第七十四技 湖の主?
キリトSide
アスナが完成した料理を運んできた。その料理にニシダさんは目を輝かせていた。
アスナが全ての料理を運び終わり、椅子に座るのを確認した。
「「「いただきます」」」
まずはニシダさんが魚の煮付けを口にいれた。
「う、うまい!!!」
ニシダさんが大きな声でそう言った。俺とアスナも料理を口に運び食べていく。
料理の美味しさに俺達は会話もそこそこに食べる事に夢中になっていた。
「いや~、ごちそうさまでした。凄く美味しかったですよ」
「ありがとうございます。ニシダさん」
俺達は料理を食べ終えて、お茶で休憩を取っていた。
ニシダさんも元の世界の味に感動しており、アスナが笑みを浮かべて答えた。
「まさか、この世界で醤油に出会うことができるとは思いませんでしたよ」
「あ、これ自家製なんですよ。よかったらおひとつどうですか?」
アスナがキッチンから収納されていた調味料の瓶を持ってきてニシダさんに渡した。
「どうもありがとうございます」
ニシダさんは瓶を受け取ってアイテム欄におさめた。
「それにしてもよくあの湖で釣れましたね」
そう。ニシダさんが釣った大物は、俺がノルマを達成した後にいつも挑戦している湖で釣ったのだ。
俺はいつも釣れないで終わってしまうがニシダさんは見事に釣ってみせた。
「それはですね、キリトさん。あそこの湖は釣りのスキルの値が950は超えていないといけないんですよ」
「なるほど。だから、値の足りていない俺ではヒットする事もなかったのか」
しかし、950ってほぼ
だが、ここでさらに疑問がでてきた。
「でも、なんでそんな難度を高くしているんだろう?」
「キリトさん…。いいところに目をつけられましたね。実はあの湖には
「「主?」」
俺が呟くとニシダさんが反応したようで答えてくれた。
主か、なにやら面白そうだな。アスナも興味があるのか話しに聞き入っている。
「ええ。ちょうどわたしが《釣り》スキルを完全習得した時でした。
あの湖に釣り糸を垂らして少しした時でした。
勢いよく竿が引かれたので思いっきり引っ張ったものの、竿が折れてしまったんです」
完全習得したのに竿が折られるってどんな大物なんだ…?
「その後、竿を買いに訪れた店に一際値の張る竿が売られていたんですよ。
耐久力は最高クラスでしてね。折角ですから購入して実際に使ってみたんですよ。
そうしたら今度はヒットしたのですが……、私の筋力が足りずにそのまま逃げられてしまいました」
そうなのか。ぜひ見てみたいんだがな。すると、ニシダさんがこちらを見ているのに気付いた。
俺になにかあるのだろうか?
「キリトさん。失礼ですが、筋力パラメーターの程は…」
「一応、最大値までは高めていますけど…」
「ならばキリトさん、お願いします。私と一緒に主を釣ってくれませんか?」
「釣りの『スイッチ』ですか……」
ニシダさんに訊ねられたので答えると、そう提案してきた。
なるほど、それは考えた事がなかったな。しかし、出来るものなのだろうか?
「面白そうだし、折角だからやってみようよ!キリトくん!」
アスナはノリノリのようだ。
確かにやってみたことのないことに挑戦できるし、その主というのにも興味があるな。
それならばやってみるか。
「分かりました。俺で良ければ…」
「おお、ありがとうございます!」
その後、早速明日行う事が決まり、ニシダさんは意気揚々と帰っていった。
ニシダさんが帰って俺達はゆっくりとしている。
「色んな人がいるんだね」
「そうだな。ニシダさんはいい人だったし」
ソファに座る俺達。アスナは俺にもたれかかってきている。
「キリトくん。明日の主釣り、良い思い出になるといいね」
「はは、確かにそうなりそうだな」
明日の主釣りは俺も楽しみだ。
今までは戦いばかりで、偶にあった小規模ギルド対抗のイベントくらいだっただろうな。
この世界での思い出は…アスナとの結婚もだけど。
「さて。今日はこのままゆったりするか?」
「うん」
俺とアスナは、この後はじゃれあって過ごした。夜に関しては……なぁ?
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
というわけですので、次回は主釣りイベントです。
あと二話が釣りの話しになります。
是非お楽しみに・・・。
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第七十四話です。
今回はニシダさんとの食後のお話しというところですね。
どうぞ・・・。