No.485048

IS-インフィニット・ストラトス-きゅー組物語 7

ふふふ、何か描写不足とか設定の練り込みの少なさとかがどんどん目立ってきてる気がする………。それでも続けるんですがね!!!
そして、今回はおまけ付きです。何故か本編よりも長いおまけが!!!!

2012-09-17 04:30:45 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1306   閲覧ユーザー数:1273

 昼休み。授業も無事に終わり俺は職員用の食堂へと足を運んだ。この学園に来て良かったと思える事の一つに、飯の旨さがある。人間の三大欲求をしっかりと満たす為の環境が整っているココの食事事情は、前のアパート暮らしに比べるとまるで天国のようだ。

 

「はい、B定食おまち。ご飯大盛りにしといたよー。」

「いつも悪いね、おねぇさん。」

「あらやだ、煽てても何も出ないわよ!」

そう言いながらも、すっかり顔なじみになったおばちゃんがコロッケを一つサービスしてくれた。コミュニケーションは人間関係を円滑にするだけでなく、胃袋も満たしてくれる。良い事だ。

 

 

「あ、出雲先生。」

適当な席を探していると、横から声をかけられる。

「あぁ、山田先生。」

彼女は山田真耶先生、一組の副担任である。元日本の代表候補で、ISの操縦技術もかなりの物だとか。

あまり男性への耐性が無いのか、俺が学園に来た当初は話しかけても目をそらされるばかり(ちょっと泣きそうになった)。何故か気の合う織斑先生とロジーナに連れられて、何度か一緒に呑みに行き(何故か奢らされた、泣いた)、やっとこうして会話の出来るレベルになった。

彼女について特筆すべきは、其の童顔に似合わぬ見事なおっぱいである。

ロジーナなんかは

「あのデカメロン、そのうち揉み倒しちゃる!!!」

と、興奮気味に語っていた。相変わらずおっさんくさい。

 

「今日のA定食はコロッケですかー。」

 

「えぇ。そういう先生は………キツネそばですか。」

トレイには、キツネそばが乗っているのみ。それだけで足りるのかと心配になってしまうのは、俺が男だからだろうか。

 

「やっぱり、男の人って良く食べますねぇ。ウチのクラスの織斑くんも、やっぱり食べるんですよねー。昨日の朝、食堂で見かけてちょっとびっくりしました。」

 

「あぁ、織斑先生の弟さん。どうです、彼。」

 

今、IS学園で生徒たちの間で良く話題に上がる男が二人。一人目はこの俺、出雲春告。曰く、ニャンコ先生(このあだ名も、色々とどうなんだろう?)で、ふつーの童貞。

そして、もう一人が“織斑一夏”である。世界でただ一人ISを操れる男性で、世界中の注目の的である。曰く、イケメンで血統の良い(織斑千冬の弟というのは、やはり生徒たちからの高評価に繋がるらしい)サラブレッドで、気になるアイドル。

王子の織斑一夏と道化の出雲春告。二人の評価は、要するにこういう事だ。

くそっ、同じ童貞でもこんなに評価が違うなんて!!!………いや、織斑が童貞かは知らないが。

 

「勉強はちょっと苦手みたいですが、いい子ですよー。」

「まぁ、遊びたい盛りの年頃ですしねぇ。」

「ただ………」

「?」

「イギリスの代表候補の子と、クラス代表の事でちょっと揉めちゃってまして………明後日、模擬戦やるんですよ。」

「………大変ですねぇ。ウチのクラスも担任が救助用装備で対抗戦に出るとか言い出しまして………」

 

「「………はぁー」」

二人して溜息をつく。

 

「どったのお二人さん。何か暗いよ??」

「うおっ!!」

「あ、ロジーナ先生………」

 

背後から話題の人物声をかけてきた。良かった、聞かれてはいなかったみたいだ。

「あー、いや、仕事が大変だって話をちょっとな。」

「ふーぅん。あ、コロッケもーらい。」

「あ、おい!!」

止める間もなくおばちゃんの好意がロジーナの胃の中へと消えて行った。

「あはは、お二人は何時も仲がよろしいですねぇ。」

若干乾いた笑みを浮かべつつ山田先生が言う。まぁ、険悪な仲ではないが………

「まぁねぇー、こいつ私が居ないと運用計画書一つまともに作れないしねー」

ロジーナがにやけながら答える。コイツ!!!

「おいこらロジーナ、お前が作ったあの滅茶苦茶な授業計画を一から作り直したのは誰だと思ってやがる!!」

「あれは完璧な授業計画だったろー!!!」

「何処が完璧じゃ、何処が!?大体何だ、あのバトルロ○イヤル式訓練って!!!お前は9組をどうしたいんだよ!!??」

「あれは私が悪いんじゃない!キ○ノがクールなのが悪い!!!お前だってわけの解らんもの整備科に頼んでたろうが!」

また古い映画に影響受けやがって。

 

 

「………あ。」

スパパァン!!!

突然、轟音とともに頭に衝撃が加わった。

「お前ら、教師が食堂で大騒ぎしすぎだ。」

「「っーーーーー!!!」」

背後から現れた1組担任教師“織斑千冬”先生に出席簿で頭を叩かれ、声にならない悲鳴を上げる9組担任ズ。

織斑千冬。恐らく学園で最も有名な先生だ。元日本代表で、第一回モンド・グロッソの優勝者。生徒たちの(教師の中にもファンがいるが)憧れの的で、先程話題に上がった織斑一夏の姉である。

「ロジーナ、お前は落ち着きがなさすぎる。教師として以前の問題だ。」

「えー、だって春告が…って、あいたぁ!!!」

スパーンという快音と共に、ロジーナの頭に再度出席簿が直撃した。

「出雲先生。何時もコイツに振り回されて大変なのは解りますが、一緒になって大騒ぎしては意味が無いでしょう。」

「ぐっ。申し訳ありません。」

正論である。反論の余地も何もない(する気もないが)。

………因みに、織斑先生はブラコンを患っておられる。

 

パァン!!!

響き渡る快音!走る激痛!!ふぉぉぉぉぉ!!!痛ぇ、超痛ぇ!!!

「な、何で!?」

「顔にブラコンがどうとか書いてあった気がした。」

地の文に載せた情けなくも慎ましい小さな仕返しにも、しっかり気づいて居られた。恐るべし、世界最強。

 

「あ、あの織斑先生?もうすぐ授業も始まりますし、その辺で………」

「ん?あぁ、そうか。」

見かねたセコンド山田真耶から、タオルが投げ込まれた。た、助かった………

「はぁ、全く。頼みますよ、二人とも。」

「「は、はーい。」」

 

こうして、俺の騒がしい昼休みが終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ。

教師達の飲み会。

 

 

 

 

 

 

………んで、何なのこの状況。

 

ここはいつもの居酒屋で、俺はロジーナに引っ張って来られた。

それはいい。珍しい事じゃない。

 

俺の目の前には、元世界最強と巨乳眼鏡が座っている。

それもいい、織斑先生と山田先生はIS学園の教師だ。織斑先生の経歴なんかは特別かもしれないが、同僚と居酒屋に行くのは特別な事じゃない。

 

問題は二人が………

「聞いていますか?出雲先生。ウチの弟がまた手のかかる奴でして。」

「はい、聞いてます聞いてます。もう三回も聞いてます。」

「む。そうか…………………所で、出雲先生。私には弟が居まして………」

 

顔色一つ変えずに、延々と弟の話を繰り返す様になっていたり………

 

 

「にゃーんだぁ、ろじぃーなせんせぇ。この胸が気になりゅんかぁ!?」

「にゃりゅにゃりゅー!!!」

「揉みたいんかぁ!?」

「揉みたい揉みたい!!!」

「じゃぁ、さけをのめぇー!!!!」

「がぼぼぼぼb」

 

普段の大人しさを、どこかに忘れてしまっている事にある。

 

 

 

 

 

 

二時間前。

 

残業で遅れた俺を迎えたのは、ロジーナだけではなかった。

いつもの見慣れた居酒屋の座敷席で、いつも見慣れぬ二人と遭遇。一瞬固まってしまったではないか。

「お、やっと来た!いやぁ、今日の昼に織斑先生と話してたら春告の話になってさー。せっかくだから、担任と副担任ペアで飲みに行こうって事になったんだよ。あ、二人はビールでいい?」

そんな俺を見たロジーナが、一息に現状の説明をする。同時に、飲み物の注文を二人に尋ねる。

 

「ああ、私は構わない。」

「え!?あ、ああ。はい。」

答える1組ペア。

「まぁ、お前がそういう奴だってのは知ってるけどさ。事前に一言あってもいいだろ?びっくりするっての。すみませーん、生四つ!」

「はーい!」

と、元気よく答えてくれる何時もの店員さん。

「まぁ良いじゃん!いっつも二人で飲みに行くのもあれだろ?」

「そういう事じゃ無くてd「生四つ、お待たせいたしました!」お、ありがとうございます。」

いつもの事ながら、仕事の早い店員さんだ。

 

 

「「………。」」

運ばれてきたビールが行きわたった所で、じっと此方を見ている二人に気がついた。

 

「あ、あの、お二人とも、どうされました?」

何か拙かっただろうか?おずおずと訊いてみると。

 

「いや。随分と息が合っているなと感心した所だ。」

織斑先生にそう返される。

 

「まぁ、散々コイツの尻拭いもしましたしねぇ………」

「何だとー!春告の癖に生意気だー!!!」

「ま、まぁまぁ!飲み物も来た事ですし、乾杯しましょ!乾杯!!」

少し雲行きが怪しくなったところで、山田先生からのフォローが入った。

 

「はぁ………ま、いっか。それじゃ、カンパーイ!!!」

「「「乾杯!」」」

 

こうして、ロジーナの温度で、和やか(?)に始まった飲み会だったが………

 

 

途中で飲み比べを始めた担任二人を止めなかったのが悪夢の始まりだった。

 

 

「よっしゃー!もう一杯じゃ!!!」

「私ももう一杯いただこう。」

「流石は世界最強!!良いねぇ、良い飲みっぷりだねぇ!!!」

「ふ。店員さん、黒霧島をお願いします。」

「はぁ!?芋焼酎!!??解ってない!千冬お前解ってない!!!!」

「そういうお前は黒糖焼酎ではないか、そんな色物飲んでる奴の気が知れないな。」

「………。」

「………。」

「「………いいちこボトルで!!!」」

こうなったら、ロジーナは止まらない。しかし、あの織斑先生が乗ってくるとは意外だ。

 

「あの、出雲先生?止めなくて良いんですか?」

「良いんですよ山田先生、好きにやらせときゃ。」

なにやらぎこちなく聞いてくる山田先生にそう答え、手元のグラスを傾ける。

「巻き込まれたら堪りません、俺らは二人でちびちびやりましょう。」

「は、はい!!………ふ、二人で………二人でお酒、酔ってそのまま良い雰囲気に………だ、駄目ですそんな!私たちまだ、お互いの事を良く知らないのに!!」

「………あー、山田先生?もう酔ってます?」

「え!?だだだ、大丈夫ですよ!!!まだまだ酔ってませんから!!!ほら!!!」

とコハク色の液体を一気にあおる。おいおい、ウィスキーだぞそれ。大丈夫か?

「けほっけほっ!!!」

案の定むせた。

「だ、大丈夫ですか?」

あわてて彼女の背中をさすろうとすると

「わひゃい!?だ、大丈夫です!!」

思いっきり避けられた………。ショック。

「………と、取りあえず水をどうぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

むむむ、少し気まずい雰囲気になってしまった。

 

「こらー、春告ー!!山田先生をいじめるなー!!!其のおっぱいは私のもんだ!!!」

そんな空気なんてお構いなしに、ロジーナがとんでもない事を言い出す。

「お前ロジーナ!何を言ってるんだ!」

「何?出雲先生、セクハラとは感心しませんな………」

そして乗ってくる、織斑先生。

「え?ちょっ!織斑先生!?」

 

そして二人が、何故か酒瓶片手に迫ってくる。

「「取りあえず飲め!!」」

酒瓶が俺の口に突っ込まれ、喉を焼く液体が勢いよく胃の奥へと流れ込み………

 

「んーっ!!!!んっ、んー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

……………ぶはぁ!!!」

俺は強制的にボトルを二本空ける事になった。

 

 

「………。」

「あ、あの、出雲先生?」

急に静かになった俺に、心配そうに山田先生が声をかけてくる。

だが…

 

 

「………よーく解った!!!お前ら喧嘩売ってんだな!!解った!!!買ってやらぁ!!!!」

そんな心配を余所に、俺は酔っ払い達の戦争に突っ込んでいく。

 

 

大体お前ら、無理やり飲ませる飲み会の描写一つに関しても文句を言われるかもしれないこんな世の中なんだぞ!!!ポイズン。………もはや気分は反町である。

 

 

「よっしゃー!にーちゃん良く言った!!!」「男の意地を見せてやれ!!!」

「そんな童貞臭い奴に負けちゃだめよ!!!」「行け行け、潰せー!酔いつぶせー!!」

いつの間にか付いた店内のギャラリーの声援(?)に背中を押されながら、宴会はヒートアップしていった。

 

 

んで、現在に至る訳だが。

 

「聞いて居るのか、出雲先生!?」

「は、はい!!聞いていますよ!!!弟さんが可愛くて仕方ないんですよね!!!」

「貴様は何を聞いていたんだ、出雲先生!!いや、出雲春告ぇ!!!」

「は、はひぃ!!すんません!!!」

 

 

 

「おいこりゃー、ろじーにゃー!!!あらしのおっぱいは、やすくないんらぞー!!聞いてんのかー!!!この………しょじょがぁ!!!!」

「あぁん、あらし、しょじょらねーし!!処女かけてもいいろー!しょじょ!!!」

「ま、あらしもぉ、しょじょなんらけろね。」

「「………ぶっ!あはははははは」」

 

 

これぞ混沌。参加したら発狂確定の地獄絵図と化したこの飲み会。

最終的には

「ん?今日はロジーナの奢りだと聞いているが?」

「zzz………」

「ごめん春告、財布忘れちゃった!てへぺろ!!!」

 

俺のSAN値と生活費をごっそり削っていったのだった。

 


 
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