No.502664

ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第二十三話 黒の剣士VS紅蓮の劫火

やぎすけさん

原作主人公VSオリジナル主人公
勝つのはどっち?

2012-10-31 20:41:19 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2739   閲覧ユーザー数:2679

翌日

エギルの宣伝がよかったのか、闘技場には昨日と同じかそれ以上の観客が詰め掛けていた。

昨日の試合の熱気がまだ残っているようで、盛り上がり方は異常と言える。

観客たちは、昨日の試合で最強の座に君臨したキリトと

七十四層のボス戦でキリトと共闘した、3人目のユニークスキル使いデュオの試合を

今か今かと待ち続けている。

待機室(キリト サイド)

 

キリトのいる待機室には、アスナ、クライン、リズベット、そしてシリカの姿があった。

昨日、デュオがいなくなった後、みんな(シリカ、リズベット、クライン、エギル、エルフィー)に

デュオが出した条件を話したところ、エルフィーとエギルを除く全員がデュオに怒声を上げて、キリトを応援しようということになったのだ。

 

リズベット「キリト!あんた、絶対負けんじゃないわよ!」

 

クライン「そうだぜキリト!あの野郎、シリカがいるくせになんて条件出しやがるんだ!!」

 

シリカ「キリトさん!負けないでくださいね!」

 

3人は、デュオに対する怒りを見せながら、キリトに言った。

いつもは温厚なシリカも、今回ばかりは許せないようだ。

3人が言い終わると、最後にアスナが怒りと不安が入り混じったような表情で言った

 

アスナ「キリト君・・・信じてるよ・・・」

 

アスナの言葉に、キリトは不敵な笑みを浮かべて言った。

 

キリト「ああ、必ず勝って来る。」

 

そして、キリトは待機室から出て行った。

 

待機室(デュオ サイド)

 

デュオは装備を確認した後、自分の方に来たエルフィーとエギル、そして黒髪の少年と話していた。

少年の格好は、青いシャツにベージュ色のパンツ、その上にオレンジのジャケットを着ている。

黒い髪は、ぼさぼさで若干逆立っており、大きな栗色の瞳がやんちゃそうな印象を与える。

背中には真っ黒な棒に、細長い正八面体矛先がついた槍が背負われている。

 

デュオ「しかし、まさかシリカがあそこまで怒るとは思わなかったな・・・」

 

デュオがため息をつく。

すると、エルフィーが仕方がないという顔をした。

 

エルフィー「自業自得。デュオ君は本当に女の子の気持ちがわかってないね。」

 

デュオ「仕方ないだろ。今まで恋愛なんてしたことなかったんだから。」

 

エギル「それでよく結婚なんてできたな・・・」

 

エギルが呟くと、少年が言った。

 

?「デュオ。お前結婚してたのか!?」

 

デュオ「そういえば、報告してなかったな。」

 

デュオはどうでもいいことのように言った。

そんなデュオに、エルフィーが訊く。

 

エルフィー「本気じゃないんでしょ?」

 

デュオ「どういうことだ?」

 

エルフィー「たとえ勝っても、キスしてもらう気なんてないんでしょ?」

 

デュオ「当たり前だろ。今の俺はシリカ以外とはキスはしない。」

 

デュオの言葉に、少年が意外そうな顔をして感心した。

 

?「へえ・・・お前意外と一途なんだな。」

 

エギル「同感だな。普段の態度からは想像もできない。」

 

デュオ「失礼な!」

 

心外という顔をするデュオに、3人が笑った。

その様子を見たデュオは、立ち上がると闘技場の方へ向かう。

 

デュオ「じゃあ行ってくる。」

 

?「おう!頑張れよ!」

 

エルフィー「いい試合を期待してるよ!」

 

エギル「お前の勝ちに、5000コル賭けてるからな!負けんじゃねえぞ!」

 

3人はそれぞれの言葉で、デュオを見送ると、エギルが用意した観客席に移動した。

キリトとデュオが闘技場に出てきた。

昨日と同じく「斬れ!!」「殺せ!!」と物騒なことを喚いている連中もいる。

珍しいことに、ヒースクリフも観戦に来ている。

2人はゆっくりと歩いていき、闘技場の中央で向き合った。

 

デュオ「相変わらず、すごい熱気だな。」

 

キリト「まあそうだろうな。ユニークスキル使い2人のデュエルなんてそうそう見れるもんじゃないし。」

 

デュオの言葉に、キリトは呆れたように肩をすくめながら言った。

だが、すぐにウインドウを操作すると初撃決着モードのデュエルを申し込む。

デュオがそれを受託すると、カウントダウンが始まる。

 

キリト「終わったら、財布が空になると思えよ。」

 

デュオ「そっちこそ、最愛の人の唇を奪われないようにな。」

 

2人は軽口を叩いてから、臨戦態勢に入る。

キリトとデュオは、ゆっくりと剣を引き抜くと後ろに流すように持つ。

・・・4,3,2,1・・・

【DUEL】の文字が閃くと同時に2人は同時に地面を蹴る。

キリトの持つ一対の剣と、デュオの持つ大剣が同時にライトエフェクトに包まれる。

キリトは二段構えの突進技ダブルサーキュラーを、デュオは次の攻撃に繋ぎやすいチェーンアタックを繰り出す。

 

キリト「うおぉぉぉぉ!!」

 

デュオ「ハアアアアア!!」

 

2つの剣技が衝突し、火花を散らす。

手数の多いキリトの連撃と一撃の大きいデュオの攻撃が凄まじい勢いでぶつかり合う。

デュオの剣からライトエフェクトが消える。

だが、キリトのソードスキルはまだ終わらない。

普通ならここで勝負ありだが、デュオの剣は今のライトエフェクトが消えると同時に新しいライトエフェクトを帯びていく。

防御破壊用ソードスキル、バスター・インパクトである。

デュオは切り上げた後の体勢から、剣を振り下ろしてキリトに叩きつける。

あまりに破壊力のある一撃は、キリトのHPを少し削り取ると、キリトの体を吹き飛ばす。

 

キリト「何・・・!?」

 

吹き飛ばされたキリトは、剣を地面に突き立てて体勢を立て直そうとする。

 

デュオ「トリックエース!!」

 

しかし、デュオはスタイルをトリックエースに切り替えると、瞬間移動のようにしてキリトとの距離を詰めて追撃する。

キリトは慌てて剣を引き抜くと、デュオの攻撃を防御する。

 

キリト「くらえ!!」

 

そして、16連撃【スターバーストストリーム】を放つ。

二刀流による強力な剣技がデュオに迫る。

 

デュオ「ハイパーガード!!」

 

青白いライトエフェクトを一瞬纏うと、デュオはキリトの剣を弾き返す。

すると、キリトの剣からライトエフェクトが消え、ソードスキルが止まる。

そして、キリトはソードスキル発動後の硬直時間を科される。

 

キリト「何・・・!?」

 

デュオ「とどめだ!!」

 

デュオはそう言い放つと、動けないキリトを思い切り横に切り裂いた。

 

キリト「ぐっ・・・!!」

 

キリトのHPは、どんどん減っていき、イエローゾーンに到達した。

勝者を告げるディスプレイが現れ、紫色の文字列がフラッシュする。

それを確認したデュオは剣を左右に振り切って、回転させながら背中に戻した。

その瞬間、雷鳴のごとく拍手と歓声が一気に響き渡った。

負けたキリトは、嬉しいのか、悔しいのかよくわからないといった表情を浮かべているとデュオが言った。

 

デュオ「ナイスファイト。さすがはキリトだな。」

 

キリト「結局負けたけどな。」

 

デュオ「俺との相性がよくなかったな。」

 

デュオは手を差し出すと、倒れているキリトを引っ張り起こす。

 

キリト「サンキュー。」

 

デュオ「どういたしまして。それで約束の件なんだが・・・」

 

キリト「うっ・・・」

 

キリトの顔が引き攣る。

 

デュオ「キスはしなくていいってアスナに伝えてくれ。」

 

キリト「は・・・?」

 

デュオの言葉にキリトはポカンとする。

 

デュオ「あれは手抜きされたら面白くないから言っただけだ。別に本気で言ってたわけじゃない。」

 

キリト「なんだそうだったのか・・・」

 

余程安心したのか、キリトは崩れ落ちそうになってしまう。

デュオは慌ててキリトを支えると、肩を貸して待機室まで引き摺っていった。

デュオ視点

キリトがいたほうの待機室に入ると、アスナが真っ赤になっており、シリカ、リズ、クラインから物凄い非難の言葉を浴びた。

 

シリカ「見損ないました!!」

 

リズベット「あんたをいい奴って思ってた自分が信じられないわ!!」

 

シリカとリズが言った後、クラインが俺を胸ぐらを掴んで怒鳴る。

 

クライン「おめえはすげえやつだと思ってたが、俺の考えは間違ってたぜ。」

 

デュオ〈酷い言われようだな・・・〉

 

そんなことを考えながらも、俺は自分で蒔いた種だと思って、何も言わなかった。

すると、さすがに同情してか、キリトが口を開いた。

 

キリト「そんなに言うなよ。」

 

クライン「だけどよキリト!!」

 

キリト「デュオは俺が手抜きをしないようにするためにあんなことを言ったんだ。」

 

キリトは呆れたような、疲れたような顔をしながら続ける。

 

キリト「さっき、事情を聞いた。アスナもキスはしなくていいって言ってたし。」

 

キリトがそこまで言うと、エルフィーとエギルが入ってきて、話を引き継ぐ。

 

エルフィー「その話はほんとだよ。デュオ君はキリト君に本気で戦ってもらいたかったんだよ。」

 

エルフィーに続いてエギル。

 

エギル「その証拠に、売り上げの1割は迷惑料としてアスナに渡すってことになってたんだ。」

 

エギルはトレードウインドウを開くと、売り上げのコルをアスナに渡した。

 

アスナ「そうだったの?」

 

不思議そうに訊いてくるアスナに、俺はどうにか笑顔を作ると答える。

 

デュオ「俺は悪い奴だから。でも、騙したりして悪かったな・・・」

 

俺は最後に「ごめん。」と付け足すと、アスナに頭を下げた。

アスナは目を見開くと、今度は申し訳なさそうに視線を逸らした。

すると、アスナの代わりとでも言うようにリズが言った。

 

リズベット「まったく!そういうことなら早く言いなさいよ!」

 

口では厳しく言っているが、リズもアスナ同様申し訳なさそうにしている。

リズに続いて、シリカも同じような顔をすると、俺に謝ってきた。

 

シリカ「ごめんなさい!そういうことだったなんて知りませんでした!」

 

デュオ「別に構わないさ。自分で蒔いた種だ。だけど、これだけは覚えておいて。」

 

俺はシリカに顔を近づけると、シリカの唇に自分の唇を軽く当ててから言った。

 

デュオ「俺は、お前以外とキスする気はないよ。」

 

俺がそう言うと、シリカは顔を真っ赤にして頷いた。

すると、後ろから声が聞こえた。

 

?「ヒュー!お前ってそんなに大胆だったか?」

 

声の聞こえたほうを見ると、そこには待機室で俺を送り出した少年が立っていた。

 

デュオ「そういうお前は、そんなに人の行動に興味を示すやつだったか?」

 

?「そりゃあな。俺だって人間なんだ。仲間のことは気になるさ。」

 

少年がそう言うと、リズとエルフィー以外のみんながこいつの説明を求めてきた。

俺は、この槍使いのことをみんなに紹介することにした。

 

あとがき

キリトVSデュオ

勝ったのはデュオでした。(キリトの勝ちに期待した人には、すみません。)

作中でも言っていた通り、キリトとデュオのユニークスキルでは

どうしてもデュオが有利になるので、デュオの勝ちにしました。

それと次回は新しいオリキャラの紹介です。

どういうキャラかは次回で。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
6
4

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択