転移魔法で第124管理外世界にある私のもう一つの家と言っても過言ではない洋館の庭に転移してきました。
ここ最近こっちに来るとアリシアちゃんが魔法の練習をしていたりすることが多いのですが、珍しく今日はいませんでした。
まぁ、毎日練習しているわけでもないとは思いますし、毎回ここに居ると思う私の方がおかしいのかもしれませんね。
「さて、こっちです。ついて来てください」
私はすずかちゃんに向けて言い、アリサちゃんは何も言わずに、すずかちゃんは驚きながらもついて来ており、私たちは洋館の方へと向かいました。
すずかちゃんはここに来てからずっと驚いているようでしたが、私がついて来るようにと言うと私とアリサちゃんの後をついて来る感じで歩いてきました。
「まぁ、すずかが驚いている理由は私にも分かるのだけどね」
「あ、アリサちゃんはこの場所を知ってるの?」
どうやら、後ろでアリサちゃんとすずかちゃんが二人で話し始めたようで、アリサちゃんはも自分が最初ここに来たときは驚いていたので、すずかちゃんが驚いているのが分からなくはないと多分言ったのでしょう。っていうか、建てた本人である渡しすら驚いていたのですが。
それにしても、庭に出て人気がないのは珍しいですね。洋館の中に居るからかもしれませんけど、庭に人がいないとこんなにも人気が感じられないとは。
「まぁね、あたしも数週間くらい前に知ったぐらいなんだけど、ここって結構穏やかで空気も澄んでるから結構好きだよ」
「確かにそうだね。でもなのはちゃんが向かっているあの洋館って誰の家なの?」
「私が業者に頼んで建てた家ですよ。お金とかは私の使い魔に任せて結構前から集めて、そのお金でこの建物を造ったのです。まぁ、この世界は建物建てるのにもかなり安く造れてしまうので、予想していたよりもこんな大きな洋館が建ってしまったけどね。ちなみに建てたのはここ最近です」
「へ~……ってなのはちゃんがこの家建てたの!?」
ちなみにぶっちゃけますと、使っていない部屋とか結構あったりします。客室に使ったものも一部はあるのですが、それでも部屋の数が多すぎるので余ってしまいましたし。
すずかちゃんは最初は関心していましたが、私が建てたという事を知って驚いていました。まぁ、まだ小学三年生で同じくらいの年齢なのに家を建てたという事にビックリしたのでしょう。元々はこんなに大きくなる予定ではなかったのですけどね。
「さて、驚いてないで進みましょうか。さすがに私たちが住んでいる地球が夜になるまでには帰らないといけませんので」
元々学校があって放課後になって少ししてからこちらへと来ましたので、こちらに居られるのは長くても三時間ぐらいなのです。それ以上はさすがに家の方にも問題がありそうですしね。
とまぁ、そんなこんなで洋館の扉の前に着き、扉を開けて中へと入っていきます。
アリサちゃんとすずかちゃんが洋館の中に入ると私が魔法で扉を閉め、エントランスを少し歩いて一度私は足を止めました。
「すみません、今誰か居ますか?」
なんか洋館の中に入っても人の気配が全く感じられなかったので、今誰がここに居るのか確認するために大きな声で言ったのです。
しかし、誰もここに来る気配は全くなく、いつもならこんなことはないはずなので何かあったのかと思ってしまいました。
「……おかしいですね。一体みなさん何処へ――」
「す、すみませーん!! 少し遅れてしまいってきゃっ!?」
と、私がみんな何処へ行ったのかと思っていると、私服姿のミリアがこちらに掛け走ってきまし、そして私たちの目の前で転んでそのまま前に倒れてきました。っていうかミリアってファリンさんみたいにドジっ子でしたっけ? 今までそんな光景はなかったような気がするのですが、しかし目の前の光景を見ていると何とも言えないというか……
そんな感じで私は転んだミリアを見ていましたが、ミリアはすぐに立ち上がって服に着いた埃をはたいてから私たちの方へ顔を向けました。
「……珍しいですね。私服姿なんて」
「ほ、本当はメイド服姿出来たかったのですけど、さっきまでずっと一人でしたので私服でもいいかなって思いまして」
「いや、別に私はメイド服を強要した覚えはないのですが……」
「そんなことは出来ません!! 今は確かに私服ですけど、なのはさんには本来ならば死んでいた状態の私たちを救ってくれたのですから」
いや、確かに救ったのは私ですけど、厳密に言えばあれって人体実験に近かったのですよね。本当に人を生き返させるかどうかという確認みたいなようでしたし……
だから私から言えば感謝されても複雑な気持ちではあるのです。人体実験をしたようなものにしか思えなかったから。
だけど今はその事は心の中で隠しておきます。そんな話をしていたら時間の無駄ですし、シリアスな空気にする必要もまったくないと思いますからね。それよりも聞きたいことが一つありましたから。
「とりあえずいつも通りでいいですから。それで、他の皆さんはどうしたのです?」
「お姉ちゃんも含めて、みなさん時の庭園に向かいましたよ? そろそろ向こうの掃除をしておかないといけないみたいな事を言ってましたし」
あぁ、そういえば『時の庭園』の存在忘れていましたね。いつでも動かせるようにして明るいようにしておきたいですからね。
そちらはプレシアに任せておきますとして、今はすずかちゃんの事ですね。とりあえず応接間に向かいますか。
「それじゃあ、ミリアは後で応接間に紅茶を持ってきてくれますか?」
「分かりました。すぐに持ってきますので」
それからミリアは紅茶を持ってくるために私たちから離れていきました。なんかまた転びそうで怖かったのですが、どうやらその心配は必要なくてそのまま姿が見えなくなりました。なんかもう、ミリアはさっきのせいでドジっ子というイメージが付いてしまいましたが……
「さて、それじゃあ私たちは応接間へ行きましょうか」
とまぁ、そんなミリアが居なくなったのを確認した後、私たちはミリアが来る前に応接間へと先に向かう事にするのでした。
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新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。
任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。
なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!
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