No.501659

魔法少女リリカルなのは ダメ人間の覚悟

makeさん

第2話  使い魔との出会いと白状

2012-10-29 10:29:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:11200   閲覧ユーザー数:9927

透「・・・・・」

 

気が付くと見慣れない部屋に居た。見渡してみると冷蔵庫やテレビといった家電が揃っていた。

 

じゃが俺はそれどころではなかった。

 

先程の出来事が頭から離れなかった。奴が・・・・ガッシュの千年前の魔物の『デモルト』が両親を殺した瞬間をシーンのように甦ってきた。

 

すると

 

???「あなたが透ですか?」

 

そこに見慣れない人物がいた。

 

透「だれじゃ?というかここはどこ?」

 

???「申し遅れました。私はリニス・・・・一応ここのお手伝いということになってます、そしてここは地球であなたの家です」

 

リニス・・・・リニス・・・・あぁ、たしかプレシアのつかいまの・・・・・んなことより

 

透「・・・・父さんと、母さんは・・・・」

 

リニス「・・・・あなたしか来てないということはお二方は・・・・・・」

 

透「そーか、やっぱしんだんよな・・・・」

 

叫びたかった、泣きたかった、暴れたかった。じゃけど、それより・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

憎かった、両親を殺したデモルトが激しく。

 

 

 

 

 

 

 

今までに無い感覚やった。腹の底から怒りとは別の物が湧き上がってくる。

 

リニス「・・・・・透、あなたのご両親から手紙を預かっております」

 

手紙?

 

透「・・・・・見して」

 

俺はリニスから手紙を受け取った。俺はそれを読んだ。

 

『透、お前がこれを読んでるとなると俺達はお前の前には居ないだろうな。そーいえばこの1年間でお前は俺達の職業を聞いてきたろぉ?発掘屋とはいったがあれは嘘ではないだが本当は科学者なんだ、しかも管理局に属する「技術開発部」という所だ。そこでは通信機など他の局員のサポートをする所・・・・なんだがな、表向きはそうなんだ。実は何人か優秀な奴を別の所に異動させ別の事を研究させる裏の顔があったんだ。俺と母さんはそこにいてな・・・・そこでは色々非合法なことを研究していたよ』

 

『聖王の復活』『魔獣』『魔導機甲人』『最強の兵士』『究極の武器』『絶対的な生物兵器』

 

『今上げたのだけではない他にも色々なことをしている、一時期行方不明者が出ていたが、その全てが管理局の仕業つまり自作自演での犯行をしているのだ。そうして攫ってきた人たちを実験体にして研究をしていたんだ、子供から大人まで男女問わずな』

 

『俺達が研究していたのは最強の魔導師だ、しかも遺伝子から作ることから始まる・・・・だが魔導師同士の遺伝子では決められた魔導師の子供しか生まれない、そこで考えられたのが魔導師の素質がある人間と素質0の人間との間に生まれてくる子供に遺伝子操作を加えるということだった』

 

『それには何組かの男女が選ばれた・・・・その中に俺達も含まれてた。母さんの素質と俺達の才能に目を付けた奴らはいっそ万能な奴を作り出そうとでも思ったんだろ・・・・そしてお前が生まれた』

 

『他の組からも子供は出来た、だが問題はこれからだった。胎児になる前の状態であらゆる物を組み込んでいった、魔力数値を極限まで高めること、数多のレアスキルを持たせること・・・・中には魔力を持った動物と融合させる等無茶もいいところの研究をしていった』

 

『結果は散々だったよ。失敗した子供はいらないと言って殺してしまうし子供を産ませられた男女も殺されてた・・・・ただの1組を除いてはな、もう分かると思うが俺達の事だ。・・・・・そうお前は管理局の研究によって生み出された子供だ』

 

!!!!

 

『俺達の子供、唯一の成功例・・・・という理由かはわからんが奴らはお前を熱心にかつ丁寧に扱ったようだ。お前の研究には『最強の魔導師』に作るというカテゴリーに入れられて、魔力を極限まで上げる実験と強靭な肉体の実験らしい・・・・だがここで問題が生じた、それはお前が死にかかった事だ』

 

『俺達はお前が研究されると聞いた時から管理局に疑念を抱いていた。その矢先にお前が死にかかってると聞いた時俺達は決断をした、管理局から出ると。』

 

『俺達はお前を救出する際研究施設にあらゆる細工を施していた、そしてお前を救出した時に作動させ俺達の脱出の時間稼ぎをした。そのかいあって奴らは俺達を追ってくることに時間が掛った様だった、しかし逃げている最中お前の心肺は停止していた。』

 

『たぶん原因はあの無茶な研究の所為だろう、俺達は泣き叫んだ、せっかく産んだ我が子・・・・あんなおぞましい研究から逃げて皆でひっそりと暮らせると思った矢先にお前の死という衝撃だった。』

 

『そんな俺達の目の前に見知らぬ女性がいた、その女性はお前を生き返らせてやろうかと聞いてきた。俺達は何故そうするとか聞く余裕すらなく即はいと答えた、その女性が言うにはお前を生き返らせると「元のお前」ではなく「新しいお前」ということになると言っていた。正直どういう意味かは分からなかったがお前が助かるならと思い女性に願った』

 

『するとお前の心肺が戻り始め呼吸もしだした、その後俺達は管理局の奴等から逃げながら生活をしていた為居場所も転々としていた。・・・・あとはお前と生活をしてきた時と同じだ』

 

『透、俺達は少しの間しか過ごせていなかったがこれだけは言える、お前は俺達の「子供」だ・・・・そしてその力もお前のものだ、好きに使え・・・俺達はお前が生まれてきてくれて本当に良かったと思っているし、幸せだった・・・・じゃぁ元気で暮らせよ』

 

 

 

 

俺は読み終わると手紙をテーブルに置いた。

 

俺は妙に落ち着いていた。確かに管理局が憎く、今すぐにでも八つ裂きにしたいくらいじゃった。怒りに身を任せてこの場を滅茶苦茶に壊したいほどじゃった

 

けど、何か納得しちょる自分がおることも事実。両親が何かを発明した時安っぽくはあったけど、なんつーか「完璧」な仕上がりじゃった。反面、失敗作を出した時は分かり易いようなミスをしていた。あれは俺に悟らせない為のカムフラージュじゃったんか・・・・今となっては謎じゃけど。

 

しかも、俺の魔力が測定不能なんはボロかったけぇじゃのぉて実験の所為じゃったんやなぁ。あと発掘の手伝いの時の力仕事も。

 

リニス「・・・・・どうしましたか?」

 

リニスが手紙を読んでからの俺の行動に不思議じゃったらしく聞いてきた。

 

透「ん?あぁ、別に・・・・ただこれを読んで分かった事があっただけじゃけぇ」

 

リニス「分かった事?」

 

透「俺は紛れも無くあの人達の「息子」じゃって事」

 

そりゃそーじゃ、俺をまだガキとはいえ育ててくれた紛れも無い両親じゃって事じゃ・・・・あと、

 

透「・・・・・それから」

 

リニス「それから?」

 

透「俺は管理局がスゲェ憎いって事」

 

リニス「・・・・・・・・」

 

透「自分らの利益しか考えちょらんくて、非道な連中・・・・しかも俺の両親を殺したし」

 

リニス「・・・・・・・・」

 

透「じゃけど俺はやり返しはせんっ!やりたいけど、せんッ!!」

 

リニス「??復讐はしないってことですか?」

 

透「ん、そゆこと。やり返したところで両親が戻ってこんし、ただの自己満じゃけぇ」

 

リニス「・・・・・耐えられますか?」

 

透「どーじゃろ、不思議と涙も出んかったんよ。大丈夫じゃと思うわ」

 

それに・・・・・

 

透「俺にはやりたい事もあるしの」

 

ヤクモ『えぇ、そうですね』

 

今まで沈黙を保ってたヤクモから声が聞こえた。

 

リニス「やりたい事とは?」

 

透「護る事」

 

リニス「護る?」

 

透「おぉ、たぶんこれから管理局の連中俺を探しに色々やってくるじゃろう、そーなった時に周りの人達に被害が出んように俺が護る」

 

リニス「・・・・・」

 

透「・・・・やっぱ甘いかぃ?」

 

リニス「はい、というか漠然としすぎてますよ」

 

透「まぁ今はまだ俺も向こうも様子見状態やけぇ、その間に俺も何を護るかを決めるわ」

 

リニス「そうですか」

 

それで会話はいったん終了した。リニスが淹れてくれた温かかったお茶も冷めちょった。・・・・冷た。

 

リニス「しかし、あなたの父君から聞いた話よりあなたは大人びてますね」

 

透「あぁ、俺これでも年齢30近いけぇ・・・・精神的に」

 

リニス「・・・・・は?」

 

 

 

 

 


 
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