No.500955

ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第二十話 真紅の聖騎士

やぎすけさん

生きる伝説の登場です。
前半、デュオのスキルについて少しだけ説明してあります。

2012-10-27 17:39:54 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2530   閲覧ユーザー数:2445

翌日

キリトとデュオは朝からエギルの雑貨屋の二階に居座っていた。

原因はもちろん、先日のボス攻略であった【事件】のことだ。

すでに、アインクラッド中がこの話題で持ちきりである。

しかし、それも仕方がないことではある。

新しい街へのゲート開通だけでも充分な話題だが、今回はさまざまなオマケがついている。

新聞には、≪軍の大部隊を全滅させた悪魔≫、≪それを撃破した2人のユニークスキル使い≫、

≪二刀流剣士の五十連撃≫、≪硬直しない両手剣の三十連撃≫などなど、

いろいろな尾ひれまでついている。

そのため、キリトもデュオも早朝から、情報屋やら剣士やらにねぐらを包囲され

脱出するのに転移結晶まで使うはめになったのだ。

そして、逃げてきたついでに先日のボス攻略でドロップしたアイテムを鑑定してもらっている。

エギルはレアなアイテムを見つけては、奇声を上げている。

 

キリト「引っ越してやる・・・どっかすげえ田舎のフロアの、絶対見つからないような村に・・・

 

デュオ「俺もしばらくホームには帰れそうもない・・・」

 

2人はため息をつくと、キリトは不機嫌そうに、デュオは疲れたように不思議な香りのお茶を啜る。

これはエギルが出したもので、店の不良在庫である。

 

エギル「まあそう言うな。いっそ講演会でもやって見たらどうだ?会場とチケットの手はずは俺が・・・」

 

デュオ「【スローコントローラー】!!」

 

デュオはスタイルチェンジを発動すると緑色のライトエフェクトが発生、

それと同時に、デュオは背中の大剣をエギルに向かって思い切り投げつけた。

デュオの大剣は、凄まじい速さで飛んでいき、エギルの首3cm手前で停止する。

 

デュオ「俺たちを商売に使うな。」

 

エギル「わ、わかった・・・」

 

エギルは、顔を引きつらせて答えると、デュオは紐を引くように手を動かす。

すると剣がそれに引っ張られるようにしてデュオの手に収まった。

 

デュオ「トリックエース。」

 

デュオは剣を収めながら、スタイルをトリックエースに戻した。

その動作に、キリトはある疑問を抱いた。

 

キリト「デュオ、訊いて良いか?」

 

デュオ「なんだ?」

 

キリト「スタイルチェンジって何の分類なんだ?俺の二刀流は武器スキルに分類されてるけど・・・」

 

デュオ「う~ん・・・実は俺にもよくわからないんだ。」

 

キリト「どういうことだ?」

 

デュオ「実際に見てもらったほうが早いな。」

 

デュオはそう言うと、自分のスキルウインドウを開いて、可視モードにする。

 

デュオ「見てみろよ。」

 

キリトは言われたとおりにスキルウインドウを覗き込む。

そこにはデュオが持っているスキルと現在選択中のスキルが表示されてる。

(ちなみに選択されているスキルは、両手剣、投剣、体術、索敵、ドロップアウト、スタイルチェンジである。)

それを見てキリトは目を丸くする。

 

キリト「分類がない・・・」

 

デュオ「そういうこと。どうもスタイルチェンジはどのスキルにも分類されないみたいなんだ。」

 

キリト「それは便利だな。」

 

デュオ「だろ。」

 

デュオは笑うと、すばやくウインドウを閉じる。

その時、階段を上がってくる音が聞こえた。

そして勢いよく扉が開くと、顔を蒼白にしたアスナが入ってきた。

アスナは息を切らしながら不安そうに口を開いた。

 

アスナ「どうしよう・・・大変なことになっちゃった・・・」

 

キリト視点

とりあえず、アスナを椅子に座らせてからお茶を飲ませて落ち着かせる。

それで少しは落ち着いたようで真っ青だった顔も血色を取り戻したようだ。

 

キリト「何があったんだ?」

 

俺が問いかけてみると彼女は俯かせていた顔を上げた。

 

アスナ「実はね……」

 

アスナは小さな声で語った。

血盟騎士団の会議で昨日のボス攻略をことを報告した後、

少しの間、休みがほしいと相談したところ、普段はあまり口出ししない【団長】からある条件をだされたそうだ。

その条件はと、俺と立ち会いたいということだった。

 

アスナ「どうしよう・・・」

 

キリト「仕方ない。とにかくもう1度話してみよう。」

 

俺は残っていたお茶を一気に飲み干してから立ち上がると、

デュオが何かを投げてきた。

 

デュオ「それ使って行けば?」

 

キャッチすると、それは転移結晶だった。

 

デュオ「今は大丈夫でも、もし外に出た瞬間見つかったらこっちが大変だからな。」

 

キリト「結局自分のためか。まあ、ありがたく使わせてもらうよ。」

 

俺はアスナの手を握って叫んだ。

 

キリト「転移!グランザム!」

 

五十五層グランザム

別名“鉄の都”と呼ばれている街で、血盟騎士団の本部がある場所。

俺たちは転移してすぐに、血盟騎士団本部に向かい、建物の奥へ進むと

なんとも重厚な鉄の扉の前に辿り着いた。

 

キリト「ここか・・・?」

 

アスナ「うん・・・」

 

アスナは乗り気しない様子で頷くと、意を決したように扉をノックし、

答えを待たずに開け放った。

塔の一フロアを丸ごと使った円形の部屋の中央には、半円形の巨大な机が置かれ、

その向こうに並んだ五脚のいすに、それぞれ男が腰掛けている。

左右の四人は見覚えがなかったが、中央に座る人物だけは見間違えようがなかった。

学者然とした顔立ちに鉄灰色の長い髪、やや痩せ気味の長身をゆったりとした真紅のローブに包んだ魔術師のような姿。不思議な真鍮色の瞳。

血盟騎士団の団長にして、最初のユニークスキル使いであり、生きる伝説とまで言われる最強の男。

聖騎士ヒースクリフである。

 

アスナ「お別れを言いにきました・・・」

 

アスナがいきなり話を持ち出した。

 

ヒースクリフ「そう結論を急ぐこともないだろう。彼と話をさせてくれ。」

 

ヒースクリフは苦笑して答えると、こちらを見据える。

 

ヒースクリフ「君とこうして話すのは初めてだったかな、キリト君。」

 

キリト「いえ・・・六十七層の対策会議で、少し話しました。」

 

ヒースクリフ「あれは辛い戦いだった。我々も危うく死者を出すところだった。トップギルドなどと言われてはいても、戦力はギリギリだよ。」

 

ヒースクリフは言葉を切ると机の上で両手を組み合わせて続けた。

 

ヒースクリフ「なのに君は、我がギルドの貴重な主力プレイヤーを引き抜こうとしているわけだ。」

 

キリト「貴重なら人選には気を付けたほうがいいですよ。」

 

一人の幹部らしき男が動こうとしたがヒースクリフがそれを手で制した。

 

ヒースクリフ「クラディールのことについては謝罪しよう。彼は現在、自宅で謹慎させている。だが、我々もサブリーダーを引き抜かれて、はいそうですかと言うわけにはいかない。」

 

こちらを見据えるヒースクリフの両目からは、強い意思力が感じられる。

 

ヒースクリフ「キリト君。欲しければ剣で、二刀流で奪い給え。私と戦い勝てば、アスナ君を連れていくがいい。だが負けたら、君が血盟騎士団に入るのだ。」

 

その言葉に、俺は少し黙った後、半ば反射的に答えていた。

 

キリト「いいでしょう。剣で語れと言うのなら望むところです。デュエルで決着をつけましょう。」

 

あとがき

アンケートです。

 

次回はキリトVSヒースクリフのデュエルを書きますが、

その後原作沿いに進んだほうがいいか、少しオリジナルの話でいったほうがいいか

よろしければ、選んでいただけると光栄です。

なお、何もなかった場合は原作沿いでストーリーを進めていきます。

ご協力お願いします。


 
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