No.541946

ALO~閃光の妖精姫~ 第5魔 仇敵からの言伝

本郷 刃さん

第5魔です。
ALOをプレイし始めた明日奈の前に現れたのは・・・。

ではどうぞ・・・。

2013-02-09 09:24:21 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:15093   閲覧ユーザー数:13790

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5魔 仇敵からの言伝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日奈Side

 

暗闇から虹色の光が弾けて、ロゴが表示されてはOKが成されて消えていく。

SAOと同じセットアップステージ。

最後のOK表示が現れると暗闇に包まれ、アカウント情報登録ステージに立った。

 

『『アルヴヘイム・オンライン』へようこそ。

 最初に新規IDとパスワードを入力し、次に性別とキャラクターの名前を入力してください』

 

女性の音声でアナウンスが流れるとホロキーボードが出てきた。

特に考える訳でもなく、SAO時と同じIDとパスワードを設定した。

性別は女性、名前を入力しようとした時、どうしようか悩んだ。

慣れ親しんだ名前にするのはいいけれど、それでは須郷に嗅ぎ付けられてしまうかもしれない。

でも、それ以外だとあまり馴染みがない……少々迷ったけど、やはり慣れ親しんだ『Asuna(アスナ)』と入力した。

今度はSAOの時同様にチュートリアルが流れたので聞いておいた。

メニューの開閉と飛行の為の操縦レバーは左手で操作するということらしい。

 

『それでは種族を決めましょう。9つの種族から1つ、選択してください』

 

表示された9つの種族は、火妖精族(サラマンダー)水妖精族(ウンディーネ)風妖精族(シルフ)土妖精族(ノーム)

闇妖精族(インプ)影妖精族(スプリガン)猫妖精族(ケットシー)工匠妖精族(レプラコーン)音楽妖精族(プーカ)の9種類。

どれも物語や興味が湧いた神話の本で読んだことのある妖精達ばかりだ。

その中でわたしの目を引いたのは…、

 

「水の妖精…」

 

ウンディーネだった。

数々の悲恋の物語を残す精霊、そんな考えが頭を過ぎるけれどこれはゲームの中、関係の無い話しである。

わたしはウンディーネを選択した。

 

『ウンディーネ、ですね。キャラクターの容姿はランダムで生成されます、よろしいですか?』

 

容姿が違うとなればむしろ好都合だと思い、決定を押した。

 

『それでは、ウンディーネ領のホームタウンに転送します。幸運を祈ります…』

 

そのアナウンスを受けて、わたしの体は青白い光に包まれた。

 

明日奈Side Out

 

 

 

アスナSide

 

体がある感覚に気付き、眼を開けてみるとそこは真っ白な空間だった。

ホームタウンに転送されている最中なのかと思ったけれど、どうにも違う気がする……するとそこで、

 

「来たようだね、アスナ君…」

 

声を掛けられた。わたしは、この声に聞き覚えがある…この声は!

声が聞こえた背後を振りかえるとそこに居たのは…、

 

「茅場、晶彦…!」

 

SAO事件の黒幕にしてキリトくんと最後に相打った男、茅場晶彦だった。

 

 

 

「どうして貴方がここに…!」

 

最後のあの瞬間を思い出し、憤りながら言葉にするわたしに対して彼は肩をすくめた。

 

「そう敵意を剥き出しにしないでくれ。ここに来たということは、既に彼の生存は知っているのだろう?」

 

「ええ、だけど…それとこれとは別だわ! あの時、貴方がキリトくんを倒していなければ、彼は…っ」

 

「ふむ、なにか勘違いをしているようだね。彼がALOに閉じ込められたのは、彼自身の意志だと言っておこう」

 

「ど、どういうこと…?」

 

茅場がキリトくんを倒したからではないの? それに、キリトくんの自分の意志って?

 

「本来ならばアスナ君、キミがこの世界に…須郷によって捕らえられるはずだった」

 

「え……」

 

わたし、が…? 茅場の言葉に心の中が揺れ動いた。

 

「キリト君との戦いに敗れた私は生き残った全プレイヤーをログアウトさせたあと、彼との対話を行った。

 その最中だったよ、彼は持ち前の嫌な予感で須郷のシステムへのアクセスに気が付いた。

 それは300人のプレイヤーの意識プログラムを強奪するものだった……そして、その中の1人は…」

 

「わたし?」

 

「その通りだ。そして彼は私に質問してきたのだよ、意識プログラムをすり替えることは出来るか、とね…」

 

その言葉に、わたしはある考えに至った。まさか、まさかキリトくんは…!?

 

「彼は、アスナ君と自身の意識プログラムをすり替えることを提案してきた」

 

「っ……わたし、の…為に…」

 

キリトくんは、わたしの為に自分を犠牲に…!

 

「先に言っておくが、キリト君は自分が犠牲になったとは思っていない。

 彼は他299名のプレイヤーを救う為に、ワザとこのゲームの中枢付近に捕らえられた。

 今度は全てを救う、そう言っていたよ」

 

「で、でも…捕まっているのに、そんなこと…」

 

囚われているということは行動(アクション)を起こすことができないはず。

そう考えているわたしに気付いたのか、茅場は笑みを浮かべながら再び話し始めた。

 

「私が何故ここに居るのかは、全てが終わった後にキリト君から聞いてくれたまえ。

 それよりも、キミは彼を助けに来たのだろ?」

 

わたしは頷いて応えた。そうだ、わたしはここに居るキリトくんを助ける為に来たんだ。

 

「彼は世界樹の上、鳥籠の中に居る。

 私からのプレゼント…というほどではないが、キミがこの世界のカーディナルから認識できないようにしておく。

 あとは、容姿とアイテムを確認してくれ。加えて、キミをあるプレイヤーの近くに下ろすことになる」

 

「え、あ、あの…どうやって、そんなことを? あと、どうしてそこまで?」

 

様々な手助けをしてくれる茅場に疑問を持ったので訊ねてみた。

 

「どうやって、に対しては私がGM権限を持っているからと答えよう。どうして、の方だが……」

 

「?」

 

どうにも言葉に詰まった様子を見せる茅場、どうしたのだろう?

 

「キリト君が恐ろしい、と答えよう…」

 

「へ?」

 

思わず間抜けな声を出してしまった、キリトくんが恐ろしい?

 

「彼は恐ろしい、キミを守る為ならばどんな手段でも厭わないだろうし、

 キミを傷つけるような者がいればあらゆる手段を持ってその者を叩き潰すだろう。

 彼はそれを実行しようとしている…」

 

つまりキリトくんは、須郷を潰す為に策を練っていて、

それを実行しようとする為に茅場にわたしのサポートを頼んだ(もしかしたら脅した)のかもしれない。

 

「取り敢えず時間がないのも確かだ。須郷がなにやら動きを見せているのも事実でね。

 私は須郷の目的を探らなければならない」

 

「……大変ですね…」

 

「まぁ、キリト君に押しつけてしまった結果だ。これくらいはやらせてもらわなければ私も逝くことができない」

 

そう話す彼は、どこか自嘲気味だった。

 

「最後にアスナ君、キリト君からの言伝だ…『アスナ、待っている…』、とのことだ」

 

「っ、ありがとう…」

 

キリトくんからの言葉に、わたしは胸が震えるのを覚えた。これなら、行ける!

 

「では、行きたまえ」

 

「ええ!」

 

「向こうに着いたら、アイテムから確認すると良い」

 

彼の助言を最後に、周囲は光に包まれた。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

はい、茅場さんが登場しました・・・アスナにギフトを与えて(黒笑)。

 

まぁ次回からは基本的に原作沿いになります。

 

何故世界樹に落とさないのかって? んなことしてもつまらないじゃないですかw

 

そういうわけで、次回はあの娘も登場します・・・つまり感動の再会!

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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