No.495194

IS x 龍騎〜鏡の戦士達 Vent 0: 与えられた力

i-pod男さん

考えた末に決定したISと龍騎のクロスです。オリ主、オリライダーを出します。ライダーバトルをどうするか・・・・

2012-10-12 01:35:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4540   閲覧ユーザー数:4310

白い空間・・・・・何も無い。寝転がっていた高校生位の青年は白いパジャマの様な物を来ていた。

 

(ここは・・・・・?)

 

「お前は一度死んだ。だが、お前は刺激を求めていた。お前がいた世界はそれを見出だしてくれなかった。違うか?」

 

男の目の前に現れたのは、黄土色と金のアーマーを付けた人物だった。見た目は騎士の様で、右手には鳳凰の姿をあしらった豪奢な錫杖、腹部には金色のベルトに長方形型の薄い何かを差し込んだ物がある。

 

「どうした?」

 

(いや・・・・だが、確かにそうだ。俺は俺の世界で何も見出だせなかった。だから、俺は欲しい。手に入れられる物は全部。)

 

「面白い。お前には、渡しておきたい物がある。」

 

すると、彼の目の前に十四個の色とりどりの金色のレリーフがあるカードデッキが現れた。

 

(これは・・・?)

 

「お前の新しい『力』だ。どれでも好きな物を取るが良い。他人に渡しても、破壊しても構わない。」

 

(・・・・・別のを寄越せ。俺の力だろう?だったら俺が始めからセッティングをしたい。)

 

逡巡している様だったが、青年はつまらなそうに鼻を鳴らす。

 

「言葉に気をつけろ。私がお前の肉体を復活させた事を忘れるな。当然、今この場でお前を引き裂く事も出来る。」

 

彼の周りに異形の物・・・・モンスターとしか呼べない様な怪物達が現れ、青年の回りを取り囲んだ。

 

(そう来なくっちゃな・・・・・ん・・・・?)

 

青年が目を止めたのは赤い目に紫色の頭、銀色の目に青い頭を持ち、頭部に角の様な突起が生え、片方は一対の翼、もう片方は背中に砲門を背負った二頭の大型の狼だった。

 

(あいつらが良い。気に入った。でもまあ、そのデッキも幾つか選ばせてもらう。戦って勝てば、またそれを回収出来る。アンタの言う事も少し位は聞いてやるから。それより、名前は?)

 

「私は・・・・オーディン。仮面ライダーオーディン。」

 

(オーディン・・・・大層な名前だねえ。俺も考えなきゃ、そう言うカッコいい名前。)

 

オーディンは契約のカードをその狼型のミラーモンスター、デュアルーパス・アズラ、デュアルーパス・アマラに向けると、そのカードを青年に渡す。

 

「注意しておくが、変身してミラーワールドに存在していられる時間は有限だ。カードデッキは出入りする為の『鍵』であり、破壊されれば二度と出る事は出来ず、消滅する。精々気をつける事だ。」

 

(ご忠告どうも。早く新しい世界に送り出してよ。早く行きたい。)

 

アタッシュケースの中に入ったデッキを受け取ると、新しく手に入れた銀色の二頭の狼のレリーフが描かれた赤紫のデッキをポケットに押し込んだ。

 

「これから送る世界は、既に混沌に満ちている。それを更なる混沌に陥れるか、またはそれを戻すか。お前の自由だ。連絡は私の使いがする。そこを潜れば、別の世界に現れる。」

 

オーディンの周りにネイティブ・アメリカンの様な姿のミラーモンスター、ガルドサンダー、ガルドストーム、ガルドミラージュの三体が現れる。

 

(分かった。用事があったら呼んで。ありがとね。)

 

光りに包まれ、彼が降り立った場所は・・・・・・明らかに研究室と分かる様な精密機械が散乱している部屋だった。そして目の前には、不思議の国のアリスの様な服装をして、頭には機械的なウサ耳カチューシャを付けた紫色の紙をした女性が立っている。

 

「君は一体誰かなぁ〜?どうやってここに入ったのかなぁ〜?」

 

(あ、そう言えば俺自分の名前も知らないんだっけ。マズッたな。適当に考えるか。えーと・・・・)

 

「人に名前を聞くならまず自分から名乗ったら?」

 

自分の名前を考える為の時間稼ぎをする。

 

「私は天才の篠ノ之束さんだよ〜ん!」

 

「成る程。(よし、これで行こう。)御鏡。御鏡司狼(みかがみしろう)だ。」

 

「じゃあ、シロちゃんか〜!!ねえねえ、どこから来たの?」

 

「鏡の中。これは何?」

 

「ん〜、これはねー、まだちーちゃん以外に教えるつもりは無かったんだけど、特別に教えたげるね〜♪これぞいずれ新進気鋭の物となるマルチフォームスーツ、その名をインフィニット・ストラトス、通称ISなのだー!」

 

「IS、ねえ・・・・ん・・・?」

 

キィィィイイイイィィィイィイイイイインン

 

耳鳴りがして、電源が切られているコンピューターの画面の中から蜘蛛の糸の様な物が伸びて来た。それは束の体に巻き付いて、彼女を徐々にその画面に引き摺り寄せようとした。束は暴れたが、ちょっとやそっとでは切れない。それに加え、元より束は非力な方なのである。

 

「あーあ・・・・」

 

「う・・・うぐ・・・・!」

 

「助けてあげるけど、ISの事、もっと詳しく教えろよ?」

 

束は何も言わずにコクコクと頷く。もう一メートル弱しか離れていない。

 

「コイツは後の楽しみに取っておくか・・・・」

 

代わりに、アタッシュケースの中から適当なカードデッキを引っ張り出した。描かれていたのは、ドラゴンの紋章だった。それをスクリーンに突き出すと、腹に何かが巻き付いた感触があり、僅かに重みを感じる。見ると、そこにカードデッキの差し込み口らしきスペースがバックル部分に設けられているベルトが現れた。そこにデッキを装填すると、虚像が幾つも現れて重なり、鉄仮面の赤い騎士に姿が変わった。ミラーワールドに飛び込み、糸を吐き出していたモンスター、ディスパイダーを蹴り飛ばした。糸は力任せに引き千切る。

 

「えーっと、これをこうして・・・・」

 

デッキからカードを一枚引き出し、左腕のドラゴンの上顎を模した召喚機、ドラグバイザーのカバーを開いて装填する。

 

『ソードベント』

 

「グオオオオオォォォオオオオオオオ!!!!」

 

電子音が鳴り響き、いつからそこにいたのか、宙を舞っている赤いドラゴン、無双竜ドラグレッダーが咆哮を上げた。手に現れた青龍刀の形をしたドラグセイバーを振り回し、ディスパイダーの足場を切り崩すと、頭にドラグセイバーを突き刺した。

 

(あれ?俺こんなに戦いに馴れてたっけ?それに何をすれば良いのか、手に取る様に分かる・・・・!!)

 

「ギシャアアアアアアーーーーー!!!!」

 

そんな事を考えながらも、ディスパイダーが痛みに転げ回っている所で、別のカードを再びドラグバイザーに装填する。

 

『ストライクベント』

 

今度は右手にドラグレッダーの頭部を模した巨大な手甲、ドラグクローが現れた。それを一度後ろに引き、力一杯前に押し出すと、それに合わせてドラグレッダーが巨大な火球(ドラグブレス)を吐き出す『ドラグクローファイアー』を繰り出した。その死体から現れたエネルギーの塊をドラグレッダーは咀嚼し、鏡の中に消えて行った。

 

「まあ、こんな物かな・・・・?腕試しとしてはちょうど良かったか。」

 

再び元の世界に戻ると、束は気絶していた。しばらく立ってから目を覚ました所で、束は不安そうに司狼をみやる。

 

「大丈夫か?あれはもう倒したから心配するな。さて、話の続きだったな。ISは、何なんだ?」

 

「元は、宇宙に行く為に開発されたんだよねー。でも世界中のお馬鹿な人達はそれを兵器に転用しちゃったんだー、ブーブー。それに、天才の私でも直せない欠点があるんだよねー。」

 

「欠点?」

 

「女性しか使えないって事。」

 

「・・・・・おいおい、正に混沌の原因じゃないか。そんな事をすれば世界中のパワーバランスが崩れるぞ?いや、もう崩れているか・・・・・兎に角、それは全部で何個ある?」

 

「ISはコアが無い限りISじゃないから、絶対数は限られているよー?確かー、四百六十七個だったかなー?」

 

「で、お前はそれを世界中に散撒いた訳だ。これは一骨も二骨も折れそうな世界だな。ま、その分面白そうだから良いがな。」

 

「じゃあじゃあ、次は束さんの質問ターイム!シロちゃんのさっき変身したあれって何なの?後鏡の中から何かが出て来たけど、あれは何?」

 

「突拍子もない話だけど、まあ良いか。あれはこの世界と対を成す鏡像の世界、ミラーワールドのモンスターだ。奴らは大抵の場合人間を餌として狙うし、一度狙った獲物はしつこく狙うタイプだ。姿形は千差万別で、ミラーワールドに引きずり込まれたら最後二度と出られない。仮にモンスターから逃げ果せたとしても、時間と共に消滅する。で、俺がさっき変身したのは・・・・・・いや、これは言わないでおいた方が良いか。」

 

「えーーー?!何でなんで!!?教えてよー!!」

 

「それをISのデータに組み込まれたらたまらないから。」

 

アタッシュケースの中にデッキを入れて鍵を閉める。

 

「そうそう、お前が言っていたちーちゃんって誰だ、一体?」

 

「やだなーシロちゃん。ちーちゃんはちーちゃんだよー?」

 

「まあ、それはそうと・・・・一つ聞きたい事がある。その四百六十七個あるコアのうちの幾つかはまだある?」

 

「まだ一つだけ残ってるけど・・・・?」

 

「それ、俺にくれないか?」

 

「んーーー・・・・どうしようかなー・・・?」

 

「別に嫌ならどうと言う事は無い。無理強いはしないし、駄目もとで試してみたい事があるだけだ。」

 

「まあ、気が向いたらねー。」

 

「ああ、後、しばらくここに泊めてくれるか?家事位はやってやる。その代わり、俺にもISの琴をもっと詳しく教えて欲しい。」

 

「おっけい、良いよーー。」

 

(さてと・・・・これもオーディンの配剤か・・・・これからどうなる事やら・・・・)

 

手近にあるソファーをベッドにすると、アタッシュケースを枕にして寝そべった。

 


 
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