No.503609

魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と StrikerS編 第十六話

捻曲がった運命

2012-11-02 21:06:13 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:6654   閲覧ユーザー数:4458

 

 

     教会を出た後、零冶はボースに通信した。

 

 

ボース 『ふむ、無事に登録が出来たようだな?』

 

零冶  「アクシデントならあったがな。」

 

ボース 『何?』

 

零冶  「いやなに、ちょっと調子に乗ったクソ神父と口論みたいなのがあってだな、ちょっと煽ってやったら魔力弾をぶっ放してやがった。」

 

 

     ボースは零冶の報告を聞いて額に手を当てた。

 

 

ボース 『・・・で、大丈夫なのか?』

 

零冶  「は?俺がそこらの神父に劣る訳がないだろう?ピンピンしてるよ。」

 

ボース 『いや・・・私が心配しているのはその神父の事なのだが・・・・。まさか・・・殺してはいないだろうな?』

 

 

     ボースが心配していたのは零冶ではなく神父だ。

 

     なんとも失礼な事だろうと思うが、普通に考えて零冶がそこら辺の魔導師の遅れ取ることは皆無である。

 

 

零冶  「・・・酷いな。」

 

ボース 『君の心配をしても無駄なのは私がよく知っている。』

 

零冶  「まぁ・・・確かにそうだな。で、登録は完了したから、例の件は可能だよな?」

 

 

     零冶はボースに件の事を確認する。

 

 

ボース 『うむ、三提督にも協力を仰いで貰った。そうだな・・・零冶君が地球から戻ってくる頃には可能だろう。』

 

零冶  「そうか、助かる。それじゃあ、また連絡する。」

 

ボース 『うむ。』

 

 

     ここで零冶の通信は終了する。

 

     そして零冶は再びジェイルの隠れ家に向かう。

 

 

 

ルーテシア「お兄ちゃーーん!!」

 

零冶  「うぐぉっ!?」

 

 

    帰って来てロビーに入ると早々にルーが零冶の鳩尾に突進してくる。

 

    避ける訳にもいかないので、必然的に受け止める形になる零冶だが、何度受けても痛いものは痛い。

 

    それを見ていた新人ナンバーズが笑って見ている。

 

 

零冶  「っ!ルー、その首に提げているロザリオはどうしたんだ?」

 

 

     零冶はルーが首に提げている物に気付いた。それは黒を基調とした十字架で、中央に紫の宝石の様な物が付けられていた。

 

     だが、それをよく見てみると紫の宝石から相当な魔力が感じられていた。十数年前のジュエルシードに比べると純度も量も

     少し劣るが、かなりの魔力が内包されていた。

 

     ただ、ジュエルシードのような不安定ではなく、ちゃんと安定していたのでそこまでの警戒はなかった。

 

 

ルーテシア「これ?これねー、スカっちがくれたの!いいでしょー?えへへー。

 

零冶  「す、スカっち?それはジェイルの事か?」

 

ルーテシア「うん!えっとねぇ・・・名前が長いからちょっと短くしてみたの。スカっちに言ったら何だか困ってたけど・・・・何でかな?」

 

 

     それはジェイルも困りもするだろう。

 

     恐らく今までそんな可愛い名前で呼ばれたことが無いから恥ずかしかったかもしれない。

 

 

零冶  「そ、そうか・・・。」

 

ルーテシア「ねぇねぇそれよりもお兄ちゃん!私の召喚魔法の練習、見てくれる?」

 

零冶  「ん?ああ、いいぞ。ついでにウェンディ達新人の訓練も見てやらなきゃな。」

 

 

オットー「・・・・。」

セッテ 「へ?」

ノーヴェ「いぃっ!?」

ウェンディ「うそぉっ!?」

ディード「・・・嘘でしょ?」

 

 

     零冶の言葉に新人ナンバーズは青ざめる

 

 

ウーノ 「わ、私達はしなくて良いのよね?」

 

チンク 「あ、ああ・・・多分大丈夫だ。」

 

トーレ 「あれは訓練なんか?端から見るとどうしても虐めにしか見えないのだが・・・。」

 

ドゥーエ「・・・トーレに同意ね。」

 

セイン 「わ、私・・・早く生まれて良かったわ・・・・・。」

 

 

     ターゲットが新人だということにチンクを始めとした古参組は安堵した。

 

 

ルーテシア「ねぇねぇお兄ちゃん!早く行こうよ!」

 

零冶  「はいはい。それじゃあ新人組も行くぞ。」

 

 

     ルーは嬉しそうに、対照的に新人組は暗い表情でシミュレータールームを後にした。

 

 

 

     そしてシミュレータールームで、訓練は行われた。

 

     新人組はいつも通り、基礎体力の底上げだ。その後に零冶との組み手が待ち構えている。

 

     本題のルーは零冶が付きっきりで見ることにした。

 

 

ルーテシア「それじゃあお兄ちゃん、見ててね!」

 

零冶  「ああ、万が一危険な事があったら助けてやるから安心していいぞ。」

 

ルーテシア「うんっ!ありがとう!それじゃあいくよ?」

 

 

      そしてルーはベルカ式の魔法陣を展開して詠唱を始める。ルーは全神経を集中していた。

 

      本来、召喚に限ったことでは無いが詠唱とは自分のイメージを固めるのに重要な要素である。

 

      しかし、度を超えたイメージをしてもそれに見合った魔力と何かしらの媒体ととてつもない運が無い限り、魔法は発動しない。

 

      だが、この時に限っては運が悪かったとしか言いようがなかった。

 

 

ルーテシア「我が名はルーテシア・アルピーノ。

 

      今此処に汝等と契約するが為に召喚せしめん。

 

      我が呼び掛けに答えし者よ!我が意に答えし者よ!

 

      世界(・・・)を越え、我が元に集い来たれ!!」

 

零冶  「・・・なっ!?」

 

      すると、突然にルーが持っていたロザリオが激しい紫光に輝きだし、魔法陣もそれに呼応して輝く。その輝きは

     どんどん強くなっていく。

 

 

ルーテシア「ふぇ!?お、お兄ちゃん、どうなってるの!?」

 

零冶  「ルー!!」

 

 

     ルーは突然の事に驚き、あたふたしている。

 

     零冶が助け出そうとするが、紫光が零冶の進路を阻む。

 

 

零冶  「っく!ルナ!」

 

ルナ  「了解です!封印解除!」

 

 

     零冶は突破するために斬魔刀を取り出した。

 

     だが、さらに光は強くなる。

 

     そして零冶が光を斬り裂こうとした瞬間、その光は一気にシミュレータールームを包み込んだ。

 

     だがそれも一瞬で光は収まって魔法陣も消滅し、辺りに静寂が訪れた。

 

 

ルーテシア「うぅ・・・眩しかったぁ。」

 

零冶  「・・・一体、何が?」

 

 

     零冶がルーの無事を確認すると安堵し、同時に困惑した。

 

     ルーが付けていたロザリオは確かに安定していた。

 

     それが簡単に暴走するとは思えなかったが、現に前触れもなく発動した。

 

     ジェイルが与えたと言っていたが、ジェイルがそんな危険な物をルーに渡すとは思えない。では何故?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     しかし、零冶はそんな疑問と思考もすぐに消し飛ぶ事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

??? 「うっ・・・うぅ・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーテシア「ふぇ?・・・っ!お兄ちゃん!大変だよ!女の人が裸で血を流して倒れてるよ!?」

 

零冶  「なっ!?今ので召喚したのか!?」

 

 

     呻き声の様な物が聞こえたと思ったルーは地面を見ると、なんと全裸の少女が血を流して倒れている。

 

     ただ、零冶はその少女を見た瞬間、思考が停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     その少女は普通の姿ではなかった。

 

     人間と違って耳は長い。だが、左耳が斬られたように無くなっている。

 

     首と肩にはマフラーのようなフサフサした毛のような物が巻き付いていた。

 

     そして最も異様なのは、淡い水色の髪と長い耳が途中で合わさって(はね)になっていた事だ。

 

     そして体は左肩から先が削り取られている。

 

     恐らく巨大な刃物で斬られたのだろう、胸近くまで傷口は達し、肋骨も切れて腹部も貫かれていた。

 

     どう見ても虫の息だ。

 

     生きているのが不思議である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零冶  「・・・・っ!!?お、おい・・・う、嘘・・・だろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    零冶が驚いた理由、それは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零冶  「何で・・・この世界に・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     前世で零冶が好きだったベルセルクという漫画に出てくる人物――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     使徒が一柱、ロシーヌであったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    っはい!どうもクライシスです!

 

    最近やっと調子が戻って更新速度を少しずつ上げていってます!

 

    そして・・・・・出しちゃいましたロシーヌw

 

    てへっw

 

    いやぁ、個人的にロシーヌめっっっっっちゃ好きなんですよ!!!

 

    しかも漫画では切な過ぎるし!

 

    ジルも出したかったですけどちょっと自重w

 

    っていうか普通の人間出しても活躍する場所が・・・・

 

    ま、まぁ・・・ジル好きな人がいましたらすいません。

 

    それでは、ちょっとこれだけでは寂しいので次回予告をします!!

 

    ではっ!

 

 

 

 

 

     突然の次回予告

 

 

 

     それは捻曲がった運命

 

    「にん・・・げん・・・?どう・・・して・・・・?」

 

     交わるはずの無い運命

 

    「今日から此処が、お前の家だ。」

 

     全てから逃し、孤独になった少女は温かさを知る

 

    「う・・・うぅっ・・・ひっく・・・!」

 

     だが、それは動き出す

 

    「ガジェットの襲撃!?」

 

     静かに・・・しかし、確実にそれは迫り来る 

 

    「お前は足手まといだ!引っ込んでろ!」

 

     偽りの平穏はいつまでも続かない

 

    「早く・・・お兄ちゃんや零冶さんみたいに強くならないと・・・!」

 

     絶望へのカウントダウンは―――――既に始まっている

 

 

     魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と StrikerS編、始まります

 

 

 


 
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