No.539763 魔法少女リリカルなのは~幸せを運ぶ蒼き魔導師~蒼崎夜深さん 2013-02-03 23:17:34 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:3044 閲覧ユーザー数:2835 |
プロローグⅡ 新しい生
なぜだろう。なにか小鳥の鳴き声が聞こえる。
僕は……。
僕はじていた目を開いた。
すると目に入ってきた光景はとても綺麗で透き通る風が僕の首元まである髪の毛をなびかせ、目に焼きついた。
まるで幻想的であの世界にはなかった世界だった。
少しその光景に見とれていたら不意に声が聞こえた。
いや歌だ。
僕はその歌声に誘われるように立ち上がり、歩くとそこには白い服を着た女性がいた。
僕は驚かせないように木の陰に隠れ、その歌声を聴いた。
歌が終わって、僕はどうするか考えていたら不意に声を掛けられた。
「あら。あなたが今回のお客様ですか」
「え?お客様?」
「ええ。お客様です」
そういう彼女は僕の手を持ち、歩き出した。
僕も不思議と歩き出していた。
するととある庭についた。噴水があり、その周りには綺麗な花があった。
そしてその庭を見渡せる位置のテラスに招かれた。
僕はその通りにテラスにあった椅子に座った。
すると紅茶の入ったカップが出された。
だけど僕はそれを飲まなかった。
いや飲もうとしたくても僕が感じている疑問が僕の身体を動かさなかった。
だからこそ僕は聞いた。
「あの……聞く事事態間違っていると思いますけど聞いていいかな」
「なに?」
「僕は……確か亡くなったはずですけど」
「ええ。そうですよ」
僕が聞いた事に正直に答えた彼女の言葉は、僕の言葉を肯定した。
どうやら彼女は僕が死んだ事を知っているようだった。
でも、彼女とは一度もあったことがない。それは感じ取れる。
「あなたは今私と会った事がないのになぜ自分が死んだ事を知っているかわからないって事を考えているわね」
「え……はい」
彼女はまるで僕の考えている事がまるわかりしているかのようだった。
「その考えについては一言で言うわね」
また彼女に考えを読まれた感じがした。
「私は神です」
「神?」
「ええ。あなた方を見守る神です」
嘘だ。本当に居たのか。
「それでその神様が僕になにか用なのですか?」
「はい。あなたに頼みたい事があるのです」
そう彼女が言った瞬間、僕の頭の中に何かが流れ込んで来た。
これは情報?いや違う……
「それは、あなたが居た世界の遥か未来で起きる悲しい出来事です」
「未来……」
「ですが、未来と言ってもIfの世界ですが。同じ世界です」
また、別の情報が流れ込んできた。
これは、一つの世界があり、その世界を基にして作られた世界だと言うのか?
そう考えないとつじつまが合わない。
そうなのだろう。いやきっとそうなんだろう。
「その通りです。あなたが考えていることはまったくそうであります。そして、基になった世界にあるものはIfの世界にあるかないかに等しいです。それは、基が幸せであったとしても、Ifでは不幸かもしれません」
「だとするとまさか……」
「そのまさかです。幸せを運ぶ蒼さん」
この女性は俺の通り名を知っている。
「ある一つの世界に数人の転生者と呼ばれる方々が行きました。その所為か、均衡が崩れてしまいそこに居た人々が不幸に見舞われることになってしまう未来になってしまったのです」
彼女はそう言って、僕の手を握ってきた。
「その転生者をどうこうしろとは言いません!無視をしてもらって結構です!ですが、あなたにIfの世界の人々を不幸から守り、幸せにしてください!!」
そう彼女は言うと頭を下げた。
さすがにここまで言われると断れないじゃないですか。
「たぶん考えがわかっているかとおもいますが、言います。わかりました。その依頼を受けさせていただきます。僕の持っている全ての力でその方々を幸せにしてみせましょう!」
「ありがとう!」
そう言った彼女は、うれしさのあまり僕に抱きついてきた。
僕自身、悪い気はしません。
「しかし、その世界にはどうやって行くのですか?」
「え、ああ……そうでした。すみません取り乱してしまいまして。その事については問題ありません。あそこにある門をくぐると、行く世界に行きます」
「そうですか。それと、もし戦いになった場合のときのデバイスとかは?」
「それはすでに準備してありますと言っても、目の前に居ます」
「目の前といいますと、あなたですか?」
「はい。私です」
彼女はそう言うと指を鳴らした。
指が鳴ったと思っていたら、突然彼女を光が包んだ。
眩しさで目を瞑ったが、すぐに目を開いたら、そこにあったのは懐かしいものだった。
『すみません。あなたが古代ベルカで使っていた相棒を勝手に修理改修させていただきました。ですが、修理しても、AIが復帰できなかったので、お詫びとして私が中に入らせていただきました。まあ、デバイスというより、ユニゾンに近い感じでしょうが』
彼女がそう言うと今度は、元に戻ったが、ユニゾンデバイスという感じがした。
「私はあなたと一緒に世界に降ります。ですが、転生者たちに会うのは不味いので普段はデバイスかこの空間に居ます」
「わかりました。そういえば名前をまだ聞いていませんでした」
「ああ、そうでした。私の名前は、レイナです」
「たぶんわかっていると思うけど、改めて僕の名はシュウキ・R・ジェイスです」
「はい。それと、あまり敬語はいりません。あなたの喋りやすい風でいいです」
そう言って僕達は握手した。
そして、僕が生きているときに使っていたデバイスの待機状態、懐中時計になった。
その懐中時計を見て、僕はもしかしたらと思い、懐中時計をあけた。
時計のふたの裏部分に、僕が生前に撮った四人との写真があった。
なぜか僕のは高性能だったから、カメラという機能が使えた。
他の人には言ってないけど。
『それでは行きましょう。シュウキ』
「そうだね。レイナ」
そう言って僕は、門をくぐった。
それが僕という新しい物語の始まりだった。
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古代ベルカ時代を生きた蒼き魔導師 彼は幸せを運ぶ事で有名だった。 だが、彼は不治の病に犯され若くして亡くなった。
多くの人と四人の家族に見守られて墓で眠った。