No.482366

緋弾のアリア~スキャッグスの名をもつ原作ブレイカー~

第二十話

2012-09-10 21:25:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1762   閲覧ユーザー数:1689

 

あれから一年

俺は十五歳

 

あいかわらずパーティーは嫌なぐらい騒がしかった

そしてなんとシャーロックが参加したのだ

まぁ、対して何もしなったけどな

 

だがこの次が問題なのだ

シャーロックからの誕生日プレゼントだ

これがなんと古い本だったのだ

しかもただの本じゃないのだ

表紙には大きくこう書いてあった

 

 

「スキャッグスの製造方法

   ナンバー入りから無しまで」 

 

――――門外不出だよ―――― 

 

 

普通の人だったらこんな物を見せられたら冗談だろうと思うだろう。だが俺は違う。これを昔見たことがある。それも父さんも母さんも生きていた頃だ。確か父さんの部屋の机の上に置いてあったのを覚えてある

 

 

 

 

 『カゲヨシ、これはそのうちお前が受け継ぐ大切なものなんだよ』

 

 『それには何が書いてあるのですか?』

 

 『あああ、まだ見ちゃダメだよ。そうだね、高校生になるぐらいに歳にあげようか。そうだね15歳にしようか。その時にこの本をあげるよ』

 

 

 

 

確かこんな事を言われた記憶がある

まさかこう来るとは思っていなかった、多分シャーロックがしばらく預かっていたのだろうな。親父、覚えてくれていたとは…………

 

古びた本を俺は開けようとする、が開かないのだ

なぜか表紙が開けないのだ。

これはおかしいと思った、でもシャーロックに聞いても何も言わないのだ

だがヒントはくれた

 

『過去に君のお父さんが言っているはずだよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そんなの覚えてねぇえんだよぉぉぉおおおお!!!!!」

 

俺は食堂の机にうなだれる

さすがにこれはお手上げに近い

いくらなんでも数年前のことを完璧に覚えていない

 

 「おはよう」

 「やっと出番か」

 「うわー、メタ発言だね」

 

上から夾竹桃、ジャンヌ、理子だ

いつものメンバーだな

 

 「いや。例の本の件だよ」

 

 「まだ開けられていないのか?」

 

 「もしかしたら表紙が持ち上げられないぐらい重いのかもねぇ〜」

 

 「それはないだろ」

 

とりあえず朝食を取りに並ぶ

そして席を取る、まぁ人が集まってくる

気づいたら霊夢、先ほどの三人と幽香、レミリアと咲夜がいつのまにかいる

 

 「あんたちょっと寝たら?」

 

霊夢にそんな事をすすめられるが無理だ

なんとかしてあれを開けられるようにしなければ

 

 「やっとスキャッグスが自分で作れるようになったんだ。早くやってみたいんだよ」

 

 「そんなこと言っても目の下にくまができているわよ」

 

幽香にも言われる

そう今朝鏡で顔を見たらこんなことになっていたのだ

 

 「何日寝てないの」

 

 「五日ぐらいかな?」

 

 「五日って……さすがにそれは危ないんじゃないでしょうか?」

 

 「咲夜、人は危ないと思っていても、やらなければいけない時があるんだよ」

 

 「は、はぁ……」

 

うん理解できていない顔だな

そこでレミリアがカップを静かに置き

カリスマ度を全開にして言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 「本も制せないなんてバカらしいわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カゲ「何言ってんだ?コイツ」

幽香「さぁ、私には理解できないわ」

夾竹「なんか厨二病っぽい」

理子「無理しない方がいいよ」

霊夢「友達いるの?」

咲夜「お嬢様………」

 

 

 「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」

 

 

レミリアは泣き出す

 

 「ただ、かっこいいこと言いたかっただけなのにぃ」

 

 「それより意味が変じゃない」

 

 「そうだな、まるで王がいて下僕みたに制しているみたいじゃない」

 

 「はは、そうだな。その通……り……」

 

そこで言葉を止める

気づいた、いや思い出した

そうだ、そうなんだ

 

 「ああ、ありがとうレミリア!!」

 「え?ええ??」

 

席を立ちすぐ部屋に向かう

扉を勢いよくあけ本を机の上に置く

そしてペンダント(王の財宝)を本の上に押し付ける

 

 

 

 

 

 

 

 『カゲヨシ、武器とは人々に平等を与えてくれる。そう初代様は言ったんだ』

 

やけにすごい言葉だな

ようするにこういう事だ

力がない地位が低い人たちに武器を持たし上の人間に抗い力に対して力を持ち対等になる、ということだ

 

 『でもその武器に振り回されてはいけないよ。それこそ()下僕(・・)の関係のようになるのが望ましいよ。カゲヨシはその資格と素質があるんだよ。お前なら本を開けられるはずだよ。必要なのは二つそれと王である証拠。だから二つともいつか渡すよ絶対に』

 

まるで

そうすれば本が開けられる用な言い方だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「俺に従え!俺が王だ!!!」

 

本はまるでそれを認めたかのように光りだした

 

 『スキャッグス家の血筋、王の存在を確認しました』

 

 

 『魔道書(grimoire)、ウェッポンマスターを起動します』

 

 

 『おかえりなさい、我王よ』

 

 

 

本は光を放つのをやめた

 

 「やった……!」

 

そして緊張の糸が切れたのか、それとも疲労していたのだろうか

俺の意識はそこで途絶えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はっと目を覚ます

今までの疲れが嘘のように取れている

ここは病室か

 

 「あ、起きたのね」

 

霊夢だった

 

 「何日寝ていた?」

 「一日弱ね」

 

 「そうか」

 

俺はとなりに置いてある服に気づきカーテンを閉めて服を着替える

霊夢をそれに気づいたのか病室を出る

俺もさっさと着替えて部屋にもどる準備をする

はやく本が読みたいのだ

ちなみに中にどんな事が書いてあるのか気になる

あの悪魔の銃、スキャッグスがどのように作られたのかを知りたい

 

そして部屋の前にたどり着く

だが中から物音がする、霊夢か?

あいつは確かに勝手に部屋に入るからな

扉を開ける、そこには

 

 「あ、おかえりなさい。部屋を片付けておきましたよ」

 

そこには見知らぬ女性がいた

整った顔立ちをしていて俺と同じ歳だろうか?

長いスカートの黒いメイド服を着ている。赤いリボンが目立つ

そして綺麗な俺と同じ色の髪、情熱的な真っ赤

東方ではこのキャラは確か小悪魔とかいうキャラだったな

こんなキャラまで出てくるのかよ

 

 「ってかどちら様?」

 

 「え?あ、そうでしたね。私は魔道書、ウェッポンマスターの司書をしています。なにとぞよろしくお願いします」

 

 「え?」

 

 「この本はカゲヨシ様が起動させたのですよね?」

 

 「あ、ああ。そうだな」

 

なんだがよくわからんが

この本は俺が動かしたのは間違いないだろうな

 

 「私はこの本の一部でありプログラムなのです。この本は見かけによらずページ数が多いのです。それこそ無限に増えていきます。なので読みたい場所を瞬時に広げたりページを整理するハイスペックな存在が必要となったのです。それが私です。ちなみにこうやって実体化させることも可能なのです」

 

 「ほぉ……。随分とすごいこともできるんだな」

 

素直な感想だ

それより本を確認しよう

本の表紙を掴む。すると今まで硬かったのがなかったかのように開く。ああ、これができるまでどれだけ苦労したことか。

 

 「主、目から涙が、」

 「いやいいんだ」

 

 「それよりどこか読みたい場所があるんですか?」

 

 「ああ、そうなんだけど」

 

 「少々お待ちを」

 

そう言い残すと彼女は本に消えていった

すると

 

 『調べたい事を申してください』

 

 「へ?」

 

 『ここです。私は今本の中にいるのです。これがちなみに元の状態ですね』

 

こんなものを作った

初代スキャッグスの当主って、どんだけ天才なんだよ

 

 「じゃあ、スキャッグスの製造方法を」

 

 『武器の種類や詳細はありますか?』

 

 「いや基本だけでいい」

 

 『かしこりました』

 

バラバラバラ

一瞬でページが動きめくれていく

そして途中でそれが止まり

タイトルに「スキャッグスの製造方法:基本」

と大きく書いてある

 

おお、これは便利だな

 

よし

これからだ

なんだかやっとスタートラインに立てた気がする

もしかしたら夢のスキャッグス家の復活も夢じゃないのかもな

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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