No.522284

語られし者たちとIS 世界樹大戦 第23話 VS福音 異世界での作戦会議

書かせていただきます
視点はなしで

恐らく今年最後の投稿です

2012-12-24 02:56:43 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1386   閲覧ユーザー数:1259

 

 

ジュディスが付いてきたのには理由がある

 

それは一夏達が出発する少し前、真耶は慌てていた

 

「お、織斑先生! 大変です。海域を封鎖している職員から連絡がありました。福音の周辺海域に巨大魚が……」

 

端末を見せて千冬に報告をする

 

しかし彼女はちらりと見ただけですぐに端末を真耶返した

 

「対応する必要はない」

 

「……え?」

 

一瞬、真耶はその言葉の意味が解らなかった

 

異常な生物の出現、しかも作戦を実施する場所辺りに出ているという

 

それなのに何もしない……どうしてなのだろうと真耶は疑問に思う

 

「理由が知りたいか? まず、ISに乗っているのならばそんな巨大魚は恐れる必要はない。何よりそいつが織斑たちを襲うという証拠がない」

 

そんな真耶を見た千冬が説明をした。確かに彼女の意見は正しいように聞こえる

 

しかしその言葉を真耶は素直に受け取れなかった

 

「……納得がいっていないみたいだが、これは決定事項だ。何より余計な人員を使うわけはいかない」

 

それを最後に千冬は去っていった

 

(……信じられないわね。自分の弟が大変なことになるかもしれないというのに)

 

(だけどわからないわけではないわね。得体のしれないものに対して放置というのも)

 

一緒にいたアンジュとジュディスが意見を出していた

 

(……私が行くわ。心配だし何より一夏のパートナーだから)

 

「……お願いします」

 

真耶が頭を下げて頼んだ。頷いてすぐに彼女は一夏の下に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一夏、そろそろだぞ」

 

「気を引き締めるか」

 

一夏と箒の目の前には銀色のIS、銀の福音が存在していた

 

ジュディスはまだ追いついていないが、直に来るだろうと一夏は考えている

 

最も来てもらったところで戦うのは自分達だと自覚しているため、特に問題はない

 

相手も気が付いたのか早速二人に攻撃し始める

 

スラスターを展開して二人に襲いかかってきた。スラスターには砲台も存在して、エネルギー弾を発射している

 

弾幕のように放たれる攻撃に一夏と箒は攻めることができない

 

「く、左右から攻めるぞ」

 

「わかった、私は右から行く」

 

一夏の提案に賛成したのかすぐに行動を開始する

 

しかしそれでもうまく攻めることができない。一夏達の行動を理解しているかのように攻撃方法を変えている

 

本当に暴走しているのかと疑ってしまうくらいの判断力だ

 

「私が隙を作る! その間にやれ」

 

「わかった」

 

その状況を打破しようとした箒が一人で一気に攻める。二刀を使いながら相手の攻撃をはじいていく

 

さすが束のお手製のISだと一夏は感じていた

 

隙ができた、ここで一夏が決めて作戦終了。そう思い箒はにやりと笑っていた

 

しかし彼女の想いは届かない

 

彼は福音が発した攻撃が海上にいた船に命中するのを防ぐため、福音とは別方向に向かって攻撃をはじいた

 

「くそ、こんな所に密漁船? それに……何だ? あのでかい影は……」

 

船も水面に映っていた巨大な影に気が付いたため、すぐに逃げていた

 

人を救うことができたが代わりに一夏のシールド・エネルギーが減ってしまい福音を一撃で倒すことができなくなってしまった

 

「何をしている! 犯罪者どもをかばうとは……そんな奴らは」

 

「……見殺しにしろとでもいうのか? 専用機を……力を手に入れた途端、弱いものは切り捨てる……お前がそんな奴だとは知らなかったよ」

 

「ち、違う……私は……」

 

一夏の冷たい言葉に彼女は動揺してしまい、戦意を失った

 

戦う気をなくしたのを確認したのか福音は箒に攻撃を続ける

 

「させるかよ!」

 

すぐに一夏は箒の前に立ち、攻撃をはじいていく

 

「わ、私は……」

 

「何をしているんだ!? 早く援護を……! くそ!」

 

気が付いた時には攻撃に使える箒のエネルギーが切れていた。つまり一夏一人で戦わなければならないことになった

 

そのため、一気に闘気を解放してケリをつける。そう考え、解放した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、福音の操縦者も同じことをやってのけた

 

(! オーバーリミッツ!? まさかこの人も参戦者なのか?)

 

(そうね、事実左足のかかとに果実の模様が見えるわよ)

 

追いついたジュディスの言葉に一夏は冷静になる

 

驚きはしたが、すぐに気持ちを切り替えて攻撃を始めた

 

しかし相性が良くない。接近戦の一夏に対して相手は全方位型の射撃系

 

つまり間合いに入ることができない

 

このままではお互いにオーバーリミッツが切れてしまう。そうなっては一夏一人で戦うのは不利になる

 

しかも一夏の後ろには戦意をなくした箒がいる。そのため避けるわけにはいかず、攻撃をはじく

 

だが、それでも限度がある。いくつかの攻撃はまともに喰らってしまい、ISのシールド・エネルギーの残量がどんどん減っている

 

とうとう一夏のオーバーリミッツが消えてしまう。そのことを確認するや否や福音は一斉射撃を始めた

 

「箒! 逃げるぞ! このままだと……」

 

「違う……私は……」

 

「……! くそ!」

 

一夏は放心状態だった箒をかばうよう体を広げて守った

 

「ぐわぁぁぁ」

 

(! 一夏!)

 

「え? 一夏? 一夏!?」

 

ようやく正気に戻った箒の目の前には自分をかばう一夏の姿が見えた

 

「さすがに……つらい……な」

 

そのまま一夏は落下していき、海に落ちた

 

その瞬間、いきなり巨大魚が現れた

 

(こいつ、さっきのでかい影か!? どうやら魔物みたいだが、俺が弱った所をおいしくいただく気かよ)

 

一瞬、巨大魚の姿を見た。すぐに魔物だと分かった

 

ほとんどの力を使い果たした今の一夏にはどうしようもない

 

「何だ、あれは……? 一夏、逃げろ……逃げてくれ!」

 

箒にもエネルギーがほとんどないのだろう、近くに行って一夏を連れて元の海岸まで帰るくらいのエネルギーしか残っていなかったため、撃退することができずに叫ぶだけだ

 

そのまま巨大魚は一夏を捕食しようとした

 

「月光・烏!!」

 

それを阻止するかのようにジュディスが槍を投げ、巨大魚に命中した瞬間、爆発して巨大魚にダメージを与えた

 

箒は何が起こったのかわからなかったが、チャンスと思い、意識を失った一夏を連れて逃げることにした

 

同時に巨大魚も再び海の中へ戻っていった

 

それを見たジュディスはすぐに戻ることにした。何か気配を感じていたが、それよりも一夏のことを優先した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒は一夏を背負いながら何とか戻ってきた

 

すぐに治療を行うため、一夏は旅館の一室に運ばれた

 

「作戦は失敗だ。状況が変わり次第、招集する。それまで各自待機しておけ」

 

千冬はこの言葉を箒に告げた。自分のせいで失敗したのに責められないことがつらい

 

そう彼女は感じていた

 

一夏が眠っている部屋で彼女はうつむきながら座って待っていた

 

既に治療は終了し、彼の意識が戻るのを待つだけ

 

だがその待つだけというのが長い

 

「篠ノ之さん……お気持ちはわかりますが、ここにいても解決しません。自分の部屋に……」

 

「申し訳ないのですが、ここにいさせてください。織斑先生にもすでに許可をもらっています」

 

真耶は部屋から箒を出そうとしている。一夏を異世界に連れて行き治療する

 

それが彼女の目的だ

 

異世界での一時間がこの世界での一分となる

 

傷の治療は終わっているため、癒しの術を使っても大きな差はないが、少しでも早く目を覚まさせるために使いたい

 

この二つが理由なのだが、箒がいてはそれができない

 

千冬が許可しているということもあり、無理矢理外に出しては騒がれてしまう

 

彼女はどうしようか困っていた

 

一方、異世界ではジュディス、リオン、アンジュ、ヒューバート、マオ、ジェイが集まって話し合いをしていた

 

もちろん今回の福音と巨大魚についてだ

 

「……福音の方は僕たちのパートナーに任せるとして巨大魚は厄介ですね。術を使えるものがいれば無理矢理引きずり出すこともできそうですが……」

 

「私は難しいわ。光の術では恐らくおびき出すまではいかないもの」

 

「一応僕はやってみるけど、当たる保証がないんだよネ。それにばれないようにやるとなるとかなりきついんですけど」

 

「一番の問題はそこですね……いかにばれずにそこまで行って戦うか……」

 

考えているがいい案が出ない

 

「自分も協力する」

 

そんな時に一人の声がした。青い鎧の男性、クンツァイトだ

 

「福音の戦いには参加する気はない。だが、巨大魚の討伐には自分のパートナーが協力するように依頼された。自分は術も使えるうえ、巨大魚の場所まで誰にも気づかれずに行く方法を教わっている」

 

「それ、信用してもいいのかな?」

 

クンツァイトの提案を拒否したのはマオだ。それには他のメンバーも同意している

 

以前、IS学園の無人機襲撃事件で邪魔をしているからだ

 

「自分のことを疑うのも理解できる。しかし今回は巨大魚の討伐をしなければ、関係のない人間にも世界樹大戦のことが知られてしまう。それだけは避けたい」

 

その言葉に同意しようかと考えているメンバーたち。事実だからこそ同意するしかない

 

「その作戦、俺も混ぜてくれ」

 

すると別の人の声が聞こえてきた。青い髪の狩人がやってきた

 

「俺の名はチェスター、福音の操縦者のパートナーだ。暴走している俺のパートナーと戦っている世界樹大戦の参戦者を見つけてここに来た」

 

「俺のパートナーを助けてほしい! 巨大魚の討伐も手伝う、俺の武器は弓矢だから的確に魔物の急所を狙える。さっき直接見たから間違いなく狙える自信がある」

 

ここにいるメンバーは賛成した。そして行くメンバーを決める

 

リオンとアンジュは巨大魚の討伐に参加せず、この旅館を守ることになった

 

基本的にパートナーの近くにいるべきと考えたことと魔物がこのあたりに出る可能性を考えた結果だ

 

同様の理由でジュディスも残る。ただ、彼女は一夏が目覚めたらすぐに参戦する予定

 

「作戦会議は以上ですね。それぞれパートナーに報告しましょう」

 

アンジュの号令に皆頷いて、それぞれのパートナーの元に戻った

 

再び戦いが始まろうとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦の詳細

 

 

 

一夏の所に戻る前にジュディスはチェスターに質問をした

 

「さっきあなた、あの場にいたのかしら?」

 

「ああ、と言っても俺がついたころにはあんたが巨大魚に攻撃したころだったけどな」

 

「どうやってあそこまで? 相当距離があると思うのだけれど」

 

「レアバードって言う乗り物を使ったんだ。こいつはヴォルトのマナを使って動く乗り物さ。まあ、俺も詳しい仕組みは知らないけどな」

 

質問に答えるチェスター

 

「作戦の時はマオかジェイのどっちかを乗せて運ぶ、残りはどうする?」

 

「それは大丈夫です。船を使います。すでに手配はしてあるので」

 

ジェイが答える

 

「もちろん操縦は大丈夫です。ただ、若干遅れるかもしれません」

 

「見つからないようにする対策をその船に用意しておく。ジェイ、そこに連れて行ってくれ」

 

ジェイとクンツァイトは船の整備に向かった

 

「このまま作戦を順調に進めましょう」

 

ジュディスの言葉に全員が頷いた

 

 

ようやく書くことができました

感想・指摘等あればよろしくお願いします


 
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