No.485519

時代は三十年後 IS世界へ~(とある傭兵と戦闘機) 第八話

 前はスト魔女の世界  今度は元の世界の三十年後の世界へと飛ばされた主人公  戦闘機が旧世代と呼ばれる世界で、傭兵はIS学園の生徒として活動する事に ...

ストライクウィッチーズ蛇足入れました

2012-09-18 01:16:51 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3402   閲覧ユーザー数:3195

 

  ~医務室内部~

 

 

 「・・・またか」

 

気がつけば(ry

 

毎回気を失うとここに居るのは何故だろうか?

 

ベットを囲んでいるカーテンを開けると、正面には織斑先生と話すボーデヴィッヒさんがいた

 

 「目が覚めたか。フェイリールド、コイツの相手をしてくれ」

 

 「・・・はい?」

 

起きて早々何なんだそれは

 

そう思いつつベットから降りる

 

 「後は頼むぞ」

 

そう言って織斑先生は医務室から出て行った

 

 「おまえは・・・何者なんだ?」

 

えぇ~・・・いきなり何その質問は

 

 「何者って言われてもただの学生としか答えられないんだけど?」

 

 「・・・違う」

 

ボーデヴィッヒさんの目が鋭くなる

 

 「お前は普通の生徒とは違う・・・あの目はその辺の生徒の目じゃない」

 

う・・・そんなに変な目をしてたの?。でも

 

 「確かに私はロクな人間じゃないけどね。それじゃ、お大事に~」

 

そう言って医務室を出る

 

 「お腹すいた~・・・」

 

とりあえず食堂に行く事にした

 

 

 

   ~食堂~

 

 

 「おばちゃん!!日替わり定食とカツ丼とラーメンで!!」

 

 「あら、やっぱりよく食べるわね~」

 

もう顔を覚えられたのか、食堂のおばちゃんは嬉しそうに言ってきた

 

 「ここの料理は全て天下一品ものですからね」

 

 「当前よ~。私の料理はこだわりの品ばかりだからね~」

 

お世辞でも何でもなくここの料理は全ておいしい

 

それこそ一流レストラン並じゃないかと思うほどに

 

基地の食堂のおじさんが作る飯もおいしかったけど、

 

パンプキンの煮物?だったかそれは甘ったるくて仕方が無かった

 

それさえ改善されればいう事無しだったな~あれは甘すぎる

 

プリンにしたら美味しいのかもしれないと思いながら食べてたのが懐かしい

 

 「それじゃお願いしますね~」

 

昔の基地の皆を思い出しながら待ち時間を過ごす

 

 

   ~三分後~

 

 

 「はいお待ちどうさま」

 

並べられたトレーは三つ分

 

その上には作りたての料理が並んでいる

 

 「いつもありがとうございます~」

 

礼をしてからトレーの一つを頭に乗せる

 

そして残りのトレーを両手に持って移動する

 

 「本当に器用だね~アンタ」

 

 「いつもの事ですから」

 

そのままテーブルに移動する

 

ふと、頭の重みが軽くなった

 

 「全く、こぼしたら勿体無いだろうが」

 

振り向くと織斑君が頭に乗せていたカツ丼を乗せたトレーを持っていた

 

 「いいじゃんか。こぼした事無いんだからさ」

 

 「見てるこっちがハラハラするんだよ」

 

織斑君は人が良すぎるのか、よく節介をされる

 

なんかそれが少し恥ずかしいというのが私の本音だ

 

 「ふふふ・・・仕方が無いよフィリア」

 

その後ろにはシャルル(男子制服ver)がニッコリと微笑む

 

私達はそのまま近くの空席に座る

 

 「いただきま~す」

 

最初にラーメンをいただく

 

 「そういえば・・・お前に渡せって言われてた物があったんだ」

 

織斑君はポケットを探って、一枚のメモ用紙のような物を取り出した

 

 「・・・それは?」

 

 「とりあえずお前に渡すな。俺じゃ読めねーし」

 

食事を中断してメモ用紙を受け取る

 

二つ織りされたメモ用紙には英語が書かれていた

 

 「”Yo buddy. still alive?”・・・」

 

 「よう相棒、まだ生きてるか?・・・」

 

シャルルが日本語に翻訳する

 

 「というかそれを書いた人は、自分は米軍総大将って言ってたぞ」

 

 「それって・・・ラリー・フォルク米軍総司令官の事?」

 

 「そんな名前だったな・・・何でもフィリアの知り合いだって」

 

おお、何でそんな重役になってんだよラリー・・・

 

 「そうなのフィリア?」

 

これ何て答えればいいんだろう・・・

 

 「うん。一応、ね・・・」

 

 「でも何で ”相棒”なんだ?」

 

ぐあ、そこは聞かれると非常に答えにくい

 

米軍総司令官と相棒と呼び合う仲なんて普通じゃないもんね

 

一緒に戦争で戦ってたなんて言えないし・・・どうしよう

 

 「ええと・・・まあ、昔色々あってね」

 

嘘は付いてない。ただ内容が言えないだけ

 

 「一夏、あんまりしつこいと嫌われるよ?」

 

 「おお、そうだな。すまん」

 

シャルル、助け舟ありがとう。今度お礼に何か作ってあげるね

 

それからああだこうだで話をしていると、何故か入り口付近で集まってる女子の集まりが目にとまる

 

 「優勝・・・チャンス・・・消えた」

  

 「交際・・・無効・・・」

 

 「うあああああん!!」

 

十数人の女子は泣きながら食堂を出て行った・・・何かあったのかな?

 

 「どうしたんだろうね?」

 

 「さあ・・・・?」

 

二人にもよく分からないみたいだ

 

ちなみにトーナメントは中止、ただデータ取りの為に全試合の一回戦のみ行われる事になったらしい

 

女子が走り去った後、一人呆然と立ち尽くす人物が居た。篠ノ乃さんだ

 

なんか魂が抜けたような感じになってるけど大丈夫かな?  

 

 「そういえば箒、先月の約束だがーーー」

 

 「ぴくっ」

 

お、死んでなかった・・・当たり前だけど

 

 「付き合ってもいいぞ」

 

 「ーーーーーーーーなに?」

 

 「だから、付き合ってもいいって・・・おわっ!?」

 

いきなり織斑君の襟を掴んで締め上げる・・・うわぁ苦しそうだ

 

 「ほ、ほ、本当か、?。本当に、本当に、本当なのだな!?」

 

篠ノ乃さん、いい加減離さないと織斑君が答える前に死んじゃうよ?

 

 「な、なぜだ? り、理由を聞こうではないか・・・」

 

 「そりゃ幼馴染の頼みだからな。付き合うさ」

 

 「そうか!!」

 

 「買い物くらい」

 

その言葉を織斑君が放った瞬間、篠ノ乃さんが踏み込み+腰の捻りを加えた見事なパンチで織斑君を殴る

 

 どげしッ

 

 「ぐはぁッ!?」

 

 「そんな事だろうと思ったわ!!」

 

そして崩れ落ちた織斑君の鳩尾にサッカーボールよろしくキックが入る

 

学園指定の靴って先が固いんだよね・・・思わず鳩尾をおさえちゃったよ

 

 「ぐ・・・おお・・・」

 

効果は絶大みたいだ。というか何で篠ノ乃さんは怒ったんだろう?

 

 「一夏ってわざとやってるんじゃないかと思う時があるんだよね」

 

 「え?あれって買い物に一緒に行こうって話じゃないの?」

 

 「・・・フィリア、それ本気で言ってるの?」

 

そういう意味じゃ無かったのか・・・

 

それから十五分後、織斑君が生き返った所で

 

 「ああ居ましたね二人とも」

 

山田先生がトトトッと駆け足でこっちに来た

 

 「どうかしたんですか?」

 

 「男子二人に朗報です!!」

 

ふむ、私は席を外した方がいいのかな?

 

 「それじゃあ私はこれでーーー」

 

 「あ、フェイリールドさんは織斑先生に呼ばれてますからそちらに行ってください」

 

ええ~なんで?

 

でも行かなきゃ明日地獄を見るんだよね

 

それはもう敵陣のど真ん中にベイルアウトしたみたいに

 

 「わかりました。職員室でいいんですか?」

 

 「いえ、寮監室に直接行って下さい。なんでも渡したい物があるとか」

 

渡したい物?なんだろう・・・

 

 「わかりました。それじゃあお疲れ様です」

 

山田先生に軽く礼をしてからスタスタと食堂を出る

 

 

  

   ~寮監室~

 

 「ここに来ると毎回緊張するんだよね・・・」 

 

寮監室と書かれたその扉の目の前でため息を付く

 

でも行かなきゃいけないのでノックする

 

 「学年組出席番号を言え」

 

・・・前もあったなこの展開

 

 「第一学年一組二十八番、フィリア・フェイリールドです」

 

 「来たか・・・鍵は閉めてないから入れ」

 

 「わかりました。失礼します」

 

カチャ・・・と軽めの音と共にドアを開ける

 

 「すまんな。少し散らかってるが気にしないでくれ」

 

 「は・・・はい・・・」

 

先生・・・これは少しとは言いませんよ

 

部屋に散乱する服、下着、その他諸々の物品

 

中には国家機密と思しき書類の封筒まであった

 

正直この部屋の主があの鬼教官こと織斑先生の部屋とは誰も思わないだろうなぁ

 

 「・・・先生」

 

 「何だ?」

 

 「まず部屋の掃除からしましょう・・・」

 

これは衛生的にもよろしくないし・・・

 

 「・・・そうだな・・・」

 

先生もそろそろ整理しようと思っていたみたいで、素直に頷いてくれた

 

こうして寮監室の簡易清掃作戦が開始されたのだった

 

 

  ~十分後~

 

 

 「これでよし・・・っと」

 

洗濯物をカゴにまとめ、見てはいけない書類などは裏返しにしてからまとめて机の上に

 

あと、お茶やミネラルウォーターのペットボトルも流し台で洗ってゴミ箱へ

 

この短時間でできるのはこのくらいだけど、さっきよりは大分マシになった

 

 「いや・・・すまないな」

 

 「いいんですよ、ついででしたし。それで・・・渡したい物とは?」

 

本題に入ろうと話を切り出す

 

 「それなんだが、お前の機体を改修した際の内部装備品だ」

 

織斑先生は部屋の片隅に置いてある黒いケースを持ってきた

 

 「この中に入っている物はお前の私有物だよな?」

 

ケースを開けると、中にはライフルと半分が焼け落ちた銃剣、それとドッグダグ二つが入っていた

 

 「そうですね。全て大切な私のお守りです」

 

ライフルと銃剣はあの世界で一緒に戦った武器、ドッグタグは鈴音の遺品

 

全てが私の大切な思い出の品であり、お守りとしてイーグルに積んでいた物だ

 

 「ならば大切に持っていろ。ここは日本という国だが幸いこの学園は ”どの国にも属さない” 場所だ

 

   銃刀法など存在しない」

 

 「わかりました。ありがとうございます」

 

ケースを閉めて、部屋を出ようとする

 

 「ああ、あと一つだけ」

 

ん?まだ何かあるんだろうか?

 

 「私の部屋の事は・・・」

 

ああ、そんな事か・・・

 

 「分かってますって・・・その位」

 

ニコッと微笑んで私は部屋を出た

 

 「さてと・・・部屋に戻ってシャワーでも浴びよう・・・」

 

とにかく部屋に戻ってサッパリしたいと思った私は部屋に戻った

 

 

 

 

  自室(三人用)

 

 

 「♪~♪~」

 

やっぱり運動(!?)の後のシャワーは気持ちいい~♪

 

シャワーを浴びた私は黒いケースを開けた

 

 「・・・・・」

 

リー・エンフィールドライフルとその専用銃剣

 

向こうの世界での大切な思い出の詰まった物だ

 

 「久々に・・・整備するかな」

 

ライフルを机の上に置いて、分解していく

 

 カラン

 

ストック部を床に置いた時、ふと変な音がした

 

 「何?今の音・・・」

 

ストックを調べると、底の部分が開くようになっていた

 

そこにあった物は・・・

 

 「・・・純銀弾?」

 

銀色に輝く弾頭を持つ弾丸だった

 

威力対コストがつりあわない貴金属弾は、主にお守りや装飾などとして利用される

 

私自身も貴金属弾を見るのは初めてで、少しその輝きに見とれてしまった

 

 「・・・とりあえず組み立てなおして・・・っと」

 

ライフルを組み立て直してからケースにしまう

 

純銀弾は組み込まずに机の上に置いていた

 

 「でも何であんな場所に・・・」

 

303ブリティッシュ弾と思われるその純銀で出来た弾丸は、机の灯りを反射して綺麗に輝いていた

 

それを手でぐっと握った途端、私の意識は弾丸の反射した光の中に落ちていった

 

 

    一夏視点

  

 

 「こいつまた机で寝てるよ・・・」

 

相変わらずこいつはどこでも寝てしまう

 

 「まあまあ、疲れてるんだよ」

 

 「いつも運ぶ俺の気にもなってくれよ」

 

 「今日の疲労の原因は間違いなく一夏にもあるからね」

 

 「う・・・」

 

あの時こいつが身代わりになってくれなかったら、俺はここに居なかったかもしれない

 

 「それにさ、もう慣れたんでしょ?」

 

 「まあな・・・よっと」

 

相変わらず軽いな・・・あんなに食った質量は何処に行ったんだ?

 

そのままベットに寝かせる

 

 「・・・すぅ・・・」

 

俺が求める強さをこいつは持っている

 

守る為のチカラも

 

それ相応の覚悟も

 

 「それじゃあ寝ようか」

 

 「ああ、そうだな」

 

だが俺は見てしまった

 

あの暗く、深く、底が知れない冷たさを持ったあの眼を

 

フィリアがここに来るまでどんな人生を送ってきたかはわからない

 

でも、少なくとも本人が知られたくない内容だと思う

 

ただ、いつか教えてくれる時が来る事を、俺は願うーーー

 

 

 

     フィリア視点

 

 

   ~その日夢の中~

 

 

 「ここは・・・」

 

見覚えある石の天井

 

昔の城砦のような落ち着いた雰囲気

 

木製の大型の扉

 

ベットから降りて窓から外を見る

 

外にはただ雄大に広がる青い海が静かに波をたてていた

 

そうーーーここは、旧501統合戦闘航空団ブリタニア基地

 

ガリアでのネウロイの巣が消滅してから、ここは戦犯刑務所として使われている

 

 ガチャ・・・

 

ドアを開けて廊下に出る

 

明かりのロウソクに火は灯っていなく、廊下はただ薄暗い空間となっていた

 

それから素足のまま地下に降りていく

 

 ひた・・・ひた・・・

 

冷たい廊下を進む

 

 「あれ?こんな所に扉なんてあったっけ?」

 

疑問に思った私は、好奇心からその扉を開けた

 

 ギィィ・・・

 

木製のドア特有のしなる音をたてて、扉は開いた

 

扉の向こうにはまたさらに廊下があり、廊下の横を見ると牢屋のような部屋が並んでいる

 

私はその奥に進む

 

そして突き当たりの牢屋が見えた途端、声が聞こえてきた

 

 「・・・誰だ」

 

その聞き覚えのある声に思わず身をすくませてしまった

 

名前は覚えている

 

 「トレヴァー・マロニー大将・・・」

 

殲滅すべき敵の技術を使って、ウィッチーズを解散させようとした張本人

 

 「お前は・・・」

 

 「始めまして。私は第501統合戦闘航空団所属 フィリア・フェイリールド 階級は大尉です」

 

自己紹介をする

 

マロニー大将はあの一件の主犯として今、牢獄の中で軍法会議の判決待ちだ

 

 「全く・・・まさか娘の敵討ちとして挑んだウォーロック計画を

 

          娘と同じ容姿をしたお前に阻止されるとは・・・皮肉だな」

 

そう言ってマロニーはポケットから一枚の写真を取り出して見せてくれる

 

そこには笑顔で並んでいる三人の親子が写っていた

 

 「中央に写っている娘はミアといってな。お前さんと同じ位の歳だったが

 

     カールスランド侵攻の際に奴等の攻撃を受けて・・・死んだよ」

 

マロニーの顔が曇る

 

 「その時誓ったのだ・・・己の全てを使って奴等を殲滅すると。世界から抹消すると」

 

拳を硬く握るマロニー・・・でも

 

 「そして敵の詳細不明な技術に手を出して案の定、味方に被害を出してしまった。と?」

 

ウォーロックの攻撃によって扶桑の空母一隻が失われた

 

一撃で戦艦に大穴を開けるほどの攻撃だ、負傷者や死傷者も多数いただろう

 

 「その尻拭いの判決を、今ここで待っているのだがな・・・」

 

新兵器の暴走による友軍への被害

 

その兵器の口封じとして前線のウィッチ隊を解散させる

 

極刑も適応されるかもしれない重大な謀反行為だ

 

 「確かに私にはこちらの世界の事なんてほんの少ししか知らない・・・でも」

 

向こうの世界でも同じ事がある

 

 「あなたのした事が間違いだと決め付ける事は誰にもできないんですよ」

 

結果的にそうなっただけであって、ネウロイを殲滅するという根本的な考えは皆一緒なのだ

 

それを実現しようとする道のりと時間、その犠牲が世界に受け入れられなかった

 

ただそれだけでこの人は、世界を敵に回そうとしていたのだ

 

 「あなたの言っていた、世界の主導権を握る という言葉

 

  あれはネウロイの手から世界を取り戻すという理念なのですよね?」  

 

世界の主導権を握るというのは、その言葉だけを聞くと世界征服を思い浮かべるだろう

 

だが、もし世界が人間じゃない敵に支配されているとすれば

 

その言葉はそれは世界を支配するのではなく、

 

敵の手から世界を取り戻すという意味の裏返しだという事が理解できる

 

 「言った所で、誰も信じはしないのだ」

 

 「少なくとも、私はそう信じます」

 

ただ、その事をお堅い軍上層部が理解するかどうかはわからない

 

理解したとしても重罪を犯した戦犯を無罪放免なんてしたら、逆に扶桑が不審感を抱くだろう

 

そうなれば良くて国同士の仲が悪くなる程度、悪くて戦争

 

そんなリスクのある判断を軍上層部が下す訳が無い

 

 「私は恐らく死刑になるだろうが・・・当たり前か」

 

フィリアは考えていた、

 

散々迷惑をかけてきたこの元敵将をどうするかを

 

ーーーそして、決めた

 

 チャッ

 

ライフル(何故か持っていた)を鉄格子の扉の鍵穴に向かって発砲する

 

 ドォンッ

 

その発砲音は、閉め切られた冷たい壁に反響されて牢獄に響き渡った

 

 「・・・何の真似だ?」

 

鍵穴を吹き飛ばされた鉄格子の扉は、いとも簡単に開ける事が出来た

 

 「これは私の勝手な判断です。そしてこれからする事も全て私の独断によるものです」

 

そして開いた扉から大将に手を差し伸べる

 

 「やるべき事を成し遂げるのは確かに犠牲を伴います

 

   でもあなたにはこの失敗を学んでいただきました。

 

     ならばもうこんな方法は取らないでしょう?」

 

 「そんな事で・・・私が許されるとでも・・・?」

 

 「許す許さないの問題じゃないんですよ・・・これは、あなた自身の願いの問題なんですから」

 

これから起こる新たな戦いも

 

そして、これからやるべき事も

 

 「全く・・・とんでもない奴に会ってしまったものだな」

 

マロニー大将は微笑んだ、そして手を取った

 

 「それでは新たなる人生へ」

 

銃を構え、駆け足で牢獄を出る

 

 「この裏通路を二十分ほど歩くと海岸沿いの岩場に出ます。

 

  そこから西方向に三十分ほど歩けば廃屋に偽装された民家があるので、そこで潜伏してください」

 

マロニーに簡単な地図を書いて渡す

 

 「これからの生き方しっかり考えてくださいね?」

 

 「ああ・・・すまないな」

 

それからマロニー大将を見送って私は部屋に戻る

 

 

 

 

ふと隣の部屋の事を思い出す

 

 「たしか隣の部屋ってRMが使ってたよね・・・」

 

他人の部屋に入るのは気が引けるが、何かあるのかと思って部屋に入った

 

 「やっぱり変わらないな~・・・ん?」

 

ふと、机の上に置いてある手さげ鞄に気がつく

 

鞄を開けると書類のような物が入っていた

 

 「ふむ・・・正体不明の機体ね・・・・ッ!?」

 

その書類から出てきた写真を見て私の時間が一瞬止まった

 

写真に写っているのは、墜落してボロボロになったF-16

 

でも機体はどうだっていい。それよりもその機体に描かれているのは

 

青い空を飛ぶ口に金色の鈴をくわえた白いハト

 

そのエンブレムの機体の操縦者は・・・ジュリエット2ーーー鈴音だ

 

私は写真を見て資料を見回す

 

 「機体に重度の損傷、操縦席には火薬による炸裂痕あり・・・」

 

操縦席の火薬の炸裂痕は、恐らく緊急離脱装置の作動痕だ

 

ならば操縦者は脱出した可能性が高い

 

資料を鞄に戻してから自分の部屋のベッドで横になる

 

私が確認したのはIFFの消失までで、ベイルアウトまで確認していない

 

となると、ベイルアウトしたのはこっちの世界にとばされてからで、

 

説明にある 海岸での発見 となれば生存確率は非常に高い物となる

 

  ”鈴音は生きているかもしれない”

 

ベットに横になって考える

 

だが考えがまとまらないうちに、私は再び意識を失った

 

 

 

 

 

 

目が覚めると、私はIS学園のベットの上で寝ていた

 

時計を見ると、AM 6:30分と表示されている

 

 「・・・起きよう」

 

目を擦りながらベットから降りる

 

 「二人とも寝てるみたいだし、このまま着替よう」

 

乃仏さんに借りた寝巻き(きぐるみみたいなヤツ)を脱いでから制服を着る

 

 「ふあぁ・・・あ、おはようフィリア」

 

鞄を用意しているとシャルルが起きたみたいで、目を擦りながらベットから降りていた

 

 「それじゃあ私は朝食に行くから~」

 

 「あ、待ってフィリア。私も行くから」

 

シャルルが着替え終わってから、私達は食堂に向かった

 

 

   ~食堂~

 

 

 「あのね・・・フィリア」

 

 「ん~?なに?」

 

食堂で朝食を食べていると、シャルルが真剣な目をして話してきた

 

 「えっとね、いろいろ考えたんだ・・・自分の在り方をね」

 

箸を置いてから聞く

 

ちなみに朝食は和食一膳のみ

 

 「・・・それで?」

 

 「決めたんだ・・・僕はシャルル・デュノアじゃなくて、シャルロット・デュノアとして

 

  ここで過ごすって」

 

 「シャルロットって事は・・・女の子として?」

 

ここからは周囲の目を気にして小声で話す

 

 「うん・・・」

 

 「いいと思うよ?少なくとも私は偽ったまま三年間を過ごすよりはそっちの方が楽だろうし。

 

  何よりシャルロットが決めた事なんでしょ?それに口出しする気はないし・・・私は応援するよ」

 

いろいろ悩んだ結果がそうなら、私はそれを精一杯応援しようと思う

 

 「・・・ありがとう。お陰で勇気が出たよ」

 

 「うん。それじゃあがんばってね」 

 

それからシャルロットにこれからを聞いて食堂が賑やかになる頃には、

 

私達は朝食を終え、クラスに行く途中でシャルルと別れた

 

 

    ~1-1教室~

 

 

 「ええと・・・今日は、転校生を・・・紹介します・・・」

 

山田先生がそう言うと、教室のドアが開いて女子が入ってきた

 

 「シャルロット・デュノアです。皆さん、よろしくお願いします」

 

クラスがざわめく

 

 「えっと・・・デュノア君は・・・デュノアさんでした。という事です。

 

  ・・・はあ、また寮の部屋割りを組み立て直す作業が始まります・・・」

 

おおう、山田先生のテンションが低いのはそれが原因だったのか。でも・・・

 

 「え、デュノア君って女・・・?」

 

 「おかしいと思った。美少年じゃなくて、美少女だったわけね」

 

 「って織斑君、同室だったから知らない訳じゃーーー」

 

 「ちょっと待って!!昨日って確か、男子が大浴場を使ったわよね!?」

 

クラス全体が騒がしくなる。と、そこに

 

 「一夏ぁッ!!」

 

何故か二組のリンさんがドアをぶち抜いて教室に乱入

 

注意、ドアは開ける物であって決してぶち抜くものではありません

 

 「死ね!!!!」

 

その言葉と共にリンさんはISを展開、両肩の衝撃砲がフルパワーで起動する

 

 ズドドドドドドオンッ!!

 

おお~容赦ないね~・・・でも寸前にボーデヴィッヒさんのAICで防がれたね

 

それからボーデヴィッヒさんが織斑君にキスをしたり、専用機持ちが一斉に織斑君に襲い掛かったりして

 

朝のSHRはこの上なく騒がしいものとなった

 

 「みんな元気だなぁ~」

 

ある意味平和で何よりだ

 

まあ織斑君、皆死なない程度に留めておくだろうか・・・

 

 「アンタねえぇぇぇぇぇ!!」

 

 「おほほほほほほ・・・」

 

 「一夏、貴様どういうつもりか説明してもらおうか」

 

 「・・・ニコッ(エンジェル☆スマイル)」

 

前言撤回、本当に死んじゃいそうだねコレ

 

こうしてまた、私は騒がしい日常に戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっとここまで書けました

 

次回から更新が遅くなったりするかもしれませんが

 

よろしくお願いします

 

 

意見、感想募集中

 

 

 

 


 
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