「トラウマ」
インターセンター・1番街・ユウザ宅
それは、チータとデバッカがこの街に住む事になって、そこまで経ってない頃のある日の事だった。
ユウザは座布団にあぐらをかいてゲームをやっていた。ユウザがやっているゲーム本体、実はマジェコンである。
しかしこれは、違法な無料ダウンロードの機能を応用して、全く別物のオンラインゲーム専用機として生まれ変わったものだ。
簡単に言うと、本体と遊びたいゲームのソフトさえあれば、オンラインゲームを簡単に遊べるという物だ。
これによって、面倒な手続きなしでオンラインゲームが出来るようになり、手軽に世界と繋がるようになった。
ワーカーが四大国でゲームの体験版を使って本体とソフトを安くして売ってみた所、割とよく売れたらしい。
ただ、このゲーム自体が試作段階だったりするので、改善する箇所が多々あり、本体の値段も少々高い。
ユウザはその改良版でやっているわけだが、それを売ってるのはインターセンターだけである。
今やってるのはそのオンラインゲームのボス戦である。
チータ
「おじゃましまーす。」
そんな時、チータが入って来た。この街に住み始めた時から、よくここに来るようになった。
チータ
「あーお取り込み中で・・・・・」
この時のユウザはヘッドホンを付けており、聞こえてなかった。さらに言えば、気配にも感づいてない状態だ。
ユウザ
「ふぅー・・・・やっと倒したー・・・・」
どうやらボス戦が終わったらしく、ヘッドホンを外してガッツポーズを決めていた。
そこで、チータはちょっと悪戯しようと思いユウザの傍によって・・・・・
チータ
「お疲れ様。では早速、ヤラないか。」
ドゴァッ!
耳元で囁いた瞬間、チータは顔面に重い裏拳をモロに受けて吹っ飛んだ。その時、チータの意識はブラックアウトした。
ドシャァァッ・・・・・
ユウザ
「あ・・・・・・・・」
デバッカ
「おじゃましまーす。・・・ってどうしたチータ!一体何があったユウザ!!」
ユウザ
「あ・・・えと・・・その・・・・」
しばらくして・・・・・
チータ
「成程な。昔のトラウマでホモワードを聞いただけで反応するようになったというわけか・・・・」
ユウザ
「ホントにゴメン・・・・」
デバッカ
「いいんだよ。元々コイツのせいだし、自業自得だ。」
チータ
「いや、顔面がヘコんだのにその心配をするどころか追い打ちかよ。少しは同情するもんじゃねーのか。」
デバッカ
「する余地が無い。」
チータ
「あぅ・・・・・・・ところでさ、その原因となったホモモンスターってどうやって生まれたんだろーな・・・」
ユウザ
「さぁ・・・・ただ、人為的に生み出していた人ならいたよ。去勢したら大人しくなった。」
デバッカ&チータ
「きょ・・・・去勢!?」
ユウザ
「うん、去勢。あれは何時だったかなー・・・・・・確か、2年ほど前の話だったかな・・・・」
回想・ユウザ
あの時、クエストにホモモンスターを創り出している組織がいるという噂があって、もしあったら根絶して欲しいって言う依頼があったんだ。
そんな時、早速ホモモンスターが湧いてきて、バッサバッサと切り裂いたんだよ。
??
「おいおい・・・・こんな所に誰かと思えば・・・・・少年じゃないか・・・・」
そんな時、聞き覚えのある声に隙が出来て、それで押しつぶされたんだよ。
その後に姿を現したのは、インターセンター1のスカウト師、絵場だったんだ。
絵場
「なるほど、そういう事か。ならお前も早急に仲間にしないとな。」
ユウザ
「え・・・・・・・・・」
絵場
「仕方が無い、おまえら、ちょっと押さえてろ。」
のしかかって来たモンスターは、俺を身動きとれないように両手両足を押さえ始めた。
ユウザ
「まさか・・・・お前がホモモンスターを!」
絵場
「そういうこった。さて、始めようか。」
そう言ってそいつは俺の後ろに立って、何かをやり始めた。何か、ズボンのジッパーを外す音が・・・・
俺はその音で、何故かホモモンスターに追われていたあの時の恐怖を思い出した。
絵場
「ここまで来たんだ。良い事教えてやるよ。」
カチッ・・・・・
俺は自身のズボンのベルトが外れた音が聞こえてそれどころではなかった。
絵場
「お前を襲ってきた奴らは、こいつらに使った薬の試作品を使ったものなんだよ。
本能に正直になっちまって言う事を聞かなかったがな。」
その時、俺はこれだけは理解した。「コイツがトラウマの原因だ」と・・・・・
ドシュッ・・・・
絵場
「ん?」
その時、俺は殺す事で頭がいっぱいになった。まず両手の押さえをすり抜けて押さえとなったモンスターを殺した。
絵場
「なっ!」
絵場が驚いた隙に両足の押さえをすり抜け、ベルトも付け直して、立ちあがった。
ユウザ
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
【モードチェンジ・狂モード】
あの時の記憶が曖昧だったけど、標的を殺そうと思っていた事だけは解る。
絵場
「ふぅ・・・・粋が良いのは大歓迎だ。お前ら、ヤッちまいな。」
ブゥンッ・・・・・
その時既に、俺は
ユウザ
「殺す」
ダッ! ブシュッ ズシャッ ザシュッ ビチャッ ズバッ ドシュッ ・・・・・・・・
あの時は、なんて言うか・・・・・ただ目の前のモノをただ殺す事しか考えてなかった。
気付いたら、周りのモンスターは死んでいて、俺には返り血だけが付いてて、残ってたのは絵場だけになってた。
絵場
「待ってくれ・・・・命だけは助けてくれ。俺はまだヤリ足りないんだ。」
【モードチェンジ・凶モード】
まあ、その時は命までは取るつもりはなかったよ。
けど、このままにしたらまたやりそうだったから、命以外を殺す事にした。
ユウザ
「そうか・・・・・なら命だけは殺さないでやるよ。」
ダッ! ザシュッ!
絵場
「え・・・・・・・」
ボトッ・・・・ ドドドシュッ!
その時俺は、ヤツを男として殺した。まあ、やった事と言えば、ヤツの股間に付いてたモノを切り落として投剣投げて突き刺して・・・
ボンッ!
【SPスキル・設置系・術式設置・直刺し・ヒートボム】
ドシャッ・・・・・・
爆散させただけだった。その後ヤツは倒れてそのまま御用となった。
一週間後かな?なんとなく、服役中のヤツに会った。
相変わらず「ヤラないか」って言っててホモのままだったけど、何も感じなかった。
恐らく、去勢をしたからだと思う。元凶に制裁を加えたけど、トラウマはまだ残ったままだった。
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ユウザ
「まあ、そんな所かな。って二人ともどうした?」
ユウザが語り終わった後、二人は恐ろしそうに彼を見ていた。
デバッカは思った、「コイツ、とんでもなく危なくて怖い」と。
そしてチータは誓った、「男として死にたくないから、もうコイツの前でアレをやるのはやめよう。」と・・・
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番外編、いっきまーす!