No.497122

真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 序章 第4話

雪月さん

初めまして 雪月と申します。

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております

設定としましては『呉ルート』を予定。

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2012-10-17 07:14:55 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:11312   閲覧ユーザー数:8333

序 章 一刀降臨編 04話 『 回顧 』

 

 

 

 

館の外壁に座って夜空を見上げて・・・憶いにふける一刀の姿がそこにあった・・・

 

 

・・・「はぁ~」と一刀は、これで何度目?か判らない力ない溜息を吐く

 

そう、あれから俺は、その場にいた5人に母さん・・・の事を話した・・・

結果から言うと・・・俺の知る母さん・・・ではなく

『孫堅 文台』さんという・・・母さんに似た・・・別人さんと判明した

 

一刀「母さん」

 

「「「「えぇっーーーー」」」」

 

という驚きの声が響き渡り、皆の視線が緋蓮に集まる・・・

??「母さま いつの間に・・・」??「隠し子がおったとは・・・」??「緋蓮様 そういう大事は事前に相談を・・・ゴニョゴニョ」

??「まぁ!緋蓮様 遅ればせながら、おめでとうございます」と若干?ズレたツッコミも入る

 

一刀の発言に目を丸くするも・・・

緋蓮「・・・申し訳ないが、何度思い出そうと試みたが・・・見覚えもないし・・・またキミを産んだ覚えもない」

   「死別した夫との間に3人授かったが、皆”娘”でな?・・・ 『他人の空似』でないのかな?」

 

一刀「”ビクッ”・・・・・・ぇ?」

・・・一刀は”3人授かった”や”3人の娘”という言葉ではなく、最後の『他人の空似』の言葉に絶句していた

薄々、一刀が気づいていたこの”衝撃的事実”を問い返された事に・・・

一刀は呆然と立ち尽くしていたのだった・・・

 

 

簡単に説明すると・・・

 

そう『北郷 緋蓮』と一刀との間に、『血縁』関係はない・・・

両親の共通の親友であった”緋蓮”は、死に際に一刀と和葉を託された この時、一刀 2歳、和葉 生後1ヶ月だった・・・

両親が数日後に息を引き取ると、今後の事を協議した祖父(爺ちゃん)と緋蓮二人により

”緋蓮”が母という記憶を時間をかけて、ゆっくりと植え付けていったのである・・・

 

・・・この後も何十回と襲撃される事になるのだが、その部分は割愛させていただく

 

話を戻すと目の前にいる”緋蓮”が、”母さん”だと信じて疑わなかった事実が脆くも崩れ去っていく・・・

 

一刀「・・・た・・に・んの空似・・・」

紅は未だ事実を受け入れられず、硬直する一刀をサポートすべく

 

??「念の為にお聞きしますね? 一刀君のお母様の『姓』『名』は?」

 

抑揚のない声で一刀は『・・・・・・北・・郷 ・・・・緋蓮』と答える

 

と同時に「「貴方(貴様)!」」と雪蓮と祭は、一刀に斬りかかろうと剣に手をかけ

部屋は一瞬にして緊迫した空気に包まれるも

 

緋蓮に覇気を含んだ声で「よしなさい!」と(たしな)められると

二人は剣を手にしたまま動けなくなり、背中に冷や汗をかきながら、渋々剣から手を離さざるを得なかったのである・・・

 

冷やかな目で見つめる”冥琳”X”紅”の二人に、抵抗出来るはずもない”雪蓮”X”祭”

二人は静かに部屋の外に連れ出すと、さすがに”分が悪い”と逃げようとするも

 

「「おすわりっ!」」

 

と言われるや「「はぃッ」」っと床にちょこんと素早く”正座”する二人組・・・

頭を垂れ(ヒィーーーーーーン)と心の中で号泣しつつ、”冥琳”X”紅”のお小言を足が痺れるまで頂戴するのであった・・・

 

 

しかし、思考の停止していた一刀には、二人に斬られる覚えがあるはずもなく・・・首を傾げる

 

緋蓮「フフフ 気にしなくていいわ 彼女達二人に任せておけばいいから・・・ 何故斬りかかられたのか不思議なようね?」

 

一刀「ハイ・・・ ・・・母の『姓』『名』を答えただけですが・・・ちょっと考え事をしちゃってたのが気に触わりましたか?」

 

緋蓮「やっぱり思った通りね・・・ たしか”字”はないって言ってたから・・・姓は『北郷』名は『緋蓮』さんで間違いない?」

 

一刀「ハイ・・・ ・・・母の『姓』『名』に間違いありません・・・け・・・ど・・それが何か?」

と考えながら答えるも、斬られる覚えに全く心当たりはなかった・・・

 

緋蓮「先程から私のことを、緋蓮って呼んでたから、キミのお母さんと同じだと勘違いしたんだと思うの」

   「私の自己紹介をしておくわね 『姓』を孫 『名』は堅 『字』を文台 真名は緋蓮というの」

 

一刀は静かに緋蓮の自己紹介を復唱する・・・

 

あ・あのぉ~と一刀が問おうとすると、なぁに?・・・と微笑みながら答える緋蓮

 

一刀「孫けんさんの”けん”という文字は?」

 

緋蓮「こう書くのよ?」と机に向かうより先に、一刀は制服のポケットに挿して携帯していたサインペンを

これでどうぞっと・・・急いで、キャップを外し緋蓮に手渡す

 

緋蓮は手渡された”サインペン”を手に取り・・・しばし見つめ

 

緋蓮「見たことも使ったこともないのだけれど・・・ ・・・筆先に墨をつければいいの?」と一刀に問い返す

 

一刀「いえ もう墨に似たものが付着しているので、そのままこのように・・・」と一刀は自らの名前を竹簡に書いてみる

・・・横から覗き見していた緋蓮は「・・・こっ これは凄いわね・・・」というと一刀から借りて

自分の名前だけでは飽き足らず、それ以外の文字も書いてみる・・・

 

緋蓮「こんなものが・・・あるのね~ 驚きだわ あっ ごめんなさいね ここの部分ね これでいいかしら?」と一刀に竹簡を見せる

 

・・・どういうことだ?孫堅文台だって? あの『三國志』の・か?・・・にしては性別違うし

また”真名”とは一体・・・?と疑問は尽きない

 

これ漢文(文言)だし、幼い頃から母さんから嫌々習わされてたなぁ~ 「将来の貴方に必要だからよ?」とか言われてさ? 

でもさ、読み書き出来ても、学校の授業じゃ全然役に立たないし、ほんのちょっと教えてもらえるのは、漢文モドキだし・・・

よく母さんと喧嘩してたっけ?・・・と回想しながら、一刀は神妙な面持ちで竹簡を見つめる

 

緋蓮「もしかして、字汚くて読めないかしら?」と心配そうに訪ねてくれる

 

「いえ 逆に綺麗なものでつい・・・」と自身の回想を遮りそう答える

「そう? そう言ってもらえると嬉しいわ」と照れる緋蓮に対して質問をする

 

一刀「マズは”真名”とは一体?」

 

緋蓮「そうね “真名”っていうのは、本人が”心を許した証”として呼ぶことを許した名前のことなの」 

   「もし、本人の許可無く“真名”で呼びかけることは、問答無用で斬られても、文句は言えないほどの失礼に当たるのよ」

 

 

一刀「私の国で、武士(もののふ)と呼ばれた人達がいた時代があるのですが・・・」と竹簡に武士という文字を書く

   「大小の刀には、武士の精神が宿っており、武士(もののふ)にとって、最も大切なものである時代があったと」

   「武士道」という崇高な精神を受け継いるのが”私”でもあります

   「短時間では説明出来ませんが”真名”とは崇高なる”御魂”と考えればよろしいでしょうか?」と問いかける

 

言葉遣いと雰囲気がガラリと変った一刀に対して、内心驚愕していた・・・

先ほどまで、かわいくホント儚い・・・今にも消え入りそうな雰囲気の子だった・・・のに

 

「そう考えてもらっても差し支えないわ・・・」と返答する緋蓮

 

精神の昇華といい、礼節を弁えた態度・・・そしてこの『江東の虎』を凌駕するというの?

さっきから全身の震えが止まらない・・・ 私の”勘”がこうも囁いている『絶対に手放してはならない』と・・・

 

   「・・・そう、聡いキミなら、・・・もう判ったと思うけれど、・・それが雪蓮や祭が斬りかかってきた理由・・よ」

   そう発すのが精一杯だった・・・

 

一刀「そうでしたか・・・ 崇高なる御魂を汚してしまったのですね・・・

    知らなかったとはいえ・・・そういう理由でしたなら、”私”の方から謝罪すべきです

 

一刀「誠に申し訳ありませんでした 深くお詫び申し上げます」

・・・と緋蓮に向かって、床に”正座”をし両手を床につき、上半身全体を拍子をつけて折り曲げ、額を床につける姿勢をとった所で静止する

 

そう・・・私に生殺与奪を任せるという行為なのね・・・と理解し感じた途端、震えはピタリと止まった

また見惚れるほど美しい所作だと感じた・・・

 

緋蓮「謝罪確かに受け取ったわ? 先程も言ったけれど、気にしなくていいのよ? 

事情を知らなかったのだから・・・次からは気をつけてね?」と一刀へ向かって優しいく語りかける

 

まだ額をつけたままの一刀に対し、身体を起こす様に諭すと

 

緋蓮「お説教はそれくらいで、皆、早くこっちきて見てみなさいよ!」

とこの件は終ったとばかりに、入口に向かって声をかける

 

”冥琳X紅”「「しょうがありませんね 今日のところはこれくらいで・・・」」と踵を返し部屋へと入っていく・・・ 

 

(た・たすかった・・・)と正座を解き部屋へ移動しようとするものの・・・

雪蓮「ちょっちょっと祭 早くどいてよぉ~ 足がヒィーーーー」 祭「・・・策殿 すまぬ・・・ 痺れて・・・しばし動けんわい」

雪蓮「祭のバカァーーーーーーーーーーー」と仲良く?外で縺れあっていた

 

”冥琳X紅”「「緋蓮様 どう(いかが)しました(か)?」」

 

緋蓮「一刀が風変わりなモノを持っててな 借りてるのだよ しばしみてな?」と自身の姓名字と真名をサインペンで竹簡に書き込む

見ている間に・・・二人共自然と 冥琳「ほぉ・・ほほぉ~」 紅「まぁ~ 墨をつけてないのに・・・驚きです」・・・と呟く声が

 

ようやく痺れが取れて、こちらへやってきた雪蓮と祭の二人にも 緋蓮が竹簡に”猪突猛進”という文字を書いてみせる

「へっ・へぇ~すごぉ~いじゃない これ」「な・なんとぉ~ 便利なものじゃの~ 」と文字を見て顔が引き攣るも・・・

サインペンへの興味には勝てず・・・

 

緋蓮「だろう?」っと少し得意げに、(某・印籠出し番組のように)皆に文字を書いた竹簡を順々に見せびらかす

・・・その後、一刀に真名の件について、・・・と緋蓮に向かって、床に”正座”をし両手を床につき

上半身全体を拍子をつけて折り曲げ、額を床につける姿勢をとった所で静止し非礼を詫びる態勢に・・・

 2人も一刀の所作の美しさにアタフタしながら許す  

 

”冥琳X紅”の二人は、サインペンを分解する訳にはいかないので、ボールペンを解体して説明する一刀

二人に”ペン”なるものは作れないのか?・上質の紙の話・”めも”?の使い方 詳細等 

二人の知的好奇心は溢れるばかりで、次から次へと一刀に質問を浴びせてくる 一刀はその問いに分かる範囲で答えていく・・・・

質問の合間・合間に雪蓮達に他には何かなぁい?と強請られる 

 

酒の話になると、緋蓮も加わっての”呉の三大飲兵衛”と称される居酒屋・トークに

冥琳と紅は溜息をつきつつも5人+一刀は、陽が落ちるまで語りあった

 

ドサクサ?に紛れて、孫呉を取り巻く状況・一刀のこれからの生活諸々の事を話してたりもする

これについても後後、語っていくことになるだろう・・・

 

・・・話終わる頃には、5人に真名を預けてもらい、すっかり打ち解けていた・・・

 

 

 

・・・国家機密・呉国営企業の『とっぷしーくれっと』に抵触する為

とっきょ(特許)の都合上、この度の内容は簡略することとする

 

発明秘話として、後日ゆっくり語られることもあるだろう

                                          初代 孫呉特許許可局長    魯(粛)子敬

                                          孫呉(国営)サロン会長  孫 尚香 

 

 

寝られなかった一刀は深夜近く?に部屋を抜け出し、館の外壁まで来て夜空を見上げながら、今日の出来事に憶い耽る・・・

 

・・・道理で爺ちゃんや和葉が見当たらない訳だ・・・けれど、全くの別人で的外れ・・・という訳でもなかった

 

母さんの名前が『北郷 緋蓮』だということを伝えた時には、いきなり雪蓮と祭さんに斬りつけられそうだったけど・・・

まぁ、真名持つ重みを考えると仕方ないか・・・

 

正直なところ、二人の後ろから、放射された孫堅さんの殺気の方が何倍も怖かったっっ・・・

・・・昔の恐怖が・・・即、蘇ってきて・・・おし●こチビりそうに・・・なったヨ・・・(号泣 

ほんとトラウマものだよ! 母さん 恨むよ!・・・ホント・・・

 

 

 

――――――現代の北郷家――――――

 

一刀の母「くちゅんっ」

 

爺ちゃん「おや? 緋蓮さん風邪かね?」

 

母「そうではないと思うのですけど・・・ 一刀や和葉が何か噂してるのかしら?」

 

爺ちゃん「ほっほっ 早くもほ~む・しっくとやらかのぉ~?」  母「フフッ そうかもしれませんねぇ?」

 

爺ちゃん「一先ずはお疲れ様じゃ 緋蓮さん」  母「お爺さまもですわ」

 

爺ちゃん「ここまで来たら、ワシらが出来るのは『信じること』だけじゃ のぉ?」 母「歯痒いですが・・・」

 

爺ちゃん「ワシらには”子離れ”が必要なのかものぉ?」  母「フフフッ お互いに無理じゃありません?」

 

爺ちゃん「違いないわい!」

 

と、結構鋭い?談笑をする二人の姿が目撃されていたりする――――――

 

 

・・・コホンっ(トラウマ封印) 話に戻ると最後の”居酒屋・トーク”の時に話していた夢・・・

 

緋蓮「私達の仲間になってくれる一刀には聞いて欲しいの 私にはね ”夢”があるの・・・」 

・・・今まで顔を赤くして酔をみせていたと思われていたが、すっと真顔に戻ると

 

「夢ですか?」と問い返すと緋蓮「そう! その”夢”に向かって今走り続けているの」 

「その夢とは?」と一刀が問い返した時

 

緋蓮「孫呉千年の大計・・・よ」 一刀「孫呉千年の大計・・・で・・す・か・・・?」

そう!と答えつつ酒を一口含み、二千年でも”四千年”でもいいんだけどねと笑いながら答える緋蓮

 

 

『王道楽土の実現』・『孫呉にすむ人々の子孫繁栄』・『実現する為の人材』・・・

 

緋蓮が発した言葉をゆっくり反芻する一刀・・・

後ろの二つについては説明不要かもだけど・・・一番目の夢について説明するわねっと、緋蓮は一刀に向かって『夢』を紡ぎ出す

 

 

 

・・・作者「この文章をお読みの方々ググってみて下さいね・・・b」

 

 

※しばらくお待ちくださいませ(ピンポンパンポ~ン) ――――――バキッ ゴスッ ゴスッ――――――ズズン―――――――

 

 

作者「お・おばだぜ いだぢばぢだ ごぜづべい ざぜでびだだぎばじゅ――――――

(訳:お待たせいたしました ご説明させていただきます)

 

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●王道楽土の夢

意 味: 王道によって治められる、楽しく平和な国土。

解 説: 「王道」は、中国の古典的政治哲学で、帝王が徳を持って国を治める理想の政治のあり方のこと。

     「楽土」は読んで字のごとく、安楽な生活が送れる土地のこと。

==============================================

 

冥琳「我ら家臣は緋蓮様の夢を実現すべくお力添えをする」

紅「そう、私達は”智謀”で・・・」

祭「わしらは”武の力”で・・・な 夢の実現を邪魔する勢力を駆逐するのじゃ!」

 

雪蓮「母さまが紡ぎし夢を・・・ そう私は夢の”導き手”・・・なの!」

 

 

緋蓮「他人に聞かれたらマズい事が、多分に含まれては居るけれど・・・ね」

   「今周りにいるのは、私の大切な”家族”しかいなんだから・・・」

 

”5人”が緋蓮の言葉に相槌を打ちながら、優しい眼差しで一刀を見つめる

 

一刀「家族・・・・・・」と呟く一刀に 「そ ”貴方”はもう私の大切な”家族の一員”よ?」と一刀に軽くデコピンをし

一刀の杯に酒を満たす・・・ 二人は見つめ微笑みながら杯を乾す

 次から雪蓮や冥琳、祭や紅から次々と注がれ杯を乾す

 

                  ・

                  ・

                  ・

                  ・

                  ・

 

館の外壁に座っていた一刀は、おもむろに立ち上がり・・・遠き地平線を見つめ続ける

 

 

夢か・・・俺の夢・・・

 

ーーーーー(一刀過去回想)ーーーーー

 

一刀「・・・おかあさん 少し聞きたいことがあるんだけど?」

 

母「・・・なぁに?」

 

一刀「きらいじゃないんだけどさ・・・おかあさんの”しゅぎょう”」

 

母「うん それで?」

 

一刀「どうして”ボク”をつよくさせようとしてるのかな? ボク・・ひとつも・つよくならない・・・”かずは”の方がつよいのに・・・」

 

 

母「フフフッ どうしてでしょうね?」

 

 

母「う~んとね 一刀が強くなるとね 私の目標に一歩も二歩も近づくの・・・」

 

 

一刀「目標?”かずは”じゃダメなの?」

 

 

母「うん ダメなのよね・・・ それにね 一刀自身が強くならないと意味がないわ」 

 

「どぉ~して?」と一刀は尋ねる

 

う~んと少し悩んだ母は

母「じゃぁね? 強いつよ~い 強盗さんがあらわれました その強盗さんは、一刀の好きな人をたくさん傷つけようとしているの」

と今思い返すとかなり物騒な質問をしているなぁ~と感じつつ・・・

 

母「一刀ならどうする?」

 

一刀「おまわりさん よぶ」

 

母「フフ そうねぇ おまわりさんが中々きません 一刀の好きな人が今にも傷つけられそうに・・・」

 

母「どうしようっか? 周りに一刀だけなの おかあさんもおじいちゃんもいないの・・・」

・・・とかなり強引な展開に、”回想中の一刀”は苦笑する

 

ちいさな一刀は考えてみるものの・・・どうすれば判らず・・・

一刀「ううぅ・・・うっ・・・・うぐっ ボ・ク・・・が・・・ひぐっ・・・・・・・・あぐっ・・・」

   「わあぁ~~~~~~~~ん」

 

母「おおぉ~~~~よしよし、ごめんねぇ~~~いい子 いい子」と一刀を抱っこしあやす

 

母「一刀がいつも見ているヒーローさんが、いつも都合よく現れて助けてくれる・・・なんてことはないのよ?」

と静かな声で諭すように・・・

 

一刀「ひぐっ・・うぐっ・・・・」

 

母「誰かに護ってもらえる、誰かが護ってくれるじゃなくて・・・ 一刀が大切な人を護れる強さを身につけなさい」

緋蓮はそう力強く一刀に向かって、心に染み渡るように答える

 

一刀「・・・・・・ひぐっ・・グスッ・・・ボクがまも・・る人に?」

 

母「えぇ そう! お母さん一刀にい~~~~っぱい護って欲しいなぁ~~~」

 

一刀「うんっ ボク いっぱいいっぱい修行してつよくなる 

   つよくなって きっと”おじいちゃん”や”おかあさん”や"かずは"を絶対護るんだ!」

 

母「うれしいわ 母さん えぇ期待しているわよ? 一刀」と優しげで暖かい眼差しを送り続ける

 

一刀「うん!!」

 

・・・とあらん限りの元気な声で、その暖かな眼差しに答える

 

ーーーーー【一刀過去回想終了】ーーーーー

 

 

一刀「母さん 今日さ・・・何処からともなく来た俺を・・・大切な・家族と・・・呼んでくれる人達ができたんだ」

   「最初は皆すっごくおっかなくて・・・此処が何処かも・・・どうしたらいいかも判らなくて・・・」

   「この”世界”に、俺が・・・守りた・い大切な・・・人達が・・・できたのかな・・・かぁ・・さ・ん・・・・」

 

   「そう・・・俺の夢・・・は・・」

 

・・・なんでなんだろう・・・な アハハ・・・

なんでこんなに悲しいんだろう・・・

 

今いる処は”三國志”の世界だってぇ? わらっちゃいそうだよ~母さん  

どんなタチの悪い冗談なんだよぉーーー ハハ

 

 

拳を握り締める・・・鮮血が滴り落ちるのもそのままに、さらに力を込めて拳を握り締める

今の自分の無力さに・・・歯痒さに・・・我慢がならなかった・・・ 許せなかった・・・ 

 

一刀『俺は強くなった・・・ 和葉よりも・・・ 爺ちゃんよりも・・・ 母さんをも・・・ 超えたハズなのに・・・』

 

今以上に更に強く強く・・・・歯を食いしばり握り締める

 

・・・・・・もう”がまん”の限界だった

 

一刀「・・・チィィィイックショォーーーーーーーー!!!  母ぁさんーーー 爺ぃちゃんーー 和葉ァーーーーーー」

 

 

  一刀「俺が・・・オレが護りたかった・・・命より大切な・・・人達は・・・・・・

      ココには・・・も・・う・・いないんだーーーーーーー!!!」

 

 

 

     一刀「うぉぉぉぉーーーーー!!! なんでぇ~なぁんだよぉ~~~ 

         どおぉしてぇ~ なぁんだぁよぉ~ なぁんでぇ~ こんなトコォにオレェワァいるんだよぉーーーーーー

 

 

 

 

         う・うぅ~~~~うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ~~~~ぁーーーーーーーーーーーーーーーー」

 

 

 

この様子を静かに見つめる数人の影・・・

 

??が”一刀”へ向かって・・・・・・・・・・ 一歩を出そうと・・・・・・・ 前に踏み出そうと・・・”ウゴイテェェェェーーーーー”

??『なんで! こんな大事な時に前にでないのよぉ・・・・・・でなさいよぉ・・・コノ!バカ足!!!』

 

 

緋蓮「・・・・・・雪蓮  ダメよ?・・・ 今は今だけは他者(よそもの)の私達が介在する余地はないわ

    そっとしておいてあげなさい・・・・・・」

 

 

力の限り拳を握り締め、己の非力さを呪う雪蓮

雪蓮「・・・・・・・・・・・・・・・・・ハイ 母さま」

・・・と答えるのが精一杯だった

 

 

冥琳「彼に気付かれない様に・・・・・・戻るとしましょう」

 

緋蓮「そうね」

紅「えぇ・・・」

祭「じゃな・・・・・・」

 

雪蓮「・・・」

 

私は今日の一刀の姿を・・・この刻・・この瞬間を・・・”絶対に忘れないわ” 

ううん ”孫呉を率いる者”として、『絶対』に”忘れちゃいけない”ーーーーーー

 

猶も雪蓮は慟哭する一刀の姿を静かに見つめ心に刻みつけていた・・・

 

 

 

 

冥琳「・・・雪蓮?」

 

 

雪蓮「・・・・・・えぇ 今いくわ」

 

一刀に背を向け、先を行く二人に追いつくべく急ぐ雪蓮

 

 

 

緋蓮「今迄の数多の英霊の上に成り立つ・・・(えにし)は・・・夢を・・・願うは・・・大計?余りにも虫が良すぎない?

”砂上の楼閣”じゃないかしら? ”未来の緋蓮”?」

 

 

「でも・・・感謝するわ 私達に足りなかった最も重要な『欠片』・・・が漸く手に入ったのだから・・・」

「絶望の淵から訪れた千載一遇の好機 今度こそ必ず叶えてみせるわ・・・」

「そう・・・全ては”これから””ここから”が始まりなのだから・・・・・・」

 

そう呟き終えると、緋蓮はしばらく目閉じ・・・やがて一刀に背を向け館へと静かに歩き出す

 

                     ・

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                     ・

 

一刀の慟哭が、彼女達の想いが・・・闇に静かに溶けて混ざり合い、夜空に(きらび)やかな星星を描いていた・・・・・・

 

 

 

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

   春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

   「江東の虎」の異名で各地の豪族を震撼させた

   優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

    呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

    (アア・・ イタイ・・・ イシ ナゲナイデ・・・

 

 

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【あとがき】

 

皆様 おっは~ 毎度”お騒がせ”な雪月でございます 

無事?第4話をお届けすることが出来ました

 

この度の第4話ですが・・・序章の最大の山場?

”表題”の”根幹”を為す重要な部分の物語となっており、本来なら、「2回に分けて」お送りする予定でありました

前半の”緋蓮(孫呉)の夢(表題の大計部分)”と後半の”一刀の夢・想い”

・・・随分と悩んだのですが、2回に分けて読む場合”後半の一刀君の想い・葛藤が薄れてるんじゃないかと懸念した為だったりします

 

この辺の構成や表現方法は、何度も書き直して現在に至る訳なんですが・・・ 未だに満足しきっておりません(ぉぃ 

全部をまだ完全に出す訳にもいかず・・・かといって、ある程度出さないと物語として不明すぎる点が多すぎる

出し引きの難しい・・・ほんと厄介な回でした

 

  ・・・改善するべき余地”大有り”って所です・・・(滝汗

 

 

 

 

●『コメント返信コーナー』

 

 

▼>劉邦柾棟様からのコメント

 

最初のやり取りで言った「今の孫家に力は無い、なればこそ力を蓄えるために御遣いを血(胤)を入れる」……実に馬鹿らしい、冥琳達…

家族や仲間に臣下の事を間接的に力不足だと言っているからです。 本当に雪蓮は冥琳達を信頼しているのかが疑問です

 

 

今回も難題なご指摘有難うございます

 

この考え方は、日本の歴史にも当てはまるのではないかと思うのです 

 

今、大河ドラマで有名?な平清盛さんの天皇家に血を入れたいと娘さんを嫁に入れるというのもそうでしょう

事実、清盛さんだけではなく、一族が外戚として多大な権力を有することになります

徳川家も二代将軍・秀忠さんの時に同じことをされておられますが・・・

 

私の考えでは、~の力不足と考えるより、”権力の強化”今あるものに+効果を付随する

そんな感じにこの発言を受け取る側面も有りなのでは?と思っております

 

”臣下の力の無さ”を嘆いているというより、”己の非力さ”を嘆いている部分が多い気がするのですがいかがでしょうか?

”己の非力さ”が”孫呉という勢力”の低下を招いていると見ることができないでしょうか?

 

雪蓮の発言には確かにこの他にも色々なツッコミ処ろが満載な気がします ”シナリオ書き”を憎んで”キャラ”を憎まずの精神で(ぇ

 

え~と今回のご指摘はこんな感じでいかがでしょうか?劉邦柾棟様 

ご指摘あればお待ちしております

 

 

他の皆様も何かございましたら、お気軽にご意見やご指摘・ご要望を書き込んでくださいね

ご応募お待ちしております

 

 

 

今回はこれにて( ´ ▽ ` )ノ

 

 

 

 

 


 
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