あれから一週間、山田先生の徹夜の努力により再び部屋割りを変更され
私の部屋は二人用の部屋を一人で使う運びとなった
「zzzzz・・・」
今日は日曜日だ、いつもみたいに早起きする必要はなくぐっすりと睡眠がとれる・・・
「おい、妹」
「・・・なんでここにいるの?」
ベットの横に何故かボーデヴィッヒさんが立っていた
ちなみに妹扱いには慣れた・・・というか気にしない事にした
「兄をもらうぞ」
「あ、うん・・・ご勝手に・・・だから私の睡眠を邪魔しないで・・・」
睡眠>織斑君
うん、私の考え解り易いな
「わかった」
そう言ってボーデヴィッヒさんは部屋を出ていく
「zzzzz・・・・」
だが私の睡眠はものの一時間後に終焉を迎えたのだった
~一時間後~
ドンドンドンッ
ドアが破れんばかりにノックを受けた
「・・・なに・・・?」
フラフラと覚醒しないままドアを開ける
ガチャ(ドアを開ける音)
スカッ(拳が空を切る音)
ゴッ!!(拳が私の頭に当たる音)
「痛ぁっ!?」
突然の拳骨にその場で頭をおさえる
「す、すまん!!」
痛みを堪えながら顔を上げると頭を下げる織斑君がいた
「とりあえず中に入れてくれ!!」
そう言って織斑君が部屋に入ってドアを閉める
「ふう・・・これで一安心だ・・・」
なにか鬼から逃げてきたような表情で、織斑君がため息をつく
「何があったの?」
とりあえずさっきの拳骨は事故という事で私は聞かない事にした
「いや・・・それがな・・・」
~状況説明中~
話を聞くと、起きたらボーデヴィッヒさんが織斑君のベットの中にいて、
それを見た篠ノ乃さんが誤解して真剣を振りかざし、さらに騒ぎを聞きつけた
その他専用機持ちメンバーがそれに加わって絶賛逃亡中
「・・・で、ここに逃げてきたと」
「うう、すまん・・・」
凄いね・・・何が凄いかって?
毎回私を巻き込む所が
「さて、私は朝食食べるけど。織斑君は朝食摂った?」
「食ってない。起きてすぐこうなったからな・・・」
グ~っとお腹が鳴る音が聞こえた
「それじゃあ織斑君もどう?」
食パンと卵とハムとミルクを出して簡易キッチンに置く
「いただく・・・」
死にかけてるね~ホントに・・・
食パン二枚をオーブンに入れてから焼く
ちなみにこの学校寮、室内にキッチンがあってしかもレンジ・オーブン・冷蔵庫など各種調理用器具一式
それが完備されているのだ・・・各部屋に
「ホント凄いなぁこの設備」
フライパンで目玉焼きを焼きながら思う
「ほいっと・・・少し水を入れてからフタをして・・・」
こうすると半熟になってしかも出来るのがはやいという一石二鳥
オーブントースターの方もパンに焼き色が付いた所で皿にのせる
「よし、出来あがり~」
朝食には一般的なトーストと目玉焼き(ハム付き)の完成~
それを机の方に持っていく
「はい、どうぞ」
「おお、普通にうまそうだな~」
普通にって・・・まあ、人に食べてもらう機会が無かったからなんともいえないんだけど
「それじゃあ、いただきます」
「いただきます」
トーストの上にバターのせようとした・・・と
コンコンコンッ
「ん、来客かな?」
食事を中断してドアを開けると・・・
「おはようございます。あの・・・一夏さんはいらっしゃらないかしら?」
織斑君討伐部隊員の一人、英国代表候補生セシリアさんが居た
「え・・・どうかしたの?」
「実は一夏さんにとっても大切なお話がありまして・・・」
大切な話?・・・なんだろう?
でも少なくとも乱闘になるのは明白だね
「う~んここには来てないね~」
嘘、通るかな・・・?
「そうでしたの・・・早朝からすみませんわね」
通ったっぽい。よかったぁ~
でもバレたら私死ぬんだろうな~
嘘ってバレた時のほうが怖いんだよね・・・
「それでは」
セシリアさんは去って行った・・・ふぅ
ドアを閉めてから、再び机に戻る
「・・・すまん・・・」
「いいって。それより冷めないうちに食べようよ」
それから朝食を摂った
「ふう、ありがとよ。うまかったぜ」
「喜んでいただて何より」
どうやらおいしかったみたいだ
「さて・・・そろそろ俺は戻るな」
そう言って織斑君はドアに向かう
「気を付けてね~」
「おう」
それから織斑君を見送ろうと玄関に行った
カチャ
なるべく音を立てない様にドアを開ける
「・・・クリア」
「ああ、サンキューな」
織斑君が部屋から出た・・・瞬間
「見つけましたわッ!!」
曲がり角から出てきたセシリアさんに見つかった
「やべッ、逃げねーと!!」
全力疾走で逃げていく織斑君。さて、私は部屋にーーー
「フィリアさん!?まさか私に嘘を・・・」
「わーわー落ち着いてセシリアさん!!」
戻れず、結局私も逃げる羽目になった
~十分後~
「はあっ・・・はあっ・・・」
「つ・・・疲れる・・・」
途中で討伐隊フルメンバーになってから、十分ほど全力疾走してなんとか逃げ切れた
現在位置は保健室。木里先生になんとか事情を話してからかくまってもらっていた
「でも、なんか凄い誤解が生じた気がするんだよね・・・」
逃走中のハンターの発言
「一夏ぁッ!!あんた妹にまで手を出したの!?」
「一夏っ!!この不埒者が!!」
「一夏さん・・・妹さんと二人で逃避行なんて!!」
「嫁よ、そこまで死に急ぐか!!」
・・・何この状況
「もう泣きそうだよ・・・」
皆の私に対する認識が末期レベルという事に
「俺も泣きてーよ・・・」
待った。原因は織斑君のお人好しだからね?
っとまずい、本当に涙が出てきた
「とりあえず、ここでしばらくーーー」
プシュッ
医務室出入り口のドアが開く音がした
「一夏っ!!ここにいるのはわかってるわ!!今すぐに投降しなさい」
え、何でバレたの!?
「ふふッ、ISにはコア・ネットワークによって互いに位置を特定できるようになっているのですわ」
そうだった。確かそんな機能があったんだった・・・不覚・・・
「あ、でもそれって・・・ISを使ったって事?」
「そうよ。それが?」
「この学園はどの国家にも所属しない。故に、法律など存在しない・・・だが・・・」
その声が聞こえた瞬間、リンさんとセシリアさんはコンクリートのように固まった
「敷地内でも許可をされていないISの機能使用は禁止されている・・・この意味がわかるか?」
そう、私のクラスの鬼担任こと織斑千冬先生の堂々たる登じょーーーー
ベシッ
「・・・痛い・・・」
回避不能の高速出席簿
「今何か失礼な事を考えていただろう」
「・・・はい、すみません」
何でバレたんだろう?
最近の上官ってみんな読心術を身につけてるんだろうか・・・中佐とか
「お前達二人・・・いや、そこの角に隠れている二人も含む四人は、後で反省文を提出するように」
あ、フルメンバーだったのね・・・でも篠ノ乃さんは専用機持ちじゃなかった気がする
・・・ああ、巻き添えか。
「全くお前達は・・・面倒事を起こすな」
「はい・・・すみません」
「いや、お前はいい。大方、そこのバカに巻き込まれたのだろう?」
そう言われて頭を撫でられる・・・何で子供扱いされてるんだろ私
「すまん、フィリア」
「だから別にいいって・・・」
こうして逃走劇は、私達逃げる側の勝利となった(何を言ってるんだろう私)
あれから私は、教室棟屋上でのんびりしていた
「ふぅ・・・のんびりできるっていいな~」
前じゃ考えられなかったもの
いつスクランブルかかるかわからないから
「それにしても、やる事ないなぁ~・・・」
屋上の芝生に寝てから空を見る
雲ひとつない快晴で、どこまでも青く透き通っていた
「・・・・・・・」
静かな風の抜ける音と、少し寝ている場所の芝生がサワサワと音を立てる
昔はそんな音を聞く暇や余裕はなく、ジェットエンジンの轟音と戦闘機の翼が空を切り裂く音が
絶え間なく空を満たしていた
だからなのか、こんな静かに時間を過ごすという事自体が、私はとても新鮮に感じた
「・・・・・・すぅ・・・・」
いつの間にか、私は目を閉じて眠りについていた
バサバサバサッ
鳥の羽ばたきが近くで聞こえる
でもそれも今は心地よい子守唄ーーー
山田先生視点
「フェイリールドさ~ん・・・ってあれ?」
アメリカからフェイリールドさん宛てに荷物が届いて、受け渡そうと屋上に来たんですけど・・・
「・・・・すぅ・・・・」
フェイリールドさんは何故か芝生の場所に寝ていて、その周りにハトが集まっていた
「・・・ん?」
よく見ると、フェイリールドさんの頭に何か付いていた
それが何なのか、近くにいって確認しようとすると
バサバサバサッ
「ひゃあッ!?」
周りにいたハトが一斉に羽ばたいて飛び去っていった
「び、びっくりしましたぁ~・・・」
「・・・ん・・・あ、おはようございます」
その羽ばたきで目が覚めたのか、フェイリールドさんは体を起こした
「あ、はい。おはようございます・・・」
再度、フェイリールドさんの頭を注視するが
「(あれ?何も付いてない・・・)」
いつもと同じように、紺色の髪が風で少し揺らいでいる
「あの・・・私の頭に何かついてるんですか?」
「あ、いや、何でもないです。あ、コレがフェイリールドさん宛てに届いたのでその確認をーーー」
それから荷物を受け渡してから私は職員室に戻った
「うう、彼女の謎が深まるばかりです・・・」
また一つ、悩みの種が生まれた
フィリア視点
「ん・・・荷物ってなんだろう?」
部屋に戻った私は、山田先生から受け取ったアタッシュケースを確認する
カチャ
「これって・・・」
アタッシュケースの中に入っていたのは
・私のパジャマ(ジャージ)
・私の私服(調べるとホルスターが装着されている)
・米軍の制服(一応アメリカ空軍所属という事らしい)
・私の通帳(自分でもどのくらい入っているのか認識していない)
・護身用拳銃(コルトM1911の近代カスタムモデルっぽい)
・予備弾薬(45ACP 強化ゴム弾 45AP弾)
・手紙
ふむ・・・日常生活で使える物はパジャマと通帳くらいだね
手紙を開けて読む
よう相棒、まだ生きてるか?
お前が居なくなってる間に世界は変わった
俺は今、司令の推薦で米軍の総司令をやってる
あと、TLには俺の副官をやってもらってる
UYには今は戦闘機の訓練教官をやってもらってる
そして、調べたと思うがベルカ戦争の後、何回もデカイ戦争が起きた
その全てが裏でベルカに関わりがあったんだ
とりあえず、お前が必要そうなの送っとくからな
他に必要な物があったら同封する連絡先に連絡しろ
これからまた、大きな戦争が起きた時は
またよろしく頼むぜ、相棒
手紙はそこで終わっていた
もう一枚の紙には、端末認証番号 電話番号 メールアドレスなどが書かれていた
私はそれらを自分の端末に登録する
「ふあ~・・・寝ようかな」
まだ正午だが、なんかやる事ないから寝る事にした・・・すると
ピピピッ ピピピッ
携帯端末に着信
「織斑だ。お前臨海学校で使う水着、持って無いだろう?今から買いに行くから付いて来い」
「・・・はい」
今月末には臨海学校という・・・合宿?みたいなのがあって、何でも水着がいるらしい
「仕方ない・・・行こう・・・」
昼寝はお預けとなった
「来たか・・・」
「来ましたよ・・・」
言われた通り、学園のターミナルに着いた私は織斑先生達と合流した
「さて、行きますよ二人とも」
山田先生に言われて私は電車のような物に乗る
「凄い・・・」
空中に浮いてる・・・下に海が見える
「ははは。そう言えばお前の居た場所にはこんな乗り物など無かったからな」
「織斑先生?今聞くのは何ですが、フェイリールドさんは一体・・・」
うわ、今それを聞かれるのか
「山田先生、コイツの事はまた近いうちに説明しますから」
「は、はい。絶対ですよ?」
何とかこの場は凌げたみたいだ
でも、いつか皆に話さなくてはならない
私の正体を・・・私が今まで身を置いていた空を
その時、皆はどんな反応をするんだろうか?
「よし、到着したぞフェイリールド。どうした?」
「あ、いや・・・何でもありません」
どうやら目的地に着いたみたいだ
「さて、水着売り場に行くか」
「私も新しい水着を買わなきゃいけませんね」
「あの~・・・私の水着は買わないって選択肢は?」
「「ない(です)」」
むぐ・・・確かに泳ぐ事事態は好きだしライフセイバーの資格ももっている
(取得して三十年経った今使えるかどうか不明)
けどクラスの皆みたいにはしゃぐ程でもないからな~・・・
~水着売り場~
「うわ~こんなに種類があるのか水着って・・・」
水着売り場に到着した私はその種類の多さに驚いていた
「これじゃ選びきれないなぁ~・・・」
とりあえず、どんなのがいいのか分からないので先生に聞く事にした
「・・・何してるの?」
何故か試着室前で正座させられている織斑君とシャロ(前に決めたあだ名)を発見した
その周りを囲むのは専用機持ち(ラウラを除く)は、ため息混じりにそれを見ていた
「あ、あー。私ちょっと買い忘れがあったので行って来ます。
えーと場所が分からないのでファンさんオルコットさん、ついてきて下さい、あとーーー」
おお、山田先生が何か閃いたみたいだ。
そう言えば織斑先生と織斑君って姉弟なんだったね
多分そういう心遣いなんだろう。なら私も皆の方に行くべきなんーーー
デュノアさんも」
あのー山田先生?今私の名前が呼ばれなかった気がするんですけど気のせいですよね?
「(・・・山田先生?)」
ボソッと山田先生に聞く
「(姉と兄妹水入らずなんですから、ゆっくりしていってくださいね?)」
もう嫌だ、この学校・・・
「(山田先生、何冗談を言ってるんですか?私は兄妹ではありませんよ?)」
「(・・・ゑ?)」
もう嫌だ、この扱い・・・
「では、皆さん行きましょう~」
あ、置いてかれた・・・
現時点でここに残っているのは三人
織斑先生、織斑君、そして私
「・・・全く、山田先生も余計な気を使う」
どうしたら誤解は解けるんだろうか
なんかもう山田先生まで皆と同じように見てくるから逃げ場ないし
だれか~私を救ってくれる人いないの~・・・
「まあ、言っても仕方がない、か。一夏」
「な、何ですか織斑先生」
織斑君がひきつけているうちにバレないように戦線離脱を図る。そ~っと
「待て、どこへ行く?」
ガッと首根っこを掴まれる。苦しい・・・
「いや、私も買い忘れがーーー」
「お前はまだ水着を買ってないだろうが」
「いや、そうですが・・・」
「丁度いい。お前達はどっちがいいと思う?」
先生は二着の水着を持って聞いてきた
片方は黒い水着
織斑先生のクールな雰囲気を十分に活かせる水着だ
もう片方は白い水着
織斑先生に白は・・・微妙だ・・・
「私は黒がいいと思います」
正直に話さないと後で痛い目に遭いそうだからね
「・・・白の方」
と、言いつつ彼も黒い方のビキニを見ている
ホントに解かり易いなぁ
「黒の方か」
「いや、だから白の方が」
「ウソをつけ、お前が注視していたのは黒の方だったぞ。
昔から、お前は気に入った方を注意深く見るからな。すぐわかる」
そんな会話で織斑先生の水着は決まった。さて、私もそろそろ自分の探さなきゃね
~臨海学校初日~
私達第一学年生徒は移動用のバスの中で騒いでいた
「・・・うるさいなぁ・・・」
半分眠りに落ちようとしていた私は少し眉間にしわを寄せた
「仕方ねーよ。皆楽しみなんだろうからな」
と言うのは隣に座っている織斑君
なぜ隣かと言うと、クラスのあるメンバー達が
「ここはクラスメイトとしてこの私が一夏さんの隣に」
「セシリア、それを言ったら全員クラスメイトだよ?」
「ここは当然、幼馴染のこの私がいくべきであろう」
「何を言う、一夏は私の嫁だ。ならば、私が行くのが当然だろう」
こんな感じに取り合いをしていた
そしたら
「まあまあ、ここは公平にくじで決めようよ」
それに皆納得したのか、くじ引きで決める事になった訳で
「あ~・・・ハズレだ~」
「うわぁ~私もハズレだよ~」
「ハズレ・・・(がくっ)」
用意された箱からみんな自分でクジを一枚取っていく
そして、私が取って開けると
「・・・ハズレ」
うん、私が取ったクジには何も書いてなかった
私はそのクジをポケットにしまってから席に戻る
「おお、という事は私がアタリ?ラッキー」
最後にクジを引いた人がクジを思いっきり開ける・・・が
「あれ?何も書いてない・・・もしかしてハズレ?」
クラス中がざわめく
「まさか・・・アタリの入れ忘れ?」
「ええ~!?じゃあさっきのクジは!?」
「無効って事ね~ごめん」
皆がブーイングを放つ
すると誰かがこんな事を言った
「時間ないし、投票で決めようよ」
「そうだね、じゃあ皆、さっきのクジに ”織斑君の隣の席が似合う人” を書いて回収~」
という運びになったのだ
う~ん誰が似合うかな・・・あ、そうだシャロがいいかも。仲いいみたいだし
それから書いてクジを回収されて、集計結果はその日の放課後という事になった
~放課後~
「ではでは集計結果発表~♪」
どどん!!と前に出たのは女子Aさんこと櫛灘さん
最近の噂は彼女を通して広がっているらしい
うん、私の妹疑惑を考案した人物の可能性大
「第一位は・・・妹ちゃんことフェイリールドさん!!」
「異議アリッ!!」
そろそろ我慢の限界だね
「何で私なの!?あと妹じゃないからね!?」
よし、はっきり言えた。これで私の妹扱いは修正されーーー
「だって本当にそう見えるんだもん」
「うん、みえるみえる」
「修正はききません(キリッ」
修正してよぉぉぉぉぉ!?
「理由はあるよ?他の人が隣にいくよりいいからね~」
「あと、兄妹のほんわか和むやりとりを所望しますっ!!」
「そして兄妹であんな事やこんな事を・・・///」
ちょっと最後の人!!何で頬を赤らめるの!?
「それじゃあそういう事で★」
「わたしの拒否権は!?」
「「「ありません!!」」」
補足だが投票用紙に書いてあった名前は全て妹だった。
このクラスに逃げ場はないという事に私は少し絶望した
という訳で今に至るんだけど・・・
じぃ~っ
視線が半端じゃないのだ
「・・・(ニコニコ)」
「・・・(ソワソワ)」
「・・・(ワクワク)」
どういう事なんだろコレ・・・
「私は寝るから・・・着いたら起こして~」
織斑君にお願いする
「ん、わかった」
こうして私はバスに揺られながら短い眠りに着いた
一夏視点
あれからフィリアは寝てしまった
前日までいろいろあったみたいで、寝ると言ってから数十秒で眠りについた
「・・・・zzz・・・・」
ぽすっ
バランスを崩したのか、俺の方にフィリアは寄りかかってきた
「・・・まあいいか」
起こすのもかわいそうだし
横で寝息を立てる転校生、フィリア・フェイリールド
一時期同じ部屋で過ごしていたが、俺はコイツの事をほとんど知らない
不思議と、千冬姉と同じような感じがする
でも、俺はこいつの過去を知らない
こいつがどんな過去を抱えて生きているのかを、俺は知らない
というか・・・俺も・・・眠くーーー
一組生徒視点
「おお、兄妹で添い寝か~いいね~」
織斑君とフェイリールドさんは二人とも寄り添うように寝ている
「し~っ。フラッシュ禁止、写真は盗撮防止用シャッター音を切った人限定だよ~」
「起こした人は後で罰ゲームよ~」
了解、と目線でサインするとみんな
う~ん、やっぱりこの二人って血は繋がってなくても兄妹にみえるんだよね
なんだろう・・・似ているんだよね、色々な所が
「二人とも同じ夢を見てたりしてね・・・」
さてと、わたしもカメラのシャッター音切らないと♪
一夏視点
俺は道路の真ん中に立っていた
周りを見回すと雪の降り積もった山が道路を囲んでいた
道路は途中で途切れており、施設には高い塔があって倉庫には戦闘機が並んでいた
「ここは・・・軍の基地か?」
見たところ日本ではない海外の基地だという事がわかる
俺は施設の方に向かった
「ーーーい、ガルム隊二機の整備状況はどうなってーーー」
「ーーー現在給油の最終段階ですーーー」
作業服を着た整備兵と思しき人達が何か言い合っている
と、格納庫から二機の戦闘機が出てきた
最初に出てきた機体は、片方の主翼に赤い塗装が施されている
続いて出てきた機体はーーー
「あの時の・・・」
いつか、IS学園上空でミサイルに追われていた戦闘機と似たーーーいや、同じ塗装が施されていた
「よし、給油作業完了。給油班、退避開始!!」
「行って来い!! ”片羽” ”鬼神”!!」
「俺達が整備した機体だ。墜落なんてしたら許さねーからな!!」
「帰ってきたらまたホットウイスキーでもやろうぜ!!」
戦闘機のパイロットは、グッドサインを整備兵にして滑走路に行く
夢は・・・そこで終わった
「・・・うっ」
トンネルから出た時の光で、俺は目を覚ました
「何してるんだ?お前ら?」
何故かカメラを構えているクラスメイト数人
「いや、なんでもないよ~」
「保存・・・よし、完了」
「ちょっと、後で私にも送ってよね~」
・・・まさか
「写真・・・撮ったのか?」
シャッター音がしなかったという事は切ってやがるな
というかそれ切ったら犯罪だった気がする
「・・・んっ・・・」
横で寝ていたフィリアが起きたみたいだ
「あ、起こしちまったか?」
「はい、織斑君罰ゲームね~」
「何でだよ!?」
「妹ちゃん起こしたから~」
「あのな、妹じゃねーからな?」
未だ妹疑惑が晴れないんだが・・・それにしても賑やかだなこのクラス
「・・・うるさい・・・」
こうして到着するまでバスの中は相変わらずの賑わいだった
ちなみに二人が寝ているとき、専用機持ちその他一名は落ち着かずにソワソワしていた
フィリア視点
「おい、旅館に着いたぞ」
「・・・ん、了解~」
バスの中で長い時間寝てたから目が開かない
荷物を持ってバスを降りる
「っとと・・・」
乗り物に長時間乗った時に地面に降りると、不思議と地面が異常に硬く感じる
戦闘機に乗った時も同じ感覚なので、しばらく空を降りた私はそれが懐かしく思えた
「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘だ。
全員、従業員の方々の仕事を増やさないように注意しろ」
「「「よろしくお願いします」」」
第一学年全員が一気に礼をする
「はい、こちらこそ。今年の一年生も元気があってよろしいですね」
オーナーと思しきその女性はしっかりした大人の雰囲気を放っており、落ち着いた表情をしていた
それから本館に入った私達は決まった部屋に移動して荷物を下ろす
「ふぅ・・・よし、海行こ!!」
「貴重な自由時間だよ~!!」
みんな楽しそうだね~・・・
「ほら、フィリアさんも行こう!!」
手を引かれる
「はいはい、ちょっと待ってね」
荷物の中から少し小さめの袋を取り出してから持っていく
さて、言われた通り今日一日自由時間だ。久しぶりの海なんだから楽しむ事にしよう
最近様々な行事が重なりまくります
その度にネタを思いついたりしてるんですけどね?
意見感想募集中です
また、形式変更に伴う読み辛い等の事ありましたら
遠慮なく感想にお書きください
よろしくお願いします
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