No.547842

HighSchoolDevil×Devil/Zero&StayNight-EXTRE

tasogaremonoさん

英国での凄まじい一夜は空け太陽が登った。しかし、そこには影もあった。天使の輪っかが立ちふさがるとき、丹羽士郎はどう動くのだろうか
英国編番外編第二部 スタート!!

2013-02-23 19:33:00 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3093   閲覧ユーザー数:3003

 

                An angel and an evil spirit

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

番外編―第4話2部――There is only run through

 

 

 

「――さてと、ここがイタリアの町並みね」

とある路地裏にワープしてきた二人、路地を出ると、そこには、賑やかな街並みがあった。屋台のごとく所狭しと店があり、果物や野菜などがたくさん売っていた。

「さすがね~イタリアだけあるわ」

周りには沢山の人だかり、その容姿と隣にいる士郎が相まって、かなり目立っている

「――まったく、目立っているわね~」

そういいながら歩いている士郎

「まぁ、そうだな?けど、いいんじゃなねぇの?」

「で、どうなのよ?」

「――ん、今調べてる」

「さっすが、私の王子様」

士郎は話しながらも、魔力の流れで方角を調べていた

歩いて行くとすれ違う人皆が振り返って士郎たちを見てくる・・・。女性は士郎、男性はアルビスと言った感じで・・・。

「はぁ・・・こうも見られ続けると見世物になった気分ね・・・。」

「まぁ、それほどアルビスが綺麗ってことだろ?」

「――あら、士郎にしては、珍しいこと言うじゃない」

皮肉を行ってくるアルビス――そんな中

「なぁ、アルビス」

「なに?士郎?」

「とっとと、ミッションってか、仕返し終わらしてここいらでなんか食べない?」

「おぉいいわねぇ、一応外泊許可は頂いてるし――さてと」

「――あぁ――行くぞ」

二人の視線の先には、一人に魔術師、ここいらへんで魔術師だとすれば"彼ら(ローマ正教)"だ。

「士郎、時間を稼ぐ?」

「いい――これよりこの場は我が隠所と化す(T P I M I M S P F T)

そういうと、士郎を中心にルーン魔術が展開された

二人は顔も隠さず――その男性に近寄る。その男性はなにかに気づいたように身構える

「――やっほ、そこの男性さん?」

「――!!!」

士郎は、瞬間的に後ろに回る。その男性はフードをかぶっていた

バサッ!!

ガチャ!!

士郎とその男性の二人はほぼ同じ行動をとった

マントが脱げ、その男性の顔が現れた

「――久しぶりだね、士郎君、それにしても、真昼間から結界をいや、人払いかな?それを展開して、僕に銃を突きつけるとか?君は暇なのかい?」

「――間宮切嗣」

驚くアルビス

「はっ、夏休みだよ――それに、久しぶりだな間宮切嗣」

士郎は銃を下ろす、と同時に切嗣も拳銃を下ろした

「それで、なんなのかな?」

「単刀直入に聞くわ――イギリス、天翼の架け橋(ウィングス)、それにローマ、この言葉がつながることに心当たり無いわね?」

「あぁ、ないな――それがどうかしたのかい?」

「いや、なんでもないわ――ってことは」

そういうと、士郎とアルビスは顔を合わせる

「「(直接乗り込むしかないな(わね))」」

それから、結界を解く士郎

「すまんな――間宮」

「いや、けど僕もわかったことがある」

「――なんだ?」

「まぁ、イギリスで何かあったんだろ?あぁ、前言撤回したらどうする?」

「内容によっちゃ…考えものだが」

「あぁ、それなら聞いてくれ、これからバチカンに乗り込む」

「「!!!」」

まさかのカミングアウトだった

「マジか!?」

「あぁ、大マジだ――どうする、二人は?その調子だと…」

「もちろん、俺らも乗り込むつもりだ」

「そうか、これからすぐ行くのか?」

聞いたのは切嗣だった

「あぁ、そのつもりだが」

「そうか――今日はやめておいたほうがいい、多分目的の彼らはいない」

「魔術協会達か…」

「あぁ、バチカンの下層部にある特別区、魔術師たちはそこにいる――」

「了解、それで、間宮お前はどうする?」

「今日付けでここにというか、これから沿岸部のジェノバに向かう――そこで積荷を受け取る」

「――銃火器か」

「あぁ、今日付けで来るからな――僕の本業の相棒がね」

「そうか、わかった、んじゃあ、突入するのはどうする?」

「そうだな――明日の昼頃でいいんじゃないのか?」

「まぁ、そうだな――とりあえず、そっちの目的は?」

「教皇にね…東京での一件についてね、手紙と尋問を」

「調査か、時間的に見て…今になってなぜ?」

「――教会の方がね、流石に怪しくなってってことさ」

「そういうことね――わかった、昼頃って言うと1時くらいか?」

「あぁ、そうだな――13時にオベリスクの前でいいんじゃないか?」

「――わかった」

「んじゃあ――」

「あぁ――」

士郎とアルビスは間宮とそこから別れた

 

 

 

 

あの後、間宮と別れたあと士郎たちはとりあえずイタリアで一泊取ることにした。

そして、次の日

 

 

現在時刻12:40分

「――さてと、現在は12:40分」

「そうね、集合時間としてはまぁいいわね」

「あぁ――それにしても」

「「暑い――」」

二人は口を揃えてそう言った

「さてと、士郎――」

「言いたいことわかるが――それでも?」

「えぇ、この暑さは耐え難いわ」

「はいはい、――風王結界(ストライクエア)

士郎は風王結界(ストライクエア)を展開する、それと同時にアルビスの顔が涼しいものとなった

「――あぁ~すずし~」

といい感じの笑顔をこちらに向ける。それから、少し話していると13時になった。と同時に間宮が現れた

「――やぁ、待たせたね?」

「いや、そうでもないさ」

「そうか、では、いくとしようか?」

「あぁ、行こう」

士郎とアルビスは周りを警戒しながら歩き出す。

「それにしても、士郎、どう思う?」

アルビスが聞いてくる

「あぁ――俺の知り合いにもここの出身がいるんだが、確かに複数の魔術結界による多重結界――きついものがあるな」

「そう?といいながら思いっきり、対魔力使ってますよって言ってない?」

「ハハッ、バレたか」

視線の先には――サンピエトロ大聖堂。何事もなかったかのように近づいていく士郎達3人

そして、中に入る――その時、初めて士郎は異変に気づいた。

 

カツンッ――カツンッ――カツンッ――カツンッ――

「――ローマ正教暗部組織トップ――フィルセン=ヨグディス」

大聖堂中央にある一つの椅子に足を組んで偉そうにしている青年

その後ろでは、ものすごい眉間に皺を寄せた現ローマ教皇――マタイ=リースⅡ世

「やぁ、はじめましてというべきかな?」

「はじめましてかな?…フィルセン=ヨグディス」

「おやおや、そんな怒った顔をして―― 一体、ここバチカンにどういう用かな?」

「さぁね…って、言いたいところだが?その様子じゃ、自覚しているんだろうね」

「自覚――そうだね、まぁしてるけど――それが?」

アルビスが前に出て

「――単刀直入に言うわ、あまりイギリスに手を出さないでちょうだい、それだけよ」

「おや、手を出した――ひどいな、僕はそっちで活動していたと思われる悪魔をキリスト教の精神に則って悪魔祓いを行っただけさ」

と言い終えた瞬間、間宮が前に出た

「なら、日本国首都東京都渋谷区代々木神園町1番1号――地下10kmに存在する空洞から君たちの魔術痕跡が出たことについての返答も来てない――しかも、この案件は管轄違反及び、生物災害魔術の試験施行なはずだが?これについての回答を聞こう―どういうことだ?――神のこぼれ身(ネームレス・ワン)、いやそちらの呼び方だと"バイオ01"かな――どうかな?ローマ正教暗部組織兼魔術部門最高顧問フィルセン=ヨグディスさん?」

そう言い放つ切嗣

 

「チッ…」

フィルセンが突如として舌打ちした。しかも、それと同時に荒々しい魔力がフィルセンから放たれる

「ったくよぉ!!さっきから聞いてりゃ偉そうなんだよ!!下級悪魔と低級魔術師風情が!!この俺にどんな口叩いてる気だぁ!!あぁ!!」

思いっきりキレていた――まぁ、無理もないだろう

「――てめぇら!!全員皆殺しだ!!――現れろ!!天使!!」

そう、そこに拘束された天使が現れた士郎とアルビスと同年齢くらいの天使が現れた。拘束術式が10個――強制開放術式10個――無理矢理天使を卸して、無理矢理力を使っているみたいだ。

 

「(――!!)」

士郎は、その少女に驚いた。そう、真っ白な翼にその顔立ち――三大勢力会議の時、ミカエルの隣に座っていた天使の女の子だった

「(あいつはミカエルの・・・ってことは、相当上位か…)」

士郎は考える――それから

「(いけ!!あの悪魔を八つ裂きにしろ!!)」

そう言うと、天使が涙を流しながら士郎たちに襲いかかる――間宮が拳銃で撃ち抜こうとするが

「――!!士郎?どういうことだ?」

士郎は手でそれを静止する

「ハハハッ!!勝てないことに気づいたか!!この下級悪魔共め!!」

そう汚らしい声でいうフィルセン

そして、士郎が動いた

「――王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)…開け…!!」

そう言うと、士郎の背後の空間が歪み

ジャラジャラジャラ!!

鎖が意思を持ったかのように蠢いて天使に迫る

数少ない「対神宝具」のひとつである天の鎖(エルキドゥ)がその士郎たちに襲いかかってくる天使を捕まえた

「――!?」

何も言わず、驚いているその天使――無理もない絡まった次の瞬間、まるで石になったかのように天使自身の動きが止まったからだ

「――チッ!!振りほどけ!!八つ裂きにしろ!!」

そうフィルセンがいうが

「――少し黙ってなさい!!」

そう言うと、後ろからアルビスがフィルセンに向けて魔力弾を数百発発射した――

そんな中

「さてと・・・」

鎖に拘束された天使がゆっくりとだが拘束から逃れようともがいている

「――投影開始(トレース・オン)

右手に現れたのは歪な短剣・・・ただの短剣でないのは当然のことだ。フィルセンもその士郎の工程を見て、ただの短剣だと見ている

そして、士郎は天使の前に来て、小耳でこう囁いた。その瞬間、目隠しされていた天使がビクリとはねた

「今助ける」

そうささやき

破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)!!」

短剣が天使の胸に突き刺さる――そして、士郎は彼女の胸に手を置き

「閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ、閉じよ――繰り返すつどに五度、ただ満たされる時を破却する――告げる、汝の身は我が下に、わが命運は汝の剣に、聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ、誓いを此処に、我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者――汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――我に従え!ならばこの命運、汝が剣に預けよう・・・!」

その途端、神聖な魔力が一気に膨れ上がり、収束し始めた

「「「!!!」」」

「再・・・契約だと?悪魔が・・・天使を使役するだって・・・」

その場にいた切嗣、フィルセン、それにローマ教皇が驚いた――無理もない、契約して降臨させた天使をどこの誰が、

士郎の右腕にある"羽根の証(セラフ)"がいつもより輝いていた。

そう、士郎の狙いは天使を降臨させてから既に天使と決まっていたのだ。基本的に天使を使役し、さらに攻撃を加えてくるとすればそれには膨大な魔力を必要する――しかし、そのリスクとしてかなり大威力の攻撃が来ると予想できたからだ。それに基本的には強制契約、天使の意思はない契約だった――そうなれば、自然と解放されたくなる、士郎はそこを狙ったのだ

 

 

番外編―第5話――Contract and re-contract

 

 

 

「フム、どうやらうまく行ったみたいだな――」

硬直した空気の中、士郎が言い放つ。士郎に対する殺気はない。鎖の拘束を解かれた天使がふらふらと立ち上がる。

「・・・さて」

全員が身構える。間宮に理屈はわからないが今目の前の男は天使とフィルセン契約を切り、その上で再契約した。

「面白いことが出来るのう、お主」

そういうローマ教皇、そんな中

「なぁ、立てるか?」

士郎は再契約した天使に手を差し出すと

「――えぇ、ありがとうございます」

そういうと、立ち上がる天使、ゆっくりと立ち上がると

「すいません――少し寄っかからせてもらっていいですか」

「あぁ、構わない」

そう言うと、士郎の左腕によりかかる天使

「――俺の名前は、丹羽士郎、君の名前はあとで聴こう――単刀直入に言うと「手伝え、ですよね?」あぁ、聡明な回答ありがとう」

士郎は身構える――その左腕には天使

「ったくよぉ!!ふざけてるんじゃねぇぞ!!てめぇら!!」

そういうと、荒々しい魔力で構成された魔力を放ってくる

「――ッ!!!」

士郎は、彼女を抱きかかえ、空に飛んだ

ズドドドドン!!

直後、聖堂の床が焦土と化す

「――世界遺産破壊、犯罪だな」

「知るか!!俺の所有物返しやがれ!!」

「ごめんこうむる!!」

そう言うと、士郎の魔力弾が再びフィルセンが放ってきた魔力弾をかき消した

「――ハッ!!消された!!――まぐれだァ!!」

そう言うと、再びアルビスがその魔力弾を撃ち落とす

「ッ!!――クソッタレガァ!!」

「――しつこいやつだ!!」

そう言うと、士郎は天使を背中におぶるような形をして、走ってよける

「おとなしくしててくれ――」

そう言うと、フィルセンに向かって走り出す――背中には天使――しかし、そんなの気にしている余裕はない

「ハッ!!ヤァッ!!」

ギンッ!!ギンッ!

士郎は、刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)で攻める――それと同時に、フィルセンも剣をどこからか取り出し――それに対抗する

「――投影のくせに!!」

非常に癪に触る言葉である

「――その投影に手こずってる気分はどうかね?」

剣と槍の打ち合いだ。間宮は自分の身を保つだけで精一杯みたいだ

「ったくよぉ!!ふざけてるんじゃねぇぞ!!」

バチッン!!

士郎の魔力オーラとフィルセンの魔力オーラがぶつかるフィルセンはそれが最大みたいだが、士郎思いっきり手加減しているだ

「――さてと・・・これはあんまりでもないが・・・貴様らにふさわしいものを見せてやる――王の財宝(ゲートオブ・バビロン)!!」

歪む空間――その中から現れる一本の槍、その槍を見てフィルセンとそれにローマ教皇の顔が先ほどと同様に驚いたものとなる

「――現れろ!!神を殺せし魔槍――紅き災禍の魔槍(ロンギヌス・ファーストエディション)!!」

士郎の手元に、真紅の二又の槍が現れた。

「それは…主を殺した赤槍――どうして、一介の悪魔が…」

「――どうして、悪魔が…」

ローマ教皇とフィルセンが驚いていた。そんな中、士郎は問答無用で魔力を流し込む。それと同時にものすごい威圧感が周りを支配する。士郎の右腕の"羽根の証(セラフ)"がものすごく光る。まるで引き合わされるように。そして、うしろの天使が何か動いた

背中で感じると――それはものすごく彼女の天使の翼が光っている。まるでそれは太陽のよう

「――そんな、俺の時見なかったぞ!!テメェ!!」

背中で優しく士郎に向けて微笑む士郎、そして、その天使が士郎の首に手を回していた手を、士郎の左腕にそっと腕やると

 

ギュオォォォオオオオオオォォォォォォォン!!

その瞬間、幾多の光り輝く魔法陣とともに、紅き災禍の魔槍(ロンギヌス・ファーストエディション)からまばゆい光がこぼれてくる。その光量はものすごいものだ。

 

「(――これは…)」

士郎の頭の中に――その名前が入ってくる――まるで自分の名前を呼んでくれと言わんばかりだ。

「――禁手化(バランス・ブレイク)!!」

パリッン!!

まるでガラスが割れたような音がする――それと同時に、士郎はたからかにその名前を叫んだ

「――祝福されし奇跡の聖槍(ロンギヌス・オーバーエデン)!!」

士郎はその真名を叫んだ。それと同時に、まばゆい光が士郎を包み込み、士郎の背中から純白の羽が24枚現れた

「――そんな、士郎!!」

驚いているアルビス

「――悪魔が天使の羽を…!?どういうことだ!!」

うしろの二人が驚いている――無理もないだろ、そんなことを露知らず。

「――汝に幸あれ!!――祝福されし奇跡の聖槍(ロンギヌス)!!」

「クソヤロォォォォォ!!!」

ものすごい威圧感とともにフィルセンが真っ向からしかもSSS級の魔術を数百単位でぶっぱなしてくる――士郎はそんなことに目もくれず

士郎は、その一撃をフィルセンにぶち込んだ。

 

ズドォォオオオォォォォン!!

 

その瞬間、ものすごい爆発が建物を襲った。

しかし、建物に被害はなく――被害を食らったのはフィルセンそのものだった。まさにそれは神の御技ともいえる所業だった

士郎の視線の先には、フィルセンがその全魔力を使い果たしそこに倒れていた――士郎はフィルセンの後ろにいる教皇に視線を送る

「――ということだ、貴様の盾となる暗部のトップは倒れたが…どうする?仮にもしここで抵抗しようものなら―私の仲間およそ3000人が君たちを滅ぼしにやってくるが――どうする?」

あまりの様子で、驚きを隠せないローマ教皇

「まったく――、確か聖堂協会の間宮といったな?」

「あぁ、そうだ」

「聖堂協会には全てを話した書類を近日中に送ろう――一週間以内にそちらに届かなければ、ここに再び来るがいい、それと、イギリスの姫よ、今回の革命派の一件についてはこちらでも適切な対処を取る――その立会いとして、聖堂協会を立ち会わせる――それでよいか?」

「あら、あなたにしては潔いじゃない、どうかしたの?」

「そうか?常に潔白を保ってないとこの職業は成り立たないのだよ――では、これでよいか?」

「あぁ――会話も録音させてもらったしな、今回はこれでいいだろう」

そう言うと、士郎は警戒もしながらも聖堂から立ち去った

 

 

 

あの爆発があったものの、外には漏れていないらしく、外の観光客はなにも変わらない様子で観光していた

 

「――さて、と一件落着かな?」

「まぁ、あっさりと終わっちゃったけど、まぁ、いいんじゃないの?それと、間宮さんだっけ?」

アルビスが聞く

「あぁ、どうかしたか?」

「そのテープ、あとで複製して欲しいのだけど、いいかしら?」

「あぁ、構わない」

そう言う間宮

「あぁ、それと士郎、とアルビス君、今日はありがとう」

「まぁ、いいさ――東京でのこともあるし」

「えぇ、構わないわ」

そう言うと、間宮は握手を求めてきたので、士郎も握手する

「また、どこかで」

「あぁ」

そう言うと、士郎と間宮は次の瞬間クロスし

パンッ!!

お互いに手を合せ、二人はそこから歩きだした――士郎とアルビスは左、切嗣は右に向かって歩きだした

 

二人はそこから歩き出す

「――さてと…どうすっか、だよな~」

「えぇ、これはねぇ…」

周りからは見えてないだろうが、背中にはすやすやと寝息を立てている天使

「――ねぇ、どうする?」

アルビスが困った顔する

「とりあえず、連絡するしかないだろ?」

「そうだね…宛あるの?」

「あるっちゃある、ないっちゃない」

「まぁ、いいわ――任せるわ」

そう言うと、士郎はとある路地裏に入った――そこで士郎は認識阻害魔法を展開する

 

そして、士郎はとある人物に連絡をつけた

prrrr… prrr…

ガチャ!!

連絡がついたみたいだ

『「もしもし、こちら魔王政府特別通信室です、どのようなご用件でしょうか?』

「魔王政府最高位異端審問機関"代行者"の丹羽士郎だ――今、そちらの会議室あたりにセラフォール・レヴィアタンさまがいるはずだ、連絡を取りたい』

『かしこまりました――少しお待ちください』

そういわれ、少し待つ士郎、受話器からは和やかな歌が流れている

ガチャ

『おつなぎします』

そして、再び――ガチャという音とともに

『やっほー士郎君、元気ー!?』

「元気ですよ、レヴィアたん」

『えぇと、それで、今日はどうかしたの?わざわざ、世間話をしにかけたわけじゃないよね

「はい、そのとおりです――ちょっと、天界がらみで天界と直接連絡がとりたくてお電話しました」

『要するに――』

「天界の電話番号教えてくれ――です」

『OK、ちょっと、待っててね』

それから、数秒後

『あったー、天界の番号は――7777-6455-8888 だよ』

「OKっす、了解しました、ありがとうございます」

『――あんまり、干渉したくないんだけど、こっち側が不利なこと?』

「いえ、全然、むしろこっちが有利になるんじゃないですか?」

『ふーん、気になるから後でサーゼクスちゃんに報告書出しておいて』

「了解っす」

『じゃーねー』

「では――」

そういうと、電話を切る士郎、そのままダイヤルして、天界につなげた

 

prrrr!!prrrr!!

ガチャ

『もしもし、天界通信室です――どのようなご用件でしょうか?』

「ミカエル直属"御使い(ブレイブ・セント)"『(エース)』の紫藤イリナにつなげてほしい」

『失礼ですが――お名前を』

「丹羽士郎だ」

『かしこまりました――おつなぎします』

そういうと、こっちはさっきより短く

『どもーミカエル直属"御使い(ブレイブ・セント)"『(エース)』紫藤イリナでーす』

「おぉ、はやっ、さすが天界」

『まぁね、天界だし――それで、士郎君どうかしたの?』

「――あぁ、そっちの仲間をついさっき拾った、これもワケありでな…イリナ、ミカエル様を連れてこれるか?」

『かまわないけど、今どこにいる?』

「バチカンの近く――ローマだ」

『わかったわ――ちょっと、待ってて、ご本人に替わるわ』

「ん」

そういうと、受話器が渡される音とともに

『もしもし、ミカエルです』

「――どうも、お久しぶりです、ミカエル様、銀河勢力代表指揮官丹羽士郎です」

『お久しぶりです――イリナから事の顛末は聞きました――そうですね…どこかで話しましょう?それでいいですか?』

「あぁ、かまいません、どちらで?」

『そうですね――イタリアですと…ナポリにおいしい店があるので、そこでどうでしょうか?』

「了解しました――地図をお願いできますか?」

『はい、送っておきます』

「では、後ほど」

『では』

そういうと、電話を切る士郎――それから数秒後、空から一枚の紙切れが士郎に向けて降ってきた

それを受け取り確かめると、確かに地図だった

 

「―さて、ナポリだってさ」

「へぇ~ナポリねぇ~世界三大夜景の街として有名ね」

と若干不機嫌なアルビス

「で、どうすんのよ?」

「まぁな~このまんまだとねぇ~流石に疲れるからな」

と思考をめぐらせている士郎

「あっちの、情報だと―8時にナポリのレストランらしい」

「8時ナポリねぇ…間に合わなくない?」

「そこは問題ない――王の財宝(ゲートオブバビロン)にF‐15とヴィマーナがあるしな」

「UFOと間違えられない」

「…そこは……なんとかなるさ」

「間違えられたのね」

「えぇ、まぁ」

「とりあえず、なんか食うか」

いい感じに腹が減っていたので

「さんせー」

二人とも?、少し歩いて近くのレストランに入った

 

「――いらっしゃいませ、La Montecarloへ、何名さまでしょうか?」

士郎は、アルビスと視線を合わせると、アルビスが一歩前に出て

「3名で、いいかしら?」

「はい、かしこまりました――端っこの禁煙席ですが、よろしいですか?」

「えぇ、頼むわ」

そういうと、ウェイトレスに案内される。案内されたのは、端のほうの4人席だ

士郎は、天使をとりあえず、椅子に寄りかからせる

「さて、どうする、アルビス?」

「えぇと、このトレネッテカルボナーラと、ボロネーゼでいいんじゃない?」

「そうだな――飲み物は?」

「ワイン頼む?」

「未成年だぞ?無理だろ」

「――そうね、まぁ、任せるわ」

「ん」

そういうと、士郎は少し手を上げるとウェイターさんがやってきた

「ご注文を」

「――カルボナーラを一つ、それと白葡萄の飲み物はあるかな?」

「はい、白葡萄のノンアルコールがありますが、そちらは?」

「では、それを二つ――お願いします」

「お皿はいかがなさいましょうか?」

「あぁ、カルボナーラを二つに分けて持ってきてくれ、それと申し訳ないが、水を一杯、ならべく早く持ってきてくれ」

「かしこまりました」

そういうと、ウェイターが下がっていく――それから数分もかからず、水を持ってきた

「――水です」

そういうと、士郎の前におく

「どうも――」

それから、去っていくウェイター。士郎は、隣にいる天使を揺さぶると

「…うぅん……ここは」

天使が目を覚ました――周りを見渡す天使

「ここは……?」

「起きたか?俺がわかるか?」

眠気眼の天使――その寝ぼけ眼でこっちを見てると

「―あれ、士郎さん?」

「あぁ、おはよう――天使さん」

「ふぇ…」

どうやら、士郎の顔を見て、驚いている

「キャ…「おっと、あぶない」…ん!!」

士郎が叫びそうになった天使の口を封じた

「―――とりあえず、落ち着け、水だ、これを飲んで」

そういうと、士郎は水を差し出す

「あっ、はい」

それを飲む天使

 

 

「さて、落ち着いたかね?」

「えぇ、まぁ」

「とりあえず、君の状況は理解できてるか?」

「はい・・・とりあえず、解放されたってことはわかってます」

「それでいい」

「あっ、あの――先ほどは、ありがとうございます」

と丁寧に礼を言う天使

「気にするな、当然のことをしたまでだ――いまさらになってだが、名前を聞いていいかな?」

「えぇ――私の名前は、ミラ・アンデルセンです、ミカエル様の側近をしておりました」

「そうか、ちなみに二度も言うかもしれないが――私の名前は、丹羽士郎だ―向かいの席に座っている彼女はアルビス・クロイツェフ、私の親しい仲間だ」

そういうと、天使に向けてにっこりと笑うアルビス――それに一礼するミラ

「――士郎さん、もしかして、あなたは?」

「もしかしてというと?」

「あなた・・・もしかして、あの時にいました?」

「あぁ――おや、言わなかったかな?――魔王政府最高位異端審問機関"代行者"所属兼銀河勢力代表指揮官丹羽士郎だ」

「長ったらしい名前ですよね…ん?銀河勢力代表指揮官って――!!あなたは!?」

「おや、大きな声はあげてほしくないな、そこまで有名ではないさ」

「えっ、あの士郎さんは…」

「まぁ、そんなところだ…」

そんな中――

「カルボナーラお持ちしました」

ウェイターがカルボナーラを持ってきた。それを机の上におくウェイター

「どうもありがとう―申し訳ないけど、もう一枚お皿を持ってきてもらえる?」

アルビスが気を利かせて言った。

「かしこまりました」

ものすごい笑顔で言うウェイター、若干、腹が立つが…そこで怒るような士郎ではない

「あの、もしかして?」

ミラが聞いてくる

「あぁ、君の分だ――なんなら、追加でもするか?」

「えっ、いや、そんな」

「まぁ、食べろ――話はそれからだ」

そういうと――皿を持ってきて、士郎はそれを取り分けた。それを見たアルビスが

「あら、士郎大丈夫、その量で?」

「あぁ、問題は無い――足りなければ追加するだけさ」

「そうね――お金、持とうか?」

「いや、ここは私が持とう――そもそも、こうなってしまったのも私の要因だからな」

「あら、さすがね士郎」

「それはどうも――とりあえず、食べるとするか」

「そうね」

そういうと、3人で仲良く食べ始めた。食べている中

「――そうね、士郎なんか、思わない?」

「あぁ、思う――どうする?」

「そうねぇ~その件についてはこっちの専売特許だから、任せてくれるといいわ」

「ん、了解」

そういいながら、士郎は黙々と食べていく。

「で、ミラさんだっけ?」

「あぁ、別に呼び捨てでいいですよ」

「そうか、ミラ、この後、デザートはどうだ?」

「え?いいんですか?」

「あぁ―好きなものを頼め、なに値段を気をつける必要は無い――ちなみに、アルビスもだ」

「さすが、太っ腹」

「いや、なに、まぁ、いいさ――それで、どうするかな?」

「――じゃあ、私はティラミス」

「え、え、私は―ジェラート」

「二人ともカプチーノは?」

「いや、いいわ」

「えぇ、大丈夫です」

「了解」

再び士郎は手を上げると、ウェイターがやってくる

「どうかなさいましたか?」

「申し訳ないが――追加注文で、カプチーノ一つに、ジェラートとティラミス、それにジャンドゥーヤを頼む」

「かしこまりました」

そういうと、戻っていくウェイター

それから数分後、各自の注文がやってきた

「――さすがね」

「だな」

「あら、わかるの?」

「まぁな――」

その隣では、ものすごくおいしい顔をしているミラ

それから、士郎は出されたカプチーノを飲んでいると

「えぇと、士郎、とりあえず、いいかしら?」

「ん、いいぞ」

そういうと、士郎はカプチーノを飲み終わり、立ち上がる。

それから、士郎は会計を済ませ、外に出る――隣にはミラ

「あの、これから、どちらに?」

「とりあえず、その服だと何かといろいろな意味で危ないからな――服を調達に行く」

まぁ、士郎の判断は当然だろう、彼女は法衣をまとっていて、士郎の認識阻害魔法がなければ大変なことになっているだろう

「えっ、食事に続き、服までなんて!?そんな――いいですよ」

「―いや、こっちとしてもな、いろいろあるのだよ?なに都合があるわけでないだろ?」

「えっ、まぁ――いいですけど」

「なら、ついてきてくれ」

「あっ、はい」

そういうと、士郎は歩き出す。それから、ローマにある一角の服屋に入る

ここから、先はアルビスの世界だ――とりあえず、士郎はなにも言わず周りを警戒している。

 

それから約一時間後

 

 

「おぉ~」

士郎でもびっくりするくらいイメージチェンジしていた

「どうかしら?」

若干、上から目線で聞いてくるアルビス

「さすがだぜ」

「鼻高々だわ」

と、腰に手を当てて言ってるアルビス、そして、アルビスが士郎の近くに駆け寄ってくる

「サンキュウ、アルビス」

と士郎は、アルビスのそのきれいな髪をなでてあげると

「~~~!!!」

ものすごく顔を赤くした。

「な、士郎!?」

「あぁ、すまない」

そう、士郎は謝ると

「…もぅ…」

と、とても小さな声で言ったアルビス、その姿をみて周りはなにやらニヤニヤしているが、気のせいだろうと思い、買ったものを一通り会計を済ませる

「――あ、あの」

ミラが駆け寄ってくる

「あ、ありがとうございます」

若干、顔を赤くしながら言った。

「まぁ、気にするなって」

そういいながら士郎は歩き出す

 

そして

「――さて、そろそろ向かうか?」

「えぇ、そうね?」

「???」

現在時刻は17時30分――会議までは時間があるが、ここからナポリの店はある程度かかるので――

「ミラ――行けるか?」

「えぇ、はい――」

そう言うと、天使の翼を展開するミラ

「…君は何かを勘違いしてないか?」

「あの、飛んでいくんじゃ?」

「――基本的に目に付くのが嫌なのでね――いや、郷に入れば郷に従えと言うべきかな?まぁ、つまり――人間界の方法で行くぞ」

「…あの、電車賃とかないですよ?」

「気にするな――行くのは、これだ」

そういうと、バイクが二台現れた。

「――二台…あんた、バイク何台持ってるのよ?」

「さぁ――複製すりゃいいだけの話だし」

「まぁね…でどうするの?」

「ミラ、申し訳ないが――騎手を用意したから君はその後ろだ――俺は、アルビスとのる、それでいいか?」

「はい、構いません」

「ん、了解」

そう言うと、スーツ姿のアルトリアが現れ、バイクにまたがる4人

「――さてと、アルトリア、先駆けを?」

「ハッ、かしこまりました」

後ろに、ミラを乗せて走り出すアルトリア

「さてと――」

と、先に行ったのを確認する士郎

「――そうね、行きましょうか、私たちも」

「だな――」

そう言うと、士郎はアルビスに駆け寄る

「すまんな――こんなことになってしまって」

「あら、気にしているの?」

「まぁな――先程の態度を見ればわかるさ」

「だからでしょ?こうしたの?」

「まぁな――」

そう言うと、士郎に駆け寄るアルビス

「さっきのは・・・」

顔を赤らめながら

「……反則よ」

小さい声で言った

「――まぁ、何言ってるか聞いたか聞いてないか、うやむやにしておこう」

そういいながら士郎はバイクに乗る。また、アルビスも乗る――

「いくぞ――」

「えぇ」

士郎はバイクのエンジンを蒸かし走り出した

 

バイクは、イタリアのフロリダ通りを走りぬけフォン・ベリアリ通りを通過するバイク――カシリーナ通りから、士郎はE821に入り、それからA1を目指し一路、ナポリに向けて走っている。

「――それにしても、どうなの?」

「まぁ…今回にしてはあっさりだな」

「そう言う意味じゃないわよ――サツキちゃんとの関係よ?」

「サツキかぁ…まだ――少し迷ってるかな?」

「あら、誰とかしら?」

「――まぁ、それは秘密だ」

「あら、勿体無い」

どうやらアルビスはそれを分かって聞いてきたみたいだ

「それに、まだ俺はそんな年齢じゃないしさ」

「――どの口が言ってるんだか……」

と皮肉げに言う士郎――少しの沈黙の後

「まぁ――取り合いにはなってほしくはないな、俺のせいで取り合いになって傷つくなら、俺はそれは嫌だな」

「ふぅ~ん、まぁ取り合いはしないわよ」

「おや、こういうものについては取り合いになると思ったんだがな」

「いや、まぁ、士郎が巻き込まれる可能性はあるわね」

「……巻き込まれるのか?」

「Yes」

そう言われ、黙り込む士郎

「まぁ、気にしないことね――おおらかにおおらかに」

 

そういいながら走っていく士郎――それから30分後、士郎たちはアルトリアと集合場所の海辺のナポリのナザーリオ・サウロ通りに到着した。

士郎の横には、ミラとアルビス――アルトリアは、なにか用があったらしくバイクと一緒に消えた

「さてと、たしか8時だから――っと」

現在時刻19時30分だ

「ここからは…っと、そういうことね」

そういいながら、士郎は三人と歩き出す――夜の町並みだけあって警戒は緩められない。それもそうだ、カモッラ(ナポリのヤクザ)による影響が強い都市だからだ

「さてと、士郎?場所は?」

「このとおり沿いだ」

「ふぅ~ん」

そういいながらも歩いていく士郎――それから歩いて数分もかからずに到着した。それから、とあるホテルにあるレストランに入ろうとする――名前は:Stella del Mediterraneoだ。

「さてと…」

周りを見渡すと、レストランの一角には、少し、おしゃれスーツを着た端正な顔立ちの青年――その隣には、あの時にあげた服を着たイリナがいた

「――おっ、いたいた」

そう言うと、士郎はレストランの中に入る――その時

「いらっしゃいませ――何名様でしょうか?」

「ん?あぁ、あちらの連れのものだ」

「あぁ、かしこまりました」

そう言うと、ウェイターが去り、何事もなかったかのように士郎たちはミカエルの下に足を進める

それから、ミカエルが気づく

「お久しぶりです――士郎さん、遠路はるばるどうもご苦労様です」

「――いえいえ、こちらこそ――わざわざ下界にどうも」

と言いながらもイリナのアイコンタクトで士郎達3人は座る――ちなみに、士郎とミカエルは対峙する形でその隣にアルビス、その反対隣にミラが座った――ちょうど、ミラとイリナが対峙する感じだ

 

「さて、私はそうですね…」

とメニューをみるミカエル、それに習い士郎も一応頼む

「とりあえず、ここはピザが美味しいですからどうでしょうとりわけでも?」

ミカエルが言った

「賛成だ――」

と士郎も、そのとなりのアルビスもミラもそう言ってた

それから、注文を取ると同時に士郎は持ってきてくれた水を一口のみ机に置いた

「――さて、本題と行きましょうかね?」

関係者の顔が真剣そのものになった

「さて、今回の一件ローマ正教暗部組織兼魔術部門最高顧問フィルセン=ヨグディスから彼女を救い出していただいてありがとうございます」

「こちらこそ――駒王協定がある以上、それは当然のことです」

「えぇ、確かに―では、なにかお礼を…」

「いや、それはいいです、悪魔ですけど、善意の行いですから」

「悪魔の中にもあなたのような方がいるなんて……」

と若干、感動しているみたいなミカエル

「それでですが――ミカエルさんいいですか?」

「えぇ、はい」

と優しく微笑むミカエル

「彼女を救出する際の手順なんですけど―― 宝具、破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)を使いました。それで、フィルセンとの契約を解消し、こちらで仮契約という形で彼女を一時、手元に置いたのですが――それについて、今後の彼女にくだされる対応を聞きたい」

「えぇ、そのことに関してですが、元々が高い――しかも、彼女の意思を通さない強制契約により起きた事例ということなので彼女の今回の一件は不問となりよってお咎めなしとなります――それでいいですか?」

「問題ないです」

話していると、料理が運ばれてきた――それを美味しく食べる4人

それから、今後のこととかを話し終わり、コーヒーを飲んだりし終わり

「――さてと、これから、私たちは天界に戻って諸手続きを済ませます」

「ん―了解」

そう言うと、ミカエルの隣にミラが行く

 

「――イリナ」

「ん?わかってるって」

「すまんな」

「それと――あの、コレを…」

ミカエルさんが取り出したのは携帯だ

「あぁ~了解です」

それから、士郎とミカエルは互いの番号を交換し合った

「――では、これにて」

「えぇ、また」

そう言うと、天上に上がっていこうとしたとき

 

「あ、あの――士郎さん」

ミラが声をかけた

「なんだい?ミラ」

「あの――今日はありがとうございました」

深々と頭を下げるミラ

「いや、なに、気にすることはないさ」

と言う士郎

「こちらからも、ひと時の食事と衣服の提供、ありがとうございます――私からもお礼を申し上げます」

「ミカエルさんまで、私は当然のことをしたまでさ――むしろ、天使長をいきなり呼び出した私もお礼を申し上げなければならないですよ――ありがとうございます」

と士郎も一応、礼をする。それから

「――士郎、またね」

「あぁ、またな」

イリナが手を振る――士郎は彼らを見送った

「さてと、帰りますか」

なんやかんやあって現在―夜10時、流石に今からだったら深夜になってしまう

「どうする?泊まっていく?」

「ん、いや、流石に一泊しちゃってるし、帰るわよ?士郎」

「――OK…?ちょっとまて、なぜだ?」

「いや、あなたも一応来る必要あるのよ?」

「まぁ、いいか、夏休みだし」

そう言うと、士郎は空中にヴィマーナを取り出す

「さて――帰りますか」

そういうと、認識阻害魔法とともに士郎とアルビスは飛び上がり乗り込むと同時に、ヴィマーナがゆっくりと翔び始めた

 

それから、数分後――ウィンザー城についた。そして、中に入る士郎――

「おかえり、士郎君、護衛の任お疲れ様」

広間でソフィアさんがお茶を飲んでいた――先に降りて中に入ったアルビスは、先に帰宅したことを告げ、お風呂に入りに行ったみたいだ。

「いえ、いい経験をさせてもらいましたよ、それとあとで報告書こちらから送っておきます」

「あら、士郎君がやらなくていいのよ?アルビスがやることだし」

「いえいえ、まぁ、いろいろあるのでね」

「あら、そうなの?まぁ、いいわ――とりあえず、今日も泊まっていきなさい――なにせ、お気に入りなんだから」

「(お気に入りって)はい、ありがとうございます」

そう言うと、士郎は一礼しほぼ自室と化しているところに行った。

とりあえず、あらかたのことはわかっているので頭の中で構成を練りつつもそこに向かう

 

それから、椅子に座りパソコンを一台、王の財宝(ゲートオブバビロン)から取り出しキーボードを叩く士郎

カタカタカタカタ

士郎のキーボードを叩く音が部屋に響く一段落し終わり――それから、数分後

「さてと…一応はかたがついたから――少し風呂にでも行くか」

それから、王の財宝(ゲートオブ・バビロン)からあらかた風呂セットを取り出し、士郎は近くのメイドさんに風呂の場所を聞き歩き出す

「――まさか、こんなところだってなんてな」

士郎は城の中を進んでいくと、そこには日本風の露天風呂があった

ガラガラガラ

士郎は戸を開けて中に入る

「――誰もいないよな?」

と探りを入れ――そこで服を脱いで…腰のところにタオルを巻いて中に入る

それから、髪と体を洗い士郎はお湯に浸かる

「――ふぅ…」

あまりに気持ちよくて、そんな声を出してしまう士郎――そんな中

チャプンッ…突如、何かが現れたかの様に露天風呂の水面に揺らぎが生まれ

「あら、いらっしゃい――」

突如、士郎の横にアルビスが現れた

「――!!ア、アルビス!?」

バシャ!!士郎は驚いて立ち上がる

「驚かなくていいわよ――座りなさい、士郎」

「ん、あぁ」

冷静になり、言われたとおり片膝を立てて座る士郎

それから、

チャプン……水面が少し波立つ

ピタッ……

柔らかく、すべすべした手が士郎の背中をなでた

「大きいわね…士郎の背中」

「そうか?」

アルビスから見れば――士郎の背中は何かを背負っているかのようにがっしりとしていた

それから、士郎の背中にアルビスの何かが押し付けられる――しかし、士郎は騒がない――士郎はゆっくりと背中のアルビスの感覚を感じる

「ねぇ、士郎――」

「なんだ?」

「おつかれ」

「あぁ」

しばらく二人の沈黙が続いた――何もいなくてもわかる――士郎はそう感じた。

それから風呂に上がる士郎

士郎は部屋で報告書を書き上げ、部屋にあるワイングラスにアルコール度数の低いギルガメッシュ酒造の最高級のワインを入れ、士郎は口を付ける。

いつのまにかかネグジュエリ姿のアルビス

「・・・アルビス?」

「今日、デートできなかったじゃない――、あのこと、詳しく聞かせなさいよ」

「デートか、言いたいことはわかるが、俺は優柔不断な奴だぞ?」

「そんなの知っているわよ、それでどうなのよ?」

「まぁ、二人ともどっちも・・・」

「どっちも?」

「その、好きだ」

士郎はアルビスにそのことを打ち明けた

「やっぱりね・・・けど、いいんじゃないかしら?」

「いいのか?」

「えぇ、私がその二人の中に入っているならいいわよ――それに、南の国じゃ一夫多妻なんてよくあるし」

「そっか、ありがと」

「いいわ、私から聞いたことだし」

ワインをのみ、寝っ転がると同時に、女の子特有の髪のいい香りをが士郎の鼻腔を刺激する。それはアルビスもそうだった。男の子でありながらかなり自分の髪に気を遣っている士郎――二人は横になる、とそれと同時に、今までの疲れが出てお互い寄り添うように瞳を閉じた。

 

 

 

 

 

それから、翌朝――士郎は冥界に一旦戻り、庁舎にいるアサゼルとレヴィアタン、それにサーゼクスに報告書を提出した。そのあと、グレモリー邸に行き、部長の母親であるヴェネラネ・グレモリー様に挨拶し――それから、人間界に再び戻り、兵藤家にいる部長に一礼するとともに、イタリアとイギリスのチーズとお菓子を渡し、それからその足で自宅に向かった。

 

 
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