No.521374

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百七十技 それぞれの夜

本郷 刃さん

第百七十話です。
ほのぼの感のある甘さですぞ~w

どぞ・・・。

2012-12-22 09:03:41 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10794   閲覧ユーザー数:9959

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百七十技 それぞれの夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

討伐戦を終えて自宅に帰ってきた俺とアスナ。

 

寝巻用の服に着替えて、すぐにベッドに横になった。

 

それもそのはず、現時刻は既に午前三時前。

 

さすがの俺も眠い。アスナも疲れて眠たいのか、うとうとしている。

 

「アスナ、今日はゆっくり休もう…」

 

「ん……キリトくん…、キスして…」

 

……どうやらアスナは眠りと拮抗すると、甘えん坊モードに陥るようだ。覚えておこう。

 

「(クスッ)分かったよ…ん……」

 

俺は甘える彼女に触れる程度の優しいキスをする。

 

「ん……えへへ~/// おやすみなさい…キリトくん///」

 

「あぁ。おやすみ、アスナ…」

 

灯りを消して布団を被ると隣のアスナからすぐに小さな寝息が聞こえてきた。

 

寝つきが良いのは俺だけではないようだ。そして俺は今日の戦いを振り返る。

 

PoHは逃亡し、ジョニー・ブラックは捕まるも、

不吉な言葉を俺に投げかけた……ザザと何をするかは、分かったものじゃないな…。

 

クラインとカノンさんのことも気になるし、ハクヤとヴァルの方は上手くやれたかな?

 

さて、そろそろ俺も眠ろう…。

 

キリトSide Out

 

 

 

ハクヤSide

 

『リンダース』に戻ってきた俺は、現在自分の家でもある『リズベット武具店』に帰ってきた。

 

鍵は掛かっているが、リズと結婚した今、俺はそれを開ける事ができる。

 

しかし、入り辛い……戦いに向かう前にもらったビンタは強烈だった。

 

もしかしたらもう眠っているかもしれないけど、とにかく入ろう。

 

家側の扉を開き中に入ると、リビングの方から灯りが漏れていた。まさか……そう思っていると…。

 

「ハクヤ…?」

 

「あ~、えと、ただいま…」

 

リズがリビングから出てきた。どうやら起きて待っていてくれたみたいだ。

 

一応、言葉を掛けておく…そして、

 

「っ、おかえり…良かった、無事で…」

 

「あぁ…(ぎゅっ)」

 

僅かに涙を滲ませるリズを優しく抱き締める。

 

予め話しておけば良かったと、今更ながら後悔する。

 

「あ、あのね、ハクヤ…」

 

「ん? どうした?」

 

抱き締められているリズが小さな声で俺を呼んだ。

 

顔を紅くして、何かを言い難そうにしているが、もしや…。

 

「その、不安だったから…だから、キ「ん…」んぅ、ん…//////」

 

リズが何を求めているのかを言い終わる前に、自分の唇でリズの唇を塞いだ。

 

ゆっくりと離すと名残惜しそうで切なげな表情を浮かべていて、可愛い…。

 

「ベッドに行こう。俺も眠いし…でも、ちゃんと側にいるからさ」

 

「うん…///」

 

俺は装備をいつもの服に変えて、リズと寝室に入った。

 

ベッドに潜り込み、二人で手を繋ぎながら向かい合って眠った。

 

ハクヤSide Out

 

 

 

ヴァルSide

 

『フローリア』に戻ってきた僕は、自宅の前に着くと鍵を開けて家の中に入った。

 

既に灯りは消えており、僕は装備を普段着に変えてから寝室へと入った。

 

シリカは既に眠っているようで小さな寝息が聞こえてくる。

 

けれどシリカの側で眠っていたピナが目を覚まし、僕の存在に気付いて顔を上げた。

 

シリカを気遣ってか鳴き声は上げないでいる。

 

やはりこの小竜()のアルゴリズムは他のモンスターとは違うんだと、改めて思った。

 

僕はシリカの寝顔を見ようと、彼女の顔を覗き込んでみる。

 

「……シリカ…」

 

眠っているものの彼女は涙を流していた。申し訳ないと、心配を掛けてしまったと、そう考えた。

 

シリカの隣に体を横たえ、眠る彼女の額に唇を落とす。すると、

 

「ヴァル、くん…」

 

名前を呼ばれた、もちろん眠ったままだ。

 

「僕は、ここに居るよ…シリカ」

 

シリカの体を優しく抱き締めてそう囁く。

 

それが届いたのかは分からないけれど、彼女の寝顔は小さな笑みを浮かべた。

 

朝になって目を覚ましたらたくさん甘えてもらおう。そう心に決めて、僕は眠った。

 

ヴァルSide Out

 

 

 

カノンSide

 

現在あたしとクラインさんは、『アルゲード』にある宿屋の一室にいます。

 

といいますのも、その、男女が二人きりというのはそういうことです…///

 

それと同時にあたしの背中にある傷をみてもらおうと思っています。

 

喋り方が丁寧語になっている、ですか? 緊張しているんです!……って、あたしは誰に言っているんでしょうか?

 

と、取り敢えず、ウインドウを操作して、下着姿になりました。

 

「あの…背中を、見て…ください…///」

 

「お、おぅ…」

 

答えるクラインさんの声は緊張しているようでした。

 

けれど、あたしの背中に目を向けると、真剣な面持ちになりました。

 

あたしの背中にあるアレとは、鬼船に傷をつけられた一生消えない切り傷です。

 

「……辛かったな…」

 

「はい……でも、今は幸せになれる気がします…///」

 

そう答えると、後ろから彼に抱き締められました。その温もりが、唯々嬉しい。

 

そしてあたしは……彼のものになりました///

 

カノンSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

はい、それぞれの夜というわけでシャインとティア以外の面々の様子を書いてみました。

 

シャインとティアはどちらかというとキリト達のサポート目的で登場させたキャラですので、

シーンは特に書くつもりはありません。

 

別に嫌いなわけじゃありませんよ? 

 

自分で考えたキャラクターなんですから!

 

とりあえず、次回はいつもの宴会になりま~す。

 

そのあとは少し短いですが、新編「黒猫編」になります。

 

「黒猫編」はケイタとサチのお話しです。

 

それでは次回で・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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