No.514912

語られし者たちとIS 世界樹大戦 第22話 二つの襲来

束の登場です
視点はなしで

2012-12-04 01:27:26 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1464   閲覧ユーザー数:1310

次の日の早朝、生徒全員はビーチに集まっていた

 

今回、ISの各種装備運用とデータ取りが目的となっている

 

特に専用機持ちは大量の装備があるため大変だ

 

千冬の指示で生徒たちはそれぞれ自分達の仕事に向かう

 

一夏も専用機持ちのため、早速作業を始める。その時、千冬が箒を呼び止めた

 

「篠ノ之、こっちに来い。今日からお前は……」

 

「イー! ヤッホー」

 

そんな叫び声共にウサ耳をつけた変わった格好をした女性が空から現れた

 

しっかりと着地をして決めポーズまでつけて

 

「生のちーちゃんだ! 早速再開のハグを」

 

「やめろ、馬鹿者」

 

千冬に抱きつこうとした女性をアイアンクローで出迎えた

 

「うう……どういう愛情表現?」

 

その不思議な女性の登場にほぼ全ての人が唖然としていた

 

例外は彼女のことを知っている、一夏、箒に千冬だ

 

千冬は束の首根っこを掴んで皆の前に紹介した

 

「ほら、とっとと自己紹介しろ」

 

「はいはい、私の名前は篠ノ之束、ISを作った人だよ。以上」

 

掴まれていたはずの束ねはいつの間にか抜け出してさらりと自己紹介をする

 

そして目的のため、箒の下による

 

「さて、箒ちゃんは今日から専用機持ちとなります。こちらの方をご覧あれ!」

 

束が誰もいない所に指をさす。その瞬間、空から大きなコンテナが降ってきた

 

地面に落下すると同時にコンテナが開いた。その中には赤い装甲のISが収容されていた

 

「これが、箒ちゃん専用のIS、紅椿! さあ早速フィッテングとかしちゃおうか。こっちに来てくれるかな?」

 

「わかりました」

 

作業中、束のテンションとは正反対に箒はものすごく堅苦しく受け答えをしていた

 

そんな箒の態度を気にせず、束は一夏の方を向いた

 

「さて、後は自動でもできるからその間にいっくんのIS見せてくれるかな? 興味深いからね」

 

調整に必要な器具をしまって一夏の所にやってきた。すぐに一夏は自身のIS、白式を展開させた

 

「わかりました、ところで束さん。気になっていたのですが、マフラーは暑くないんですか?」

 

そう、真夏だというのに彼女の首にはマフラーがある。質問すると、少し苦笑いをしながら答えてくれた

 

「えへへ、ファッションだったらいいんだけど、少し前に実験中事故ってね。首に傷が残っちゃったから隠しているんだ。だから! 無理矢理とったらだめだよ」

 

あの天才の束が失敗をするのか……そんなことを思いながら千冬は束を見ていた

 

一方一夏は心配そうな顔で彼女を見ていた。そんな表情に気が付いたのか束は笑顔で答える

 

「そんなに大した傷じゃないから安心して、いっくん……ふーん、なかなか面白い感じだね。男の子が使うとこうなるのか……」

 

「その話しぶりからすると俺がISを使える理由は分からないんですよね?」

 

一夏の言葉に頷く。IS展開中に解剖すればわかるかもなんて言われたため勿論彼は拒否した

 

「それにしても私が作ったISがここまで成長するなんて驚きだね。それといっくんは不便だよね。後付け装備できないの」

 

束の言葉に一夏は驚いた。同時に束は千冬に殴られていた

 

どうやら機密事項を話していたらしい

 

(何というか……油断できない人ね)

 

(そうですね、何を考えているのかわかったものじゃありません)

 

(馬鹿と天才は紙一重というが……まさにそれを現した奴だな)

 

ジュディスとヒューバート、リオンはそれぞれ感想を述べる

 

(それにしても確かこの人って行方知れずの人でしょ?)

 

(そうですね。しかし箒さんの姉……間違いなく何かありますね)

 

マオとジェイも束の行動に何かを感じていた

 

しかし彼女を見る限りどこにも果実の模様がない。つまり参戦者ではない

 

ここにいる参戦者はそう思い、少し安心していた

 

「あ、あの……篠ノ之博士の噂は伺っております。よろしかったら私のISを……」

 

セシリアが束に自身のISを見てもらおうと彼女に話しかける

 

その瞬間、束はとても不機嫌になった

 

「……ねえ、邪魔なんだけど……?」

 

「え?」

 

「早くどいてくれない? 金髪さん、今私は箒ちゃんといっくん、ちーちゃんと久しぶりに会ったんだ。帰ってくれない?」

 

そんな束の冷たい言葉にセシリアは驚きを隠せなかった

 

(一体これは?)

 

(どうやら束さんは他人をほとんど認識できないらしいんだ。俺と箒、千冬ねえと彼女の両親くらいだったかな? それ以外の人間はだめらしい)

 

ジュディスさんの質問に一夏は答える。もちろん他の人に聞こえないくらい小さな声で

 

「……まだですか?」

 

そんな空気を変えたのは箒の一言だった

 

「そろそろ終わるよ、箒ちゃんがそう言うかな? って思ったころに終わるようにしたから」

 

調整が終了したため、箒は試運転を始めた

 

その動きには誰もが驚いた。操縦している箒自身も

 

次は攻撃、二刀流を使いこなして束の出したミサイルをすべて撃ち落した

 

「この紅椿なら……やれる。私は……」

 

箒には笑顔があふれている。そんな彼女を千冬は険しい表情を見せていた

 

まるで敵を見るかのように

 

そんな試運転中、真耶は慌てて千冬の所にやってきた

 

「お、織斑先生……た、大変です。これを……」

 

真耶の持ってきた小型端末を見て千冬の表情が曇る

 

しばらく端末を眺めてすぐに真耶に指示を出す

 

真耶は他の教師に指示を出すために走る。すぐに千冬が生徒たちに指示を出す

 

「全員注目、現時刻をもってISの試験を中止する。連絡があるまで、部屋に待機! もし破ったものがいた場合、我々教員が身柄を拘束する。そして専用機持ち達は集合しろ! 篠ノ之も来い!」

 

その言葉を聞いて急いで片付けをして自分達の部屋に戻る

 

そして残った専用機組はある部屋に召集された。その時の箒は笑顔だった

 

それを見て不安になるものがいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宴会場の一室を借りて作戦会議を開く

 

この部屋には教員と専用機持ちが集まっている。もちろん、世界樹大戦のパートナー達もいるが基本的に見えていない

 

「現状を説明する。ハワイ沖で訓練していた第三世代型の軍用のIS、銀の福音が暴走、監視空域より離脱した。約五十分後、ここから二キロ先の空域に入るらしい。そこで私たちがこの事態に対処することになった」

 

千冬は説明を続ける。代表候補生たちは厳しい表情になっていた

 

「教員は学園の空域と海域を封鎖する。つまり諸君らには作戦の要となってもらう」

 

その言葉を聞いて、一夏は驚く。まさか生徒たちに戦わせるのかと

 

それは同時にパートナー達も思っていたことだ

 

(この世界の大人は子供に責任を押し付けるのですか……)

 

(とんでもないですね)

 

(しかもこれ……実戦よね? 死にかねないわよ)

 

ジェイ、ヒューバート、ジュディスの言葉にマオとアンジュも頷く

 

リオンは本音の所にいるため、この場にはいない

 

すぐに対策を立てるため、相手のスペックを調べる

 

その結果偵察はできず、一夏が出なければいけないことになった

 

「織斑、これは実戦だ。訓練ではない。もし覚悟が……」

 

「……行きます、俺なら大丈夫です」

 

少し冷たく一夏は言い放つ。その答え方に少し戸惑った千冬だが、すぐに気を取り直して作戦を伝えようとした

 

その時、天井から束が出てきた

 

「ちょっと待った! ちーちゃん、紅椿のスペックを見てから作戦を伝えなよ」

 

「……! これは!? どのくらいでできる?」

 

「十分以内にできるね。だって私が作った第四世代のIS何だから、ついでに一君の白式もね」

 

その言葉はここにいる人達を驚かせるものには十分だった

 

(ねえ、どういうこと?)

 

(……簡単に言うと、いま世界各国で作られているのが第3世代、しかもまだ試験段階の物。彼女はそれをすっとばして第4世代の完成品を作ったんですよ)

 

マオの質問にジェイが的確に答えてくれた

 

その言葉に誰もが黙ってしまった

 

「いやだな~そんな静かになっちゃって」

 

「……やりすぎだ」

 

照れている束に突っ込みを入れた千冬

 

「まあ、いいじゃん。しかし海の上で暴走か~白騎士事件を思い出すね~」

 

束の言葉に千冬はしまったと思いつつ、話を戻すことにした

 

「と、とにかく束、すぐに調整しろ! 今から三十分後に作戦を開始する」

 

そのまま準備に取り掛かった

 

一夏は作戦の詳細を他の代表候補生や残っていた真耶からアドバイスをもらう

 

同時に世界樹大戦のパートナーからも

 

箒は束にISを調整してもらっている。やはりギスギスした関係のようだ

 

そして作戦開始の時間になった。快晴で太陽が照りつけている

 

箒の上に一夏が乗って福音の所まで運び、一夏の零落白夜で一気に決める

 

それが今回の作戦だ

 

「ふふ、本来男が女の上に乗るなんて私のプライドが許さないが今回だけは特別だ。そして私たちが揃えばどんなことでもできる」

 

箒はこの調子である。そんな彼女に一夏は不安しか覚えない

 

(一夏、私も行くわ)

 

(ジュディスさん、待機しているんじゃ……?)

 

今回、パートナー達は手を出さないらしい。この世界で起きた事件はこの世界の人が解決するのが基本らしい

 

(念のため……ね。もし何かあって死なれては困るもの)

 

箒には見えていないが彼女の近くには始祖の隷長(エンテレケイア)でジュディスの仲間、バウルがいる

 

一夏は何度か会ったことがある

 

(バウルが運んでくれるのか……でも、追いつけるのか?)

 

(あら? この子の力を舐めちゃだめよ)

 

「おい、一夏! 聞いているのか!?」

 

ジュディスと話していると箒に怒られていた

 

「ああ、悪い。ちょっと気分が高ぶったから落ち着こうとしてた。もう大丈夫だ」

 

「それならいいが……とにかく安心しろ。この私がいるんだからな、大船に乗ったつもりでいればいいさ」

 

(そうだ、私は力を手に入れた……あいつらと肩を並べる……いや、もっと強力な力を)

 

彼女は浮かれている

 

すぐに千冬からの指示で二人は飛び立った。同時にジュディスもバウルに乗って飛び立つ

 

その光景を束は見ていた。不安そうな目をして

 

「いっくん、死なないでね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキット 束の発明

 

「……よし、綺麗にまけた」

 

束が箒に紅椿を渡す少し前、彼女は準備をしていた

 

「そろそろ行くのか? とりあえず自分はこのラボで待機しておく。恐らく見つからないだろうが念のため、異世界にいる」

 

「うん、そうしてもらえると助かるかも」

 

「しかし束の発明は驚愕だ。まさか果実の模様の発光を隠す布を作るとは」

 

今まで誰もできたことがないであろうこと、果実の模様を隠すことに束は成功している

 

本来、服の上からでも対戦者同士には見えてしまう

 

だが、隠すことができればかなり戦いを有利に進められる

 

「結構苦労したけどね。でも布自体長持ちしないから他の方法を考えないとね」

 

そのまま彼女はラボから出て千冬の下に向かう

 

「……自分も準備をしておこう」

 

そのままクンツァイトは異世界に向かった

 

 投稿が遅れて申し訳ありませんでした

 かなり忙しく書く時間がなかなか取れず・・・・・

 今年中にあと1,2本書けるように頑張りたいと思います

 感想・指摘等あればよろしくお願いします

 


 
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