No.496069

真・機動戦士ガンダムSEED 古の鉄の巨人に乗る介入者

第8艦隊合流

2012-10-14 12:04:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7201   閲覧ユーザー数:6941

大小の艦が近づいてくるさまを、みんな息をつめて見守っていた。無理もない、この時を待ち望んでいたのだから。遠くから見るうちは太陽の光を受けて光る艦は玩具のように見えて現実味が欠けているようだったが、近づいていくにつれてその威容が明らかになっていく。

地球連合軍第八艦隊―智将ハルバートン率いる艦隊は、今ゆっくりとアークエンジェルに接近し艦隊の中に包み込んだ。数十にもなる無数の戦艦、駆逐艦の傍を抜けて旗艦、メネラオスが近づいてくる。

 

「180度回頭。減速。更に20%、相対速度合わせ」

「しかし、いいんですかねぇ。メネラオスの横っ面になんか着けて」

 

操舵手のノイマンが冗談気味にマリューに問いかける。マリューは柔かに笑って答えた

 

「ハルバートン提督が、艦をよく御覧になりたいんでしょう。後ほど、自らも御出になるということだし。閣下こそ、この艦と、Gの開発計画の一番の推進者でしたらかね。それとヒリュウ改は?」

「はい、ヒリュウ改はアークエンジェルの真横に位置しています。この後、避難民を収容した後地球に降下すると、電文が来ています」

 

マリューはそうっと言って、立ち上がった。ちょっとお願いと言い残してブリッジを出た。

 

マリューサイド

 

「艦長」

 

エレベータに入った私を追うようにナタルが入ってきた。扉がしますとナタルが口を開いた。

 

「ストライクのこと、どうされるおつもりですか?」

「どうっとは?」

 

私が解らないような言い方をするとナタルはじれったいように言い返してきた。

 

「あの性能だからこそ、彼が乗ったからこそ、我々はここまで来れたのだということは、この艦の誰もが分かっていることです」

 

・・・やはりそう思うか。貴方の頭にはキラ君自身の事は頭に入っていないの?

 

「彼も降ろすのですか?」

「随分と割り切りが良いのね。最初はコーディネイターに機密など触れさせなれないと言っていたのに」

 

私の言葉にナタルは目つきを鋭くさせた

 

「貴方の言いたいことは分かるわ・・・ナタル。でも、キラ君は軍の人間ではないわ。ただの民間人よ」

「ですが、彼の力は貴重です!それをみすみす・・・!」

「ナタル、貴方はキラ君自身の意思を無視して、徴兵したいの?力があろうと、私達には志願を強制することはできないでしょ?」

 

ここまで言うと、ようやくナタルは口を閉ざした。ナタルの言いたい事も理解出来る、確かに魅力的な力ね、キラ君の力は。軍にとってはね

 

「それに、キョウスケ・ナンブとあの機体の事をどうするというのですか?」

「決まっているわ。キョウスケ君はこれから報酬を受け取り次第、ヒリュウ改に戻ってオーブに戻るそうよ」

「あの凄まじい力を持った機体をみすみす!!」

「ナンブ財団、今では地球のナンバーワン企業よ。そんな財団の創始者の機体に手を出して無事だとは思えないわ。それに契約にも違反するわ」

「なら、契約を・・・!」

 

まったく、少しは落ち着いて考えればいいのに、そうすれば貴方がしようとしている事がどれだけ危ない事が解るわ

 

「キョウスケ君が契約を更新する意味も無いわ。もう話は終わりよ」

 

私はそう言って、ナタルを置いてエレベータを出た。

 

キョウスケサイド

 

「それにしても、ようやく肩の荷が下りたという所か」

「ええ、そうですね」

「チェックメイト」

「ええ!?あ!」

 

俺は今、俺に割り振られた部屋でキラとチェスをしている所だ。今、キラに対してチェックメイトを掛けたところだ

 

「い、いつの間に・・・」

「お前が俺のビショップを取った瞬間には、既にナイトの射程範囲にだったんだよ。動かしたとしても、他の駒が追い詰める」

「うう・・・参りました・・・」

 

これで、キラに対して15戦全勝だ。キラも中々強いが、財団には俺でも中々勝てない奴がいるからな

 

「はぁ~・・・もう負け続きですね・・・」

「そう悄げるな。キラも中々腕が上がってきたな、俺も久しぶりに並行思考を使ってしまった」

「へ、並行思考?ま、まさか違う事を同時に幾つも思考してるんですか!!?」

「正解だ、キラがとってくるであろう14の手の対策を並行思考で考えさせてもらった」

 

そう言われると、キラはがっくりと項垂れてしまった。流石にやり過ぎたか?トリィがキラの肩に止まって慰めるように頬を突く

 

『キラ、キラ。キニシナイキニシナイ。ツギニツナゲルツギニツナゲル』

「うん、そうだよねトリィ。ありがとうトリィ」

『トリィ♪』

 

トリィは嬉しそうに、羽ばたいて肩から肩へと移る。

 

「どうやら、トリィのAIはよく機能しているようだな」

「ええ、いい感じに成長してますよ。これから成長すれば片言じゃなくて、人並みに喋れると思いますよ」

 

キラはやはり凄いな、俺も多少手解き程度の手伝いをしたがほぼ自力でトリィAIを完成させてしまった。

 

『キラ、マケタカラm9(^Д^)ナノ?』

「ちょっとぉぉおお!!?どこでそんな言葉覚えたの!!?」

『フラガ♪フラガ♪』

「ムウさぁぁぁぁああん!!」

「・・・」

 

まあ・・・うん・・・


 
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