No.492789

オフライン 平穏ぎぶみー

ましさん

設定はちゃんぽんです。

2012-10-06 11:37:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1383   閲覧ユーザー数:1339

現在俺はトリスティン魔法学院で春の使い魔召喚の儀式に臨んでいる。

そして首尾よく使い魔を呼び出し後は契約するのみなのだが……

 

はぐれメタルは仲間になりたそうにこちらを見ている。

 

「なんでさ?」

ドラクエモンスターを召喚してしまい呆然とする俺。

これってクロス?

俺は転生者だけど温く貴族ライフをエンジョイしてるだけのへタレだよ?

原作とは無縁に生きると誓ってたのに……。

「どうしました? 早く契約をなさい。君の二つ名に相応しい使い魔ではありませんか」

契約しようとしない俺に監督役のコルベール先生が儀式の継続を促す。

正直俺は気が進まない。

だが「何か面倒に巻き込まれそうなのでイヤです」とは通じないだろう。

前代未聞の人間を召喚したルイズでも異論が認められなかったから。

まあ、ルイズの召喚はまだこれからで、実際には前例がありそうだが

コルベール先生の言った俺の二つ名は「汞(みずかね)」という。

水銀製の不定形ゴーレムを扱うことが由来だ。

ケイネス・エルメロイ・アーチボルトが使っていた

月霊髄液 ( ヴォールメン・ハイドラグラム)が気に入っていたので真似をしたのだ。

もっとも水のラインメイジの俺では自立性の再現はできず手動だが。

さて、使い魔だがどうしよう……

正直言ってはぐれメタルは嫌いではないし、能力的にも期待できる。

たしかギラあたりが使えたはずだ。

俺は火系統が苦手なのでちょうど良い。

ただ、これが原作深入りフラグであることを恐れるのだが……

ま、何とかなるだろう。

前世では仲間にできなかったしね。これを逃す手は無いか。

 

俺は契約を無事に済ませ儀式は進行する。

ルイズも、ひと悶着あった後、平賀才人を召喚契約した。

そしてルーンの痛みが治まった才人がこちらを凝視する。

「はぐれメタル?」違った俺の使い魔を見ていたのか。

「何だ平民。俺の使い魔を知っているのか?」

とりあえず何も知らない振りをして才人に尋ねる。

「ああ、俺の世界のモンスターだな」

 

…ナニカ聞キ捨テナラナイコトヲ言ッタネ才人クン。

 

使い魔の情報に託けて聞き出した話によると、

才人の生まれた世界は俺の前世かそれに良く似た世界 ― ではないらしい。

才人の出身国はジパング。

1000年以上前に女王の卑弥呼が八岐大蛇に殺され

以降、共和制が導入されているそうだ。

他国では王制もありアリアハンが世界で最古の王国だという。

最近ではアレフガルドに通じる穴が発見され交流が再開されたとか。

あとアフリカのネクロゴンド地方にはモンスターの国もあるとのこと。

 

ドラクエⅢ準拠ですかそうですか。

 

OTLとなっている俺を横目に

「アンタ何ができるの!」とルイズが聞いていたが、

「呪文はイオとホイミが使える」との返事に俺の横でorzとなっていた。

加えて剣が使えて特技はドラゴン斬りとメタル斬りらしい。

テメェ俺の使い魔に近寄んじゃネェ。

あ、シルフィードがタバサの後に隠れた。

 

さて俺の使い魔の名前はユーリです。

俺が名づけたんじゃなく親から貰った名前だそうです。

愛称は ゆうぼう。

始め はぐりん と名づけようとしたら「畏れ多い」と断られた。

はぐりん 何者なんだ?

んじゃスタスタにしようといったら鳩尾に体当たりを食らった。

突然の暴行に涙目で文句を言うと、

般若の形相で「あの無節操な犬のことは言うな」と凄まれた。

とりあえず土下座をしておいた。

スタスタ…お前なに仕出かしやがった……

 

才人の世界がドラクエ準拠という外は

その後学院生活はテンプレどおりに進んでいった。

 

決闘イベントは才人が石礫を武器に一体目のワルキューレを破壊。

ギーシュがワルキューレを複数出したところでイオで攻撃。

何回か殴られたがホイミで回復、イオでトドメを刺しギーシュは降参した。

魔法を使ったので厨房の面々にはいまいち受けが良くなかったが

シエスタは貴族の横暴から助けてくれた才人に好意を抱いた。

ちくせう、もげろ爆発しろ。

 

買い物イベントではちゃんとデルフリンガーを手に入れた。

ロトの剣とかではなく、まずは一安心。

でも魔神の斧があったので ゆうぼう の為にその内破壊しておこうと思う。

 

フーケと破壊の杖のイベントだが、ブツはなんときわどい水着の上下。

こんなものを秘宝にしていた学院長にキレたフーケが襲い掛かったため、学院長襲撃イベントに変更されてしまった。

アレ並みの鎧より硬くて炎と雷にも強いんだけどね。

 

そしてアルビオン潜入。

俺はルイズ、才人、ギーシュと共に出立しようとしている。

 

……なんでさ。

なんで俺が原作にドップリ関わってるんだよ!?

はじめに俺は原作と無縁に温く生きるって言ったじゃないか!

「どうしましたマスター?」ゆうぼう が尋ねてくる。

そうだよ、こいつだよ、ゆうぼう だよ!

俺が努めて無関係を保とうとしているのに、

「二股は感心しませんね」とか

「私も王都を見たいです」とか

「貧弱なゴーレムですね」とか言って

原作と関わっちゃうんだよ! 止めようにも力じゃかなわないし…

魔法は効かない、月霊髄液 ( ヴォールメン・ハイドラグラム)でも力不足。

しかも高レベルらしくてベギラゴンやそれ以上の呪文も使えるとか。

戦力的には ゆうぼう がいれば大丈夫だし、俺もそれなりだけど

虚無とかエルフとか出てきたらちょっと心もとないし…

 

ああ、俺の平穏はどこに?

 

 

 

ゆうぼう のつぶやき。

「……マスターには気合が足りていません。

 このミッションでもたっぷり鍛えてあげましょう。

 うふふ……楽しみです……」

 

平穏は程遠いようだった。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択