No.502169

ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第二十二話 双剣VS聖剣

やぎすけさん

伝説の一戦 キリトVSヒースクリフ

2012-10-30 18:27:19 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3748   閲覧ユーザー数:3657

キリトとヒースクリフの二人が闘技場に出てきた。

それと同時に「斬れー」「殺せー」などと物騒なことを喚いている連中もいる。

キリトは相変わらず黒一色で、背中には黒い剣と白い剣が交差して背負われている。

対するヒースクリフは、真紅の金属鎧を身に付け、赤地に白の模様のサーコートを羽織っている。

左手に持った巨大な純白の十字盾には、裏側に装備された、盾と同じ十字をかたどった剣の柄が突き出している。

2人は闘技場の中央で向き合うと、ヒースクリフが周りを見渡しながら言った。

 

ヒースクリフ「こんなことになってすまないね。」

 

いかにも余裕そうな表情のヒースクリフに、キリトが答える。

 

キリト「ギャラはもらいますよ?」

 

キリトの言葉に、ヒースクリフはメニューウインドウを操作しながら返した。

 

ヒースクリフ「いや、終わったら君は我がギルドの一員だ。任務扱いにさせてもらうよ。」

 

ヒースクリフのあまりの余裕ぶりに、キリトは一瞬顔をしかめてから、表示されたウインドウを操作して初撃決着モードを選択する。

カウントダウンが始まり、両者とも向き直ると、まるで焦らすようにゆっくりと剣を抜いていく。

4,3,2,1・・・

【DUEL】の文字が閃くと同時にキリトが地面を蹴る。

開始早々、キリトが二刀流ならではの二段構えの突進技【ダブルサーキュラー】を繰り出す。

 

キリト「うおぉぉぉぉ!!」

 

だが、ヒースクリフは焦る様子もなく、飛んでくる2本の剣を左手の盾で淡々と捌いていく。

キリトの攻撃が止まると、今度はヒースクリフが反撃に出る。

キリトは盾を持っている左側へ回避したが、ヒースクリフは盾を使って突き攻撃を放った。

 

ヒースクリフ「ぬんっ!」

 

キリト「何・・・!?・・・ぐはっ!!」

 

予想外の攻撃だったため、キリトは防御できずその攻撃をまともに受けてしまう。

吹き飛ばされたキリトは、剣を地面に突き立てて体勢を立て直そうとする。

しかし、ヒースクリフもキリトにその隙を与えまいと距離を詰めて追撃をかける。

キリトは剣を地面から引き抜き、ヒースクリフを迎撃する。

1度鍔迫り合いになった後、2人は同じタイミングで相手の剣を弾いて後ろにバックした。

 

ヒースクリフ「すばらしい反応速度だな!」

 

キリト「そっちこそ、堅すぎるぜ!」

 

それだけ言うと、2人は呼吸を整えてから戦闘を再開する。

すると、キリトが勝負に出た。

16連撃【スターバーストストリーム】がヒースクリフに襲い掛かる。

ヒースクリフは盾でガードするも、キリトの強力な連撃に体勢を崩した。

そして、ヒースクリフの盾が右に弾かれた瞬間、キリトの攻撃が盾の横を通ってヒースクリフの体に吸い込まれていく。

しかし、その瞬間ヒースクリフはプレイヤーの限界を超える速度で動き、キリトの剣を弾いた。

それと同時に、硬直時間を科されたキリトに剣で突きを放つ。

だが、キリトは片方の剣を手放すと、ヒースクリフの剣を避けると同時にスキル発動体勢に入る。

体術スキル【エンブレザー】。

ライトエフェクトがキリトの手を包むと、キリトはそれをヒースクリフに突き出す。

 

ヒースクリフ「何・・・!?」

 

まさか体術を使うと思っていなかったヒースクリフは無理な体勢のまま盾で防御する。

キリトの手が、ヒースクリフの盾に直撃して硬質のサウンドエフェクトを放つ。

すると、ヒースクリフの盾に亀裂が入る。

それを確認したキリトは、その体勢からヴォーパル・ストライクを放つ。

ジェットエンジンに似た轟音とともにキリトの剣は、今度はヒースクリフ本体ではなく、亀裂の入った盾に激突した。

甲高い金属音が響き、ヒースクリフの盾は砕ける。

誰にも破ることの叶わなかった最強の砦は、無数のポリゴン片となって消滅した。

一瞬の静寂が訪れると、キリトは右手の剣をヒースクリフに向けて言い放った。

 

キリト「どうします?まだ続けますか?」

 

キリトの言葉に、ヒースクリフは一瞬驚いていたが、満足そうな笑みを浮かべて答えた。

 

ヒースクリフ「いや、私の負けだ。」

 

ヒースクリフが「降参(アイ・リザイン) 」と言うと、

勝者を告げるディスプレイが現れ、紫色の文字列がフラッシュした。

その瞬間、割れるような拍手と歓声が一気に響き渡った。

 

キリト視点

俺は落ちているもう一本の剣(ダークリパルサー)を拾い上げると、

2本の剣を左右に振り切って鞘に収める。

すると、それを確認したからかヒースクリフが歩み寄ってきた。

 

ヒースクリフ「完敗だよ、キリト君。すばらしい試合だった。」

 

キリト「あなたも、見事な剣捌きでした。」

 

ヒースクリフ「君とは、またいつか剣を交えたいものだ。」

 

キリト「望むところです。」

 

ヒースクリフ「ふん。次の機会を楽しみにしているよ。では・・・」

 

それだけ言うとヒースクリフは身を翻し、嵐のような歓声のなかをゆっくりと控え室に消えていった。

俺は何も言わずにそれを見送った。

ヒースクリフが見えなくなると、入れ替わるようにして出てきたアスナが俺のもとへ駆け寄ってきた。

 

アスナ「キリト君!!」

 

俺は疲れを隠すように笑みを浮かべて言った。

 

キリト「アスナ・・・俺、勝ったよ。」

 

アスナ「うん・・・キリト君、お疲れ様。」

 

アスナはそう言って、俺に抱きついてきた。

すると、観衆から口笛やらブーイングやら、プレイヤー(・・・・・)やらが飛んできた。

 

キリト〈ちょっと待て!?今飛んじゃいけないのも飛んできてなかったか!?〉

 

俺はアスナに抱かれたまま、確認すると、そこにデュオが落ちてきた(・・・・・)

デュオは申し訳なさそうな顔をして言った。

 

デュオ「大変、微笑ましいところ申し訳ないんだけど、そこでそうしてられると暴動が起こりそうだからやめてくれ・・・」

 

デュオがそう言うと、アスナはサッと俺から離れる。

 

デュオ「それから、ヒースクリフを倒しちゃったから今日からお前がSAO最強のプレイヤーって言われることになるぞ・・・」

 

キリト「は・・・」

 

俺はデュオの言葉が一瞬理解できなかった。いや、理解したくなかった。

 

キリト「ちょっと・・・」

 

デュオ「まあ頑張れ。しつこく聞かれたり、講演会を頼まれたりすると思うけど。」

 

デュオは俺の肩に手を置くと、同情するように言った。

俺は、しばらくは大変になりそうだと覚悟した。

しかし、デュオが言った一言で、ある逃げ道を見つけた。

 

デュオ「俺もユニークスキル使いだけど、あいつと戦ったことないし、お前がしばらく人気者になってくれるから、俺はのんびりできる。」

 

デュオはゆっくりと手を引こうとした。

俺はその手をしっかりと掴むと、デュオに向かって言った

 

キリト「デュオ。俺とデュエルしろ。」

 

デュオ「はい・・・?」

 

キリト「明日、またここで同じ時間に。」

 

デュオ「ほほう。いいぜ。」

 

デュオはあっさり受託してくれた。

だが、俺はデュオの勘の鋭さを忘れていた。

デュオは俺の考えを読んでいたため、とんでもない条件を出してきた。

 

デュオ「じゃあ、お前が負けたら、アスナにキスしてもらう。」

 

キリト「何・・・!?」

 

アスナ「な、なんで、そこで私が出てくるのよ!?」

 

アスナは顔を真っ赤にしながら、抗議する。

デュオは別に知らないといった雰囲気でこう言った。

 

デュオ「そういう条件でも出さないと、キリトは手を抜く可能性があるから。」

 

キリト「な・・・っ!?」

 

実際そういうことを考えていたため、反論できなかった。

 

デュオ「どうする?条件に不満があるならパスだ。ちなみに俺が負けたら、2人の新居を買ってやる。もちろん予算は気にしなくていい。」

 

この一言に、俺もアスナも目を丸くした。

それを面白がるようにデュオが続ける。

 

デュオ「どうだ、悪い条件ではないだろう?負けなければいいだけの話だ。」

 

俺たちは顔を見合わせると、アスナが頷く。

 

キリト「いいのか?」

 

アスナ「大丈夫。キリト君は負けないって信じてるから。」

 

デュオ「決まったようだな。じゃあ明日またここで。観衆に見せないと意味がないから、チケットとかはエギルにやってもらうとするよ。」

 

デュオはポーチから、転移結晶を取り出して叫んだ。

 

デュオ「転移!アルゲード!」

 

デュオの体が光に包まれて消えた。

すると、アスナが俺の手を握ってきた。

ビクッとしてアスナを見ると、アスナは少し笑ってから言った。

 

アスナ「さあ行こう!」

 

キリト「ああ、そうだな。俺も疲れた。」

 

アスナ「なら家に来る?何かご馳走してあげるよ。」

 

キリト「マジか!?じゃあ行くか!」

 

俺はまたアスナの手料理が食べられると思うと、つい急ぎ足になってしまった。

そのことでアスナに「本当に食べることばっかだね。」と言われてしまった。

 

 

その頃デュオは・・・

デュオ「だから、何回も言ってるだろう!!どうせ俺たちが勝手に戦うだけなんだから、分け前は3割,3割,4割でいいだろって!!」

 

エギル「それはわかってるんだよ。だけど、俺とキリトが3割でお前が4割ってのが納得できねえんだよ!!」

 

デュオ「キリトがほとぼり冷ますためにやるだけで、俺はやっても何もメリットがないんだよ!!だからギャラは高くもらわないと。」

 

エギル「じゃあ、俺は何だってんだ?」

 

デュオ「おこぼれにありつけるだけいいだろ?」

 

エギル「俺をおまけみたいに言うな!!」

 

アルゲードのエギルの店でもめていた。

ちなみにこの後、キリト、デュオ、エギルが3割ずつ、アスナに迷惑料として1割ということで話は終了した。

 

あとがき

伝説の一戦、本作ではキリトの勝ちでした。

次回はキリトVSデュオの戦いです。

(久しぶりにデュオが戦う気がする。)

ちなみに、キリトとデュオ、どちらをメインにしたらいいと思いますか?

(あと、勝つ方も・・・)


 
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