・・・まさか。」

「そう、そのまま占拠し自分たちが治めようと考えているのでしょう。悪政を強いられている民たちにとっても劉備たちが来ればまともな生活が出来ると歓迎するでしょうから、どちらも得はあるのです。ですので、平原には兵どころか将もいないはずです。」

 

くっ、してやられたわね。この曹孟徳を出し抜くなんて・・・。そんな歯痒いことを考えていると一人の兵が駆け込んできた。

 

「報告です!先遣隊として出ていた楽進様より劉備軍を長坂にて発見したとのことです。おそらく橋を渡ろうとしているのかと。」

「渡り切られたら厄介ね。春蘭!秋蘭!季衣!お前たちも長坂に向かえ!そして、乾坤一擲!劉備軍ごと撃退しろ!」

「御意!」

「孟徳殿、私はどうすれば良い?」

「あなたも春蘭たちと共に行きなさい。あなたの武、期待させてもらうわ。」

「御意。」

「誰かある!」

「はっ!」

「楽進、李典、于禁にも長坂に向かうよう伝えろ!夏侯惇たちと合流次第迎撃開始だ。」

「御意!」

 

私も早く向かわないといけないわね。洛陽戦での屈辱、ここで晴らさせてもらうわ!

 

・・・

 

私たちはご主人様たちを橋の前に残して橋を渡り始めた。先頭と後方に貂蝉さんと卑弥呼さんがいるから危険はないはずなんだけど、やっぱり心配だよ・・・。

 

「桃香ちゃん、そんな寂しそうな顔しちゃダメよ。兵もそうだけどついてきてくれた民にも桃香ちゃんの雰囲気って伝わりやすいんだから。」

「貂蝉さん・・・、けど鈴々ちゃんやご主人様が・・・。」

「あの二人なら大丈夫よん。信じましょう、二人を。」

 

違う外史でも見てきたこれと似たような光景を。そして鈴々ちゃんの武を。あの時も鈴々ちゃんは皆を守るからと言って戦っていたわん。それに今はご主人様がついているんだもの。負けるなんて私でも考えられないわ。

 

「・・・う、うん。」

「桃香様、私も不安ですけどご主人様もいますからきっと大丈夫です。」

「月ちゃん・・・。分かった、私も二人のこと信じる!」

「うん、その調子よん♪」

 

もしもご主人様や鈴々ちゃんに何かあれば~、私が直々に地獄行きになった方がマシと思うようなことをしてあげるわ。ぐふふ・・・。

 

 

・・・

 

最後方の卑弥呼が橋を渡り始めたことで俺と鈴々は視線を砂塵の起こる荒野へと向けた。のはいいんだが・・・。

 

「なんで恋と霞までここにいるんだ?」

「恋も鈴々と一緒に戦う。」

「うちは洛陽んときに一刀に助けられとるからなー。そんときの恩返しや。っちゅうても今は仲間やから恩返しとか必要ないんやけどな、けどこればっかりはうちもケジメつけとかなアカンと思うねん。だから堪忍してや!」

「俺は別に構わないけど、鈴々は?」

「別にいいのだ。」

「あれ?愛紗にはダメって言ったのに?」

「愛紗は桃香お姉ちゃんについてて欲しかったのだ。だから、愛紗はダメなのだ。」

「・・・鈴々は俺の自慢の義妹だよ。」

 

俺は鈴々の髪をくしゃっと撫でる。鈴々は、「にゃは~♪」擽ったそうに目を細めた。

 

「よっしゃ、うちも燃えてきたで~!こんなに緊張感が高まるんは久しぶりや。」

「けど、冷静さは見失わないようにな。」

「分かっとる♪」

「ご主人様、恋、頑張る。」

「うん、俺も頑張るよ。一緒に頑張ろう。」

「(こくっ)」

 

さて、準備は出来た。いつでも来い。

 

・・・

 

「橋の付近にて人影を発見しました!」

「分かった。もう下がれ。」

「御意。」

「まさか逃げ出すなんてなー。平原のやつらは腰抜けなのか?」

「では私たちは洛陽でその腰抜けに出し抜かれたということになるぞ、姉者。」

「うっ!わ、私たちは華琳様に命令されたことを遂行するだけだ!」

「うむ、その意気だ。」

「秋蘭様、敵の人たちってそんなに強いんですかー?」

「そうだな、相手には飛将軍呂布に美髪公関羽、神速の張遼に化物が二匹いる。油断はできない相手ばかりだ。一番厄介なのは北郷という男だがな。」

「男~?ぼく、男相手に負けたことないですよ~?」

「私もだ。だが、華琳様が最も警戒すべき者とおっしゃっていたからな。気をつけるに越したことはないさ。」

「は~い。」

 

暢気に返事をする季衣をよそ目に真桜と沙和は不安そうな表情を浮かべていた。

 

「な、なぁ、またあの化物がおるんちゃうか?」

「沙和もそう思うのー・・・。」

「何を二人してぶつぶつ言っている!早く行くぞ!」

「あー、凪ちゃん待ってなの~。」

「待ってーなー!置いてかないでー。」

 

真桜と沙和が凪を置いていくのを後方からゆっくりついて行く者が一人。

 

「張遼・・・呂布・・・。」

 

意味ありげな言葉を口にしながらも彼女はゆっくりと歩を進めた。目的地となる長坂橋を目指して。

 

・・・

 

・・・来たか。

 

「我が名は夏侯元譲!魏武の大剣なり!お前らの首を華琳様の手土産としてここを通らせてもらう!」

「そうはさせんでー!うちが食い止めたるわ!」

「やはり、霞か。それに恋。」

「か、華雄!お前、生きとったんか!」

「・・・華雄。」

 

 

華雄、生きていたんだな。というか、曹操さんのとこにいたのか。

 

「孫策に敗れ、瀕死の状態からどうにか落ち延びてな。それから縁あって曹操殿に拾われたという形になったのだ。私が完治した頃には既に洛陽は曹操殿の支配下にあったからな。」

「そっか。皆、頼む。華雄とは一騎打ちさせてくれへんか?」

「俺はいいよ。」

「鈴々もいいのだ。」

「(こくっ)」

「待て待て。私は良いとは言ってな・・・」

「姉者。ここは華雄に任せよう。同じ主の下にいた仲間だったんだ。このくらいはさせてやってもいいんじゃないか?」

「ぐぬぬ・・・華雄!どうするんだ!?」

「勿論、霞の要求に応じる。」

「そうでなくっちゃな!」

 

霞と華雄は離れたところで槍を交えだした。その勢いに感化されたのか夏侯惇も鈴々に突撃しにいった。

 

「先手必勝!でやあああああ!!」

「見え見えなのだ!」

 

鈴々は蛇矛で大剣を弾いた。

 

「弓隊、放てーーーーー!!」

 

夏侯淵さんの号令によりこちらに弓の嵐が降り注いでくる。

 

「抜刀、嵐!」

 

俺、鈴々、恋を中心とした風の防壁が弓を全て弾き返した。

 

「ここから先はこの張翼徳が絶対に通さないのだ!」

 

鈴々が丈八蛇矛をひと振りし地に一本の線を引いた。これは境界線といったところか。

 

「ここから先に通りたければ掛かってくればいいのだ!この張翼徳、雑兵の千や二千!軽くぶっ飛ばしてやるのだ!」

 

鈴々の気が変わった。普段の数倍に膨れ上がっている。なんと純粋で温かい気であることか。今の鈴々なら愛紗でも相当苦戦するだろうな。

 

「くっ、近づけないだと・・・。」

「そっちからこないならこっちから行くのだ!うにゃにゃにゃにゃーーー!!!!!」

 

鈴々が丈八蛇矛をひと振りすると大きな衝撃波となって敵に襲いかかっていく。夏侯惇たちは風圧に耐えていたが後方にいた弓兵は吹き飛ばされていた。・・・?

 

「鈴々はお兄ちゃんや桃香お姉ちゃん、それに愛紗も、星も朱里も雛里も・・・皆守るのだ!どうしても通りたいならこの張翼徳を倒していくのだ!けど、自分の命を捨てる覚悟くらいないと鈴々様は止められないのだーーーーー!!!」

 

鈴々・・・。俺も鈴々の助けをしないとな。・・・あれ?向こうにいたはずのあの三人組の子達がいない・・・。

 

「どっせーーーーーーい!!!」

 

あれは・・・ドリル!?ドリルを回転させながら空中から下降してくる。ちなみに、狙われているのは俺。というかどうやってあんな上空に飛んだんだ?まぁ、まっすぐ突っ込んでくるだけだから避けるには容易い。俺がバックステップを取り回避すると、俺が立っていた場所には大きな穴が開いていた。ドリルだから穴が開く当然か。

 

「はああああぁぁぁ!!」

「てりゃあああぁぁぁなのーーー!!」

 

今度は挟み撃ち、しかも一人は気弾を使えると。まぁ大丈夫だな。俺は相手が拳なら拳ということで俺も気を纏わせ力を相殺させる。俺の背後はがら空きだから好機とか思われているんだろうけど、俺には可愛らしい番犬がついているからね。

 

「ふっ!」

「えっ・・・。」

 

横っ腹から思いっきり方天画戟で吹き飛ばされる子。あれ、絶対痛いよね。

 

 

「沙和!」

「沙和!しっかりしろ!!」

「きゅぅ・・・なの。」

 

目を回して気絶してる。思いっきり不意打ちだったからなー。気絶するのも仕方ない。

 

「ご主人様を狙うなら・・・恋が相手。容赦は・・・しない。」

 

恋の殺気が二人に向けられる。こういうときの恋ってやっぱり呂布なんだなって思い知らされるな。普段はご飯食べているか動物たちとじゃれているかお昼寝してるもん。武神の欠片もあったもんじゃない。可愛いから問題ないけどね。

 

「な、凪。うちら、触れちゃあかんもんに触れてしもたんちゃう?」

「ひ、怯むな!私たちは華琳様の命を受けているんだ!これ以上失敗を繰り返すわけにはいかない!」

 

そう言いながらも冷や汗は止まらない様子の二人。

 

「恋、ここは俺に任せてもらっていいか?」

「? 分かった。」

 

恋は俺の後ろへと下がった。

 

「なぁ、見逃してもらうことって出来ないか?これ以上やると俺も流石に歯止めが効かなくなっちゃうんだけど。」

「そ、そんなこと出来るか!私は華琳様のため!絶対に敗走は許されぬ!でりゃあああああ!!猛虎襲撃ーーーーー!!!」

 

気を纏わせた蹴りの嵐。グリーブを着込んでいるため気でなくても金属で蹴られるのと同じようなものだ。俺は紙一重で連撃を避けていく。

 

「今だ!」

 

蹴りに集中していたので突然の殴打に反応が遅れた。しかしこのまま顔面を殴られるのもまずい。よし!あの手だ。無理やり自信の体を後方に倒した。柔道の後ろ受身みたいなものだな。的を外した彼女の拳は虚しくも空を切った。

 

「・・・なぜ打ってこないのですか?」

 

彼女は苦々しそうに俺を睨みつけてきた。なんで怒ってるの?

 

「私が先ほど奇襲を掛けようとした時、あなたは私の拳の威力を気ごと相殺させました。実力は私では到底及ばないほどに気の扱いに長けているのでしょう。しかし、あなたはあれから一度も私に打ち込もうとする素振りも見せていません。何故ですか!あなたは武人なのでしょう!?」

「なんでって言われてもなぁ・・・。俺、女の子を殴るような度胸はないよ。」

「・・・はっ?」

「確かに気も使えるし戦えるけどさ、女の子を傷つけるのって気が引けるっていうか・・・。」

「・・・おかしな人だ。あなたみたいな人は初めて見ました。」

 

・・・俺、初対面の女の子におかしな人って相当言われてる気がするんだけど・・・。

 

「恋、俺ってそんなにおかしい?」

「?」

 

うん、恋はそういう反応だよね。薄々分かっていたよ。・・・はぁ、ちょっと凹むぞ。

 

「何をー!このちびー!」

「お前みたいなちびペタ春巻きに言われたくないのだ。」

「ムキーーー!!」

 

随分と低い次元の喧嘩が繰り広げられているのは気のせいだろうか。

 

「人気の定番定食みたいに言うな!っていうか、お前もペッタンコじゃないか!」

「鈴々はこれから愛紗みたいにバインバインになるのだ!成長途中なだけなのだ!」

 

・・・愛紗がいたら赤面すること間違いなしだな。そして鈴々がお説教を喰らうという構図が容易に思い浮かぶ。そんな子供の口喧嘩をしている二人の周りを見渡すと地が陥没していたり草木が抉られていたりで相当な戦いが繰り広げられたみたいだ。夏侯淵に夏侯惇は息切れして戦闘意欲は無いに等しいみたい。

 

 

「何をーーー!」

「なんだとーーー!」

「そこまでよ!」

 

夏侯姉妹の背後から現れたのは曹操さんだった。

 

「北郷、久しぶりね。」

「えぇ。こんな形で再会はしたくなかったです。」

「私たちは敵どうし。それを忘れてはいけないわ。それより、あなたたちを逃がしてあげる。華雄もそのくらいで気が済んだでしょ?」

「あぁ、十分だ。」

 

向こうでやり合っていた二人が戻ってきた。霞も何か納得したようだ。

 

「あなたの、張翼徳と言ったかしら。あなたの武に心惹かれるものを見せてもらった。だから、見逃してあげる。それに、私たちは荊州を手に入れた。今はそれだけで充分。」

「・・・鈴々たちが橋を渡っているときに奇襲を掛けようとか思っていないのだ?」

「えぇ。私の真名と覇王を名乗る者として誓うわ。」

「分かったのだ。」

「皆、引き上げるわよ。」

 

曹操さんが踵を返しきた道のりを戻り始めると夏侯惇たちもそれに続いた。しかし、華雄は途中で歩みを止め俺に近づいてきた。

 

「北郷、こんな形で再会するとはな。なんというか、申し訳ない。」

「謝らないでいいよ。俺もこの再会は予想外だったよ。とりあえず、華雄が生きてて良かった。」

「ありがとう。」

 

なんというか、落ち着いたっていうのかな?前みたいに猪突猛進する性格は治ったみたい。

 

「その・・・月様は元気にされているか?」

「うん。それは問題ない。毎日元気にしているよ。洛陽にいたときも華雄さんが戻ってきてくれれば・・・って言ってたよ。」

「そうか。良かった。」

 

華雄はほっと胸を撫でおろした。華雄も月のことは心配だったんだな。例え今は仕える主が違うとしても、華雄の中では月も大切な人なんだと思うと俺も嬉しくなった。

 

「では私はもう行く。月様に私が生きていることを伝えてくれ。今はそれだけで良い。」

「了解。ちゃんと伝えておくよ。」

「恋、霞、お前たちも北郷や月様に迷惑を掛けないようにな。」

「散々うちらに迷惑を掛けた華雄に言われとうないわ!」

「華雄、行っちゃうの?」

「私の主は曹操殿だ。しかし、お前たちのことを嫌っている訳ではないからな。」

「(こくっ)恋も、華雄のこと、嫌いじゃない。」

「ははっ、そうか。じゃあな。また会うときはまた戦場だろうがな。」

「首を洗って待っとき!」

「それは私の台詞だ。」

 

そう告げると華雄も曹操さんを追っていった。

 

「・・・なんか、華雄らしゅうなかった気するわ。なんかおとなしゅうなっとった。」

「そうだね。」

「けど、武の方はごっつ強うなっとったわ。うちも負けてられんわ!」

「鈴々、お腹ぺこぺこなのだ~。」

「恋も・・・。」

「あはは、じゃあ早く桃香たちと合流しないとな。」

「早く行くのだーーー!!」

 

俺はやる気満々の霞とお腹ぺこぺこの鈴々と恋と共に長坂橋を渡り始めた。目指すは入蜀、成都入り!

 

 

あとがき 読んでいただきありがとうございます。今回は鈴々の長坂の戦い、華雄再来、袁紹御一行の仲間入りとのことで普段より少々多めになりました。個人的には長坂の鈴々ほど格好良い!と思ったキャラはいませんでしたね。あ、霞姐さんも格好良いですが・・・。うーん・・・結論:どちらも格好良い!以上!wさて、桃香たちは入蜀へと乗り出しましたね。これで第五節も終了です。次回から新節スタートです。それでは次回 第六節:その名は黄忠漢升、城主にして一児の母。でお会いしましょう。 次回もお楽しみに!


 
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