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魔法少女リリカルなのは~ゼロから始まる転生者達~第13.5話「友達の気持ちその2」

wisteriaさん

閑話です。

2012-09-25 22:43:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1224   閲覧ユーザー数:1193

つぐみちside

「いい加減になさいよ!!」

 トイレから戻るとバンッという机を叩いた音が教室に響いた。音のした方を見るとアリサがなのはの机を叩いたらしく隣の席にいたみつるがビクッとなっている。

「このあいだから何を話しても上の空で、ボーっとして!」

「ご、ごめんアリサちゃん……」

「ごめんじゃない!!そんなにあたし達と話すのが退屈なら、一人でいくらでもボーっとしてなさいよ!」

 アリサは教室を出て行き、すずかはアリサを追いかけたがみつるはどうしようかおたおたしている。

「ど、どうしたんだろうあの二人?」

 横を向くと三島が尋ねてきた。

「ねえつぐ、あの二人つぐの友達でしょ何とかしないと……」

「わかっている」

 なのはがボーっとしている原因はおそらくあの子……フェイトととしの事だろう。

 またジュエルシードが見つかれば彼女と対峙するだろう……相手が何のためにジュエルシードを集めているのか何もわからないまま。

 としは学校に来ているが、なのはから聞いたが毎週剣の稽古に来るはずだったとしが今週来なかったようだ。

 また、俺やなのはがとしと話そうと近づくとスッと俺達を避ける。おそらくアリサは悩んでいるいるのに何も話さないなのはに苛立ちを覚え、爆発したのだろう。

 ……アリサを説得するか。なのははみつるが何か言いたそうにしているみたいだからあいつに任せたいがまだおたおたしているな。

「とりあえず俺はアリサを追って話をする。三島はみつるの様子を見といてくれ」

「うん。がんばってね、つぐ」

 俺は教室を出て、アリサを追いかけた。

 俺が、アリサを追いかけ階段の所まで行くとすずかの声が聞こえた。俺は二人の視界の入らないところで聞き耳を立てる。

「友達でも言えない事はあるよ。なのはちゃんが秘密にしたいことなら、私達は待っててあげることしかできないんじゃないかな」

「それがむかつくの!少しは役に立ってあげたいのよ。何にもできないかもしれないけど、少なくとも一緒に悩んであげられるじゃない!」

「やっぱり、アリサちゃんもなのはちゃんのことが好きなんだね」

「そんなの、当たり前じゃないの!」

 どうやら俺のお節介はいらないようだったな。

「そこにいるのはわかっているわよ。つぐ」

 ムッ?二人には見えない位置に立っていたはずだが、体内にサーモグラッフィーでもあるのか?「つぐみち君、聞いてたの?」

「友達が剣幕を立てて声を出してたら聞き耳立ててでも心配する」

「盗み聞きしたことをあっさりと肯定するのね」

 アリサは苦笑いして俺に言った。

「つぐみち君、なのはちゃんと二人としみつ君とケンカでもしたの?」

 やはりすずかもとしの行動に気づいてたのか。

 あいつはフェイトと組んだから、必然的に友人であるなのはと戦うことになるから気まずくなったんだろう。俺には何の躊躇なしに切り掛かってきたが……

「少し諍いがあってな。それで気まずくなって、何度も話そうとしたんだが向こうが避けていてな」 魔法のことは二人には言えないが話せる部分は話した。

「けど、あいつが話してくれるまで俺は何度でも話しかけるつもりだ。いつまでもこんな状態なのは嫌だからな」

「つぐみち君もなんだかんだといってとしみつ君のこと好きだね」

 もちろんだ。あいつがいなければアリサ達と会うことも無かったし、それにとしのような奴がいないと面白くない、とても大切な友人だ。

「ところで、なんでなのはじゃなくてあたしの方へ行ったの?」

「なのはの方はみつるが話しかけようしてたからあいつに任せようと思う」

 すると、アリサが難しそうな顔をした。

「……みつるで大丈夫なの?」

「大丈夫……とは言えないが背中を押してやれば自分で話すと思う」

 あれからみつるは話したのだろうか。話も終わったし教室に戻ってみるか。

 

教室に戻ると、三島が駆け寄ってきた。

「つぐ、どうだった?」

「大丈夫だ、むしろ俺が行かなくても良かった。みつるはどうだ?」

 俺が聞くと、三島は小さく頭を振り、

「まだ話していない」

「……そうか」

 俺が行って話してもいいが、それだとみつるの面目が潰れてしまう。そろそろ授業が始まるから授業中にでも考えるか。

 

 結局、俺はみつるになのはと話すように促すという事にした。というのも、放課後になってもみつるはなのはに何も言えずじまいだったからだ。

 そのことを話すために俺はみつるの後をつけているが、……これって自分で思うのもなんだがストーカーだよな。

 ん?みつるが突然電柱に隠れたがどうしたんだ?道の奥を見ると栗色の髪をツインテールで括った少女――なのはがいた。

 なのははこの道を通らないはずだが、寄り道でもしているのか?

 だがこれはチャンスだ。みつるに今なのはと話すように促せばよい。早速俺はみつるに近づき、声をかけた。

「何やっているんだみつる」

「つ、つぐみち君なんでここにいるの?帰り道が違うんじゃ」

 ああ、そういえば俺もこの道は通らないから疑問に思うよな。

「寄り道しているんだ。……それよりみつるお前なのはをストーカーしているのか?」

「ちょ、ちょっと待って!僕はそんなことしてないよ!なのはちゃんが違う道を通っているのが珍しいなぁって思っていただけだよ」

 みつるの奴、冗談なのに慌ててるな……実際にストーカーしているのは俺のほうなんだが。そしてその対象はみつるなのだが。

「電柱に隠れてこそこそしている姿を見ていたら誰だって怪しむぞ」

 俺も言えた義理じゃないが……

 しばらくするとみつるは黙り込んだ。そろそろ本題に入るか、

「……なのはとアリサの事、心配なのか?」

「う、うん」

 また黙り込んだ。

「行ってこい」

「え?」

「友達に話したいことがあるなら直接自分で言え。その方がお前も言いたいことが言えてスッキリするだろ」

「ありがとう、つぐみち君。僕、行ってくるよ」

「早くしないとなのはを見失うぞ」

 そう言うと、みつるはなのはを追いかけ、話しかけた。さて、俺のやることは果たしたし、帰るか。

 俺は来た道を戻り自宅へと帰るとベットに横になった。

 今日はちょっと疲れたから昼寝でもしておくか。俺は目を瞑るとそのまま深い眠りに落ちた。

 

「友達の気持ち。その2」     完


 
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