No.522631

バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第七話

ザルバさん

怒りガ人ヲ強クスル。ソノ理由ハ人ソレゾレダ。
『激怒』
怒ラスト恐イノハドコノドイツダロウナ。

2012-12-24 21:43:10 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2094   閲覧ユーザー数:2039

 翌日

「昨日言ってた作戦を実行する。」

「ダガマダ開戦時刻ジャナイゾ。ダウスルンダ?」

「ザルバ、相手はBクラスじゃない、Cクラスだ。」

「ダガドウヤッテダ?」

「いい質問だ。今回は秀吉にこれを着てもらう。」

 雄二がどこからか女子用の制服を取り出した。

「それは構わんが、ワシに女装してどうするつもりじゃ?」

「「・・・・・・・・・そうか(ソウカ)!!」」

「っ!?どうしたのよ二人とも!ん!?二人・・・・・かな?」

「秀吉ハAクラスノ木下優子ト二卵性ノ双子。ソコヲ突クワケダナ。男ナノニ。」

「そうだな、男なのにな。」

「・・・・・・・・・お・・・・」

「「??」」

「おぬしらだけじゃ、ワシを男と呼んでくれるのは!!」

「当たり前だろ。第一男子用の制服着てるだろ。」

「ココノ学校ニハコイツヲ第三ノ性別秀吉ッテ分類シテイル奴ラガイルクライダカラナ。モシカシテオマエ、オレト鋼牙モソウダトオモッテタロ?」

「そ、そんなことはないぞい・・・・」

 ・・・・・・・秀吉、辛い経験してんだな。同情を今覚えた気がする。

「さて秀吉、着替えてくれ。」

「わ、わかたのじゃ。」

 秀吉は着替えてCクラスのほうに向かった。なんかCクラスのほうから激怒の声が聞こえたが・・・・・・・・何故だ?

 

「ドアと壁を上手く使うんじゃ!戦線を拡大させるでないぞ!」

 秀吉の指示が飛ぶ。

 あの後九時から再戦。科目は古典。姫路と俺以外は苦戦している。だが姫路は指示を出してないどころか戦気が見られない。昨日何かあったのか?

 だがそんなことに構っていられるっほど今の状況に余裕はない。ここは雄二が言っていたあれを使うか。

 鋼牙はポケットからマグネット方のピアスを取り出し左耳につける。鋼牙は消しゴム転がし、ピアスを右の人差し指と中指で弾く。消しゴムは竹下先生の東部に向かって飛び、カツラを床へ落とす。

「っ!?!?す、少々席を外します!」

 狙い通り時間が作れた。

「古典の点数が残っているものは前に!消耗したものは補給に行け!」

 そのうちに・・・

「姫路!」

「な、なんですか鋼牙君。」

「どこか身体が悪いのか?元気がないが。」

「そ、そんなことないです。大丈夫ですから。」

 姫路はそういうがおれはしんぱいであった。

「右側で入り口、教科が現国に変更された!」

「数学教師はどうした!」

「Bクラス内に拉致された模様!」

 ここまで来ると花。まさに危機的状況だ。Fクラスにとっては不利だ。

「私が行きます!」

 そう言って姫路が戦線に加わろうとした時であった。姫路が足を突如止めた。俺はBクラスのほうを見るとBクラス代表の根元の姿があった。手にはピンクの手紙を手に持っていた。

 あれは確か・・・・・・・・

 

 三日前、鋼牙は地下室を出て家へ帰ろうとしていたときであった。靴箱の方にピンクの手紙が落ちているのを見つけた。

「なんだ?」

 鋼牙は手にとって見るが差出人の名前はない。と、そこへ誰かが駆け寄ってくる足音がした。

「誰だ!」

「っ!!鋼牙君!!」

「その声・・・・・姫路か!」

 駆け寄ってきたのは姫路であった。

「どうしたんだ、こんな遅くに?」

「えっと・・・・・・その・・・・・・・・わ、忘れ物を・・・て、そ、それ!」

「ん!これか?さっき拾ったんだが姫路のか?」

「は、はい!そうです!あ、ありがとうございます!」

「ああ。」

「オ嬢チャン、ソレッテヒョットシテ・・・・・・恋文カ?」

「!!」

「ヤッパリナ。相手ハ誰カ聞カナイガ落トスンジャナイゾ。」

「は・・・・・・はい。」

 

・・・・・・そうか。そういうことか!!

「姫路。」

「は、はい。」

「お前は下がっていろ。あまり無理をするな。」

 そう言って鋼牙は教室に走って向かった。

 

「雄二!」

「どうした鋼牙!こんなとこに来て!」

「作戦を変更したい。」

「・・・・・・なにをするつもりだ。」

「あいつを、根元をぶっ殺す!」

「・・・・・・・・わかった。」

「すまない。」

 鋼牙はBクラスに戻った。

 

「皆聞いてくれ。」

『!!』

「いまから俺だけで戦いたい。手出し無用で頼む!」

『何馬鹿言ってんだ!』

『一人で勝てるわけないだろ!』

「・・・いや、勝つ!俺は騎士として勝つ!」

「・・・・・・・騎士?」

鋼牙の言葉に一同固まった。

 鋼牙はB暮らす教室の扉を開けた。

「Fクラス冴島鋼牙。Bクラス全員に古典で勝負を申し込む!」

『なっ!』

『あいつ言いやがった!』

「くははははっ。」

 根元が笑う。

「たった一人で挑むなんて馬鹿だ!みんなやれ!」

『試獣召喚!』

 鋼牙、Bクラス(根元以外)は召還獣を召還する。鋼牙の召還獣には白い槍が片手に持たされていた。鋼牙の召還獣は空中に陣を描く。描かれた陣からは光が溢れる。

「あれが報告にあったやつか。白い鎧をまとっていると聞くがどんな姿か。」

 光が晴れるとそこには鎧を身にまとい、顔のところに三つの刃を装着した魔導馬・白夜に乗った打無の姿があった。

「な、何だよあれ!」

「あんなのあり!」

「はっ!」

『っ!』

 打無は白夜を走らせ根元へと向かわせる。

「させるか!」

 Bクラス生徒の召還獣一体が正面から来る。

「白夜!」

「ヒィィィィィン」

 白夜は頭を突き出し召還獣を払いのける。

「これならどうだ!」

 十人ほどのBクラス生徒が召還獣襲い掛かる。

「白夜!」

「ヒィィィィィン!」

 白夜は前足を上げ、後ろ足でゆっくりと回転する。打無は槍を振り回し、突く。

『う、うそ!』

『何だよそれ!』

『そんなのありかよ!』

 やがて根元のみが残った。

「後は貴様だけだ!」

「ふ、ふん!どうせ勝てたのはまぐれだろ!サモン」

『Bクラス 根元恭二 VS Fクラス 冴島鋼牙

 古典   257点        1673点 』

「な、なんじゃそら!」

「一気に決める。烈火炎装!」

 鋼牙が言った途端白夜と打無は白い炎を身にまとい根元の召還獣に向け突進した。

 これによりBクラス戦は勝利した。

「な、なんで俺が馬鹿なんかに・・・・・っ!?」

 鋼牙が音の無く近寄ってきた。鋼牙は根元の持っている手紙を取る。

「お前は弱い。自分では何もしようとしない卑怯者だ。二度とするな。もししたら・・・・」

「し、したら・・・・」

「貴様を・・・・・・斬る!」

 根元は鋼牙の言葉に怯えた。とてつもない恐怖が根元の声を、動きを縛った。

 

「しかしお主はすごいのう。あんなものどうやったら出せるのじゃ?」

「少しな。」

「まあそんなに詮索はせんがよくやったのう。」

「お前らも頑張っていた。お互い様だ。」

「まあそれが鋼牙の強みみたいなものだな。」

 雄二がバンバンと肩を叩いた。

「さて、それじゃあ戦後対談といくか。な、負け組代表?」

「・・・・・・」

 さっきまで強がっていたこいつは今は黙って座り込んでいる。

「オイ、ソレヲイウナラ狐代表ダロ。」

『・・・・・・・今なんか声が聞こえなかった?』

『てか指輪がしゃべった!!』

『何じゃそら!』

「こいつは冴島家に代々伝わる指輪だ。どう動いてるかは知らんがな。」

『そ・・・・・・そうなんだ・・・・・』

「まあそれはさておき俺たちの目的はAクラスだ。条件を呑めばBクラスを取らない。」

「条件?」

「ああ。その条件はお前だ!」

「お、俺!?」

「そうだな。こいつは何かと目障りだ。特別チャンスを仕方ないがあげてやる。」

「チャンス?」

「これを着てAクラスに宣戦布告はせず戦争準備が出来たと言ってこい。これを着てな。」

 またどこから出したんだよ・・・・・・・女子用制服。

「な、そんなこと・・・・」

『Bクラス生徒全員で必ず実行させよう!』

『任せて!必ずさせるから!』

『それだけで守れるならやらない手はないな!』

 どんだけ酷いんだよ、こいつ。きっとみんなに嫌われてたんだろうな、性格的に。

「んじゃ決定だな。」

「くっ!よ、寄るがぼっ!」

 突然根元のみぞに靴が飛んできた。しかも重い。

「・・・・・・鋼牙、その術なんだ?」

「古い仲間が教えてくれてな。為法術というらしい。これはそのためのものだ。」

「へ、へえ~。」

 気を失っている根元を着替えさそうとするがサスガに方法がわからなかった。

「わたしがやってあげる。」

「すまないな。顔に落書きさせてくれ。」

「もちっ!」

 Bクラス女子生徒が親指を立てた。まずは紙粘土を・・・・・

「ううっ・・・・」

「ふんっ!」

「ぎゃご・・・・・・・ぶ。」

 鋼牙は根元の顔に紙粘土を押し付け気を失わせた。さてと、この手紙を持ち主の元へと。

 

 姫路は教室に一人残り座っていた。

(・・・・・どうしましょう。鋼牙君が根本君を倒してくれたおかげでFクラスの勝利に終わりました。でも・・・・)

「姫路。」

「は、はい・・・・て、鋼牙君?」

 後ろから声をかけてきたのは鋼牙君。手には・・・・・・

「そ、それ・・・」

「お前のものを取り返してきた。」

 姫路は涙目になり鋼牙に抱きついてきた。

「あ・・・・ありがとうございます。わ・・・・わたしどうしていいかわからなくて・・・・」

「そうか。」

 姫路はしばらくの間鋼牙の胸で泣いた。

 しばらくして・・・・・

「すいません。迷惑をかけて。」

「気にするな。なきたいときに泣くのは女性であることの一つだ。」

「ふふふっ。」

「どうした?」

「鋼牙君ってなんか変ですね。」

「そうなのか?」

「はい。」

「そうか。」

『こ、この服やけにスカート短いぞ!』

『いいからキビキビ歩け!』

『さ、坂本め!俺によくもこんなことを・・・・』

『黙れ!これから撮影会もあるから時間がないんだぞ!』

『き、聞いてないぞ!』

 どうやら始まったようだな。

「・・・・・何なんでしょう?」

「オ嬢チャン。アノ声ガスルホハ行クナヨ。」

「ど、どうしてですか?」

「見たら地獄だからだ。」

「な、なんか恐いですからそうします!」

 わかってもらえて何よりだ。

                                               

 


 
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