No.479173 外史を駆ける鬼 ゼロの使い魔編(単発)2012-09-03 02:09:09 投稿 / 全7ページ 総閲覧数:2361 閲覧ユーザー数:2262 |
外史を駆ける鬼 ゼロの使い魔編(単発)
ここはトリステイン王国。
時代の文化的には1600頃のフランスぐらい・・・そう、時代の文化的には。
この異世界では魔法が主流となっており、ドラゴンがいれば、一つ目玉の化物もいる。さらに月も二つもある様な、ファンタジーな世界。
そして、魔法が使えるものは貴族、使えない者は平民。
もちろん使えない者も貴族になれないわけではないが、余程の手柄を立てない限りなるのは難しい。それぐらい魔法が主流なのである。
そのトリステイン王国にある、トリステイン魔法学院。王都トリスタニアからは馬で2時間ほどかかる(徒歩では2日)。
本塔とその周囲を囲む壁、それと一体化した5つの塔(この世界の魔法の象徴、水・土・火・風、そして虚無を表す)からなる。長い歴史を誇る由緒正しい魔法学校で、魔法をはじめメイジに必要とされる様々な教育を行う。
※メイジとは簡単に言えば魔法使いである。今回は単発で、説明が面倒臭いのでこの辺で。
その学院の一室に、立てば膝下まであろうかと言うぐらい長い、口周りから伸びた立派な白髭とロン毛の白髪の老人が、肘を付き、指を絡めて、絡めている指に頭を押し付けて座って悩んでいる。
彼の名前はオスマン。その風格と年齢から”オールド・オスマン”と呼ばれ、周りから慕われている。
この学院の学院長であり、偉大な魔法使いである。
オスマン「ふむぅ・・・やはり戦争が始まってしまっては、生徒の身を守る為にもアンリエッタ女王の好意も無下に出来ぬのじゃが・・・」
この時トリステインはアルビオンとの戦争に向けて本格的に始動し始めており、その為、学院の男子生徒は戦争に駆り出され、学院には女だけとなってしまっていた。
???「まぁ、戦争ですから。素直に好意を受け入れようとしましょう。・・・・・・それにしても、派遣されてくる兵士にうちの学院の女生徒を訓練させるとは、これはアンリエッタちゃんの指示なのか。それとも別の誰か・・・か」
オスマンの解答に答えた足元すれすれまで伸びる長い布のフードに身を包んだ男は、我らが外史の探求者、鬼のShigemasa・T・Kgemura(TはTanatos)。
オスマン「シゲマサ君、王女様を”ちゃん”付けなど。うらやm・・・いや!けしからん!」
重昌「大丈夫ですよ。元教育係なんで・・・それより、女生徒に訓練を与える事についてですよね?」
オスマン「そ、そうじゃった!コルベール先生は猛反対じゃったぞ。『学院に戦争はいらない』と」
コルベール先生とは、この学院の教師の一人。
重昌「しかしアンリエッタちゃんの好意を無駄には出来ない。生徒にも戦争の無残さについて学んでもらう為に、私が推したのですが・・・」
彼・・・重昌は自分の巡った世界の戦争だけで話をしている訳ではない。この世界の戦争にも幾らかは介入し、その時の経験で話している。どの世界でも、殺し合いだけは酷い。
重昌「王国には、私の顔も効きます。訓練は私の授業の時間を使って貰いましょう。他の授業には迷惑はかけさせません。間違いが起こらないように、私も出席しますので」
重昌はこの世界に来て十数年か経っており、彼は各地を転々としては、いろんな国でそれなりの地位を獲得し、今は学院の教師として働いている。教科はエルフ学と平和学、時に魔法が使えない時の護身術。
オスマン「苦労をかけてスマンのぉ」
重昌「いやいや、好きでやっている事ですから。それでは、次授業なので」
彼はそう言い残し、学院長室を出ていく。
重昌「{今回の戦争、何か謀略があるに違いない。あのアンリエッタちゃんが戦争を始めるまで追い込まれるとは、何か臭う。まぁ、これはこれ。気には止めておいて、今は生徒の事だけ考えればいい。アンリエッタちゃんが送りこんだということは、大方自分の親衛隊の一部であr}「陛下の命令と言っているだろうが。聞こえんのか?」ん?この声は?」
彼が向かっていた教室では、自分の見知っている者の声が聞こえてきた。
重昌が向かおうとしていた少し前の教室内。
教室内では炎のメイジの使い手、コルベール先生の授業が行われていた。
コルベール「つまり、物質によってはより高温でなければ燃えない物もあり」
コルベールが説明していると、一人の生徒が挙手をする。
コルベール「はい。ミス・モンモランシ、質問かね?」
モンモランシー「先生。このような授業をしている間に、戦争は起こっているのですよ。私達はこれでいいのですか?」
この質問にコルベールは少し苦い顔をして答える。
コルベール「いいですか。貴女達は学生です。こんな時だから、今だから学ばなければなりません。戦争の無残さは重昌先生の”平和学”でよく教わっているはずです」
モンモランシーはそう言われると素直に座る。
彼女の気持ち的には”自分の恋人が戦っているのに、自分はこれでいいのか?”と言う思いで質問したのだが、重昌の名前を出されては座るしかなかった。
恐らく彼(重昌)も同じことを言ったと思ったからだ。
それは同じ気持ちであったクラスの女子全員が納得するほど、重昌の授業の効果は大きかった。
だが教室にずかずかと銃士の一団が入って来た。
コルベール「きき、きみたちは、な、なんだね?」
彼は訪ねるが銃士の団は無視し、銃士長と思わしき金髪のショートカットの女性が話し出す。
彼女の名前はアニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン。アンリエッタの腹心をつとめており、今回学院に派遣された。
アニエス「女王陛下の銃士隊だ。陛下の名において諸君らに命令する。これより授業を中止して軍事教練を行う。正装して中庭に整列」
コルベール「なんだって?授業を中止する?ふざけるな」
アニエス「私とて子守などしたくないが・・・・・・。これも命令でね」
この言葉に彼はキレた。
“残り15分は私に与えられた生徒を学ばさせる時間だ。『戦争ごっこ』は持ち込むな”と。
しかし彼のこの言葉も悪かった。
”戦争ごっこ”と言った言葉にアニエスは食いつき、コルベールの喉元に剣を突き付けた。
アニエス「教練を”ごっこ”とな?本職を愚弄する気か?こちらがメイジではないと舐めているのか?それに私はメイジが嫌いだ。特に”炎”を使うメイジがな」
コルベールは両手を上げて脚が震えているが、次の瞬間・・・
重昌「この馬鹿者がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
教室の扉をブチ破り、重昌が飛び込んで来ては、目にも止まらぬ速さで、アニエスに強烈な拳骨を見舞いする。
彼女はその衝撃で床にめり込んでしまう。
重昌「全く。陛下直属銃士隊も随分偉くなったものだな。アンリエッタちゃんが泣くぞ」
いきなりの出来事に教室全体が呆気に捕らわれるが、銃士隊の面々は直ぐに我に返り、銃や剣などを構える。
銃士隊兵「た、隊長!この、無礼者が!」
重昌「遅い!」
教室にいる銃士隊は5人。この全員を重昌はCQC一本で全員床に叩きつける。
アニエス「し、シゲマサ様」
重昌「本当に全く。アンリエッタちゃんはこんな無理やりな命令をしたのか?これがお前の独断なら、養父として悲しいよ」
銃士隊兵1「養父・・・だと・・・?」
銃士隊兵2「そ、それに”シゲマサ”と言えばどこかで・・・」
アニエス「お前たち、手を出すな!このお方は陛下直属銃士隊の立役者、 Shigemasa・T・Kgemura(影村・タナトス・重昌)様だ!今の貴様達が束になっても敵う相手ではない!」
アニエスの言葉に銃士隊達の面々は、顔を蒼白させ、その人物を思い出したかの様に片膝を付き、膝を付き頭を下げて礼を尽くす。
重昌「さて、アニエス。任務を全うすることは、言い事だが。まず学院長室に行き、学長のオールド・オスマンに挨拶が最初ではないのか?礼を損ねるとは、それでも騎士か?私はその様に育てたか?」
アニエス「そ、それは・・・」
黒い笑顔で話す重昌に対し、アニエスは蛇に睨またリスの様にビクビクする。
重昌「それから、君が炎エイジを嫌いで、苦手としているのはよく知っている。だがな・・・この人はお前の敵(かたき)か?」
少し間が空いた時に、重昌の表情が変わり、笑顔が消え彼女を睨みつける。
その光景は、まるで悪戯した子供を、親が叱りつける光景の様であった。
アニエス「い、いえ、それh「どうなんだ?」・・・まだ判ってもいないのに刃を突き付けました」
重昌「無抵抗な人間に刃を突き付けるのは”騎士道”としては?」
彼は敢えて”騎士道”という単語を強調して、彼女にしたことの”重さ”を痛感させる。
アニエス「・・・邪道です」
重昌「それならば、取るべき行動は?」
彼の言葉を聞き、アニエスはコルベールの前に立ち、頭を下げて謝罪した。
重昌も養父としてコルベールに謝罪する。彼(コルベール)は頭を下げる2人を慌てて制する。
重昌「心配しなくとも貴様達の教練の時間は、私の授業を全て使い行うがよい。多くの兵を育て上げた私も同伴する。これで文句はあるまい?だが、本来行われるべき授業時間と延長で10分伸びてしまった授業、休憩時間、計25分は教練時間より削る。判れば貴様達は、とっとと学院長室に挨拶に行け!」
銃士隊「「「はっ!!」」」
銃士隊は慌てて教室から出て行き、学院長室に向かう。
重昌「先生、申し訳ございませんでした。それでは授業を続けて下さい」
コルベール「あ、は、はい」
重昌は改めてコルベールに謝罪し、教室を出て行く。
重昌「{それにしても、まさか直属の隊を寄越すとは。それほど生徒達を鍛えたい事でもあるのか?それとも、ただ邪魔だったのか?何かあるのか?これは調べてみる必要があるな}」
そして物語は新たなる展開に進んでいく。
ヤーヤー皆さん。
今回単発でゼロの使い魔外伝を書いてみましたが、まだ本格的に書く予定もありません。
もしかすると、企画倒れって事もありますww
時代の文化のレベル設定は、原作者さんが『三銃士』を元にしているぐらいなので、こんなものかな?と思いまして。
最近アニメを制覇して、ラノベを読んでいるところです。
ハマるの遅い?大丈夫だ、問題ない(`・ω・´)キリッ
もし書くにしても、ラノベも読んでないのに書くのは失礼に当たりますしね。
あ、ISはちゃんと読みましたよ。打ち切りEDは残念。オリジナルでもいいから再開しないかな?
とりあいず、これからもよろしくww
See you next time.
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あくまで単発です。企画倒れはあるかもですww
( ^ω^)_凵 どうぞ