「これは…」
俺は風里と藍里の案内についていき近くの町に着いた。しかし、街の治安はお世辞にも良いとは言えない状況だった。民たちの顔は目に見えて疲れきっており、笑顔を浮かべているのは賄賂を受け取ったらしきごく少数の者たちだけであった。
「ずいぶんと治安が悪いようだな。」
「ええ、しかしこの状態でもまだましな方というのが笑えないところです。」
「これよりもひどいところがあるのか?」
「うん、私と風里は塾を卒業した後にいろんな所を旅してきた。その中には、昼間から行われている犯罪を警備の兵たちが笑って見ている、なんてところもあった。」
「民たちが笑っている都市なんてほんのわずかでした。」
「そうか…民たちが天の御使いに頼るっていうのもわかる話だ。」
ちなみに今のおれの服装は普通の麻で出来た着物だ。俺が倒れていた近くにカバンが落ちており、その中に入っていた。カバンの中には他にもノートやボールペンなどが入っていた。
「まずはどこかに宿をとりましょう。」
「そうだな。」
「「「………」」」
とりあえず部屋を確保はできたんだが、
「何で三人部屋一つしか開いていないんだ…」
そう、実は俺たち三人全員が泊まるにはこの三人部屋一つしか開いてなかったのだ。隣を見ると風里は「わわわ~」と言いながら顔を真っ赤にしており今にも頭から湯気が出そうなほどだ。藍里の方は無表情だがこちらも少し顔が赤くなっている。
「なあ、俺は外で野宿でもしてようか?」
「とっ、とんでもないです。ご主人様にそんなことさせられるはずがありません。」
「でも…」
「ダメ、一刀が風邪でもひいたりしたら困る。」
「でもこれじゃあ俺、寝れる気がしないんだけど。」
「それじゃあご主人様のいた国について聞かせてくれませんか?」
「俺のいた国って二人の言う天の国ってこと?」
「はい!気も紛れるしいいかなって思ったんですけど…」
「私も天の国の話、聞きたい。」
「う~ん、それじゃあまずは学校についてでも話すかな…」
俺は今の日本や昔さまざまな国で行われていた政策の話。この時代にはまだない兵法などを二人に話した。話し終えると二人はしばらく興奮していたようだが疲れていたのかすぐに寝てしまった。
俺はというと
(ぜ、全然眠れねえ~~!!よく考えたら二人の気は多少なりとも紛れるかも知れんが、俺の気は紛れないじゃないか!)
すぐそばから匂ってくる女の子特有の甘い匂いや、時折聞こえてくる二人の呼吸音、衣擦れの音にいちいち反応してしまいまったく眠ることができなかった。
翌朝
「おはようございますご主人様。」
「おはよう一刀。」
「…おはよう二人とも。」
「随分と疲れた顔をされていますがどうしたのですか?」
「なんでもない。」
「?そうですか。それじゃ朝食を食べに行きましょう。」
「ご注文は何にしましょうか。」
「二人は何にする?」
「それじゃあ私は麻婆豆腐をお願いします。」
「肉まんが食べたい。」
「それじゃあ、麻婆豆腐と肉まん、炒飯をひとつずつ。」
「はい!ありがとうございます。」
しばらくすると
「麻婆豆腐と肉まんと炒飯です。」
「それじゃあ……これは滅茶苦茶うまいな!」
「本当においしい。」
「♪」
食事も終わりお茶を飲みながら
「それじゃあそろそろ行こうかな。」
「何処にですか?」
「ここ、鄴の太守さんに。」
「……え?」
「それにしても、街並みの割には随分としっかりとした警備だったな。」
そんなこんなで俺たちは今お城の中に潜入中です。警備の穴を見つけ中に潜入、中に入ると堂々としていれば意外と侵入者という考えが出ずなにも言われないものだ。もちろん俺の格好に驚いたり、ついてくる二人に見とれている兵たちはいたが。そういえば侍女の人たちもこちらを見て顔を赤くしていたがどうしたんだろ?しかもその様子を見て何故か風里と藍里は不機嫌になるし。
「警備の穴を見つけるのが大変だった。」
「俺としては随分と藍里が手馴れていたのが気になったんだが。」
「私塾時代にはよく友達と外に抜け出していた。」
「へー、意外といたずらっ子だったんだな。」
「私はそれに巻き込まれて水鏡先生からのお叱りを受けていましたけどね。」
「た、大変だったんだな。」
「でも連れて行ったのは私じゃなくて“悠希”と“明日香”の二人。」
「あの頃は“御影”ちゃんと二人、貧乏くじばかり引かされていた気がします。」
「今の会話に入ってた二人は?」
「“悠希”と言うのは張松ちゃんの“明日香”が孟達ちゃん、“御影”は、法正ちゃんていう友人の真名なのですけど分かりますか?」
「ああ、それだけ教えられれば十分だ。」
そんな会話をしていると
「この部屋は…。」
「………?」
「普通の部屋みたいですけど、二人ともどうかしたんですか?」
「不自然。」
「ああ、こんなところにこの部屋があるのはおかしいな。」
「おかしいってどの辺がですか?」
「風里、こんな部屋を使うのはどんな時だ?」
「どんな時って、寝台なんかの最低限の家具が置いてあるだけですし捕虜か客人にいてもらうためとかだと思いますが。」
「でもこの部屋の周りにはどんな部屋があった?」
「書物庫や会議室とかでしたが…あれ?」
「そう、客室や捕虜を入れておくならそんな重要な場所に造るわけがない。」
「だったらこの部屋は何のために。」
「それを探してるんだけど多分ここらだと思うんだけど………あった。」
そう言ってベットをどけるとその下には扉が、そしてその中には奥に続く階段があった。
「何かあるみたいだね、降りてみよう。」
「(コク)」
「ええ!?」
「風里はどうしたの?」
「な、なんでも・・ありま・・せん。」
「それじゃあ行ってみようか。」
???side
「近くに賊が出たそうだからさっさと鎮圧を頼むよ??殿。」
「…分かりました。」
目の前で気持ちの悪い笑みを浮かべている男、私と同じ主を持ちながらその主の娘が太守の座に就いた途端にその新しき主を幽閉し、傲慢な政治を始め、対立した二人の友人を追放したこの男、姓を審配、字を正南というこの男に私は憎々しげな瞳を向ける
「おや?何ですかその眼は??様がどうなってもよいのですか?」
「……申し訳ございません。」
「分かればよいのですよ。そう言えば近々この鄴に長安からの視察が来るそうなのでそちらの方も頼みますよ。」
こんな男??様のことがなければ即刻首をはねるのに、しかし??様が捕まっている間はだめだ。早く見つけて保護しなければ、一体どこに幽閉されているのだ。私が考えながら部屋の外に出ようとした時
「失礼します。審配さんがいるのはこちらでしょうか?」
一人の男が入って来た。白く輝く服を着て腰から見たこともない細い剣をぶら下げた男が、この男を見た瞬間私は悟った。この男にはかなわない。私は生まれた時から武の鍛錬を続け、そこいらの武将では相手にならないほどの武を持っているという自信がある。しかし、目の前にいるこの男は見ただけで自分では相手にならないほどの武があるということが分かる。しかし、そんな男が一体なぜここに私が考えている中で話は進む
「だ、誰だ貴様はここにどうやって入って来た!」
「俺の名前は北郷一刀といいます。あなたが審配さんですか?」
「そうだ、それがどうしたというのだ。」
「そうですか、ならあなたには…………………死んでもらいます。」
「「えっ」」
私とあの男が全く同じ言葉を口に出した瞬間に目の前にいた男が消え、後ろから審配のうめき声が聞こえた。私が後ろを振り向くとそこには腰の剣を抜いた北郷一刀と首の取れた審配がいた。
「貴様何のつもりだ!」
「俺はただ頼まれただけですよ。」
「頼まれた?いったい誰にだ!」
「あなたの後ろにいる方に、です。」
私が後ろを振り向くとそこには、審配に幽閉されていたはずの私の主、韓馥様がいた。
「か、韓馥様?」
「はい、迷惑をかけて申し訳ありませんでした張郃。」
「韓馥様、本当に韓馥様なんだ。う、う、うわああああああああん。」
それから私は嬉しさのあまり二十分もの間泣き続けた。
「そういえば、この方は一体誰なんですか?」
「この方は北郷一刀様といって、幽閉されていた私を救いだしてくれて聞いた話によると街で噂になっている天の御使い様だそうです。」
「天の御使いって管路とか言う占い師の……え、えええええええええええーーーー!!!」
あとがき
皆様こんにちは雪猫です
「北郷一刀だ。それでここまで間があいた理由は?」
いや~テストがあったり、テストがあったり、ニコ動見たり、他の小説サイトの小説読んだり、麻雀にはまったり色々ありましてな
「つまりほとんど遊んでいたと。」
そうなっちゃうね、というかほかの小説サイトの小説読んだせいでもっとほかの作品の二次創作の小説書こうと思ってそれの設定練ってたって言うのもある
「それでなんか候補とかあんの?」
一応だけどね候補があるのは『境界線上のホライゾン』、『真剣で私に恋しなさい!』、『東方Project』、『ハイスクールD×D』、『緋弾のアリア』、この中で書いてほしいのあったら言ってくださいね要望がなくても別のサイト、別の名前で投稿しますけどね
「それで今回の話なんだが。」
すごいぐだったね自分で書いててこれ微妙だなって思ったし
「まあそうだな。次の話はどうするんだ?」
今回の話の別視点と賊討伐かな、もしかしたら㹦蝉出すかもしれない。出なかったらその次には絶対出るけどね。
「今回はこれくらいだな誤字、脱字等があったら報告を頼む。」
それじゃあ皆様また次回、再見~~
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遅くなっちゃいました許してヒヤシンス(・ω<)
最近ニコ動ゆっくり実況が面白い(酒)の人とか妖怪タグおいてけの人とか迷子の人とか次も更新遅くなっちゃうかもしれない。