姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第十八話
「初平の変 十常侍の最後 後編」
張済、郭汜が討たれた頃……李傕は司馬家の軍、反李傕の軍に囲まれていた。
「ぐ……くそ!!」
反李傕の兵達は彼を討つ為に武器を構えるが……
「殺すな……奴だけは生け捕りにする……」
理鎖のその指示に反李傕の兵達は驚く。そして董承からは抗議の言葉が出る。
「何故です!? 、奴の罪は明白!! 、どうあがいても死罪であることには……」
「聞かねばならぬことがある……殺すのはそれからだ」
一体何を……と董承は思うが、 あの司馬懿が言うのだ、重要なことなのかも知れない。少なくとも彼女が何の理由や意味も無くそう
言う事は有り得ないのは分かっていた。
そこまで考えた彼は……
「司馬懿殿の言うとうりにせよ」
とりあえずは彼女の言うとうりにすることにした。
李傕は捕らえられ後、劉協、劉辯、何皇后が待つ宮殿に連れられた。
「司馬懿よ、なぜ生きたまま連れてきた」
何皇后は明らかに機嫌が悪そうだった。
「この男には聞かねばならぬことがあったが故です。それが終わったらすぐにでも首を刎ねます。」
理鎖はそういうとすぐに控えていた娘の瑠理を見る。
それだけで瑠理は理鎖の意図をすぐさま理解し兵達にある指示を出す。
――しばらくして一刀達がその兵達と三人の少女と共に姿を現す。
その三人を見た李傕は驚愕の表情を浮かべる。
「な!? 、貴様らは張角、張宝、張梁では無いか!! 、生きていたのか!!」
彼の言葉に何皇后は呆然とし、周りは騒然となる。
「な、何で生きてるんだ?」
「さ、さあ?」
などといった疑問の言葉出てくるなか、理鎖はある事実を突きつける。
「李傕……いや、今だけは張譲と言わせて貰う……貴様、なぜこの三人の顔を見ただけで正体が分かった?」
「分かって当然であろう!、この三人は乱を起こした者達だぞ」
見ていた瑠理はため息しか出てこない。
彼はまったく気付いていなかった……自分の発言の大問題に……
「お前達は彼女達の顔を知っていたか」
瑠璃は兵達に質問する。
「い、いえ……」
「だ、だって人相書とはあまりに違いすぎます。たしか毛むくじゃらで――」
兵達の発言により、李傕もようやく気付いた。顔がみるみるうちに青くなって行く。
「そう、この絵には三人とはまったく別人に描かれている。なのに何故か知っていた。理由は一つしかない……」
理鎖は断言する。
「乱の以前に会った、あるいは見たことがあるからだ、違うか?」
「だ、だったら何だというのだ!?」
李傕は顔から汗が出てくる。
「ならば何故そのことを朝廷に言わなかった。漢の危機にも関わらず、なぜ重要な情報を隠した」
「そ、それは……」
彼の冷や汗が止まらない。
「やましいことがあったからであろう、出なければ隠す意味が無い」
理鎖は一刀に目を向ける。一刀は姉妹達に合図を出した。
……張角達が前に出る。
「私達、この人に人気を高める方法があるって言われたんです」
「それでちぃ達ある物を渡されて言うとうりにしたの」
「そしてあのような乱が起こってしまいました」
三人の証言にさらに周りは騒然となる。
「で、出鱈目を!!、わしは貴様らになどに会っていない!!本を渡してなどおらんわ!!」
李傕は必死に彼女達の言う事を否定する。しかし……
「彼女達は一言も渡された物が本とは言っていないぞ?」
「――!?――」
一刀からさらに問題を指摘され何も言えなくなってしまう。
「これで決まりだな、あんたがしていたやましいことが、な……」
一刀の一言の後、何皇后は静かに立ち上がり激昂した。
「きさま!!、乱を起こさせ漢を滅ぼそうとしていたのか!!」
「ち、違う!!、漢を滅ぼそうとしたんじゃない!!」
李傕は漢を滅ぼす事を必死に否定するが……
「乱を起こさせたことは真という訳か!!」
「はっ!!」
その言葉は乱を起こしたことを肯定したものだった。
「お前は彼女達に本を、朝廷で封印されていた太平要術の書を三人に渡した。よく知らない三人に力を使わせ乱を起こすよう誘導し
た。だが……この陰謀、お前が考えたものか?」
理鎖のその問いに李傕の身体はビクっと反応する。
「私がもう一つ気になるのは……」
彼女が問いかけようとしたその時……
「がっ!!」
「うぐっ!!」
突然兵達が倒れた。兵達の背には剣が刺さっていた。
「誰だ!?」
一刀は声を上げて周囲を見渡すと、そこに全身白い布を着た者が居た。そして……
(な!?、は、早い!!)
一刀が反応しきれない速さでその横を通り過ぎた後、李傕に近寄り……
(しまっ!?)
全員が呆気にとられた事もあり、白い者は李傕を簡単に連れ去ってしまった。
一刀ははっとして指示を飛ばす。
「!! 、追え!! 、逃がすな!!」
「ここらで大丈夫でしょう」
白い者は李傕を背負ってしばらく走った後、そういうと立ち止まった。
「おお!!、貴様はあの時の男……良くわしを助けたな!!」
李傕は明らかに上機嫌だ。
「くくく……あの状況で生き残るわしはやはり選ばれし……ぐえ!?」
言い終わる前に彼は白い男に背負い投げにて地面に叩きつけられる。
「げほ!! 、き、貴様、何を!!」
「誰もあなたを助けたなどと言っておりませんよ。先ほどあなたを宮殿から出したのは口封じのためです」
淡々とした口調で彼は続ける。
「あのまま、司馬家の尋問を受けたらあなたは白状してしまうでしょう? 、だったら本当はあの場ですぐに殺してしまうべきなのでしょう
が、万が一にも即死させることができず私の名をこと切れる前に口にするこという事も防がなければならなかった。私の家系は最近
なって有名なってきましたのでね、それだけでも調べられたらあっという間に私にたどり着いてしまう可能性がある。故に此処まで連
れてきて誰も居ないところであなたを殺す必要があったということです」
「な!?」
李傕は驚愕する。
「き、貴様はわしが選ばれし者だと……だからわしのやろうとしていることに手を貸すと言ったではないか!?」
白い男は呆れを隠さずこう言った。
「まだ分からないのですか……あなたを利用したのは……あなたが馬鹿で無能だったからですよ。たったそれだけの褒め言葉で私を
簡単に信用し、私が何のためにあなたに近づいたのかを疑問に思わず私のいう事を素直に実行する……これを無能と言わず何と
言うのでしょうか?」
今度はため息をつきながら続ける。
「できれば司馬家にはもう少し力を失ったままでいて欲しかったのですが仕方ありませんね」
そして李傕を微笑みながら言う。
「あなたのような無能は使いすぎてはならない……という事が分かっただけでも良しとしましょう。それに本来、あなたの役目は黄巾党
の乱にて終わっていますからね……さて、そろそろ消えて貰いましょうか」
李傕の身体が震えている。怒りからである。
「おのれぇ……おのれぇ!! 、しょう……がは!!」
白い男の名前を言おうとしたがかなわず剣にて身体を貫かれ絶命した。
――しばらくして一刀達が到着する。
李傕が殺されていたことには様々な疑問を抱いたがとりあえずは首を取り長安に戻っていった。
あとがき
初平の変は終了。そして新たなあやしい影。
次が二章のラストとなります。
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害虫達の最後、そして新たな……