IS学園、体育館。
そこで2学期での始業式が行なわれていた。
『それでは、日本国家代表の天上院刹那さんのお言葉です』
アナウンスの後黒い長髪に着物を着た女性、天上院刹那が体育館のステージでのマイクを握った。
(国家代表か、楯無さんはロシアの代表だったな…)
ジンヤはそう思っていると、天上院は言った。
「初めまして、国家代表の天上院刹那です」
そして、チラッとジンヤと一夏を見ると喋り始めた。
「皆さん、この世界では女性大統領という風に昔ではありえない事になっています。つまり、私達は世界を変える事ができるのです。ですが、アメリカは未だに男女平等を貫いていて、世界を見ていない時代遅れの国…いや、傲慢な者しか居ない国です。また、BSAAという組織がバイオテロと戦っていますがあんな組織などIS委員会からすれば邪魔者でしかありません。そこで私達は…」
その言葉にジンヤはキレた。
「なるほど…それはアメリカに対する事なのか?」
その言葉は静かに言ったが、体育館中に響き渡った。
「あら、あなたは世界でISを動かせる男性の神崎ジンヤさんですね…あなたは時代遅れの国を庇うんですか?」
その言葉にジンヤは呆れた風に手を上げると言った。
「僕は愉快なアメリカ人さ…それ以前にはっきり言おう………その言葉、国際問題物だよ」
その言葉に天上院は微かに動揺した。
「こ、国際問題ですって…」
それを見たジンヤは口元に笑みを浮かぶと言った。
「単純だ、お前はさっきアメリカを時代遅れの国と言った。これは我がアメリカ合衆国やBSAA、大統領、マイケル・ウィルソン・Jrに対する宣戦布告と捉える事も可能だ!」
それを聞いた天上院の顔は青ざめた。
アメリカはIS委員会を凌ぐ程のオーバーテクノロジーを保有していて、男女平等の貫いている。
BSAAは対バイオテロの精鋭で組織されていて、世界各国に支部を持っている。
マイケル・ウィルソン・Jrはクーデターに参加したIS部隊を殲滅した事が有り、BSAAの事を好意的に思っている。
もし日本がアメリカと戦争する事になったら、日本に勝てる見込みは1パーセントも無い…
「だ、黙りなさい!いくらあなたが世界でISを動かせる人間でもあなたの言う事を信じる奴なんて…」
「貴女がお黙りなさい!例え、世界の全てが否定してもわたくし、セシリア・オルコットはジンヤさんの事を信じますわ!」
セシリアがそう言うと、他の皆をジンヤに同意し始めた。
「私も嫁の事を信じる!」
「あ、僕も」
「私もさっきの事に腹が立っているからな…」
「パパの言葉を信じるよ!」
ラウラ、シャル、箒、アリスがそう言った。
「アタシも信じるわ!」
「鈴と同じ様に…俺は相棒を信じるぜ!」
「私も…信じる」
「お姉さんはちゃんと信じるからね♪」
鈴、一夏、簪、楯無も同意した。
他に真耶や本音を初めとした殆どの生徒や教師も言った。
「け、決闘よ!私が勝ったら、さっきの事をチャラにしなさい!後、罰としてあなたのISを渡しなさい!」
「なに…」
「あら、怖いんですか?(アメリカが開発したISを委員会に届ければ、委員会から特別報酬や地位が確立する…)」
すると、ジンヤはため息を付くと言った。
「上等、その決闘を受けて立つぜ!」
「よし、分かった」
今まで傍観していた千冬が言った。
「あ?」
「千冬様!」
「30分後、アリーナで決闘を開始する!」
その言葉に体育館に居た人はアリーナへ向かい始めた。
だが、ジンヤは千冬に詰寄った。
「アンタ、ブリュンヒルデになってから常識をぶっ飛んだのか?」
「何のことだ…」
その言葉にジンヤは呆れた。
「先ほどのアイツの言葉にアンタは何も言わなかった。何故だ?」
「………」
「だんまりか…コイツは言えるぜ。止める事が出来たのにアンタは止めなかった。先輩として教師として人としてダメだな…」
その言葉を言うと、ジンヤは去った。
「………」
千冬は言葉を失った。
そして30分後、アリーナでは…
アリーナの観客席では生徒や教師達で満員だった。
アリーナには天上院が自身の専用機、第3世代IS二次移行型、天之神・天を展開していた。
白を基本カラーにしていて、右手には仕込み刃入りの刀、天之刀を左手には火縄銃型のレーザーライフル、炎砲を持っていた。
そこにジンヤがSPEC OPSのマークが有る軍服姿で来た。
「おや?ISスーツ無しで来るとは…降参かな?」
「…ジャンボット、ジャンナインはISスーツを内蔵しているんだ。起動」
その言葉を言うと、ジンヤの身体にISが展開し、ジャンボットではなく、忍・灰狐になった。
そして、試合が始まった。
「では、始めましょう。調眼」
すると、天上院の目元にバイザーが覆われ、忍・灰狐について解析し始めた。
「灰狐のスペックを見ているのか…」
「そう、戦いにおいては情報が…て、嘘!?」
灰狐のスペックを見ると、天上院は驚愕した。
「スペックが…打鉄並ですって!ふざけないで!!」
天上院は炎砲でジンヤを撃とうとするが…
「遅い」
ジンヤは左腕に展開されたレールガン、パラケルススの魔剣を炎砲の銃口を撃った。
「きゃあ!」
炎砲が暴発して、撃てなくなった。
すると、ジンヤは左腕のパラケルススの魔剣を解除すると、ファイティングポーズをして言った。
「戦いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない…」
「格闘ですって…野蛮ですね!」
そう言うと、天之刀に仕込まれている刃を投げるがジンヤは手刀で防いだ。
「まだまだ!」
天之刀で突きを繰り出すか…
ジンヤはギリギリで横に回避した。
「なんで…打鉄並のスペックで回避できるの!?」
「スペックは打鉄並だけどジャンボットや忍・灰狐はスペックが変化するんだ。つまり、忍・灰狐は神崎ジンヤ自身の力だ…青春には限界というのは無いんだ!!」
そう言うと、ジンヤは天上院の首に手刀の突きを繰り出した。
「ぐへぇ!?」
そのまま、天上院の腹部に蹴りを繰り出した。
「ふぉあ!?」
隙だらけになった天上院をジンヤは掴んだ。
「さてと、地獄へとご招待します。拒否は有りません」
天上院を掴んだまま、ジンヤは上空に飛んだ。
「は、離しなさい!」
「お断りします」
そのまま上空に飛ぶと、急降下し始めた。
「離せぇぇぇぇぇぇ!!」
「急降下地獄〜!!」
そのまま、天上院を地面に叩き込んだ。
ジンヤは足元のブーストを上手く使いつつ、ゆっくり着地した。
そのままジンヤはファイティングポーズを取るが…
「あれ?」
アリーナにできたクレーターで天上院が口から泡を吹いて気絶していた。
『勝者、神崎ジンヤ』
「…弱すぎだろ、口先だけかよ………」
ジンヤがそう呟いた。
一方、アリーナの通路に千冬がカメラを持っていた。
「それなりに録画できたな…」
そう呟くと、千冬はカメラの映像を確認し始めた。
その映像は忍・灰狐の映像だった。
「委員会にこの映像を渡さなければな…」
すると、カメラが真っ二つに破壊された。
「ッ!誰だ!!」
千冬がそう叫ぶと、そこにはアリスがA(アリス)パッドソードを構えていた。
「神崎妹…何のマネだ」
「あなた、パパのISのデータを委員会に売り渡そうとしたでしょ?怒りたいのはこっちだよ…」
そう言うと、アリスはA(アリス)パッドソードをA(アリス)パッドに戻すと、言った。
「パパは篠ノ之箒を許し、篠ノ之箒も反省したから私は篠ノ之箒を許すけど、私はあなたを絶対に許さない!!」
アリスはそう言ってその場を去った。
すると、千冬は舌打ちして呟いた。
「小娘が…」
一方、ジンヤは自分の部屋に戻り、ベッドの上でリンゴをかじっていた。
すると、アリスが部屋に戻ってきた。
「ただいま〜」
「おかえり、アリス。リンゴ食べる?」
「うん、ウサギさんでお願いね」
「分かったよ」
ジンヤはリンゴを1つを持つと、部屋にあるキッチンでリンゴを剥き始めた。
「そういえば、楯無さんが明日、大切な話が有るって」
「大切な話?何だろうな…」
そしてジンヤは明日からしばらく災難に見舞われる事になる…
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どうもギアルです。
今回から2学期編が始まります。
それではゆっくりしていってね!
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